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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900252 審決 商標
異議2014900210 審決 商標
異議2014900102 審決 商標
異議2014900186 審決 商標
異議2014900208 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1300786 
異議申立番号 異議2014-685007 
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-27 
確定日 2015-02-06 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1163548号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1163548号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1163548号商標(以下「本件商標」という。)は、「MEDIA METRIX」の欧文字を横書きしてなり、2013年(平成25年)5月17日に国際商標登録出願、第35類「Information services,namely,the monitoring of use and tracking of trends in the computer hardware,software and communications industry.」を指定役務として、平成26年1月6日に登録査定、同年3月7日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第568045号商標(以下「引用商標」という。)は、「MEDIAMETRIE」の欧文字を横書きしてなり、2011年(平成23年)12月13日に国際商標登録出願(事後指定)、第35類「Statistical work or preparation of statistics,namely compilation of statistics;business inquiries;advertising services;commercial or industrial management assistance and advice;collection and processing of statistical data,particularly computer processing,statistical analysis services,particularly with regard to data concerning media audiences and other data;opinion polling;market studies,market research and analysis.」及び第38類「Communication services on all media,including press and information agencies;collection and provision of news and information;radio,telephone,telegraph and telematic communications;sending,transmission of mail and messages;all services for informing the public and professionals in the media,particularly transmission,collection,by telematic means or by any other means,of data and information regarding media audiences and popularity.」を指定役務として、平成26年5月2日に設定登録されたものである。
第3 登録異議申立ての理由
申立人は、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
1 商標法第8条第1項該当性について
(1)指定役務について
本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務のうちの第35類「business inquiries;commercial or industrial management assistance and advice;collection and processing of statistical data,particularly computer processing,statistical analysis services,particularly with regard to data concerning media audiences and other data;opinion polling;market studies,market research and analysis.」と類似する。
(2)需要者等について
取引の実情等をみると、本件商標が使用されている役務の需要者・取引者(以下「需要者等」という。)と、引用商標が使用されている役務の需要者等とがともに外国語を日常的に使用する専門家であることは、以下の事実から明らかである。
申立人は、欧州共同体商標第001270792号「MEDIAMETRIE」(甲第13号証)を有しているが、本件商標の商標権者であるcomScore,Inc. (以下「商標権者」という。)が、フランスで当該欧州共同体商標の商標権を侵害する行為を行ったとして、2012年にパリ地方裁判所に訴訟を提起した(甲第15号証)。この訴訟の判決文において、申立人と商標権者は、両者の需要者等(以下「関係需要者等」という。)は両者が提供する役務のいずれをも利用するメディア分析等の専門家であること、及び両者は同じウェブサイト視聴率測定業界での競合企業であることを認めている。
ここで、申立人は、下記2(1)で述べるように、フランスの著名な公式視聴率調査会社であり、関係需要者等の範囲には、ウェブサイト視聴率測定(個別のサイトごとを対象とするもの及び他サイトとの比較をするもの)に関心を持つ世界中の専門家が含まれる。申立人は英語等で役務を提供しているが、メディアの国際化により、我が国においても、メディア分析等の専門家は、一般的な需要者等よりも頻繁に英語を使う傾向があると考えるのが妥当であるため、関係需要者等の範囲に含まれるといえる。
そして、引用商標の指定役務中、第35類「collection and processing of statistical data,particularly computer processing,statistical analysis services,particularly with regardto data concerning media audiences and other data;opinion polling;market studies,market research and analysis」(以下「申立人役務」という。)は、ウェブサイト視聴率測定に密接に関連するものであり、本件商標の指定役務もウェブサイト視聴率測定に密接に関連するものであるが、上記のように我が国の専門家も関係需要者等に含まれているところ、これら関係需要者等が、申立人と商標権者とが提供する役務のいずれをも利用していることは、上記判決文のとおりである。したがって、本件商標の指定役務の需要者等の範囲は、引用商標の指定役務の需要者等の範囲と一致し、ともに外国語に日常的に接している専門家であるといえる。
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 外観について:本件商標は、同書同大の欧文字「MEDIA METRIX」を一般的な書体で左横書してなり、引用商標は、同書同大の欧文字「MEDIAMETRIE」を一般的な書体で左横書してなるものである。本件商標の語と引用商標の語は同様の構成態様であり、両商標は比較的長い綴りのうち、需要者等が注意を払い難く見過ごし易い最後のわずか一文字が相違するにすぎず、両商標を一見した程度であれば、末尾の文字の相違は見過ごしがちであるため、構成全体における外観的印象は非常に紛らわしく、両商標は外観上近似したものであるといえる。
イ 称呼について:本件商標からはその欧文字に相応して「メディアメトリクス」(又は「メディアメトリックス」)の称呼を生じるのが自然である一方、引用商標からはその欧文字に相応して「メディアメトリエ」との自然な称呼を生じる。両商標の差異は、7音ないし9音という比較的長い音数のうち、語尾における「クス」(又は「ックス」)と「エ」との音の差に過ぎない。そして、当該差異音はともに弱音であり語尾に位置するために一層弱い発音となり、明確に聴取されるとはいい難いことから、この音の差が称呼全体に及ぼす影響は極めて小さく、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調及び語感が相似たものとなり、彼此聞き誤るおそれがある。
ウ 観念について:上記1(2)で述べたように、本件商標の指定役務の需要者等は、日常的に外国語に頻繁に接していると考えられる。したがって、仮に語尾の違いに気づいたとしても、本件商標が英語的な語であり引用商標がフランス語的な語であるとの認識を容易に得るものと考えられる。
具体的に見ると、引用商標は、語尾が「E」で終わっているため、外国語に親しみを持つ者にとってはフランス語の女性名詞的な語と理解されるところ、後半の「METRIE」は、英語の「-metry」に対応するフランス語の接尾辞であり、「MEDIAMETRIE」全体では「メディアの測定法」、「メディアの測定」ほどの意味合いを想起させる造語となっている。一方、本件商標の「METRIX」は、外国語に親しみを持つ者であれば「METRICS」の表音上のバリエーションと捉えられることができ、「MEDIA METRIX」全体では「メディアの測定基準」、「メディアの測定」といった類似の観念を生じさせる造語である。
そして、下記2(1)で述べるように、申立人は、世界的に著名なフランスの公式視聴率調査会社であり、引用商標は、申立人の略称として周知著名となっていることから、本件商標の指定役務の需要者等は、引用商標が主であり、本件商標が従であると容易に把握すると考えられる。そうすると、本件商標は、フランス語起源の引用商標の最後の「E」を「X」に置き換えたに過ぎない英語版の派生語であり、同じような意味を持つものと捉えられることは明らかである。
したがって、外国語に接する機会が多く、ウェブサイト視聴率測定業界に馴染みの深い両商標の指定役務の需要者等が、本件商標を引用商標の英語版の派生語と捉えるのは、ごく自然である。
エ 以上のように、両商標は、語尾の「E」と「X」が相違するに過ぎず、外観において近似し、称呼において類似する。また、仮に本件商標の指定役務の需要者等が両商標の語尾の相違に気づいたとしても、特に、取引の実情等をみると、当該需要者等は外国語に接する機会が多く、両商標はともに「メディア」、「測定」との関連性を有することから同じような意味を持つ語と捉え、また、引用商標は申立人の略称として周知著名になっていることから、引用商標が主であり、本件商標が従であると認識し、本件商標は引用商標の英語版の派生語であると把握すると考えられる。
したがって、本件商標がその指定役務に使用された場合に需要者等に与える印象、記憶、連想は、引用商標と同じものであると認められ、役務の出所につき混同を生じるおそれがある類似の商標であることは明らかである。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
本件商標は、以下の理由から、周知著名である引用商標に類似するものである。又は、本件商標は、申立人の業務に係る役務と混同を生じるおそれがあるものである。
(1)引用商標の周知著名性について
ア 「MEDIAMETRIE」の語は、申立人であるフランスの著名な公式視聴率調査会社Mediametrie(「M」及び「m」の次の「e」は、アクサンテギュ記号を有している。)社の略称の英語版「Mediametrie」の欧文字を全て大文字にしたものである。申立人は、1985年にフランスで設立され、2009年には、調査会社売上高世界ランキング22位となるくらいの大規模企業となっている(甲第3号証)。また、同社は、欧州における主要なテレビ視聴率調査会社の一つに数えられている(甲第4号証)。これらの事実から、引用商標が、少なくとも本件商標の国際登録日当時、調査・分析の分野で世界的に著名な商標であったことがわかり、その状態は現在においても継続している。
イ 我が国においては、例えば、経済産業省、独立行政法人日本貿易振興機構及び日本放送協会 放送文化研究所等、日本の相当数の公的又は半公的機関が、申立人が提供したデータを利用している(甲第5号証ないし第7号証)。
このことは、少なくとも本件商標の国際登録日当時、申立人が信頼性のある調査会社として評価が高く、我が国の調査・分析の分野で引用商標が著名であったことを証明している。そして、本件商標の指定役務と、申立人の主要業務である調査・分析の分野は親近性が非常に高いため、本件商標の指定役務の需要者等が引用商標を知らないはずがなく、当該需要者等の間で広く知られていたものと認められる。
(2)類似性及び混同のおそれについて
本件商標が、引用商標と類似することは、上記1で述べたとおりである。
また、上記のとおり、本件商標の指定役務と申立人の主要業務である調査・分析の分野は親近性が非常に高く、密接な関連性があるといえる。さらに、我が国においても、本件商標の指定役務の需要者等は、一般需要者等よりも外国語に接する機会が多く、特に英語には頻繁に接していると考えられる。そして、上記した引用商標の周知著名性により、引用商標が主であり、本件商標が従であると認識し、本件商標は引用商標の英語版の派生語であると把握すると考えられる。すると、本件商標がその指定役務に使用されるときは、申立人と何らかの関係を有する者、例えば、英語使用国のグループ会社の英語名称であると誤認を生ずるおそれがあることは明らかである。
(3)以上のとおり、本件商標は、周知著名である引用商標に類似するものであり、商標法第4条第1項第10号に該当する。また、仮に類似するといえないとしても、本件商標は、申立人の業務に係る役務と混同を生じるおそれがあるものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について
本件商標は、以下の理由から、周知著名である引用商標にただ乗りし、その信用・名声及び顧客吸引力を希釈化しようとする意図をもって登録されたものであり、公序良俗に反するもの又は他人の周知商標と類似で不正の目的をもって使用をするものに該当する。
また、本件商標は、フランスの著名な公式視聴率調査会社の名称を想起させるものであり、商標権者がその指定役務について登録することは、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがある。
(1)我が国又は外国における周知著名性
ア 上記2(1)で述べたように、引用商標は、我が国において周知著名である。
イ フランスは、調査分野における市場規模で世界第4位であり(甲第3号証)、それゆえ引用商標は、少なくとも本件商標の国際登録日当時、フランスにおいて非常に著名で誰もが知る商標となっており、その状態は現在においても継続している。
また、上記2(1)で述べたように、申立人は世界のトップ調査会社の一つであり、欧州における主要なテレビ視聴率調査会社の一つであるため、引用商標は、少なくとも本件商標の国際登録日当時、調査・分析の分野で世界的に著名となっていた。
さらに、申立人は、100を超える国・地域でテレビ視聴率データを提供するEurodata TV Worldwide社を傘下に置いているため(甲第8号証)、引用商標は、国際的な調査の分野においても著名な商標となっている。
以上のとおり、引用商標は、少なくとも本件商標の国際登録日当時外国でも周知著名であったことは明らかであり、現在でもその状態が継続している。
(2)類似性及び混同のおそれについて
本件商標が、周知著名商標「MEDIAMETRIE」と類似すること及び役務の出所の混同を生じるおそれがあることは、上記1及び2で述べたとおりである。
(3)ただ乗り又は希釈化の意図、及び不正の目的
ア 上記1で述べたように、本件商標は、周知著名商標「MEDIAMETRIE」の派生語と把握されるものである。このことは、商標権者が、引用商標の著名性にただ乗りし、引用商標自体に化体した信用・名声及び顧客吸引力を希釈化しようとする意図をもって登録されたものであることを顕著に示している。
イ 欧州共同体商標出願第000678789号「MEDIA METRIX」(甲第9号証)は、申立人が、混同のおそれを理由として異議を申立てた後、クーリングオフ期間中の和解により、1999年9月16日に取下げられている(甲第9号証及び第10号証)。このことは、本件商標が周知著名商標「MEDIAMETRIE」と混同を生じるおそれがあることを、商標権者が国際商標登録出願日より前に知っていたことの証左である。
ウ 欧州共同体商標出願第002038453号「JUPITER MEDIA METRIX」(甲第11号証)は、申立人が、混同のおそれを理由として異議を申立てた後、クーリングオフ期間中の和解により、2002年12月13日に取下げられている(甲第11号証及び第12号証)。このことは、「MEDIA METRIX」に「JUPITER」という語を付した構成であっても、周知著名商標「MEDIAMETRIE」と混同を生じるおそれがあることを、商標権者が国際商標登録出願日より前に知っていたことの証左である。
エ 上記イ及びウで述べた事実にも拘らず、商標権者は、自身のフランス語等のウェブサイトにおいて「Media Metrix TM」等の表記を行い、オンラインでの視聴率測定等の役務を提供していた。このため、申立人は、フランスにおいて、商標権者に対し、2011年11月4日付で警告書を送付した。これに対し、商標権者は、即刻、自身のウェブサイトの修正を行い、「Media Metrix」という表記を全て削除して、申立人の商標「MEDIAMETRIE」と誤認を生じさせないようにすると約束した(甲第14号証)。
しかしながら、この約束が守られなかった。このため、申立人は、上記1で述べたように、2012年7月23日に、商標権者の行為が、欧州共同体商標第1270792号「MEDIAMETRIE」(甲第13号証)の商標権侵害に該当するとして、パリ地方裁判所に訴状を提出した(甲第15号証)。このように訴状が提出された後に、商標権者は、商標「MEDIA METRIX」を国際登録出願し(国際登録第1163548号として登録されている)、日本を指定する領域指定を行っている。このことは、商標権者が、本件商標を、不正の目的を持って日本で使用しようとしていることの証左である。
(4)上記のように本件商標と引用商標は類似し、また、本件商標の指定役務と、申立人の主要業務である調査・分析の分野は親近性が非常に高く、しかも、引用商標は世界的に著名な商標である。したがって、本件商標に接した需要者等は、商標権者が提供する役務が、申立人によって提供されていると誤認混同するおそれがある。
このように本件商標は、フランスの著名な公式視聴率調査会社の名称を想起させるものである。したがって、当該会社と何らの関係もない商標権者が、その指定役務について私的独占使用の目的をもって採択し登録することは、国際商業道徳に反するというべきであって、公正な取引秩序を乱すおそれがあるばかりでなく、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがあるといわざるをえない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項、同法第4条第1項第10号、同項第15号、同項第7号又は同項第19号のいずれかに該当し、登録を受けることができなかったものである。
よって、本件商標の登録は、上記理由に基づいて取消されるべきものである。
第4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人は、申立人がフランスの著名な公式視聴率調査会社であり、引用商標は、申立人の略称を英語版の欧文字で表したものであって、申立人の略称として周知、著名である。また、調査分析の分野では世界的に著名な商標であり、さらに、我が国においても周知、著名となっている旨主張している。
そこで、申立人の主張及び証拠を検討するに、申立人であるMediametrie社は、1985年にフランスで設立された法人であり(甲第4号証)、100を超える国・地域でテレビ視聴率データを提供するEurodata TV Worldwide社を傘下に置いていること(甲第8号証)が認められる。そして、社団法人日本マーケティングリサーチ協会によれば、同社は、2008年において、調査会社売上高世界ランキング22位(全世界での売上金額が85.4百万US$)であること、本社、子会社のある国の数は1であること(甲第3号証)が認められ、また、独立行政法人日本貿易振興機構の「欧州における主要なTV視聴率調査会社の国別一覧」(2010年3月)によれば、同社は、フランスの会社としてあげられている2社のうちの1社であること(甲第4号証)が認められる。
以上によれば、申立人がフランスの主要な視聴率調査会社の1つであることは、うかがい知ることができる。
しかしながら、申立人提出の甲各号証によっては、2008年の売上高は把握できるものの、その他の年の売上高を正確に把握できないこと、本国及び諸外国における市場占有率など他社視聴率調査の調査状況との比較ができないこと、調査方法、調査地域などの調査の規模が不明であること、Eurodata TV Worldwide社による引用商標の使用状況等も不明であることなどを総合勘案すると、申立人が視聴率調査会社として世界的に周知、著名であるということはできず、また、引用商標が申立人の略称として、あるいは、調査分析の分野において世界的に周知、著名であるということもできない。
また、申立人は、我が国においては、例えば、経済産業省、独立行政法人日本貿易振興機構及び日本放送協会放送文化研究所が、申立人が提供した調査データを利用していたこと(甲第5号証ないし第7号証)を証拠として、我が国の調査分析の分野で引用商標が周知、著名である旨主張しているが、経済産業省等が申立人の提供したデータを使用したことのみをもってしては、引用商標が周知、著名であるとはいえず、他に我が国における引用商標に係る取引や広告宣伝などの実情が不明であるから、引用商標が、申立人役務を表示するものとして、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることもできない。
さらに、職権をもって調査するも、引用商標が、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国において周知、著名性を獲得したと認めるに足る事情も見出すことができない。
してみれば、引用商標が、申立人の役務を表示するものとして、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、我が国及び諸外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「MEDIA METRIX」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「メディアメトリックス」の称呼を生じ、また、特定の意味を認識させない一種の造語と認められるものであるから、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「MEDIAMETRIE」の欧文字を横書きしてなるところ、その該構成文字に相応して「メディアメトリー」及び「メディアメトリエ」の称呼を生じ、また、特定の意味を認識させない一種の造語と認められるものであるから、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
本件商標と引用商標の外観とを比較すると、両者の構成は上記ア、イのとおりであって、本件商標は、「MEDIA」と「METRIX」との間にスペースがあることから、欧文字2語からなるものと看取されるのに対し、引用商標は、欧文字1語からなるものと看取されることからすれば、両者は異なる文字からなるものと把握、認識され、異なった印象を与えるものといえるから、外観において相紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標から生じる「メディアメトリックス」の称呼と引用商標から生じる「メディアメトリー」及び「メディアメトリエ」の称呼とを比較すると、両者は、「メディアメト」の音を共通にするものの、語尾において「リックス」と「リー」又は「リエ」の音の差異を有するものであるから、十分聴別することができ、称呼において相紛れるおそれのないものである。
そして、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において、比較することができず、相紛れるおそれがあるとはいえないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)商標法第8条第1項該当性について
本件商標は、引用商標とは、その指定役務が同一又は類似のものであるとしても、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、商標法第8条第1項に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の役務を表示するものとして、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできないものであり、また、本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するということはできない。
また、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというべきであり、当該役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について
申立人は、本件商標は、周知、著名である引用商標にただ乗りし、その信用・名声及び顧客吸引力を希釈化しようとする意図をもって登録されたものであり、公序良俗に反するもの又は他人の周知、著名商標と類似で不正の目的をもって使用をするものに該当し、また、本件商標は、フランスの著名な公式視聴率調査会社の名称を想起させるものであり、商標権者がその指定役務について登録することは、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがある旨主張する。
しかしながら、上記(1)及び(2)のとおり、引用商標が本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時に我が国及び外国において周知性を獲得していたとは認められず、また、本件商標と引用商標とは非類似の商標というべきものであるから、商標権者が我が国において本件商標をその指定役務について権利を取得することが、引用商標の著名性にただ乗りし、引用商標自体に化体した信用・名声及び顧客吸引力を希釈化しようとする意図をもって使用するなど、不正の目的があるということもできず、さらに、商取引の秩序を乱すおそれがあるとも、国際信義に反するともいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当しない。
(6)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号並びに同法第8条第1項に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-02-02 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W35)
T 1 651・ 271- Y (W35)
T 1 651・ 4- Y (W35)
T 1 651・ 22- Y (W35)
T 1 651・ 25- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 林 圭輔 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 中束 としえ
原田 信彦
登録日 2013-05-17 
権利者 COMSCORE, INC.
商標の称呼 メディアメトリックス 
代理人 山田 強 
代理人 廣田 美穂 
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