• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X03091418242528
審判 一部申立て  登録を維持 X03091418242528
審判 一部申立て  登録を維持 X03091418242528
審判 一部申立て  登録を維持 X03091418242528
審判 一部申立て  登録を維持 X03091418242528
管理番号 1300785 
異議申立番号 異議2013-685025 
総通号数 186 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-06-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-12-16 
確定日 2015-03-02 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1106013号商標の商標登録に対する登録異議の申立て(申立番号01及び02)について、審理の併合のうえ、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1106013号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1106013号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、2011年2月5日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成23年)6月17日に国際商標登録出願、後掲のとおり、商標登録原簿に記載された第3類、第8類、第9類、第11類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第28類、第35類、第36類、第39類、第41類、第42類及び第45類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年7月25日に登録査定され、同年9月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(1)登録第1563347号商標(以下「引用商標1」という。)
商標 :別掲2
登録出願日:昭和54年11月9日
設定登録日:昭和58年1月28日
指定商品及び指定役務:第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第6類「金属製のバックル」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」
(2)登録第1580368号商標(以下「引用商標2」という。)
商標 :別掲2
登録出願日:昭和54年11月9日
設定登録日:昭和58年4月27日
指定商品及び指定役務:第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」
(3)登録第1598757号商標(以下「引用商標3」という。)
商標 :別掲2
登録出願日:昭和54年11月9日
設定登録日:昭和58年6月30日
指定商品及び指定役務:第9類「眼鏡」及び第14類「時計」
(4)登録第1632490号商標(以下「引用商標4」という。)
商標 :別掲2
登録出願日:昭和54年11月9日
設定登録日:昭和58年11月25日
指定商品及び指定役務:第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」
(5)登録第1706744号商標(以下「引用商標5」という。)
商標 :別掲2
登録出願日:昭和54年11月9日
設定登録日:昭和59年8月28日
指定商品及び指定役務:第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」
(6)登録第4458598号商標(以下「引用商標6」という。)
商標 :別掲2
登録出願日:平成12年3月23日
設定登録日:平成13年3月9日
指定商品及び指定役務:第9類「携帯電話機用ストラップ及びケース・その他の携帯電話機の部品及び附属品及びその他の電気通信機械器具,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知器,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」
(7)登録第3351064号商標(以下「引用商標7」という。)
商標 :別掲3
登録出願日:平成7年12月14日
設定登録日:平成9年10月9日
指定商品及び指定役務:第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」
(8)登録第3365190号商標(以下「引用商標8」という。)
商標 :別掲3
登録出願日:平成7年12月14日
設定登録日:平成9年12月5日
指定商品及び指定役務:第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて」
(9)登録第4015319号商標(以下「引用商標9」という。)
商標 :別掲3
登録出願日:平成7年12月14日
設定登録日:平成9年6月20日
指定商品及び指定役務:第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用叉は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式叉は機械式の道路標識,火災報知機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置」
(10)登録第4015320号商標(以下「引用商標10」という。)
商標 :別掲3
登録出願日:平成7年12月14日
設定登録日:平成9年6月20日
指定商品及び指定役務:第18類「合成皮革及びその他の皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」
(11)登録第4015321号商標(以下「引用商標11」という。)
商標 :別掲3
登録出願日:平成7年12月14日
設定登録日:平成9年6月20日
指定商品及び指定役務:第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
なお、これらをまとめて、以下「引用商標」という場合がある。
3 異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第3類、第9類、第14類、第18類、第25類及び第28類(申立番号01)並びに第24類(申立番号02)について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、申立番号01においては、甲第1号証ないし甲第77号証を提出し、申立番号02においては、甲第1号証ないし甲第53号証を提出した。
なお、以下に記載する甲号証の番号は、申立番号01のものである。
(1)具体的理由
ア 引用商標の周知著名性について
(ア)申立人について
申立人は、高級ファッションブランドとして世界的に周知・著名である「GUCCI」を運営する企業である。
「GUCCI」ブランドは、もともとは革製品や馬具を扱う店として、1921年にイタリアのフィレンツェで、グッチオ・グッチ(GUCCIO GUCCI)によって創業された(甲13、甲14)。革職人が創り出すハンドメイドの高級革製品は、その質の高さから好評を博し、「GUCCI」は徐々に高級ファッションブランドとしての地位を確立し、現在では世界的に著名なブランドと認知されていることは周知の事実と考える。
「GUCCI」ブランドは、2006年に創立85周年、2011年には創立90周年を迎えた。また、2006年11月3日には銀座に旗艦店をオープンしたが、これを伝えるファッション誌の記述「モードの雄としてファッション界を牽引し続けるグッチの最新ショップが、満を持して銀座に誕生!」(甲15)からも、「GUCCI」ブランドの世界的な周知・著名性をうかがい知ることができる。
現在に至るまで、申立人の「GUCCI」ブランドは、竹を持ち手に使用したバンブーバッグや、ビットモチーフを使用した靴であるビットモカシン、「GG」のロゴを使用したキャンバス地のトート等、数々の人気商品を生み出し続け、現在ではバッグ、靴、ベルト等の革製品の他、被服、サングラス、時計、宝飾品、香水等、広くファッション関連商品を手がける世界的な高級ブランドとして、変わらぬ人気を誇っている。
なお、我が国においては、申立人の関連日本法人である株式会社ケリングジャパン(2013年から。以前は、株式会社グッチグループジャパン)が、「GUCCI」店舗の運営を行っている。
(イ)申立人による引用商標の使用状況について
引用商標は、いずれも申立人ブランドの創設者である「グッチオ・グッチ(GUCCIO GUCCI)」の名に因んで、2つの「G」の文字を結合させた態様からなる。
具体的には、引用商標1?引用商標6は、肉厚の「G」(左側)と、これを反転させた文字(右側)を、向かい合わせに重ね合わせて交差させた、左右対称の図形からなる。引用商標7?引用商標11は、肉厚の「G」(左側)と、これを上下逆さにした文字(右側)を、向かい合わせに交差させた図形からなる。
(ウ)売上(我が国への輸出額)
甲第61号証?甲第64号証として、申立人が2006年から2011年までの間に、引用商標を使用した上記商品を我が国に輸出した額をまとめた、申立人作成に係る表を提出する。
甲第61号証によれば、2006年から2011年の間(但し、一部の商品は2006年から2008年までの間)に、申立人が株式会社グッチグループジャパン(当時)宛に輸出した、第18類に係るバッグの総額は、14,293,601ユーロであり、現在のレート(1ユーロ=141.34円)では約20億2025万7565円である。また、財布の総額、1,899,175ユーロ、約2億6842万9395円である。
さらに、第25類に係るネクタイ及びスカーフに関する2007年、2008年及び2009年の輸出額は、101,717ユーロ、約1,438万円である。さらに、第25類に係る履物の2008年の輸出額は59,944ユーロ、約847万円である。
その他、第14類に係るブレスレットの2006年及び2007年の輸出額は、2,773ユーロ、約39万円、第28類に係るぬいぐるみ(テディベア)の2008年の輸出額は、5,869ユーロ、約83万円である。
なお、甲第61号証のリストは、引用商標を使用した商品の一部に関する輸出額であり、これがすべてではない。上述のとおり、申立人は、引用商標を使用した商品を、我が国において「GUCCI」ブランドの店舗を運営している株式会社グッチグループジャパン(当時)に対して輸出しており、株式会社グッチグループジャパン(当時)は、これらの商品を我が国における「GUCCI」店舗で独占的に販売した(但し、香水等の第3類の商品や、サングラス等の第9類の商品は、他小売店でも販売されている)。よって、申立人が我が国に輸出したこれらの商品は全て、その後に我が国の「GUCCI」店舗にて販売されたと考えることが妥当且つ自然である。即ち、少なくとも甲第61号証の輸出額以上の売り上げが、我が国の「GUCCI」店舗においてあったことは、明白である。
(エ)雑誌掲載
申立人に係る商品は、常にファッション業界で注目されており、たびたびファッション誌にも紹介されている。引用商標1を使用したバッグが、女性ファッション雑誌に紹介された。
特に、「Grazia 2006年12月号」(甲15)は、2006年11月の銀座「GUCCI」旗艦店オープンを特集した記事であるが、旗艦店オープンの限定商品に引用商標1が使用されたバッグが販売されている。
このことからも、いかに引用商標1が、「GUCCI」ブランドにおいて重要な位置づけであるか、いかに引用商標1が需要者において「GUCCI」ブランドのロゴとして広く認知されているか、うかがい知ることができると考える。
(オ)以上から、申立人の引用商標が、各種ファッション関連商品、特に眼鏡やサングラスといったアイウエア、及びハンドバッグ等のかばん類について、本件商標の国際登録日及びその優先日前に、我が国において周知・著名になっていたことは明らかである。
イ 商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標及び引用商標の構成
本件商標は、肉厚の「G」の文字を左回りに45度回転させた文字(右側)と、これを反転させた文字(左側)を、向かい合わせに重ね合わせて交差させた、左右対称の図形からなる。
引用商標1?引用商標6は、肉厚の「G」(左側)と、これを反転させた文字(右側)を、向かい合わせに重ね合わせて交差させた、左右対称の図形からなる。
引用商標7?引用商標11は、肉厚の「G」(左側)と、これを上下逆にした文字(右側)を、向かい合わせに交差させた図形からなる。
(イ)本件商標と引用商標の類否について
このように、本件商標と引用商標は、いずれも欧文字「G」字状の図形を向かい合わせに一部を重ね合わせて交差させている点で、構成の軸を一にするものである。特に、本件商標と引用商標1?引用商標6は、左右対称である点でも共通しており、一見して「G」字状の図形が、向かい合わせに配された左右対称の図形、という印象を看者に強く与える。
確かに、本件商標は黒塗りの「G」をモチーフとしており、引用商標は黒線で書された「G」(中は白色)をモチーフとしている点で異なるが、上述のとおり、引用商標の実際の使用態様に鑑みれば、実際の使用態様においては、実質的にこのような差異点は見られないため、当該差異点によって両商標が区別可能と考えることはできない。
また、本件商標における「G」は、下部は交差しているが上部は交差していない点で、上下ともに「G」が交差している引用商標1?引用商標6とは異なる。あるいは、本件商標における「G」は左右が反転しているが、引用商標7?引用商標11における「G」は、天地が反転している点で、両者には差異がある。しかしながら、両商標は、いずれも「G」字状の図形が向かい合わせに一部を重ね合わせて交差している点で共通しているため、一見してその外観の特徴が近似している。
それに加え、本件商標の指定商品に含まれ、かつ申立人の「GUCCI」ブランドに係る引用商標がその著名性を獲得している「眼鏡,かばん類」等のファッションブランドの商品分野では、商品自体が比較的小さいものであり、あるいはこれに付される商標の大きさも必然的にそれほど大きくはないこと等を考慮すると、このような差異点により両商標を判別することは難しいといえるから、両商標は全体とし看者に近似した印象を与えるというべきである。
さらには、上述のとおり、引用商標は、申立人が現に使用している商標であり、「GUCCI」ブランドの「GGマーク」として、需要者の間で、少なくとも「眼鏡,かばん類」においては周知・著名となっているものである。このような周知・著名性をも考慮すると、同じ「G」字状の図形を向かい合わせに一部を重ねて交差させるという構成の共通点とも相まって、両商標は外観上相紛らわしい商標と考えられる。
次に、観念及び称呼について検討するが、引用商標は、いずれも2つの「G」字状の図形をモチーフとしており、これは申立人に係る「GUCCI」ブランドの創設者である「グッチオ・グッチ(GUCCIO GUCCI)」の名前に由来したマークであることから、引用商標からは「GGマーク」の観念及び称呼が生じ得る。
一方、本件商標においても同様に2つの「G」字状の図形をモチーフとしていることから、「GGマーク」の観念及び称呼が生じ得るのであるから、両者は観念及び称呼上も相紛らわしいものである。
以上から、本件商標と引用商標は、外観、観念及び称呼上、相紛らわしい類似の商標と考えることが妥当である。
(ウ)小括
以上から、本件商標は、当該国際登録日及びその優先日前の商標登録出願に係る申立人の引用商標に類似する商標であって、その指定商品と同一又は類似する指定商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
ウ 商標法第4条第1項第15号について
(ア)商標法4条1項15号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断される(最高裁平成10年(行ヒ)第85号 同12年7月11日第三小法廷判決、民集54巻6号1848頁参照)」と解されている。
これを本件についてみると、上述のとおり本件商標は、周知著名な引用商標と、外観上その構成の軸を同一にするものであり、かつ「GGマーク」という称呼及び観念も共通するから、両者の類似性の程度は極めて高い。
(イ)以下に、本件商標の申立に係る指定商品について検討する。
a 第3類
一般的に高級ファッションブランドが、かばん類や被服等の他に、化粧品や香水等を販売していることは、周知の事実と思われる。よって、少なくとも申立人に係る引用商標が周知・著名となっている「眼鏡,かばん類」等のファッション関連商品と、第3類の商品は、その取引者、需要者や販売場所が共通する。さらに、いずれの商品も、使用者(需要者)が自己のファッション(外見やスタイル等)をお洒落に装うために使用される商品という点で、その目的も共通している。よって、両商品は、その関連性の程度が高いといえる。
b 第9類、第14類、第18類及び第25類
本件商標の第9類、第14類、第18類及び第25類の指定商品は、何れもファッション関連商品であり、申立人をはじめとする世界的に著名な高級ファッションブランドが、これらの商品(サングラス、眼鏡、アクセサリー類、かばん類、被服、靴等)を展開していることは、我が国において周知の事実であると考える。
よって、これらの類に関する本件商標の指定商品は、少なくとも申立人の引用商標が周知・著名となっている「眼鏡,かばん類」の分野に属する商品、あるいはこれと関連性が高い商品である。
c 第24類
昨今、高級ファッションブランドが、寝具用布製品や、テーブル用リネン製品等を「HOME」等のカテゴリーにて展開することが一般的に行われている。例えば、「Bottega Veteta」「Hermes」「RALPH LAUREN HOME」等である。また、「GIVENCHY」「CELINE」「NINA RICCI」等の高級ファッションブランドが、我が国においてはライセンス商品としてタオル等の布製品を販売しており、このような商品についてはギフト製品としての需要が根強いことは、周知の事実である。
d 第28類
昨今、高級ファッションブランドが、子供服や子供用品を展開することが一般的に行われている。例えば、「Burberry」や「Dior」等である(甲70、甲71)。また、申立人の「GUCCI」ブランドも例外ではなく、子供服を販売しており(甲72)、関連製品としてぬいぐるみも販売している(甲58?甲60)。
さらに、高級ファッションブランドが、スポーツ関連の商品を展開することも一般的に行われている。例えば、「Chanel」のバドミントンラケット(甲73)や、「Hermes」の馬具等である(甲74)。ここで、申立人の「GUCCI」ブランドや「Hermes」は、馬具を扱うブランドとして発祥したという経緯があり、このような高級ブランドの成り立ちを考えると、高級ファッションブランド商品と、馬術を含むスポーツ用品とは、関連性が高いといえる。
以上の点から、高級ファッションブランドに係る商品(例えば、申立人の引用商標が周知・著名となっている「眼鏡,かばん類」)と、第28類のおもちゃやゲーム用品、スポーツ用品は、関連性が高いと考えられる。
(ウ)以上の事情を総合的に判断すると、本件商標がその指定商品に使用された場合、需要者等は、「G」字状の図形を向かい合わせに一部を重ねて交差させるという構成の共通点に着目して、当該商品が申立人の製造販売する商品であると誤認する可能性は極めて高いといえる。
また、申立人は、引用商標の他にも、永年にわたり、「G」字状の図形を向い合せに配置する構成の図形を使用しており(例えば、甲22?甲25、甲27?甲30)、商標登録もしている(甲75?甲77)。このように、申立人の「GUCCIブランドは、数パターンの「GG」マークを使用しており、これらは需要者の間で周知・著名となっている。このような事情に鑑みれば、同様に「G」字状の図形を向い合せにした本件商標が使用された場合、あたかも申立人の新しい「GG」マークであるかの如く需要者等に認識され、出所の混同を生じるおそれが高い。
さらに、これらファッション関連商品の分野においては、商品自体がさほど大きくない場合があり、かつ商標がワンポイント的に商品に付されることも多々あるため、わずかな差異点により図形商標を区別することが困難な場合も多いと考えられる。
(エ)小括
以上のとおり、本件商標の指定商品と申立人業務に係る商品の特殊性や共通性、本件商標と引用商標の類似性等を考慮すると、本件商標が第3類、第9類、第14類、第18類、第24類、第25類及び第28類の指定商品に使用された場合、需要者等は当該商品が申立人の業務に係る商品である、あるいは申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務にかかる商品であると、出所の混同を生じるおそれが極めて高い。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
エ 商標法第4条第1項第19号について
(ア)本件商標は、周知著名な申立人の引用商標と類似する。また、引用商標は、申立人が日本国内のみならず、海外においても使用しており、少なくとも「眼鏡,かばん類」について周知著名になっていると考えられる。
本件商標の権利者であるGerry Weber International AGは、ドイツ法人であり、ドイツを中心にアパレル業を営んでいる会社である。
したがって、権利者は、ファッションブランドとして世界的に周知・著名となっている「GUCCI」ブランド、並びに申立人が「眼鏡,かばん類」について使用し、世界的に周知・著名となっている引用商標を、本件商標の国際登録日(及び優先日)時に当然知っていたと考えられる。
(イ)小括
以上から、引用商標に類似する本件商標は、申立人の「GUCCI」ブランドや、引用商標の顧客吸引力へのただ乗り希釈化といった不正の目的を持って出願されたものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
(2)結語
以上のとおり、本件商標は、第3類、第9類、第14類、第18類、第24類、第25類及び第28類の商品について、商標法第4条第1項第11号、第15号又は第19号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲1のとおり、太線で描かれた4分の3程の円形を二つ左右対称に重ねて表し、それぞれの太線の上部から下方向に伸びた線が、逆の円形の上向きの太線の端と向かい合うように描かれた構成からなる図形である。
他方、引用商標は、いずれも2つのGの文字の組み合わせからなるところ、引用商標1?引用商標6は、別掲2のとおり、白抜きで表された2つの「G」の文字を左右対称に組み合わせた構成からなるものであり、引用商標7?引用商標11は、別掲3のとおり、白抜きで表された一方の「G」の文字を180度回転させたものを組み合わせた構成からなるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標が申立人の主張するように、肉厚の「G」の文字を左回りに45度回転させた文字(右側)と、これを反転させた文字(左側)を、向かい合わせに重ね合わせて交差させた、左右対称の図形からなるものと説明し得る場合があるとしても、その構成からは、直ちに、左回りに45度回転させた「G」の文字(右側)と、これを反転させた文字(左側)からなるものとして、特定のアルファベットを想起することはできないから、本件商標は、特定の文字からなるモノグラムとみるのは困難であり、全体として、上部から「U」字状に空間を空けた左右対称の独特の構成からなる幾何図形とみるのが相当である。
これに対して、引用商標は、「G」の文字の組み合わせ方を異にするにしても、いずれも、申立人も主張しているように、2つの「G」の文字のモノグラムからなるものと理解、認識し得るものである。
そうとすれば、両者は、その構成態様を著しく異にし、図形全体から受ける視覚的印象を全く異にするものであるから、これを時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用商標からは、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、両商標は、称呼及び観念については比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「かばん(ハンドバッグ)、財布、サングラス、靴、ベルト、アクセサリー、ネクタイ」等について使用され、宣伝、広告、販売された結果、本件商標の登録出願時において、取引者、需要者の間において広く認識され、著名性を獲得しており、それが登録査定時においても継続していたと認められる。
しかしながら、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標と引用商標とは、十分に識別し得る別異の商標であるから、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められない。
してみれば、本件商標は、これを商標権者がその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標であるとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間において広く認識されている商標であるとしても、本件商標と引用商標は、上記のとおり、非類似の別異の商標である。
さらに、申立人が提出した証拠方法によっては、本件商標が不正の目的をもって使用をするものであると認めるに足る書証も見あたらない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
後掲
(本件商標の指定商品及び指定役務)
第3類「Perfumery,cosmetics,deodorants for personal use,soaps,shampoos,hair lotions,after-shave lotions,sun-tanning preparations (cosmetics).」
第8類「Razors (including cases),razors,razor blades,shaving cases,abrading instruments (hand instruments);nail files,nail scissors,individually and combined in sets,tweezers,knives,scissors,manicure sets;cutlers,forks and spoons,also made of precious metal as well as silver plated;feeding cutlery and children’s cutlery.」
第9類「Spectacles (optics),sunglasses,spectacle frames and spectacle cases.」
第11類「Lighting apparatus,lamps (electric),lamp shades (including holders),sockets for electric lights,hanging devices for lamps;sanitary apparatus and installations;torches;bedwarmers;electric blankets;hot water bottles.」
第14類「Jewellery,clocks and watches,watch bands.」
第16類「Paper,boxes of paper,table cloths of paper,table napkins of paper,cardboard and cardboard articles;printed matter,photographs,stationery,packaging material made of paper or plastics,included in this class,albums,calendars,note books,pen cases,seals and sealing wax,stamps and inking pads,writing paper,books,newspapers and periodicals,magazines,office requisites,except furniture.」
第18類「Goods made of leather and imitations of leather (included in this class),trunks and travelling bags,umbrellas and parasols.」
第20類「Furniture,mirrors,mirror frames;cases of wood or plastic;frames for paintings of wood or plastic;picture frames;coat hangers and clothes hooks,not of metal;coatstands;curtain rods,curtain hooks and rings;covers for clothing (wardrobe);mattresses,air mattresses and air cushions (each not for medical purposes);corks for bottles and closures for bottles and stoppers (not of metal);blinds (reliable curtains) of wood or bamboo (for indoor use);wickerwork;high chairs for children;safety closures and safety fittings for furniture,namely drawer locking devices,drawer stoppers,corner protectors for furniture,door stoppers,window safety fittings and refrigerator safety fittings (aforementioned goods not of metal).」
第21類「Shaving brushes,clothing stretchers,brushes (included in this class),in particular for the cleaning of clothing articles and shoes as well as for cosmetic purposes,flasks,glassware,trouser presses,trouser stretchers,insulating flasks,insulated containers for beverages,insulated containers for food,combs,comb cases,cork screws,tie presses,picnic baskets,polishing gloves,polishing leather,shaving brush holder,basting spoons for kitchen use,shoe horns,shoe trees (stretchers),soap dispensers,boot jacks,drinking vessels,drinking glasses,toothbrushes.」
第24類「Textile materials,woven fabrics and textiles,knitted fabric (included in this class);bed blankets,bed linen and bed clothes;covers for cushions,table cloths (not of paper),table runners and table linen (not of paper);sleeping bags (sheeting);curtains of textiles or plastics;curtains;linings;textiles for household use;furniture covers of plastic or textiles;protective coverings for furniture;place mats of textile;bed covers,travelling rugs (lap robes);towels of textile,napkins of textile,handkerchiefs of textile.」
第25類「Clothing,footwear,headgear.」
第28類「Games,gymnastics and sport articles,included in this class,golf bags,golf gloves,billiard balls,billiard cues,billiard tables,board games,parlour games,gold clubs,golf bags,with or without wheels,card games,Nordic walking sticks,chess games,skis,snowboards,bags especially adapted for sport articles;tennis rackets.」
第35類「Retail services or wholesale services (including teleshopping programs) for shaving cases,manicure sets,mattresses,air mattresses and air cushions (each not for medical purposes),shaving brushes,combs,comb cases,polishing gloves,shaving brush holder,shoe horns,shoe trees (stretchers),toothbrushes,towels of textile,handkerchiefs of textile,clothing articles,footwear and headgear;retail services by means of online and catalogue mail-order for shaving cases,manicure sets,mattresses,air mattresses and air cushions (each not for medical purposes),shaving brushes,combs,comb cases,polishing gloves,shaving brush holder,shoe horns,shoe trees (stretchers),toothbrushes,towels of textile,handkerchiefs of textile,clothing articles,footwear and headgear.」
第36類「Financial consultancy in particular in the film sector;capital investments in particular in the film sector;franchising,namely the procurement of financial know-how;services of a property developer,namely financial preparation of building projects;arranging of leases and rental agreements for real estate;real estate procurement for others;issue of tokens of value.」
第39類「Transport;packaging and storage of goods;transport of people and goods,in particular with motor vehicles,rail vehicles,ships and aeroplanes;arranging,booking and procuring tours,excursions and cruises;arranging of transport services;arranging,booking and procuring of tours,day trips and city trips;travel advice and escorting of travellers;parcel and goods delivery;organisation of tours,holidays and sightseeing tours;services of a travel agent (included in this class),in particular consultation and booking of tours,information on tours as well as procurement of traffic services and tours;delivery,sending and supply of newspapers and magazines.」
第41類「Sporting activities;organization of exhibitions for cultural or educational purposes;reference libraries of literature and documentary records;entertainment;presentation of live performances,party planning (entertainment),organisation of sports competitions;providing on-line electronic publications,not downloadable;modeling for artists;film and television production;publication of electronic media,in particular CDs and DVDs;production and reproduction of data,speech,text,sound and image recordings on machine-readable data carriers,in particular video tapes,CDs and DVDs;providing game via terminal unit by means of computer network;rental of cinematographic,video and television films;cinema presentations;distribution of television films;publication of books,newspapers and magazines;production of cartoon films.」
第42類「Design and creation of homepages and Internet sites;graphic design,graphic arts designing;dress designing;graphic arts designing;material testing with textiles;provision or rental of electronic storage space (web space) on the Internet;quality control.」
第45類「Licensing of intellectual property for franchising concepts;licensing of computer software;licensing of intellectual property and copyrights,in particular of trademark rights;trade with film,television and video licenses;copyright management;rental of clothing and costumes.」
別掲 【別記】



異議決定日 2015-02-25 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (X03091418242528)
T 1 652・ 262- Y (X03091418242528)
T 1 652・ 271- Y (X03091418242528)
T 1 652・ 222- Y (X03091418242528)
T 1 652・ 263- Y (X03091418242528)
最終処分 維持 
前審関与審査官 林 圭輔杉本 克治 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2011-06-17 
権利者 Gerry Weber International AG
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
代理人 志賀 正武 
代理人 柳生 征男 
代理人 富所 英子 
代理人 小暮 理恵子 
代理人 柳生 征男 
代理人 富所 英子 
代理人 青木 博通 
代理人 渡邊 隆 
代理人 中田 和博 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ