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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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異議2014900248 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1300763 |
異議申立番号 | 異議2014-900365 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2014-12-26 |
確定日 | 2015-04-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5707029号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5707029号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5707029号商標(以下「本件商標」という。)は、「Beauty Lover」の文字を標準文字で表してなり、平成26年5月2日に登録出願、第3類「せっけん類,入浴剤(医療用のものを除く。),化粧品,香料,精油,アロマオイル,薫料,キャンドル式芳香剤,スプレー式芳香剤」及び第41類「リラクゼーション・美容・ボディケア・リフレクソロジーの技芸または知識の教授及び資格認定試験の実施並びにその資格の付与,美容に関するセミナーの企画・運営・開催,美容に関する書籍の制作,美容技術コンテストの開催,美容に関する教育研修のための施設の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,電子書籍の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く),映画・演芸・演劇・音楽又は研修のための施設の提供」を指定商品及び指定役務として、同年8月22日に登録査定、同年10月3日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)に示すとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2220083号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、昭和62年5月29日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同22年6月16日に指定商品を第3類「せっけん類(薬剤に属するものを除く),歯みがき,化粧品(薬剤に属するものを除く),香料類」とする指定商品の書換登録がされているものである。 (2)登録第5121780号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年5月9日に登録出願、第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同20年3月21日に設定登録されたものである。 (3)登録第5371047号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、平成21年3月16日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同22年11月26日に設定登録されたものである。 (4)登録第5587435号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4に示すとおりの構成からなり、平成25年1月17日に登録出願、第3類「せっけん類,香料,薫料,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年5月31日に設定登録されたものである。 (以下、上記引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは、「引用商標」という場合がある。) 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中の第3類「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第25号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標と引用商標との類否について (ア)本件商標は、「Beauty Lover」の標準文字からなるものであるため、「ビューティラバー」又は「ビューティーラバー」の称呼が生じるものと考えられる(甲1)。 他方、引用商標は、その構成中の一般に称呼を特定したものとされる片仮名の存在から「ビューティラボ」の称呼が生じるものと考えられる。 そこで、本件商標から生じる「ビューティラバー」の称呼と引用商標から生じる「ビューティラボ」の称呼とを対比すると、両称呼は、印象の強い語頭部分における「ビューティラ」の音を共通にし、印象の弱い語尾部分において、「バー」と「ボ」の音が相違するのみである。 しかも、上記相違する「バ」と「ボ」の音は、50音図の同行に属する近似音であるばかりでなく、「バ」に付随して発音される長音「ー」は、独立した1音として明確に聴取され難い音であるから、語尾における「バー」と「ボ」の音の相違が称呼全体に及ぼす影響は小さく、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれが大きいものである。 したがって、両商標は、称呼上、類似するものと考えられ、このことは、過去の審決例(甲6ないし甲13)でも裏付けられる。 (イ)引用商標である「ビューティラボ」、「BEAUTYLABO」及び「Beautylabo」は、頭髪用化粧品である「ヘアカラー」について使用されている申立人の周知、著名な商標であり、この点については、特許電子図書館の「日本国周知・著名商標検索」にも記載されており、特許庁で既に認定されているものと考えるところ、参考までに、その資料(甲14ないし甲25)を提出する。 周知、著名な商標については、通常の商標以上に厚く保護が与えられており、近年、その保護が強く叫ばれていることから、後願である本件商標に対する類否判断は、当然に厳しく取り扱うべきである。 イ 指定商品又は指定役務の類否について 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品又は指定役務とは、同一又は類似のものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、上述したように、申立人の商標として広く一般に知られている周知、著名な商標であるから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 仮に、本件商標と引用商標とが類似しないとしても、両商標は、印象の強い語頭部分を共通にするものであり、しかも、印象の弱い語尾部分の相違音も、50音図の同行に属する音であって、独立した1音として明確に聴取され難い長音の有無の相違にすぎず、一連に称呼した場合には、聞き誤るおそれが大きいものであるから、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、また、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものであるから、同項第15号に違反して登録されたものである。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の第3類「化粧品」について、商標法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について 申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張並びに職権調査によれば、「Beautylabo」、「BEAUTYLABO」及び「ビューティラボ」(以下、これらをまとめて「申立人商標」という。)は、申立人の業務に係る商品(ヘアカラー)を表示するものとして、本件商標の登録出願前から現在まで継続して、需要者の間に広く認識されているものと認めることができる。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、前記1のとおり、「Beauty Lover」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、その構成に照らせば、既成の英語である「Beauty」及び「Lover」の2語からなるものと看取、把握されるものであり、その構成文字に相応して、「ビューティーラバー」又は「ビューティラバー」の称呼を生じ、「美の愛好者」程の意味合いを想起させるものである。 他方、引用商標は、それぞれ別掲1ないし別掲4に示すとおり、「ビューティラボ」の片仮名と「BEAUTYLABO」若しくは「Beautylabo」の欧文字とを二段に表してなるもの又は「BEAUTY」及び「LABO」の欧文字並びに「ビューティラボ」の片仮名を三段に表してなるものであるところ、これらを構成する「BEAUTYLABO(Beautylabo)」又は「ビューティラボ」の各文字は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、その構成文字に相応して、「ビューティラボ」の称呼及び「(ブランドとしての)ビューティラボ」の観念を生じるものと認められる。 そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両商標は、外観上、その構成全体をもって比較するときは、片仮名の有無という明確な差異があることから、容易に区別することができ、また、本件商標と引用商標の構成中の欧文字部分とを比較しても、「Lover」と「LABO」又は「labo」というつづりの差異があることから、相紛れるおそれのないものである。 また、本件商標から生じる「ビューティーラバー」又は「ビューティラバー」の称呼と引用商標から生じる「ビューティラボ」の称呼とを比較すると、両称呼は、「ティ」の音に伴う長音の有無という点で相違する場合があるほか、語尾音において、長音を伴う「バ」と「ボ」という音の差異があるところ、該差異音は、五十音図の同行に属するものではあるものの、いずれも有声の破裂音であって、明瞭に発音され、かつ、響きの強い音として聴取されるものである上、「バ」の音については、長音を伴うことにより、その音の母音「a」が余韻となることから、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は少ないとはいえず、それぞれを一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれのないものである。 さらに、本件商標は「美の愛好者」程の意味合いを想起させるものであるのに対し、引用商標は「(ブランドとしての)ビューティラボ」の観念を生じるものであるから、この点において、両商標は、観念上、相紛れるおそれのないものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはなく、ほかに、両商標が類似するとすべき特段の事情も見いだし得ないから、両商標は、非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中の第3類「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものということはできない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標と申立人商標とは、それぞれ前記1及び上記(1)のとおりの構成からなるものであるところ、両商標は、その構成態様に鑑みれば、上記(2)においてした本件商標と引用商標との類否判断と同様の理由により、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 そうすると、申立人商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から現在まで継続して、需要者の間に広く認識されているものであるとしても、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、申立人商標ないし申立人を連想又は想起するものということはできない。 してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務中の第3類「化粧品」について使用しても、取引者、需要者をして、申立人商標ないし申立人を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中の第3類「化粧品」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものということはできない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中の第3類「化粧品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 1 引用商標1(登録第2220083号商標) 2 引用商標2(登録第5121780号商標) 3 引用商標3(登録第5371047号商標) 4 引用商標4(登録第5587435号商標) |
異議決定日 | 2015-04-14 |
出願番号 | 商願2014-35310(T2014-35310) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W03)
T 1 652・ 263- Y (W03) T 1 652・ 271- Y (W03) T 1 652・ 262- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小松 里美 |
特許庁審判長 |
大森 健司 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 田村 正明 |
登録日 | 2014-10-03 |
登録番号 | 商標登録第5707029号(T5707029) |
権利者 | 株式会社生活の木 |
商標の称呼 | ビューティーラバー、ビューティラバー、ラバー |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 工藤 莞司 |
代理人 | 名古屋国際特許業務法人 |
代理人 | 浜田 廣士 |
代理人 | 小暮 君平 |