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審決分類 審判 一部無効 称呼類似 無効としない W30
審判 一部無効 観念類似 無効としない W30
審判 一部無効 外観類似 無効としない W30
管理番号 1299423 
審判番号 無効2014-890018 
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-03-26 
確定日 2015-03-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第5619629号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5619629号商標(以下「本件商標」という。)は、「じゃがポックル」の文字を標準文字で表してなり、平成25年6月6日に登録出願、第9類「業務用テレビゲーム機用プログラム,携帯電話機用ストラップ,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,印刷したくじ(「おもちゃ」を除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画」、第28類「業務用テレビゲーム機,遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,手品用具,遊戯用器具,運動用具」、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,レトルトパウチされたカレー・シチュー・みそ汁・スープ,カレー・シチュー又はスープのもと」及び第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」を指定商品として、同年10月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4222154号商標(以下「引用商標」という。)は、「ぽっくる」の文字を横書きしてなり、平成6年2月17日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同10年12月18日に設定登録され、その後、同20年11月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

第3 請求人の主張
請求人は、本件商標について、その指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 無効事由
本件商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
2 無効の原因
(1)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標は、「じゃがポックル」の文字からなるところ、「じゃが」の平仮名と「ポックル」の片仮名とからなるものであって一体性はなく、また、「じゃが」の文字は、「じゃがいも」の略とされていて(広辞苑第六版)、本件商標の指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」との関係においては、商品の原材料を表したものと認識されるのに対し、「ポックル」の文字は、造語であって、商標としての識別力を有する要部といえるものである。
そうすると、本件商標は、その要部である「ポックル」の文字に商品の原材料表示と認識される「じゃが」の文字を単に結合させたものにすぎず、かつ、両文字に一体性もないものであることから、該要部は、容易に分離されるものである。
してみれば、本件商標は、その構成中の「ポックル」の文字部分から「ポックル」の称呼を生じるものであり、また、引用商標は、その構成文字から「ポックル」の称呼を生じるものであるから、両商標は、称呼を共通にする類似の商標である。
(2)指定商品について
本件商標の指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(3)小括
上記のとおり、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、商標の構成中に「じゃが」又は「ジャガ」の文字を含むものであって、その指定商品が「じゃがいもを原材料とする菓子」などのように原材料を限定していない登録例を挙げるが、商標法第4条第1項第16号の判断基準と商標の類否判断や登録商標の要部の判断とは、直接に関係がないものと思料する。
また、被請求人による本件商標の使用に係る商品にあっては、原材料が「じゃがいも」であることをアピールしているといえ、また、「じゃが」の文字と「ポックル」の文字とを分離して二段に表示する場合もある(甲5)ことからすれば、本件商標に接する需要者は、「じゃがポックル」の文字を一連一体のものとして把握するとはいい難く、その構成中の「じゃが」の文字部分から「じゃがいも」を原材料とする菓子、パンを想起するものと考えられる。
したがって、本件商標は、「ポックル」の文字部分が要部であり、引用商標と類似するものである。
(2)被請求人は、商標の構成中に「ポックル」又は「ぽっくる」の文字を含むものの併存登録例を挙げるが、それらは個々の事情等により類否判断がなされたものであって、本件審判の請求における判断とは関係のないものと思料する。
(3)請求人は、最近まで、被請求人の求めに応じて、引用商標について通常使用権を許諾していた(甲6ないし甲8)。被請求人が、本件商標と引用商標とが類似しないものと考えているのであれば、上記のような使用許諾を求める必要はないことから、これは、被請求人において、両商標が類似すると判断してその許諾を求めたものと思料する。
また、被請求人は、本件商標が周知著名性を獲得している旨主張するが、この点についても、請求人が引用商標について使用許諾をしたことから実現できたことであり、商標法第3条第2項の規定に係る周知著名性の獲得とは背景を異にする。
(4)請求人は、九州地方を中心に、菓子を始めとする多くの食品を販売する業者であるところ、菓子について、平成19年から「おいもぽっくる」の商標を使用しており、該商品は、自己のホームページや「ぽっくる市場」(http://www.pockle.co.jp/)で販売しているほか、宮崎空港や福岡空港でも販売しており(甲9ないし甲12)、その販売実績は年間約3万個に及び、広範囲にわたって周知となっており、人気のある商品として、ブランドが確立している。
また、請求人は、少なくとも菓子について、「ぽっくる農園」や「POCKLESTORE」の商標を使用していることから、「ぽっくる」の商標は、周知性を獲得している。
そして、本件商標「じゃがポックル」と上記「おいもぽっくる」とは、菓子について使用する点で共通しており、また、商標の要部である「ぽっくる」も共通することから、本件商標と既に広く流通している「ぽっくる」とは、類似するものであり、商品の出所について混同を生ずるおそれのあるものと思料する。
4 むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本件商標の登録は、上記第30類に属する指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、同法第46条第1項の規定により、無効とされるべきものである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 本件商標と引用商標とが非類似であること
(1)本件商標は「じゃがポックル」の文字を標準文字で表してなるものであるのに対し、引用商標は「ぽっくる」の文字を横書きしてなるものであるから、両商標が外観において類似するものでないことは、明らかである。
また、本件商標は、その構成全体として、特定の意味合いを有しない造語からなるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念上、類似するものではない。
さらに、本件商標は「ジャガポックル」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は「ポックル」の称呼を生ずるものであるところ、両称呼は、全体の構成音数や、音調、音感が著しく異なるため、互いに類似するものでないことは明らかである。
(2)請求人は、本件商標について、平仮名の「じゃが」と片仮名の「ポックル」とから構成されており、その構成中の「じゃが」の文字部分が「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」の原材料である「じゃがいも」の略であって、普通名称であるから、その要部は造語である「ポックル」の文字部分であり、本件商標と引用商標とは、「ポックル」の称呼を共通にする類似の商標である旨主張する。
しかしながら、本件商標は、標準文字で「じゃがポックル」と2つの語が軽重の差なく一体に連結されており、その構成全体から生ずる「ジャガポックル」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであるから、その構成中の「ポックル」の文字部分のみが、需要者等に強く支配的な印象を与える構成要素として、分離観察されるとすべき理由はない。
また、仮に、需要者等が、「じゃが」の文字から「じゃがいも」を想起する場合があるとしても、本件商標「じゃがポックル」は一連不可分の造語であるから、その構成中の「じゃが」の文字部分を原材料表示として認識するとはいえず、よって、該文字部分から出所識別標識としての称呼、観念を生じ得ないとはいえない。
2 出所の混同の不存在について
本件商標は、2003年(平成15年)6月に発売した被請求人の製造、販売に係る北海道地方限定販売のポテトチップスのブランドであり、北海道土産の定番商品の周知著名商標といえるものである(乙1ないし乙5)。該商品の昨年1年間の店頭売上高は、50億円を超えるものであり、また、現在では、需要者の要望に応じて、別途、全国向けの通信販売も行っており、本件商標は、北海道土産の人気ブランドとして、有数の知名度を誇っている。
上記本件商標の使用実績、周知著名性獲得の事実等といった取引の実情に鑑みても、本件商標は、一連一体の「じゃがポックル」として需要者に認知されていることから、引用商標との関係において、商品の出所について混同を生ずるおそれは全くない。
3 本件商標の指定商品の一部が引用商標の指定商品と非類似であること
請求人は、平成24年1月をもって改正された類似商品・役務審査基準を根拠として、本件商標の指定商品中の「サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」と引用商標の指定商品である「菓子及びパン」とが互いに類似すると主張しているものと推察されるところ、該審査基準は何ら法的拘束力を有するものではないから、両商品間の類似性についての立証責任は、請求人が負うものというべきである。
4 「じゃが」の語を含む商標の登録例等
請求人は、本件商標の構成中の「じゃが」の文字部分について、「菓子」等の商品との関係においては原材料表示として認識されるにすぎない旨主張するが、商標の構成中に「じゃが」又は「ジャガ」の文字を含むものであって、その指定商品が「じゃがいもを原材料とする菓子」などのように原材料を限定していない登録例が多数ある。これに本件商標の文字構成及び周知著名性を併せみれば、本件商標の構成中、恣意的に「じゃが」の文字部分の識別力を捨象する解釈は成り立たない。
また、商標の構成中に「ポックル」又は「ぽっくる」の文字を含むものであって、「菓子」等の同一又は類似の商品を指定商品とするものが、併存して登録されている例もある。
5 請求人と被請求人との間で締結された契約内容とその終了について
(1)請求人は、甲第6号証ないし甲第8号証を提出して、最近まで、被請求人の求めに応じて、引用商標について通常使用権を許諾していた旨主張する。
確かに、被請求人は、本件商標を安全に使用するために、請求人(正しくは、請求人が契約上の地位の移転を受けるまでの前契約の当事者である「エーケーエム株式会社」及び請求人。以下、両者を合わせて「請求人等」という場合がある。)に対してその使用の許諾を求めていたが、被請求人と請求人等との間で締結された契約は、商標法第31条に定める通常使用権許諾契約ではなく、単なる不争合意契約(商標権の権利不行使契約)であり、また、契約条項中に「じゃがポックル」の商標登録出願を禁止する定めもなかった。
上記事実は、被請求人と「エーケーエム株式会社」との間で2011年(平成23年)5月31日まで有効であった「商標使用権許諾契約書(写し)」(乙6)によって立証されるところ、これは、請求人の提出に係る甲第8号証「契約上の地位の移転に関する確認書」の前文に記載されている「原契約」に当たるものである。
(2)本件商標については、被請求人と請求人等との間で、「2003年(平成15年)6月1日付け締結の契約書」(甲6)、「2005年(平成17年)6月1日付け締結の契約書」(乙6)及び「2011年(平成23年)6月1日付け締結の契約書」(甲7)(以下、それぞれ「2003年契約書」、「2005年契約書」及び「2011年契約書」という。)の3つの契約が締結されていた。
しかし、甲第4号証から明らかなとおり、2003年契約書及び2005年契約書の締結日における引用商標の商標権者は「株式会社モンドール・サガ」であり、両契約書における一方当事者である「エーケーエム株式会社」が「株式会社モンドール・サガ」から一般承継により引用商標の商標権を取得した時期は定かではないものの、商標登録原簿上、該商標権の移転登録申請が行われたのは平成20年(2008年)10月17日であるから、そもそも両契約書は、商標権者ではない者が一方当事者として締結した契約であり、無効である可能性が高い。
また、請求人等は、商標「じゃがポックル」についての商標登録を受けておらず、被請求人に対し、商標法第31条に定める通常使用権の許諾をすることは不可能であるから、上記3つの契約は、いずれも商標権者が、被請求人による「じゃがポックル」の商標使用行為について、商標権を行使しない旨の合意と解釈すべきである。
(3)被請求人は、本件商標の使用を開始するに当たり、無用の法的紛争を避けるべく、2003年契約書の締結を求めたが、本件商標が引用商標に類似するとの認識に基づいて契約交渉を行ったわけではない。該契約書における「使用許諾期間」が2003年(平成15年)6月1日から1年間であって、契約期間の更新条項もないのは、当時、本件商標の使用に係る商品が販売を開始したところで、販売終了の可能性があったためであり、該契約書については、更新をするための修正契約が締結されることなく、2004年(平成16年)5月31日に契約期間が終了している。
上記したように、被請求人と請求人等との間で締結されていた契約は、何ら本件商標と引用商標との類似性を前提とするものではなく、まして、本件商標の商標登録出願を禁ずるものでもない。
なお、2011年契約書については、平成26年1月20日に、被請求人の担当者と請求人の代表者とが話し合った際に、「被請求人が商標をとることについて異議申立ては行わない。」旨の意思表示を得るとともに、その契約の終了についても口頭による合意が成立していることから、該契約書も同年5月31日をもって法的効力を失っているものである。
6 本件商標の周知著名性について
請求人は、本件商標の周知著名性は請求人との契約により実現できたことであるなどと主張するが、上述のとおり、被請求人と請求人等との間で締結された契約は商標法上の通常使用権許諾契約ではないから、請求人による主張は、その前提を欠くものであるし、仮に該契約が商標法上の通常使用権許諾契約であったとしても、それゆえに本件商標が無効とされるべき理由はない。
7 引用商標の周知性
請求人は、引用商標が周知性を獲得している旨主張するが、仮にその主張内容が事実であるとしても、その程度の使用実績では、全国に流通し得る賞味期間の長い菓子の商標について周知性を獲得していると認められないことは明らかであり、また、仮に九州地方においてある程度の知名度があったとしても、本件商標の全国的知名度とは、およそ比較にならないものである。
8 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではなく、同法第46条第1項の規定により、無効とされるべきものではない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否について
商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号 同43年2月27日第三小法廷判決)、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号 同38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号 同5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号 同20年9月8日第二小法廷判決)。
2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標との類否
(ア)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「じゃがポックル」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同じ大きさ及び書体をもって、等間隔に1行でまとまりよく表されていることから、外観上、その構成中の「ポックル」の文字部分のみが独立して看者の注意をひくように構成されているということはできず、また、その構成全体から生ずると認められる「ジャガポックル」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
さらに、被請求人の製造、販売に係る「じゃがポックル」と称する北海道地方限定の商品(菓子)は、2003年(平成15年)6月に発売したとされるものであって、その後、2005年度(平成17年度)からは継続的に、北海道土産の上位に位置付けられてきたものと推認される(乙1ないし乙3)。
そうとすると、本件商標は、これに接する取引者、需要者をして、一連一体の造語からなるものとして認識されるとみるのが相当であり、その構成中に「じゃがいも」の略である「じゃが」の文字を含んでいるとしても、該文字部分が商品の原材料を表示したものとして認識されることはないというべきである。
してみれば、本件商標は、その構成全体に相応する「ジャガポックル」の称呼のみを生ずるものであり、また、特定の観念を生ずることのないものである。
(イ)引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「ぽっくる」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書類に載録された既成の語ではなく、特定の意味合いを生ずることのない一種の造語として看取、理解されるものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、「ポックル」の称呼を生じ、特定の観念を生ずることのないものである。
(ウ)本件商標と引用商標との対比
本件商標と引用商標とは、上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるものであって、その構成文字において少なからず差異があるものであるから、外観上、明確に区別し得るものである。
また、本件商標から生ずる「ジャガポックル」の称呼と引用商標から生ずる「ポックル」の称呼とは、「ジャガ」の音の有無という明らかな差異があるから、それぞれを一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生ずることのないものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。
(エ)小括
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
イ 請求人の主張について
(ア)請求人は、本件商標について、平仮名の「じゃが」と片仮名の「ポックル」とからなるものであって一体性がない上、該「じゃが」の文字は、本件商標の指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」との関係においては、商品の原材料(じゃがいも)を表示してなるものと認識されるから、商標としての識別力を有する要部は、「ポックル」の文字部分である旨主張する。
しかしながら、本件商標が平仮名と片仮名との組合せで表されているものであるとしても、上記ア(ア)において述べたとおり、その構成態様によれば、片仮名で表された「ポックル」の文字部分のみが独立して看者の注意をひくとはいい難く、また、その構成全体から生ずる称呼の容易性や「じゃがポックル」と称する商品に係る取引の実情をも併せ考慮すれば、本件商標は、取引者、需要者をして、一連一体の造語からなるものとして認識されるといえるから、上記請求人の主張を採用することはできない。
(イ)請求人は、最近まで、被請求人の求めに応じて、引用商標について通常使用権を許諾していたから、被請求人においては、本件商標と引用商標とが類似すると判断していた旨主張する。
確かに、甲第4号証及び甲第6号証ないし甲第8号証並びに乙第6号証によれば、引用商標の前商標権者である「エーケーエム株式会社」と被請求人とは、2003年契約書及び2005年契約書を締結し、また、請求人と被請求人とは、2011年契約書を締結したことが認められるが、仮に、これらが請求人等と被請求人との間における本件商標と引用商標とが類似するとの認識の下に締結されたものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、上記1において述べたとおり、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであるから、当事者間における上記各契約書の締結により、本件商標と引用商標との類否の判断が左右されることはない。
よって、上記請求人の主張は、採用することができない。
(ウ)請求人は、菓子について、「おいもぽっくる」を始め、「ぽっくる農園」や「POCKLESTORE」の商標を使用していることをもって、「ぽっくる」の商標が周知性を獲得しているとし、これと本件商標とは類似するものであって、商品の出所について混同を生ずるおそれがある旨主張する。
しかしながら、請求人の提出に係る甲各号証をみても、「おいもぽっくる」と称する商品が商品棚に展示されていること(甲9ないし甲11)及び請求人が「ぽっくる農園 POCKLE STORE」と称するオンラインショッピングサイトを開設していること(甲12)がうかがえるにすぎず、これをもって、「ぽっくる」が、請求人の業務に係る商品を表示する商標として、需要者間に周知であるとは到底いうことができない。
そして、本件商標と引用商標「ぽっくる」とが非類似の商標であることは、上記アのとおりである。
よって、上記請求人の主張は、その前提において失当である。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-01-08 
結審通知日 2015-01-14 
審決日 2015-01-30 
出願番号 商願2013-43326(T2013-43326) 
審決分類 T 1 12・ 263- Y (W30)
T 1 12・ 261- Y (W30)
T 1 12・ 262- Y (W30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 敬規
大井手 正雄
登録日 2013-10-04 
登録番号 商標登録第5619629号(T5619629) 
商標の称呼 ジャガポックル 
代理人 新保 斉 
代理人 岡村 信一 
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