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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2014416 審決 商標
不服201417668 審決 商標
不服201414491 審決 商標
不服20141353 審決 商標
平成27行ケ10171 審決取消請求事件 判例 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W05
審判 査定不服 外観類似 登録しない W05
審判 査定不服 観念類似 登録しない W05
管理番号 1298387 
審判番号 不服2014-8238 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-05-07 
確定日 2015-02-26 
事件の表示 商願2013-65263拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「麗豊」の文字を標準文字で表してなり、第5類「育毛剤,養毛剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」を指定商品として、平成25年8月22日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定商品については、当審において同26年6月6日付け手続補正書により、第5類「育毛剤,養毛剤」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次に掲げる2件の登録商標である(以下、2件の登録商標をまとめて「引用商標」ということがある。)。
(1)登録第1894848号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「れいほう」の平仮名と「レイホウ」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、昭和57年9月21日登録出願、第1類(昭和35年3月8日政令第19号をもって公布され、同年4月1日から施行された商標法施行令第1条別表に基づくもの。以下「旧分類」という。)に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録され、その後、平成8年8月29日及び同18年10月3日に商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同18年12月13日に別掲1のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2642683号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「麗峰」の文字を横書きしてなり、平成3年4月2日登録出願、第32類(旧分類)に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年3月31日に設定登録され、その後、同15年11月18日に商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同16年11月24日に別掲2のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審の判断
(1)引用商標2について
引用商標2の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成26年3月31日存続期間満了により消滅している。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標のうち、引用商標2についての拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標1について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「麗豊」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「レイホウ」の称呼を生じ、該文字は、辞書等に掲載の見受けられない一種の造語と認められるから、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標1について
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「れいほう」の平仮名と「レイホウ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「レイホウ」の称呼を生じるものである。そして、「レイホウ」と称呼される語として、「礼法」「礼砲」「霊峰」「霊宝」など(「広辞苑 第六版」岩波書店発行)の複数の語句があることからすれば、引用商標1に接する取引者、需要者が、直ちに特定の意味合いを想起するとはいい難いから、引用商標1は、特定の観念を生ずるということはできないものである。
ウ 商標の類否について
本願商標と引用商標1は、上記ア及びイのとおり、外観上の差異を有するものの、いずれも「レイホウ」の称呼を生ずるものであるから、称呼を同一にするものであり、また、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において相違するということはできない。
ところで、本願商標の構成文字「麗豊」を平仮名又は片仮名で表す場合、引用商標1と同じ「れいほう」又は「レイホウ」と表されるものであるところ、本願商標の指定商品「育毛剤、養毛剤」を取り扱う分野においては、別掲3に示すとおり、漢字とその読みを平仮名又は片仮名で表して一緒に表記することが普通に行われている実情があることからすれば、漢字とその読みを表す平仮名又は片仮名との文字種の差異が商標の類否判断に及ぼす影響は大きいとはいい難い。
そうすると、本願商標と引用商標1は、外観においては差異を有するとしても、観念において相違するものではなく、称呼上は同一のものであって、上記取引の実情を踏まえて総合的に考察すれば、互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品との類否について
本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品は、上記1及び2(1)のとおりであるところ、本願商標の指定商品「育毛剤,養毛剤」は、引用商標1の指定商品中「薬剤」に包含されるものである。
したがって、本願商標の指定商品と、引用商標1の指定商品は、同一又は類似のものである。
オ 小括
以上からすれば、本願商標は、引用商標1に類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 請求人の主張について
請求人は、商標の類否判断についての過去の登録例及び審決例等を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、請求人主張の審判決例があるとしても、本願商標とは、いずれも商標の構成及び指定商品において事案を異にするものであって、商標の類否判断が、個別かつ具体的になされるべきものであることに照らせば、それらの審決例の存在によって、本願商標と引用商標1との類否判断が左右されるものでなく、本願商標と引用商標1とは、上記のとおり、類似の商標と認められるから、請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人は、平成26年3月3日付けで、引用商標1の指定商品中「第5類 薬剤」について登録を取り消す旨の商標法第50条第1項の規定による審判(審判番号2014-300157。以下、「当該審判」という。)を請求しており、当該審判により引用商標1の指定商品中「薬剤」について、取り消される可能性がある旨主張しているが、引用商標1に係る商標登録原簿の記載によれば、当該審判について、「審決の要旨」として「不成立」の審決が確定した旨の「審判の確定登録」が同年10月2日になされていることから、この主張についても採用できない。

5 結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、登録することできない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(引用商標1の指定商品)
第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」
第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」
第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」

別掲2(引用商標2の指定商品)
第29類 「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,クロレラを主材料とする顆粒状・粒状・液状・錠剤状の加工食品」
第30類「穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,ローヤルゼリーを主材料とする粒状・粉状・顆粒状・カプセル状・液状・錠剤状の加工食品」
第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,麦芽」

別掲3 「育毛剤、養毛剤」の取り扱われる分野において、漢字とその読みを平仮名又は片仮名で表して一緒に表記している例(アンダーラインは合議体で付したもの。)
(1)「株式会社バスクリン」に係るウェブサイト
ア 「製品ラインナップ」の見出しにて、「モウガ 漲(ミナギ)」の記載があり、その商品紹介として、「効能・効果 発毛促進、薄毛、養毛、脱毛の予防、育毛、毛生促進、ふけ、かゆみ」の記載がある。
(https://www.bathclin.co.jp/products/hair/mouga_minagi/)
イ 「製品ラインナップ」の見出しにて、「モウガL 艶髪(あでがみ)」の記載があり、その商品紹介として、「効能・効果 発毛促進、薄毛、養毛、脱毛の予防、育毛、毛生促進、ふけ、かゆみ」の記載がある。
(https://www.bathclin.co.jp/products/hair/mougal_adegami/)
(2)「株式会社ディーエイチシー」に係るウェブサイト
商品紹介として「DHC薬用美髪根(びはつこん)エッセンス<発毛促進剤>」の記載がある。
(http://www.dhc.co.jp/goods/goodsdetail.jsp?gCode=22420)
(3)「株式会社ザグザグ」に係るウェブサイト
商品紹介として「加美乃素A 無香料 (200ml)/カミノモト/かみのもと」及び「フケ、カユミ、抜け毛を予防し、髪を健康に保つ、日常のお手入れ用養毛剤です。」の記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/zagzag/1506010021/)
(4)「Amazon.com」に係るウェブサイト
商品紹介として「微香性 みかんの育毛剤 『 黄金樹 120ml (おうごんじゅ)』」の記載がある。
(http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%AE%E9%A6%99%E6%80%A7-%E3%81%BF%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%AE%E8%82%B2%E6%AF%9B%E5%89%A4-%E9%BB%84%E9%87%91%E6%A8%B9-120ml-%EF%BC%88%E3%81%8A%E3%81%86%E3%81%94%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85%EF%BC%89%E3%80%8F%E3%80%90%E5%8C%BB%E8%96%AC%E9%83%A8%E5%A4%96%E5%93%81%E3%80%91/dp/B0012WZX8Y)
(5)「株式会社ライフサポート」に係るウェブ情報
「薬用育毛剤『毛髪魂マイレーベン』」の商品紹介の記事中「毛髪魂」の上部に振り仮名として「もうはつこん」の平仮名の記載がある。
(http://www.kensei-online.com/detail.php?no=59651)
(6)2014.1.20毎日新聞(東京・朝刊)7頁
「けいざいフラッシュ:女性のための育毛剤--ハーバー研究所」の見出しにて、「女性の薄毛の原因を追及した薬用育毛剤『薬用 麗豊(れいほう)』」の記載がある。
(7)2014.10.17北海道新聞(朝刊)24頁
「羅臼コンブ使い男性用シャンプー*バスクリン社長、来町しPR」の見出しにて、「女性向けの「髪姫」に対し、20日発売の薬用育毛剤「髪殿(はつとの)」(1本7980円、120ミリリットル)は男性向けで、男性ホルモンの脱毛因子をブロックする高濃度フラボノイドを含む桑根皮などを配合。」の記載がある。

審理終結日 2014-12-11 
結審通知日 2014-12-16 
審決日 2015-01-13 
出願番号 商願2013-65263(T2013-65263) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W05)
T 1 8・ 263- Z (W05)
T 1 8・ 261- Z (W05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 真鍋 伸行
中束 としえ
商標の称呼 レーホー 
代理人 北村 周彦 

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