• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201411133 審決 商標
不服201411225 審決 商標
不服201414533 審決 商標
不服201424397 審決 商標
不服201414229 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W36
管理番号 1298369 
審判番号 不服2014-10717 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-06-06 
確定日 2015-02-18 
事件の表示 商願2012-17364拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「リスク均等」の文字を標準文字で表してなり,第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成24年3月8日に登録出願されたものである。
そして,指定役務は,原審における平成25年2月5日受付けの手続補正書により,第36類「有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の売出し」に補正されたものである。

第2 原査定の理由
原査定は,「本願商標は,その指定役務との関係において,『リスクの分散を最大の目的として,投資対象資産のリスクが均等になるように配分比率を決める運用方法』程の意味合いを容易に理解させる『リスク均等』の文字を表してなるものであるから,これを本願指定役務中,前記文字に照応する役務,例えば『有価証券の売買』等に使用しても,『投資対象資産のリスクが均等になるように配分比率を決める運用方法による有価証券の売買』等であることを理解させるに止まり,単に役務の質,内容,効能を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権による証拠調べをした結果,別掲のとおりの事実を発見したので,商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,平成26年9月25日付けで証拠調べ通知書を送付した。

第4 請求人の意見
前記第3の証拠調べ通知に対し,請求人は,平成26年10月28日受付けの意見書において,要旨以下のように主張した。
1 本願商標は,意見書と同時に提出した手続補正書により,拒絶理由に該当していた指定役務を削除する補正を行った。
2 本願商標は,「リスク均等」の文字からなるところ,その構成中の「リスク」の文字に「危険。危険度。」の意味があり,「均等」の文字に「[名・形動]二つ以上の物事の間が互いに平等で差がないこと。また,そのさま。」等の意味があるとしても,「リスク均等」の文字全体は,デジタル大辞泉にも,ウィキペディアフリー百科事典にも何ら記載がなく,親しみのある語とはいえない。
本願商標は,全体として「投資対象資産のリスクが均等になるように配分比率を決める運用方法」程の意味合いを暗示させる場合が例えあったとしても,証拠調べの結果として示されたインターネット情報(以下「インターネット情報」という。)の別掲(5)及び(6)には,「リスク均等」の語の記載も示唆もなく,「リスク均等」の語の具体的な意味合いを示す記載も示唆もないことから,「リスク均等」の語が,需要者をして,本願の指定役務についての質等を直接的かつ具体的に表示したものとして一般的に理解されていることを裏付ける証拠資料足り得ないと思料する。
「リスク・パリティ」の語を記載したインターネット情報は高々4件提示できたとしても,「リスク均等」の語を記載したインターネット情報は全く提示されていないものである。
そして,インターネット情報の別掲(1)ないし(4)からは,「リスク均等」の語に接する需要者をして,本願の指定役務についての質等を直接的かつ具体的に表示したものとして一般的に理解されるとはいい難いものであり,むしろ,構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。
また,該インターネット情報からは,本願商標が,その指定役務を取り扱う業界において,役務の質等を表示するものとして,取引上,普通に採択,使用されている事実を発見できなかった。
してみれば,本願商標は,需要者に役務の質・内容等を表すものとして認識され得るものではなく,全体をもって,一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であり,これをその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を十分に果し得るものであり,かつ,役務の質について誤認を生ずるおそれもないものである。
したがって,本願商標が,商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶せんとする判断は,妥当でなく,取消しを免れない。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「リスク均等」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,「リスク」の文字は,「危険,恐れ」等の意味を有する英語の「risk」の読みを,「均等」の文字は,「平等で差のないこと。平均していること。」を意味する語であることから,「リスク均等」の文字からは,「危険が平均していること」程の意味合いを理解させるものである。
そして,本願指定役務の対象である「有価証券の売買」等について,別掲のとおりのインターネット情報(5)及び(6)のほか,ファンドが投資している「有価証券」について以下の情報がある。
(7)「三井住友アセットマネジメント」のウェブサイトにおいて,「ファンドのリスクおよび留意点」の頁において,「■信用リスク」の項目の下,「ファンドが投資している有価証券や金融商品に債務不履行が発生あるいは懸念される場合に,当該有価証券や金融商品の価格が下がったり,投資資金を回収できなくなったりすることがあります。これらはファンドの基準価額が下落する要因となります。」の記載がある。
(http://www.smbcnikko.co.jp/inv/item/pdf/risk/3962.pdf#search=’有価証券懸念投資’)
(8)「ベイビュー・アセット・マネジメント株式会社」のウェブサイトにおいて,「ファンド情報」の「投資リスク」には,「信用リスク」の項目の下,「組入れられる株式や債券等の有価証券やコマーシャル・ペーパー等短期金融商品は,発行体に債務不履行が発生あるいは懸念される場合には価格が下がることがあり,また,投資資金を回収できなくなることがあります。」の記載がある。
(http://www.bayview.co.jp/fund_info/risk/index.html)
上記のとおり,金融商品である「ファンド(投資信託)」の管理運用においては,投資する各資産(例えば,有価証券等)の値動きが,ファンド全体に与える影響(リスク寄与度)により,投資資金を回収できなくなるリスクがあり,そのリスクを,概ね「均等」とするように資産配分の調整を行なう運用方法があり,例えば,「各資産それぞれの価格変動がポートフォリオ全体のパフォーマンスに与える影響度(=リスク寄与度)がおおむね均等となるように配分比率を調整する運用戦略」(同(2)),「ファンドでは各資産の基準価額への影響度が均等となるように資産配分の調整を行ないます。」(同(3)),「リスク・パリティとは組入資産クラスにリスクを均等配分することを意味します。リスクを一部の資産に偏らないように配分すること・・・」(同(4))のように記載されている実情からすれば,「リスク」の語と「均等」の語とを一連に「リスク均等」と表した文字からは,これに接する需要者に,ファンド(投資信託)の「投資対象資産のリスクが概ね均等になるように配分比率を調整する運用方法」程を表すものと理解,認識させるものということができる。
そして,本願指定役務の対象である「有価証券」は,「私法上の財産権を表示する証券で,その権利の移転が証券によってなされるべきもの。手形・小切手・貨物引換証・船荷証券・倉庫証券・株券・債券・商品券・抵当証券の類。」(広辞苑第六版)であって,インターネット情報(5)ないし(8)によれば,上場有価証券等の売買等にあたっては,投資信託,投資証券,受益証券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式,債券,投資信託,不動産,商品等の価格や評価額の変動に伴い,上場有価証券等の価格が変動することによって損失が生じるおそれがある。
そうとすれば,「リスク均等」の文字からなる本願商標を,投資対象資産のリスクが概ね均等になるように配分比率を調整する運用方法による「有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の売出し」に使用する場合には,役務の質(内容)を表すものと理解,認識させるにすぎず,自他役務の識別標識としての機能は果たし得ないものと認められる。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は,「『リスク均等』の語に接する需要者をして,本願の指定役務についての質等を直接的かつ具体的に表示したものとして一般的に理解されるとはいい難いものであり,むしろ,構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。また,該インターネット情報からは,本願商標が,その指定役務を取り扱う業界において,役務の質等を表示するものとして,取引上,普通に採択,使用されている事実を発見できない」旨の主張をしている。
しかしながら,商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは,平成12年(行ケ)第76号(「負圧燃焼焼却炉」判決)において,「商標法3条1項3号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が,商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」旨判示されているものであり,例え,「リスク均等」の文字を記載したインターネット情報がないとしても,上記1のとおり,「ファンド(投資信託)」の管理運用においては,「投資対象資産のリスクが概ね均等になるように配分比率を調整する運用方法」による役務の提供が行われている実情がある。
そうとすれば,本願商標は,これを,ファンド(投資信託)の管理運用と関連する「有価証券」等を対象とする本願指定役務について使用する場合,取引者,需要者は,「投資対象資産のリスクが概ね均等になるように配分比率を調整する運用方法」による役務の提供であることを表すものと理解,認識するものというべきである。
よって,請求人の主張は,採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲

(1)2013年12月27日付けの損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社の「News Release」において,「日米4資産スマートバランス(愛称:きんとう君)」の設定」の見出しの下,「2『リスク・パリティ運用』を活用します。◆株式,債券の値動きがファンド全体に与える影響(リスク寄与度)」を,概ね<均等>とするように,各資産の組入比率を決定します。・・・◆組入資産の配分を均等とする資産配分固定型のファンドに比べて,リスクの低減が期待できます。」の記載がある。
(http://www.sjnk-am.co.jp/resources/95/950bf75f77323781629ed0bbbddd1f10.pdf#search=%27%E2%80%9D%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%91%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E2%80%9D+%E6%9C%89%E4%BE%A1%E8%A8%BC%E5%88%B8%27)
(2)「国際投信投資顧問 販売用資料2014.07」において,「リスク・パリティ戦略」とは」の見出しの下,「パリティには『均等』という意味があります。一般的に,『リスク・パリティ戦略』とは,各資産それぞれの価格変動がポートフォリオ全体のパフォーマンスに与える影響度(=リスク寄与度)がおおむね均等となるように配分比率を調整する運用戦略をいいます。」の記載がある。
(http://www.retela.co.jp/info/pdf/rp_open.pdf#search=%27%E2%80%9D%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%91%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E2%80%9D+%E6%9C%89%E4%BE%A1%E8%A8%BC%E5%88%B8%27)
(3)「日興AMファンドアカデミー」のウェブサイトにおいて,「Rakuyomi 楽読(ラクヨミ)vol.775」の「資産配分とリスク配分どちらに注目?」の見出しの下,「金融資産の変動が大きくなる中,様々な資産に投資するバランスファンドでは,『リスク配分』に着眼した『リスク・パリティ』という考え方を用いて資産配分を行なうファンドが増えています。・・・この課題を解決するために考え出されたのが『リスク・パリティ』に着眼したバランスファンドです。パリティとは『等価』を意味し,こうしたファンドでは各資産の基準価額への影響度が均等となるように資産配分の調整を行ないます。具体的には,資産ごとの過去の価格変動の傾向を踏まえ,価格変動の比較的大きい資産は組入れを少なくし,価格変動の比較的小さい資産は組入れを多くします。その上で,各資産のリスク配分を一定に保つため,リスクが上昇した資産を売却し,リスクが低下した資産を購入するといった資産配分の調整を行なっています。」の記載があり,「リスク配分均等(リスク.パリティ)」のイメージが掲載されている。
(http://www2.tokaitokyo.co.jp/sub/pdf/report/140313-5_nikkoamj.pdf#search=%27%E2%80%9D%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%91%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E2%80%9D+%E6%9C%89%E4%BE%A1%E8%A8%BC%E5%88%B8%27)
(4)「AC RiskParity」のウェブサイトにおいて,「『リスク・パリティ』とは,リターンよりもリスクに軸足を置いたリスク・コントロール型の資産運用手法の名称です。リスクを均等にするという概念に基づくこの歴史ある資産運用手法は,近年の金融商品市場の成熟化に伴いバランス型の分散投資と比較してもより優位な投資手法となったことにより注目が高まり,金融危機を契機に世界的に急速に普及,浸透しています。」,「Parityとは『均等』を意味します。リスク・パリティとは組入資産クラスにリスクを均等配分することを意味します。リスクを一部の資産に偏らないように配分することにより特定の資産クラスの変動に左右されにくいポートフォリオを構築することができます。これが私達が投資家の皆様にご提案する真の分散投資です。」の記載がある。
(http://riskparity.jp/about)
また,「有価証券」は,「私法上の財産権を表示する証券で,その権利の移転が証券によってなされるべきもの。手形・小切手・貨物引換証・船荷証券・倉庫証券・株券・債券・商品券・抵当証券の類。」(広辞苑第六版)であって,その取引には,損失が生じるおそれ(リスク)があることを示す,以下の情報がある。
(5)「株式会社グロースアドバイザーズ」のウェブサイトにおいて,「有価証券等についてのリスク」の見出しの下,「株価変動リスク 株価の変動により,投資元本を割り込む事があります。また,株式発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により,投資元本を割り込んだり,その全額を失うことがあります。 株式発行者の信用リスク 市場環境の変化,株式発行会社の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により売買に支障を来たし,換金できないリスクがあります(流動性リスク)。この結果,投資元本を割り込むことがあります。信用取引等 信用取引や有価証券関連デリバティブ取引においては,委託した証拠金を担保として,証拠金を上回る多額の取引を行うことがありますので,上記の要因により生じた損失の額が証拠金の額を上回る(元本評価損が生じる)ことがあります。信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により,信用取引の対象となっている株式等の価格が変動し,委託証拠金を割り込むこと,又,損失の額が委託証拠金の額を上回ることがあります。」の記載がある。
(http://www.growth-advisors.jp/risk.html)
(6)「東京フィナンシャルアドバイザー株式会社」のウェブサイトにおいて,「証券取引のリスク」の見出しの下,「株式現物取引のリスク」の「市場リスク」に「上場有価証券等の売買等にあたっては,株式相場,金利水準,外国為替相場,不動産相場,商品相場等の変動や,投資信託,投資証券,受益証券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式,債券,投資信託,不動産,商品等(以下,「裏付け資産」(裏付け資産が,投資信託,投資証券,受益証券発行信託の受益証券等である場合には,その最終的な裏付け資産を含みます。)といいます。)の価格や評価額の変動に伴い,上場有価証券等の価格が変動することによって損失が生じるおそれがあります。」の記載がある。
(http://www.financial-advisor.jp/article/13283910.html)


審理終結日 2014-12-11 
結審通知日 2014-12-15 
審決日 2015-01-07 
出願番号 商願2012-17364(T2012-17364) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W36)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 矢代 達雄 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 亨子
大井手 正雄
商標の称呼 リスクキントー、リスク、キントー 
代理人 佐藤 富徳 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ