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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z10
管理番号 1298289 
審判番号 取消2014-300077 
総通号数 184 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-04-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-02-06 
確定日 2015-02-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4642831号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4642831号(以下「本件商標」という。)は、「クレオス」の片仮名と「CREOS」の欧文字とを、上下二段に横書きしてなり、平成13年3月13日に登録出願、「医療用機械器具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」を含む第10類、第11類、第12類、第14類、第17類、第20類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年2月7日に設定登録、その後、同25年2月12日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成26年2月26日にされている。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第10類「医療用機械器具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、少なくとも、本件審判請求日前3年以内に日本国内において、上記請求に係る指定商品のいずれにも使用されていないことが判明したので、上記請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第19号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 理由の要旨
被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「医療用機械器具」について、本件商標を使用している。(1)被請求人は、各種事業を展開している企業であるが、その事業の一つとして、東京都や大阪府において、「高度管理医療機器等販売業許可証」(乙1)や「医療機器修理業許可証」(乙2)を取得しており、「医療用機械器具」である「医療用滅菌バッグ」等の製造や販売をしているので、以下、医療用滅菌バッグにおける、本件商標の使用の事実について述べることとする。
ア 乙第3号証は、特許庁IPDLの商品・役務名リストの検索結果の出力写しであるが、「医療用滅菌バッグ」が「医療用機械器具」に含まれる商品であることを立証するものである。
イ 被請求人が取り扱う「医療用滅菌バッグ」は、大きく分けて、オートクレープ滅菌(AC)とエチレンオキシドガス滅菌(EO)の兼用のもの(以下「AC/EOガス用」という。)とプラズマ滅菌用の2種類がある。
また、AC/EOガス用の医療用滅菌バッグ及びプラズマ滅菌用バッグはロール式になっていて適当な長さで切って両端をシールするロールバックタイプと、袋状になっていて一端のみをシールするワンシールバッグタイプとがある。
ウ 乙第4号証は、AC/EO用滅菌バッグのパンフレットであり、乙第5号証は、プラズマ滅菌用バッグのパンフレットである。これらのパンフレットには、左上に「Creos」の商標が記載されている。
エ 乙第6号証は、商品及び商品の包装(段ボール)の写真である。
滅菌バッグの端部や外面及び段ボールの左上にも「Creos」の商標が記載されている。
オ 乙第7号証は、各滅菌バッグの実物サンプルである。
端部や外面に「Creos」の商標が記載されている。
カ 乙第8号証は、(株)阪急阪神エクスプレスを介して「医療用滅菌バッグ」を輸入した際の通関関係の書類一式である。
「輸入通関指図書」、「INVOICE」、「PACKING LIST」では、商品名が「MEDICAL DEVICE PACKING BAG」となっており、品番との関係から本件の「医療用滅菌バッグ」に係る通関書類であることが判明される。
キ 乙第9号証は、「医療用滅菌バッグ」の国内での販売ルートを説明するものである。
ク 乙第10号証の1及び2は、代理店「サンメディックス株式会社」を介して、松本歯科大学へ販売した際の取引書類一式である。
ケ 乙第11号証の1ないし7は、代理店「株式会社カワニシ」を介して、いくつかの病院へ販売した際の取引書類一式である。
コ 以上より、乙第4号証及び乙第5号証に係る使用は、商標法第2条第3項第8号に規定する行為に該当し、乙第6号証及び乙第7号証に係る使用は、商標法第2条第3項第1号及び第2号に規定する行為に該当する。
また、本件商標は、「クレオス」と「CREOS」の二段併記で構成されており、使用に係る商標は、「Creos」の英文字のみで構成されているが、社会通念上同一というべきものである。
したがって、本件審判の登録前3年以内に、本件商標を日本国内で「医療用滅菌バッグ」に使用していたことは明らかである。
(2)まとめ
以上により、本件商標を、本件審判請求の予告登録前3年以内に、「医療用機械器具」に、被請求人が使用されていたものであり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 被請求人(商標権者)が提出した乙各号証によれば、以下の記載がある。
(1)乙第6号証は、「AC/EO用滅菌バッグ」及び「プラズマ用滅菌バッグ」の、それぞれ包装容器(段ボール箱)及び商品が表示された写真が掲載されているところ、その2枚目には、「AC/EO用滅菌バッグ スタンダードワンシールバッグ 品番:CS-10150」の見出し表示の下には、包装容器(段ボール箱)の側面に白い紙が貼られ、そこには、「Creos(以下「使用商標1」という。) 滅菌バッグ」「CS10150」「スタンダード ワンシール」「100×150/mm 1000枚」「株式会社GSIクレオス」と5段に印刷され、該包装容器の前に、ビニール梱包された商品が2個配置されている写真及びビニール梱包された商品が包装容器内に収められている写真が掲載されている。
(2)乙第7号証は、「AC/EO用滅菌バッグ」及び「プラズマ滅菌用バッグ」の商品見本が添付されているところ、乙第7号証の6の、「AC/EO用滅菌バッグ スタンダードワンシールバッグ 品番:CS-10150」の見出し表示の下にある商品見本には、上下の端部に別掲のとおりの緑色で「Creos」(以下「使用商標2」という。また、使用商標1と使用商標2をまとめていうときは、以下「使用商標」という。)の記載が認められる。
(3)乙第10号証は、被請求人と、サンメディックス株式会社(以下「サンメディックス」という。)との取引書類であるところ、乙第10号証の1には、以下のとおりの記載が認められる。
ア サンメディックスから、被請求人に宛てた2013年8月22日付けの「発注書」には、「当社発注番号 2000599592」、枠内2行目には、「商品名/規格:ワンシール/100×150 1000入/クレオス」、「品番 CS10150」、「発注数量 2箱」、「備考 松本歯科大学付属病院」と記載、手書きで「C-090300-2」及び「105074」と記載されている。
イ 被請求人からサンメディックス宛の「納品書兼請求書」には、「伝票番号 105074」、「伝票日付 2013/09/03」、「出荷No. C-090300」、「出荷日 2013/09/03」、「出荷先 松本歯科大学様向け」、「備考 2000599593,592」と記載、枠内には、「商品コード MR0100S」、「品名 CS10150 ワンシール 100×150(1000枚)」、「数量 2.000」、「単価 2,850.00」、「金額 5,700」と記載されている。
2 前記1によれば、以下の事実が認められる。
被請求人は、少なくとも平成25年8月22日にサンメディックスから、「AC/EO用滅菌バッグ スタンダードワンシールバッグ 品番:CS-10150」(以下「使用商品」という。)の発注を受け、同9月3日にサンメディックスに対し、使用商標を付した使用商品を納品し、該商品の代金の請求を行ったものと推認することができる。
3 判断
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「クレオス」の片仮名と「CREOS」の欧文字とを、上下二段に横書きで表してなるところ、使用商標1は、「Creos」と欧文字で表してなり、また、使用商標2は、別掲のとおり、緑色で「Creos」の欧文字で表してなるものであるから、本件商標と使用商標1とは、片仮名の有無及び欧文字部分の態様に差異を有し、本件商標と使用商標2とは、片仮名の有無、色彩及び欧文字部分の態様に差異を有しているが、本件商標と使用商標は、「Creos」の欧文字の綴りを共通にしており、観念において異なるところはなく、本件商標の片仮名部分は欧文字の読みを表すものといえるから、本件商標と使用商標とは社会通念上同一と認められる商標というべきである。
(2)使用者及び使用時期について
使用商標の使用者は、被請求人(商標権者)であり、その使用時期は、被請求人が商品「医療用滅菌バッグ」の発注を受け、納品し、その代金を請求した、平成25年8月22日及び同年9月3日であり、これは、本件審判の請求の登録前3年以内の日付である。
(3)使用商品について
使用商品「医療用滅菌バッグ」は、本件審判の請求に係る指定商品中、「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品といえる。
(4)小活
以上のことからすれば、被請求人(商標権者)は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の、「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品「医療用滅菌バッグ」について使用したということができる。
そして、上記使用行為は、商標法第2条第3項第2号でいう「商品に標章を付したものを譲渡又は引き渡しをする行為」に該当するものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められる商標含む。)を、その取消請求に係る指定商品中の、「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品「医療用滅菌バッグ」について、商標権者が使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(使用商標2)


(色彩は原本参照)



審理終結日 2014-09-09 
結審通知日 2014-09-12 
審決日 2014-10-03 
出願番号 商願2001-22731(T2001-22731) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z10)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
大森 健司
登録日 2003-02-07 
登録番号 商標登録第4642831号(T4642831) 
商標の称呼 クレオス 
代理人 柏 延之 
代理人 塩谷 信 
代理人 勝沼 宏仁 
代理人 高田 泰彦 
代理人 宇梶 暁貴 
代理人 宮嶋 学 
代理人 木戸 一彦 
代理人 木戸 良彦 

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