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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900210 審決 商標
異議2014900208 審決 商標
異議2014900252 審決 商標
異議2014900186 審決 商標
異議2014900102 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X010304050709101618202124252930313233
審判 全部申立て  登録を維持 X010304050709101618202124252930313233
審判 全部申立て  登録を維持 X010304050709101618202124252930313233
審判 全部申立て  登録を維持 X010304050709101618202124252930313233
管理番号 1297377 
異議申立番号 異議2013-900422 
総通号数 183 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-12-24 
確定日 2015-02-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5616746号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5616746号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5616746号商標(以下「本件商標」という。)は、「AJS」の文字を標準文字で表してなり、平成23年12月8日に登録出願、第1類、第3類、第4類、第5類、第7類、第9類、第10類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第29類、第30類、第31類、第32類及び第33類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同25年9月10日に登録査定され、同年9月20日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由及び上申の内容を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(甲第21号証の補足証拠を甲第27号証とする。)を提出した。
1 申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおり(以下、それらを併せていうときは「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第834108号商標
商標の態様 別掲のとおり
指定商品 第3類、第9類、第14類、第16類、第24類及び第26類に属する国際商標登録原簿に記載の商品
国際登録日 2004年(平成16年)7月7日
設定登録日 平成22年7月9日
(2)登録第4736462号商標
商標の態様 別掲のとおり
指定商品及び役務 第18類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
出願日 平成12年6月30日
設定登録日 平成15年12月26日

2 具体的な理由
(1)引用商標及び「AJ」単独の著名性について
引用商標は、イタリアのデザイナー、「GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)」がデザインする商品のブランドを表す商標として使用され、我が国にも多数の店舗があり、長年にわたって日本及び外国における需要者の間で広く知られている。
引用商標については、商品に使用される際、「ARMANI JEANS」の文字と組み合わせて使用される場合のみならず、「ARMANI JEANS」と分離した「AJ」単独での態様でも使用され、単独で識別力を発揮している。そのため、当該「AJ」に接する需要者は、これが使用される商品は、「ARMANI JEANS」の文字がなくてもジョルジオ アルマーニのデザインにかかる「ARMANI JEANS」ブランドの商品であることを認識している。すなわち、「ARMANI JEANS」の文字と組み合わせる基本的な態様の他に、このような「AJ」単独での使用態様を並行することにより、「ARMANI JEANS」の文字との組み合わせ商標が需要者の間に広く知られるのと同時に、「AJ」のみの商標も、需要者に広く知られるに至っている。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標に類似する商標であって、外観において極めて紛らわしく、両商標は類似商標である。また、本件商標の指定商品と引用商標は、その指定商品(役務)の一部も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
また、引用商標は、申立人の国際的な著名商標であるため、これに類似する本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)むすび
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
ア 外観
本件商標は、前記第1のとおり、「AJS」の欧文字3文字を標準文字で、同書、同大、同間隔に一連にまとまりよく表してなるものである。
このように、本件商標は、「A」、「J」及び「S」のわずか3文字のみからなる文字商標であって、このうちのいずれかの文字部分のみが、際立ったり、見落とされたりするような構成態様とはなっていないものである。すなわち、外観上、本件商標から「AJ」部分のみが分離抽出されるような構成態様であるということはできないものである。
イ 観念及び称呼
本件商標は、既成の語又は何らかの意味を表す造語であると直ちに理解させるものではないことから、特定の観念を生じないものである。また、本件商標は、その構成文字に相応して「エイジェイエス」との称呼のみが生じるものと認められるが、これ自体も決して冗長ではなく、一気によどみなく称呼し得るものである。したがって、観念上及び称呼上からみても、本件商標から「AJ」部分のみが分離抽出されるようなことはないというべきである。
(2)引用商標
ア 外観
引用商標は、別掲のとおり、高さが同じである黒塗りされた2つの四角形をごくわずかな隙間を設けて左右に隣接して配置し、その左側の四角形内には、「AJ」の欧文字を大きく白抜きで表す一方、右側の四角形内には、「ARMANI」の欧文字と「JEANS」と欧文字とを上下二段にして、「AJ」と同じ書体(なお、文字部分は、格別特徴のある書体ではない。)で、かつ、その文字の高さを合わせて、白抜きで表した構成からなるものである。また、引用商標の「AJ」部分は、「ARMANI」と「JEANS」のそれぞれの頭文字を表したものであることは容易に見て取れるものであって、商標全体としても、まとまり感のある一体的な構成態様となっている。
イ 観念
前記のとおり、引用商標の「AJ」部分は、その構成に照らせば、「ARMANI」と「JEANS」のそれぞれの頭文字を表したものと理解されるものであるところ、「ARMANI」からは、イタリアの著名なデザイナーである「Giorgio Armani」(ジョルジオ・アルマーニ)やその者に係る著名なブランドを認識させ、また、「JEANS」からは、「丈夫な細綾織の綿布。また、それで作った衣服な。」(広辞苑第6版)を意味する「ジーンズ」を認識させるものである。さらに、甲第5号証によれば、「ARMANI JEANS」は、ジョルジオ・アルマーニが手掛けるカジュアルファッションラインのブランドであることが認められる。
したがって、引用商標からは、「ジョルジオ・アルマーニのジーンズないしそのファッションブランド」といった観念を生じる。
ウ 称呼
引用商標は、その構成全体として「エイジェイアルマーニジーンズ」の称呼が生じるほか、「ARMANI JEANS」部分から、「アルマーニジーンズ」の称呼が生じるものと認められる。
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 本件商標と引用商標とを対比すると、両者の外観については、それぞれ前記のとおりであるから、大きく相違する。この点につき、申立人は、本件商標の末尾の「S」は、外観上、需要者が見落としがちな部分であるし、また、語尾の「S」は、複数形を表す際に用いられるものであって要部たり得ない部分であるから、本件商標と引用商標の「AJ」部分とを対比すれば、外観上類似する旨主張しているが、本件商標の構成態様に照らしてみれば、そのような主張は採用の限りでない。
また、両者の観念については、本件商標からは、特定の観念を生じさせないものであるのに対し、引用商標からは、「ジョルジオ・アルマーニのジーンズないしそのファッションブランド」といった観念を生じるものであるから、類似するとはいえない。
さらに、両者の称呼については、本件商標から生じる「エイジェイエス」の称呼と、引用商標から生じる「エイジェイアルマーニジーンズ」ないし「アルマーニジーンズ」の称呼とは、その構成音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、明瞭に聴別できるものである。
(4)取引の実情等
申立人が提出する全証拠によっても、取引者、需要者が、本件商標から「AJ」部分のみを分離抽出して認識し、あるいは、そのように認識しなくとも、引用商標と具体的に出所の混同が生じるおそれがあると認めるに足りる証拠はなく、両商標の類否判断に当たって考慮すべき事情は見当たらない。
(5)小括
以上によれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について
前記1(4)のとおり、申立人が提出する全証拠によっても、取引者、需要者が、本件商標から「AJ」部分のみを分離抽出して認識し、あるいは、そのように認識しなくとも、引用商標と具体的に出所の混同が生じるおそれがあると認めるに足りる証拠はなく、また、本件商標と引用商標とは、前記1において認定したとおり、何ら相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当すると認めることもできない。

3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標



異議決定日 2015-02-02 
出願番号 商願2011-88184(T2011-88184) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X010304050709101618202124252930313233)
T 1 651・ 263- Y (X010304050709101618202124252930313233)
T 1 651・ 262- Y (X010304050709101618202124252930313233)
T 1 651・ 271- Y (X010304050709101618202124252930313233)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
渡邉 健司
登録日 2013-09-20 
登録番号 商標登録第5616746号(T5616746) 
権利者 松本 光雄
商標の称呼 エイジェイエス 
代理人 正木 裕士 
代理人 藤川 忠司 
代理人 長谷 玲子 
代理人 三上 祐子 

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