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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1296299 
異議申立番号 異議2014-900111 
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-02-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-04-10 
確定日 2014-12-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5642412号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5642412号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5642412号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成25年8月23日に登録出願,同年11月27日に登録査定され,第9類「携帯電話機・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用の保護カバー及びケース,スマートフォン用の保護ケース,携帯電話機用のケース,携帯電話機用のアクセサリー,スマートフォン用充電ケーブル,通信ケーブル,スマートフォン用イヤホン,スマートフォン用ホルダー,携帯電話機用バッテリーチャージャー,携帯電話機用バッテリー,携帯電話機用ストラップ,スマートフォン用の画面保護用フィルム,スマートフォン収納用ポーチ,携帯電話機用ハンズフリー装置,携帯電話機・スマートフォン・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用のペン型データ入力具」を指定商品として,同26年1月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号に該当し,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第159号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)申立人が引用する商標について
申立人が引用する登録第5604122号商標(以下「引用商標」という。)は,「VANS」の欧文字を標準文字で表してなり,平成24年10月5日に登録出願,第9類「電話・携帯電話のカバー,オーディオ機器・ステレオ装置の周辺機器,ヘッドホン,マウスパッド,ノートブック型コンピュータ及び携帯情報端末の保管・運搬のための携帯用ケース,携帯電話のケース,コンピュータ用ケース,電子書籍閲覧用端末用ケース・バッグ,電子書籍閲覧用端末用パッド,電子書籍閲覧用端末用スタンド」を指定商品として,同25年8月2日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,別掲1のとおり,「Van.」の文字とややデザイン化された「D」の文字とを横一列に,橙色で表してなるものである。
他方,引用商標は,「VANS」の文字を標準文字で表してなるものである。
ア 称呼における類似性
本件商標は,その構成中,「D」の文字がややデザイン化されているとしても,「Van」及び「D」の文字は,略同じ書体・同じ大きさ・等間隔及び同じ色彩で表されているから,外観上まとまりよく一体的に表された一個のロゴマークとして看取される。なお,「Van」の文字と「D」の文字との間には,「.」(ピリオド)が付されているものの,「Van」及び「D」の文字が,比較的狭い文字間隔で大きく顕著に表されていることに照らせば,通常の取引者・需要者は,その構成全体をもって一体不可分の商標と認識すると解するのが自然である。
そうすると,「Van.D」なる文字に接する看者は,これと同一又は類似する文字列を語尾に有する英単語,例えば「and(及び)」,「band(ひも)」「hand(手)」又は「land(陸)」が,それぞれ「アンド」,「バンド」,「ハンド」又は「ランド」と称呼される如く,本件商標を,上記英単語の発音方法に倣い,「ヴァンド」と発音し,かかる称呼をもって取引に資されるとみるのが自然である。
他方,引用商標は,「VANS」の文字からなるところ,申立人のハウスマークとして長年にわたりわが国を含む世界中で一貫して使用されてきた結果,申立人の提供する商品の出所表示標識として取引者・需要者に記憶され,「ヴァンズ」の称呼をもって広く知られるに至っている商標であることを考慮すれば,引用商標からは,「ヴァンズ」の称呼が生ずる。
そこで,本件商標から生ずる称呼「ヴァンド」と引用商標から生ずる称呼「ヴァンズ」とを比較するに,両者は,いずれも3音よりなるものであり,称呼の識別上重要な要素を占める語頭において,「ヴァン」の2音を同一にし,異なるところは語尾における「ド」と「ズ」の音にすぎない。
しかして,語頭の同一音「ヴァン」は「ヴァ」という濁音を伴って特に強調されて発音されるうえ,差異音である語尾の「ド」と「ズ」の音にしても,共に有声破裂音であって調音部位が近接するものであり,かつ,比較的聴取され難い末音に位置するから,必ずしも明瞭に聴別し得るものではない。 そうすると,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,全体の語調語感が近似し,彼此聞き誤るおそれがある。
したがって,本件商標と引用商標とは,称呼において相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 外観における類似性
本件商標は,「Van」の文字と「D」の文字との間には,「.」(ピリオド)が付されているものの,「Van」及び「D」の文字が,比較的狭い文字間隔で大きく顕著に表されていることに照らせば,本件商標に接する看者に,これらの4文字が,商品の出所識別標識として特に強く支配的な印象を与えることは明らかである。
他方,引用商標は,「VANS」の文字からなるところ,これを本件商標の構成中の「VanD」の文字と対比するに,両者は共に4文字からなり,第1文字ないし第3文字の「VAN」と「Van」の配列文字を共通にし,相違するところは,外観の識別上,印象の薄い語尾における「S」と「D」との差異にすぎない。
このような場合にあって,両商標を時と所を異にして離隔観察するときは,たとえ本件商標中の「D」の文字がややデザイン化されているとしても,上記のように称呼が類似すること,及び両商標とも特定の観念を看取させる成語ではないため,その配列文字については特段の注意が払われ難いことも併せて考慮すると,外観上極めて相紛らわしく,取引者・需要者をして近似した印象を与えるものである。
加えて,引用商標の周知・著名性に鑑みれば,本件商標の上記称呼及び綴りに接する取引者・需要者が,引用商標を容易に連想・想起する場合も少なくないといえる。
したがって,本件商標は,外観においても引用商標と相互に類似する商標である。
ウ 商品の類似性
本件商標に係る指定商品中「携帯電話機・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用の保護カバー及びケース,スマートフォン用の保護ケース,携帯電話機用のケース,携帯電話機用のアクセサリー,スマートフォン用イヤホン,スマートフォン用ホルダー,携帯電話機用ストラップ,スマートフォン用の画面保護用フィルム,スマートフォン収納用ポーチ,携帯電話機用ハンズフリー装置,携帯電話機・スマートフォン・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用のペン型データ入力具」と,引用商標に係る指定商品「電話・携帯電話のカバー,オーディオ機器・ステレオ装置の周辺機器,ヘッドホン,マウスパッド,ノートブック型コンピュータ及び携帯情報端末の保管・運搬のための携帯用ケース,携帯電話のケース,コンピュータ用ケース,電子書籍閲覧用端末用ケース・バッグ,電子書籍閲覧用端末用パッド,電子書籍閲覧用端末用スタンド」とは,類似するものであること,類似商品・役務審査基準に照らして明らかである。
エ 小括
以上を総合すると,本件商標と引用商標とは,称呼及び外観において相紛らわしい類似する商標であり,また,その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
ア 申立人及び申立人の商標「VANS」について
(ア)申立人は,アメリカ合衆国カリフォルニア州に拠点をもつ,カジュアルシューズその他のアパレル製品を製造販売する企業である。
そして,「VANS」は,英語等の辞書に記載のない造語であり,申立人の業務に係る商品・役務を示すブランドとして,申立人により独自に創造された標章である。これは,申立人の名称の略称を表示するものであって,いわゆるハウスマークを表すものである。
(イ)「VANS」は,1966年3月16日にポール・ヴァン・ドーレンと3人のパートナーが,アメリカ合衆国カリフォルニア州でスニーカーを中心に販売するショップとして誕生した(甲11)。設立当初,「VANS」ブランドのシューズは,主にスケートボードや自転車モトクロス(BMX)の愛好家の間で大人気となった。ブランド誕生の当初は,シューズを中心に取り扱っていたが,今日では,被服・帽子等のアパレル製品も展開し,バッグ・サングラス・携帯電話機用ケースやテント,キーホルダー等に至るまで,幅広い商品が加わっている(甲12の1ないし3)。
具体的には,申立人のマスターライセンシーである株式会社エービーシー・マートのウェブサイト(http://www.abc-mart.net/shop/c/c44/)によれば,その取扱い商品は,履物にとどまらず,男性用の衣服やスポーツウェア,女性用衣服,バッグ,靴下,キャップ,サングラス,財布他,極めて多岐にわたっている。
また,1995年以降,申立人が積極的に次々と各種スポーツ・音楽イベントのスポンサーとなった(甲11)ことによっても,「VANS」は,そのブランド名と商品を瞬く間に世界中に知らしめ,著名性を確立した。
具体的には,全米40以上の都市で開催される米国最大級の音楽・スポーツフェスト「VANS WARPED TOUR(ヴァンズ・ワープド・ツアー)」や世界のトップサーファーが競い合う大会「Vans Triple Crown of Surfing(ヴァンズ・トリプル・クラウン・オブ・サーフィン)」等,いずれも「VANS」を冠したイベントが催され,「VANS」の人気は,アメリカに留まらず,世界中で知られるブランドとなった。
(ウ)申立人は,本国であるアメリカ合衆国を含む北米のみならず,中南米,ヨーロッパ,ロシア,中東,オセアニア,アジア各国でショップ展開し,「VANS」を付した商品は,世界中で販売されている。
(エ)日本においては,前記した株式会社エービーシー・マートが,「VANS」の日本国内での独占販売権を取得して「VANS」ブランドの商品を開発し,全国各地の店舗を通じて販売している。
具体的には,ごく最近の2012年及び2013年の日本における「VANS」ブランド商品の売上高及び宣伝広告費の年間合計は,2012年の売上高は,1,732万3千USドル,宣伝広告費は,300万USドルであり,2013年の売上高は,1,880万6千USドル,宣伝広告費は,400万USドルである。
イ 申立人の商標「VANS」の周知・著名性について
(ア)上記のとおり,「VANS」の商品は,履物を中心として,男性用及び女性用の被服・帽子等アパレル製品並びにバッグ・サングラス・携帯電話機用ケースやテント,キーホルダー等,多岐にわたるから,申立人の商標「VANS」は,男女を問わず,これらの多種多様な商品の取引者・需要者に幅広く知られている。
また,「VANS」は,ブランド誕生当初こそスケートボードや自転車モトクロス(BMX)の愛好家の間で人気を得たが,その後の幅広い商品展開や各種イベントにおけるスポンサー活動を通じて,申立人の商標として,これらの愛好家のみならず,広く一般の消費者にも知られるに至っている。
(イ)日本においては,前記した株式会社エービーシー・マートが,同社の公表によれば,北海道から沖縄まで日本全国に769店舗(2014年5月末時点)を展開する靴・衣料・雑貨等小売チェーンであり,申立人の商標「VANS」を付した商品は,これらの店舗を通じて全国各地の一般消費者に販売され,「VANS」ブランドは広く知られているということができる。
ウ 申立人の商標を付した商品の各種雑誌における掲載
申立人の商標「VANS」とその商標を付した商品は,現在に至るまで多くの雑誌において繰り返し紹介されてきているところ,ごく最近の例として,ファッションを中心とする情報を掲載した雑誌からの抜粋であり,広く10代から40代までの男性又は女性をターゲットにした記事であって,2012年3月から2014年6月の間に発行されたものを提出する(甲13ないし甲129)。
いずれの記事をみても明らかなように,申立人の商品は,一貫して「VANS」の文字をもって紹介されている。
このことから,本件商標の出願日である2013年8月23日において既に,申立人の商標「VANS」が,日本において履物を中心とするファッション関連の商品に実際に使用されていたこと,及びファッションに関心を寄せる幅広い年齢層の男性・女性の間に広く認識されていたことは,客観的に明白である。
以上の事実から,申立人の商標「VANS」が,本件商標の出願日である平成25年(2013年)8月23日より以前から,履物を中心とするファッション関連の商品分野において周知・著名となっており,その状態が本件商標の登録査定時(平成26年(2014年)1月10日)においても継続していたことは明らかである。
エ 本件商標と申立人の商標「VANS」の類似性について
両商標は,上記(2)で詳述したように,称呼及び外観において相紛らわしい類似する商標である。
混同を生ずるおそれについて
(ア)申立人の商標について
申立人の商標「VANS」は,申立人による独自の創造標章であるから,既成語からなる商標と比較して,自他商品識別力が強いものといえる。とりわけ,「VANS」は,申立人の名称の略称を表示するハウスマークであって,履物を中心とするファッション関連商品の業界で,現に申立人の業務に係る多種多様な商品について長年にわたり一貫して使用されてきたものであるから,これらの商品との関係で,「VANS」は,申立人を指標するものとして,強い出所表示力を発揮するものである。
(イ)取引者・需要者の共通性
申立人の商標「VANS」を付して販売される商品は,履物にとどまらず,男性用の衣服やスポーツウェア,女性用衣服,バッグ,靴下,キャップ,サングラスの他,スマートフォン用ケース・財布・ストラップ・ベルト・タブレット型コンピュータ用ケース・キーホルダー等である。
他方,本件商標に係る指定商品は,「携帯電話機・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用の保護カバー及びケース,スマートフォン用の保護ケース,携帯電話機用のケース,携帯電話機用のアクセサリー,スマートフォン用充電ケーブル,通信ケーブル,スマートフォン用イヤホン,スマートフォン用ホルダー,携帯電話機用バッテリーチャージャー,携帯電話機用バッテリー,携帯電話機用ストラップ,スマートフォン用の画面保護用フィルム,スマートフォン収納用ポーチ,携帯電話機用ハンズフリー装置,携帯電話機・スマートフォン・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用のペン型データ入力具」といった携帯機器に関連する商品である。
これらの商品と,申立人の「VANS」ブランド商品のうちスマートフォン用ケース・ストラップ・タブレット型コンピュータ用ケースとは,同一又は類似するものである。
また,本件商標に係る携帯機器関連の商品には,形や色などデザインに魅力があり,アクセサリー感覚で持ち歩けるファッション性の高いタイプのものが多く見られることは経験則に照らして明らかであるところ,そのようなタイプの商品は,近時の著名商標主による各種商品化の傾向や企業の事業多角化の傾向から,申立人のようなファッションブランドにおいて,生活上身につけるあらゆる商品を,同一ブランドの下に統一したトータルファッションとして提供されるものの一つと認識される可能性が高い。
そうすると,本件商標に係る携帯機器関連の商品は,ファッションに関心を寄せる一般消費者を主たる客層とするといえるから,申立人の「VANS」商品の需要者層とは少なからず共通するものと考えられる。
実際に,例えば,ファッションブランド(BEAMS)のウェブログや,アパレル製品を取り扱うオンラインショップ,「VANS」ブランド愛好家の個人ウェブログ上で,「VANS」を付したスマートフォン用ケースの情報が,衣服・履物等のファッション関連情報と同列に扱われ掲載されている(甲130ないし甲132)ことからも,生活上身につけたり携帯したりする商品がトータルファッションとしての関連商品と捉えられ,取引者・需要者が共通していることは,明らかというべきである。
(ウ)出所混同のおそれ
申立人の商標「VANS」の著名性は,上記したとおりであるところ,本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品の需要者層が共通していることも既述のとおりであるから,本件商標の指定商品の取引者・需要者が,申立人の商標及び申立人がその商標を付して提供している商品を知っている可能性は極めて高い。
しかして,本件商標は,上記(2)で詳述したように,取引者・需要者が,世界的に著名な申立人の商標を容易に想起・連想し得る類似の商標である。
そうすると,近時の著名商標主による各種商品化の一般的傾向や企業の事業多角化の一般的傾向とも相まって,本件商標がその指定商品に使用された場合,その指定商品の種類を問わず,本件商標に接する取引者・需要者は,本件商標から,これと類似する著名な商標である「VANS」を容易に想起・認識し,当該商品が,恰も申立人又はこれに関連する者の業務に係る商品であるかの如く,その出所について混同して認識するおそれは高い。
(エ)申立人の商標に化体した信用を害されるおそれ
申立人は,自己のブランドイメージを維持し,より一層の発展をさせるため,世界中で展開するあらゆる事業において,その商品の品質,役務の質,店舗の営業等について厳重な管理を行っている。現に申立人は,日本でも「VANS」からなる商標について,引用商標の他にも多数の商標登録を保有し管理している(甲133ないし甲159)。すなわち,商標「VANS」は,申立人の業務に係る商品・役務を表示するものとして,日本はもとより世界中で一般の取引者・需要者の間に広く認識されている著名商標であり,申立人の提供する商品・役務に係る絶大な信用が化体した重要な財産である。
したがって,万が一,本件商標の登録が維持されると,申立人と何ら関係のない者により,申立人の意図とは無関係に,申立人が現にその商標を付して使用している商品及び提供している役務と,その取引者層・需要者層を同一にする商品について,申立人の使用商標と類似する本件商標が自由に使用されてしまうことになる。
その結果として,申立人による品質のコントロールの及ばない商品が,申立人の使用商標と類似する商標によって提供されるという事態が生じ得ることも否定できない。
このような事態が生じた場合,申立人が,長年にわたり多大な努力を費やして培ってきた「VANS」のブランドイメージは著しく毀損され,申立人が多大な損害を被ることは明白である。
したがって,かかる見地からも本件商標の登録は,維持されるべきではない。
カ まとめ
以上のとおり,本件商標の登録査定時はもとより出願時において,本件商標がその指定商品について使用された場合には,当該商品は,取引者・需要者において,申立人の業務に係る商品であるかのごとく認識され,あるいは申立人と経済的又は組織的・人的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく誤認され,その出所について混同を生じるおそれがあったことは明らかである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は,別掲1のとおり,橙色で,「Van」の欧文字と,「.」(ピリオド)及びデザイン化した「D」のアルファベットを,まとまりよく一体的に表した構成からなるものである。
そして,本件商標は,「Van」の欧文字及び「D」のアルファベットから,「バンディー」の称呼を生ずるものであり,その構成文字の全体は,特定の意味を有しない造語と看取されるものであるから,特定の観念を生じないものと認められる。
イ 引用商標は,「VANS」の文字を標準文字で表してなり,これからは,「バンズ」の称呼を生じ,特定の意味を有しない造語といえるものであるから,特定の観念を生じないものと認められる。
ウ そこで,本件商標と引用商標の類否について検討するに,両商標の外観は,それぞれの構成態様に照らし,明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。
そして,本件商標から生ずる「バンディー」の称呼と,引用商標から生ずる「バンズ」の称呼とは,語尾における「ディー」の音と「ズ」の音の明らかな差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,全体の語調,語感が相違し,明確に聴別することができるものである。
また,本件商標と引用商標からは,特定の観念を生じないものであるから,観念上類似するところはないものである。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても十分に区別することができる非類似の商標というのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
ア 「VANS」の文字の周知性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,申立人は,アメリカ合衆国カリフォルニア州に拠点をもつ,カジュアルシューズその他のアパレル製品を製造販売する企業であって,1966年3月16日に,同国カリフォルニア州アナハイムに初めてショップをオープンさせたものである(甲11及び甲14)。
そして,申立人が取り扱う商品は,履物が中心であり,他に,半袖シャツ,長袖シャツ,スウェット/パーカー,ジャケット,バッグ,キャップ,サングラス,iPhone 5 CASE(スマートフォン用ケース)等(以下「VANS商品」という場合がある。)がある(甲12)。
また,日本においては,株式会社エービーシー・マートが,申立人のVANS商品について,日本国内での独占販売権を取得し,全国各地の店舗(2014年5月末時点で769店舗)においてのVANS商品を販売しているほか(甲12),インターネットショッピングモール「楽天」等を通じて販売しているものである(甲131)。
申立人が取り扱う「履物(スニーカー)」については,「VANS」の文字,別掲2のとおりの構成からなるデザイン化された「VANS」,「VANS」及び「ヴァンズ」の文字が表示され,2012年(平成24年)3月ないし2014年(平成26年)6月にかけて,各種雑誌に多数掲載され広告されたものであり(甲13ないし甲129),日本におけるVANS商品の売上高及び宣伝広告費の年間合計は,2012年の売上高は,1,732万3千USドル,宣伝広告費は,300万USドルであり,2013年の売上高は,1,880万6千USドル,宣伝広告費は,400万USドルである。
上記事実からすれば,「VANS」の文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「履物(スニーカー)」を表示する商標として,我が国の需要者の間に広く知られているものと認められる。
しかしながら,「履物(スニーカー)」以外のVANS商品の宣伝,広告等は,ごくわずかであって,これらの商品については,広く知られているものということができない。
イ 商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
「VANS」の文字は,上記アのとおり,申立人の業務に係る「履物(スニーカー)」を表示する商標として,我が国の需要者の間に広く知られているものと認められる。
しかしながら,本件商標と「VANS」の商標とは,上記(1)と同様の理由により,称呼,観念及び外観のいずれの点においても十分に区別することができる非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。
そして,本件指定商品である,第9類「携帯電話機・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用の保護カバー及びケース,スマートフォン用の保護ケース,携帯電話機用のケース,携帯電話機用のアクセサリー,スマートフォン用充電ケーブル,通信ケーブル,スマートフォン用イヤホン,スマートフォン用ホルダー,携帯電話機用バッテリーチャージャー,携帯電話機用バッテリー,携帯電話機用ストラップ,スマートフォン用の画面保護用フィルム,スマートフォン収納用ポーチ,携帯電話機用ハンズフリー装置,携帯電話機・スマートフォン・ラップトップ型コンピュータ・携帯型メディアプレーヤー用のペン型データ入力具」と,「履物」とは,産業分野を明らかに異にし,その用途,品質,流通経路,需要者等も異なるものであるから,両者の関連性は薄いものというべきである。
そうとすれば,「VANS」の文字が,申立人の「履物(スニーカー)」を表示する商標として広く知られていることを考慮しても,本件商標をその指定商品に使用した場合,需要者がこれより申立人の「VANS」の商標を想起,連想することはないというのが相当であるから,本件商標は,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 (本件商標,色彩の詳細は原本を参照されたい。)




別掲2 (申立人の使用に係る商標)





異議決定日 2014-12-02 
出願番号 商願2013-65744(T2013-65744) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W09)
T 1 651・ 263- Y (W09)
T 1 651・ 25- Y (W09)
T 1 651・ 261- Y (W09)
T 1 651・ 271- Y (W09)
最終処分 維持 
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2014-01-10 
登録番号 商標登録第5642412号(T5642412) 
権利者 株式会社ネオセンス
商標の称呼 バンデイ、ブイエイエヌデイ、バン、ブイエイエヌ 
代理人 達野 大輔 
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