ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W182535 審判 全部申立て 登録を維持 W182535 審判 全部申立て 登録を維持 W182535 |
---|---|
管理番号 | 1296298 |
異議申立番号 | 異議2013-900405 |
総通号数 | 182 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2015-02-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2013-11-29 |
確定日 | 2015-01-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5611530号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5611530号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5611530号商標(以下「本件商標」という。)は、「felicia felice」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月11日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第25類「履物」及び第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯用化粧道具入れの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同年8月6日に登録査定され、同年同月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第10号について 株式会社エースメタル(以下「エースメタル社」という。)がオンラインショッピング「Felicia Felice Ideale! Online Shop」や、かばん類、履物、アクセサリなどの雑貨等の商品に使用する「Felicia Felice Ideale!」(以下「引用商標」という。別掲)は、当該エースメタル社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されているものである。 また、本件商標は、引用商標に類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)は、インターネット上の楽天市場のオンラインショッピング「La cerise」にて、本件商標を付した女性用ブーツを販売している。 引用商標は、極めて独自性の高いものであるため、インターネットにおけるオンラインショッピングが主流となりつつある現在、本件商標は、エースメタル社の業務に係る商品又は役務と混同を生じるおそれが極めて高い商標である。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、エースータル社の業務に係る商品・役務を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものである。 また、商標権者は、引用商標が本件商標の出願直前に話題となり取引者・需要者に周知となっていた事実を知り、その極めて独自性の高い商標の存在を確認した上で、引用商標の要部「Felicia Felice」と同一の文字からなる本件商標を同一又は類似の指定商品・役務にて意図的・作為的に出願したものであると強く推察される。 このことは、引用商標に蓄積された信用・名声にフリーライドする等の不正目的であるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について ア 引用商標等の周知性について 申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、本件商標の登録出願前である2011年9月頃から、靴をモチーフとしたアクセサリーや小物や、これらの商品を取り扱うオンラインショップの名称として使用されていたことが窺える。 しかし、引用商標が付された商品の売上高やシェア、広告宣伝の実績などが明らかでないなど、引用商標が本件商標の登録出願前ないし登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたと認め得る証拠は見いだせない。 また、引用商標の構成の中の「Felicia Felice」の部分のみが単独で使用されている事実もない。 そうすると、引用商標及び「Felicia Felice」は、他人の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものということはできない。 イ 本件商標と引用商標の類否について 本件商標は、上記1のとおり、「felicia felice」の文字からなるものであるから、「フェリシアフェリース」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 一方、引用商標は、別掲のとおり、「Felicia Felice Ideale!」の文字及び符号を、同じ書体で一体的に表してなるものであるところ、上記(1)のとおり、その構成中の「Felicia Felice」が需要者の間に広く認識されているなど当該部分を分離抽出して観察すべき特段の事情はない。 そうすると、引用商標は、その構成文字に相応し、「フェリシアフェリースイデアーレ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者は、「Ideale!」の有無及び全体の構成態様の相違により、外観において容易に区別し得るものである。 また、両者は、「イデアーレ」の音の有無により、称呼においても容易に区別し得るものである。 さらに、両者は共に特定の観念を生じないものであるから、観念において相紛れるおそれのないものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、かつ、相違の程度の高い別異の商標というべきものである。 ウ 商品又は役務の出所の混同を生じるおそれについて 上記ア、イのとおり、引用商標は他人の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとはいえず、本件商標と引用使用とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない全く別異の商標というべきものであるから,本件商標は、商標権者がこれをその指定商品又は指定役務について使用しても、取引者、需要者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品又は役務が商標権者以外の者あるいはその者と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者(他人)の業務に係る商品又は役務であるかのごとく、その商品又は役務の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものとはいえない。 (2)商標法第4条第1項第第19号について 上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、他人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものではなく、かつ、本件商標は、引用商標と同一又は類似のものではない。 その他、本件商標が不正の目的をもって使用する商標であることを認めるに足りる証拠もない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとはいえない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(引用商標)(色彩は原本参照) |
異議決定日 | 2014-12-18 |
出願番号 | 商願2013-17379(T2013-17379) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(W182535)
T 1 651・ 222- Y (W182535) T 1 651・ 271- Y (W182535) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 高橋 謙司 |
特許庁審判長 |
小林 由美子 |
特許庁審判官 |
大森 健司 前山 るり子 |
登録日 | 2013-08-30 |
登録番号 | 商標登録第5611530号(T5611530) |
権利者 | 株式会社光和商事 |
商標の称呼 | フェリシアフェリース、フェリシアフェリス、フェリシアフェリーチェ、フェリシア、フェリース、フェリス、フェリーチェ |