• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y18
管理番号 1296264 
審判番号 取消2013-670007 
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-03-15 
確定日 2014-10-30 
事件の表示 上記当事者間の国際登録第760581号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 国際登録第760581号商標の指定商品及び指定役務中、第18類「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;trunks and suitcases.」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第760581号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、2000年11月17日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2001年(平成13年)5月17日に国際商標登録出願、第18類「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;animal skins and hides;trunks and suitcases;umbrellas,parasols and walking sticks;whips and saddlery.」のほか、第3類、第9類、第14類、第24類、第25類、第28類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年7月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の予告登録は、平成25年3月27日にされたものである。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を審判請求書、審判事件弁駁書、口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)及び平成26年2月25日付け上申書により、要旨次のように述べ、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第18類「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;trunks and suitcases」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、これらの商品についての登録は取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人が、本件商標の指定商品及び指定役務中、本件審判の請求に係る商品「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;trunks and suitcases」(以下「請求に係る商品」という場合がある。)について、その登録の取消しを免れるためには、(ア)被請求人又はその専用使用権者若しくは通常使用権者が、(イ)本件商標を、(ウ)請求に係る商品について、(エ)本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)に、日本において使用していることを示す必要があるところ(商標法第50条第2項)、乙第2号証ないし乙第4号証によっては、本件商標を請求に係る商品について使用していることを証明したとはいえない。
(1)乙第2号証について
被請求人は、「乙第2号証には、本件商標が記載されている。」とするが、乙第2号証に記載の各写真は、いずれも著しく不鮮明であり、本件商標が確認できない。唯一「259QE」と記載のある写真のみにおいて、中央部に本件商標と思しき標章が辛うじて視認されるものの、「259QE」なる商品が、日本国内において譲渡等されたとする証拠方法は確認できない。
したがって、乙第2号証は、被請求人又はその専用使用権者若しくは通常使用権者が本件商標を使用していることを示す証拠方法であるとはいえない。
(2)乙第3号証について
被請求人は、乙第3号証が「納品書」であるとするが、誰が誰に何を納品したのか説明しておらず、乙第3号証からはその内容が明らかではない。
すなわち、被請求人は、乙第3号証に「ジョルジオアルマーニジャパン株式会社(GIORGIO ARMANI JAPAN CO LTD)」(以下「アルマーニジャパン」という。)、「東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニギンザタワー」が表示されており、これが被請求人の日本支社であって商標の使用者であると述べている。ここで、商標の「使用」とは、商標法第2条第3項各号に掲げる行為をいうところ、「アルマーニジャパン」のいかなる行為が本件商標のいかなる使用に該当するのか説明されておらず、乙第3号証との関連も示されていない。
また、被請求人は、「乙第3号証の第26頁には、商品番号256QE、257QE、258QEに相当する商品番号R6256、R6257、R6258が記載されている。」と主張するが、商品番号256QE、257QE、258QEと商品番号R6256、R6257、R6258との対応性が明確ではない。さらに、たとえ、乙第3号証の商品番号R6256、R6257、R6258が乙第2号証に記載の商品番号256QE、257QE、258QEに対応するとしても、上述したとおり、商品番号256QE、257QE、258QEの写真においては本件商標が明確に視認できず、唯一本件商標と思しき標章が視認される商品「259QE」については、乙第3号証に記載がない。
したがって、乙第3号証は、被請求人又はその専用使用権者若しくは通常使用権者が本件商標を使用していることを示す証拠方法であるとはいえない。
(3)乙第4号証について
被請求人は、乙第4号証の「会社情報(COMPANY INFO)」にはアルマーニジャパンが被請求人の日本支社である旨が記載されているとするが、乙第4号証には被請求人「Giorgio ARMANI S.p.A.,Milan,Swiss Branch Mendrisio」の記載はなく、被請求人とアルマーニジャパンとの関係が明確ではない。また、乙第4号証に記載の「GIORGIO ARMANI JAPAN CO LTD」の住所は、「5 Sanbancho,Chiyoda-ku,Tokyo 102-0075 Japan」であって、乙第3号証に記載の「GIORGIO ARMANI JAPAN CO LTD」の住所「ARMANI/GINZA TOWER 5-5-4 GINZA,CHUO-KU 104-0061 TOKYO JAPAN」とは相違し、これらの関係も示されていない。さらに、たとえアルマーニジャパンが被請求人の日本支社であったとしても、そのことをもって、直ちにアルマーニジャパンが被請求人の本件商標に関する専用使用権者又は通常使用権者であることにはならない。
3 口頭審理陳述要領書の内容
(1)本件商標について
被請求人は、本件商標の使用を示す証拠方法として、被請求人の日本法人が顧客に向けて行ったプレゼンテーションで使用された資料であるとして、商品の写真(乙5及び乙6)を提出した。
しかしながら、上記資料には、日本円による価格表示を除いては日本語による説明が一切なく、これらの物品が日本において販売等されたものであることを示す証左がない。また、該資料により、上記プレゼンテーションの時期及び場所を特定することもできない。このことについては、被請求人自らが、「乙第5号証に記載の商品は顧客向けのカタログに掲載されたことがないため、出所又は使用時期を特定できるカタログは存在しない。」と述べているとおりである。
さらに、上記写真の一部においては、本件商標は、いまだ不鮮明である。
以上のとおり、乙第5号証及び乙第6号証は、本件商標の使用を証明するものとはいえない。
(2)本件商標の使用者と商標権者との関係について
被請求人は、「納品書」(乙3)は、被請求人たる商標権者がその日本支社であるアルマーニジャパンに対して発行したものである旨を述べている。
しかしながら、上記「納品書」においては、出荷先を指すと思われる「Ship To」の表記の下に「MARUNI-IBL PLAZA 5-13,CHIDORI-CHO,ICHIKAWA-SHI 272-0126 CHIBA Japan」との記載があり、この出荷先と被請求人及びアルマーニジャパンとの関係が明確でない。
したがって、乙第3号証は、そこに記載された物品を商標権者からその日本支社に納品したことを客観的に示す資料であるとはいえない。
また、被請求人は、乙第7号証をもって、アルマーニジャパンが商標権者「Giorgio ARMANI S.P.A.,Milan,Swiss Branch Mendrisio」の日本支社であると述べる。
しかしながら、乙第7号証に記載のアルマーニジャパンの親会社は、「イタリア・ミラノに本社を置くジョルジオアルマーニS.p.A.」とされており、商標権者「Giorgio ARMANI S.P.A.,Milan,Swiss Branch Mendrisio」の住所が「Via Penate 4,CH-6850 Mendrisio (Switzerland)」であって、明らかにスイス国を本拠地とすることと整合しない。
以上のとおり、被請求人とアルマーニジャパンとの関係は、依然、明確ではなく、仮に、両者に資本関係が認められるとしても、商標権者と専用使用権者又は通常使用権者との関係にあることは立証されていない。
(3)本件商標の使用について
ア 乙第2号証、乙第3号証及び乙第9号証について
被請求人は、乙第9号証をもって、乙第2号証に写真が掲載された商品「256QE、257QE、258QE」と乙第3号証に記載された商品番号「R6256、R6257、R6258」とが対応することを主張する。
しかしながら、たとえ上記主張が認められるとしても、乙第2号証の商品番号256QE、257QE、258QEの写真において本件商標が明確に視認できない以上、乙第2号証は、本件商標の使用の証拠とするに足りず、また、乙第3号証も、そこに記載された物品を商標権者からその日本支社に納品したことを客観的に示す資料であるとはいえない。
さらに、被請求人は、乙第2号証は「社内のみで使用される商品カタログ」であって、「乙第2号証に記載の商品は顧客向けのカタログに掲載されたことがないため、出所又は使用時期を特定できるカタログは存在しない。」と述べているが、これは、すなわち、乙第2号証に記載の物品は顧客向けに流通している商品ではないことを自認するものである。そうであるならば、たとえ、乙第2号証に掲載される物品が被請求人からその子会社に納品されたことが乙第3号証によって示されるとしても、その納品は、親子会社間での物品の移動にすぎず、商標の使用があったとはいえない。そして、乙第3号証に記載の物品が、例えば、プレゼンテーション用サンプルといった、流通を前提とする商品ではないことは、乙第3号証において、各物品「R6256、R6257、R6258」の列にある「Qty」なる欄に「1」と記入されており、これが「個数(Quantity)」の略号であると理解できるところ、「納品」された物品の個数がいずれも1個であることからも推認される。
以上によれば、上記の物品「R6256、R6257、R6258」は、それぞれ1個がサンプル又はプレゼンテーション用資料として被請求人から日本に向けて出荷されたにすぎないと推定される。
イ 乙第10号証について
被請求人は、新たな納品書(乙10)を提出し、乙第5号証に掲載される「RM256QE、RM257QE、RM258QE、RM259QE」なる番号を付した商品が被請求人からアルマーニジャパンに納品されたことをもって、アルマーニジャパンがこれらの商品を「輸入」(商標法第2条第3項第2号)したものであると主張する。
しかしながら、乙第10号証においては、出荷元(Ship From)として「OM LOG ASIA LIMITED」なる名称及び「2/F WESTERN PLAZA,3 SAN ON STREET,TUENMUN 852 TUEN MUN,N.T.,HONG KONG Hong Kong」なる住所の記載があり、出荷先(Ship To)には「MARUNI-IBL PLAZA 5-13,CHIDORI-CHO,ICHIKAWA-SHI 272-0126 CHIBA Japan」と記載されており、この出荷元、出荷先と被請求人及びアルマーニジャパンとの関係が明確でない。
さらに、乙第10号証に記載の物品が通関手続を経て現実に日本に輸入されたことは、立証されていない。
したがって、乙第10号証は、そこに記載された物品を商標権者からその日本支社が輸入したことを客観的に示す資料であるとはいえない。
ウ 「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」について
被請求人は、乙第10号証に記載の「RM256QE、RM257QE、RM258QE、RM259QE」なる番号を付した商品の説明として、「第2素材として水牛の革が使用されていることが表示されている。」と述べ、そのことをもって、本件商標が、その指定商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」に付されているとする。
そこで、乙第10号証の日本語訳文を見ると、例えば、第19頁の「RM258QE」の物品において、「布1」の「成分」として「ポリエステル100%」、「第2布」の「成分」として「水牛革100%」、「裏地1」の「成分」として「ポリアミド100%」、などと記載されていることが認められる。
しかしながら、上記の記載からは、該物品のどの部分が「水牛革100%」であるのか判然とせず、例えば、取っ手部分のみが革製であって、本体がポリエステル100%のかばん類である可能性も否定できない。
また、商品写真(乙5及び乙6)によっても、革製かばんであるとは到底判断できない。
さらに、乙第9号証によれば、乙第3号証の「QE」は、「コントラストリボンが付いた工業用布」を意味するとされることから、乙第10号証における「RM256QE、RM257QE、RM258QE、RM259QE」の「QE」が、乙第3号証と同じく、「コントラストリボンが付いた工業用布」を示すとするならば、これらの物品は「工業用布」製であると解するのが自然である。
したがって、乙第10号証によっては、本件商標が、その指定商品のうち、「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」に付されているとは認められない。
エ 商標法第2条第3項第2号の「輸入」について
乙第3号証及び乙第10号証が、そこに記載された物品を商標権者が日本支社に納品したことを示すものであるとしても、これをもって、直ちに商標法第2条第3項第2号の「輸入」であるとは認め難い。
そもそも、商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿である。そうであるならば、商標法第2条第3項に定める商標の「使用」は、商標に業務上の信用が化体するような商取引上の使用を意味すると解されるべきであり、同条同項第2号の「輸入」も、日本国内において顧客に販売することを前提とされるべきであって、自ずから一定以上の数量となるはずである。
しかるに、被請求人が主張するように商品が「輸入」されたと認めるためには、相当数の商品が納品されなければ、形式的には輸入であっても、実質的には単なる物品の移動又は輸送にすぎず、これをもって商標の使用とはいえない。
また、上述したとおり、乙第2号証及び乙第5号証に掲載される物品に係る顧客向けのカタログが存在しないことを考慮すると、これらの物品は、市場において独立して商取引の対象として流通に供される、商標法に規定する商品ではないと推認される。
さらに、被請求人のブランド「ARMANI」は、日本国周知・著名商標にも列せられる有名ブランドであって、全国主要都市に直営店舗を展開し、オンラインストアも運営されている実情を考慮すると、日本国内で販売するためにわずかな個数を「輸入」することは考えにくい。
したがって、たとえ乙第2号証、乙第5号証及び乙第6号証に示される物品の商標が鮮明なものであって、乙第3号証及び乙第10号証の納品書との関連が明らかになったとしても、その納品個数がわずかであって、販売を前提とする「輸入」たり得ず、かつ、その性質がサンプルであって日本国内で流通すべき「商品」たり得ないことから、この物品の輸送をもって商標を付した商品を「輸入」したとは認め難い。
4 平成26年2月26日付け上申書の内容
(1)本件商標を付した商品
被請求人は、かばん類の写真(乙22の1ないし4)において示される、「本件商標を表す部分」、「ベルト止め」、「ふた止め」、「ふたの縁取り」がバッファロー革製であることを根拠に、これらのかばん類が、請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」に該当すると主張する。
ここで、指定商品の範囲は願書の記載に基づいて定められるところ(商標法第27条第2項)、日本国を指定する国際登録に係る国際登録簿における「国際登録において指定された商品」は、商標法第5条第1項の規定により提出した願書に記載された「指定商品」とみなされる(商標法第69条の9第2項)。したがって、本件商標の指定商品の範囲は、英語による表記に基づくべきであり、その日本語訳に基づくべきではない。
そこで、上記商品の記載をみると、「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」とあり、そのうちの「goods made thereof」とは、「goods made of leather and imitation leather」であると解釈できる。
そして、「made of leather」とされる物品をインターネット検索エンジンであるGoogleで検索すると、いわゆる革製品のみが検出される(甲5)。すなわち、インターネット上で検索可能なあらゆるデータにおいて、英語で「made of leather」といえば革を主材料とする完成品を意味するのであって、ごく一部にわずかに革が用いられる物品が「made of leather」とはいえないことは明白である。
本件の場合、被請求人が示すかばん類は、乙第21号証によれば、本体部分がポリエステル100%であるから、わずかにふたの縁取りなどに革が用いられていても、これを「bag made of leather」とは解釈できない。
また、商品「RM256QE、RM257QE、RM258QE、RM259QE」は、乙第9号証において、被請求人自身が「工業用布」製であると認めるものである。
(2)輸入
被請求人は、輸入許可通知書(乙15)の<03欄>に記載の「ARTICLE OF CASES PLA.-SHEET & TEXTILE」なる商品群の内容が、乙第23号証のNo.13ないし27の欄に記載されているとする。乙第23号証は、作成者や作成目的が定かでない書類ではあるものの、被請求人によれば、「貨物に含まれた商品のリスト」であって、該当箇所には「MAN HANDBAG」の記載があり、男性用かばん類を示すことが推測される。また、被請求人は、乙第23号証に記載のこれらの商品の数量及び金額が乙第10号証の「summary」(総括)部分に示される商品の数量及び金額並びに乙第15号証の<03欄>に記載の商品の数量及び金額に合致することをもって、これらの商品の輸入の事実を裏付けるものであると主張している。
しかしながら、実行関税率表(乙24)を子細に検討すると、第42類「革製品及び動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品」の下に、まず、「42.02」の大分類として、「旅行用バッグ、断熱加工された飲食料用バッグ、…(中略)その他これらに類する容器」があり、さらに、その下に4つの中分類、すなわち、
ア トランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばんその他これらに類する容器
イ ハンドバッグ(取手が付いていないものを含むものとし、肩ひもが付いているかいないかを問わない。)
ウ ポケット又はハンドバッグに通常入れて携帯する製品
エ その他のもの
があり、さらに、そのそれぞれが材料によって分類されて、3つの小分類、すなわち、
(ア)外面が革製又はコンポジションレザー製のもの
(イ)外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの
(ウ)その他のもの
に分けられていることが理解される。
ここで、乙第15号証に記載の税表番号「4202.92」は、実行関税率表の上記中分類「エ その他のもの」のうち、「外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」に付与される番号である。すなわち、被請求人が指摘するとおり、日本国の税関によって税表番号「4202.92」に分類された商品を被請求人が輸入したとすると、日本国の税関は、該商品を「イ ハンドバッグ(取手が付いていないものを含むものとし、肩ひもが付いているかいないかを問わない。)」ではなく、「エ その他のもの」と判断した上で、その組成を「(ア)外面が革製又はコンポジションレザー製のもの」ではなく、「(イ)外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」と判断したことになる。そうであれば、乙第15号証に記載の「ARTICLE OF CASES PLA.-SHEET & TEXTILE」は、「プラスチックシート製又は紡織用繊維製の容器」の英語表記であろうと推認され、被請求人の商品の性質を示したものであると理解できる。
以上より、被請求人が輸入したと主張する商品は、税法上も「旅行用バッグ」や「ハンドバッグ」ではない商品であって、しかも、「革製」ではなく、「紡織用繊維製」であることが明白である。
したがって、かかる商品は、請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」には含まれない。
なお、被請求人は、上記商品を「420222」に該当すると判断した旨を述べているところ、この税表番号は、実行関税率表の上記中分類「イ ハンドバッグ(取手が付いていないものを含むものとし、肩ひもが付いているかいないかを問わない。)」のうち、「(イ)外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」の小分類に付与される番号であり、被請求人自身がこれらの商品を「(ア)外面が革製又はコンポジションレザー製のもの」の分類には該当しないと判断していたことが推認される。
(3)販売
被請求人は、乙第17号証及び乙第18号証によって商品番号RM256ないしRM259に係る商品を日本国内で販売した旨を主張するが、これらの商品が乙第22号証の1ないし4に該当するとしても、上記(1)において述べたとおり、これらの商品は、請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not in cluded in other classes」に該当しないから、本件商標の使用の証拠とはならない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件商標を本件審判の請求に係る商品について使用していることを証明したとはいえないので、本件商標は、その請求に係る商品につき、商標法第50条第2項の規定により、取消しを免れ得るものではない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書(平成25年7月22日付け手続補正書を含む。)、口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)並びに平成26年1月31日付け及び同年2月12日付けの各上申書において、要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として、乙第1号証ないし乙第24号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標
本件商標は、別掲のとおりの構成からなり、その指定商品及び指定役務並びに設定登録日は、前記第1のとおりである。
(2)商標の使用者
乙第3号証の「納品書」には、「ジョルジオアルマーニジャパン株式会社(GIORGIO ARMANI JAPAN CO LTD)」、「東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニギンザタワー」が表示されている。
また、乙第4号証の「会社情報(COMPANY INFO)」には、アルマーニジャパンが被請求人(商標権者)の日本支社である旨が記載されている。
(3)使用に係る商品
乙第2号証には、請求に係る商品「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;trunks and suitcases」の製品及びその品番256QE、257QE、258QE、259QEが記載され、乙第3号証の第26頁には、商品番号256QE、257QE、258QEに相当する商品番号R6256、R6257、R6258が記載されている。
(4)使用に係る商標
乙第2号証には、本件商標が記載されている。
(5)使用時期
乙第3号証には、2011年6月22日の日付が記載されている。
2 口頭審理陳述要領書の内容
(1)審判事件弁駁書に対する意見
請求人は、被請求人が提出した乙第2号証ないし乙第4号証によっては、本件商標をその指定商品について使用していることを証明したとはいえないと述べているが、被請求人は、以下のとおり、本件商標をその指定商品について使用していることを説明し、乙第5号証ないし乙第12号証により証明する。
ア 本件商標について
請求人は、乙第2号証に記載の各写真は不鮮明であり、本件商標が確認できないと述べている。これに対し、被請求人は、新たに、被請求人の日本法人であるアルマーニジャパンが顧客に向けて行ったプレゼンテーションで使用された資料として、乙第5号証を提出する。乙第5号証には、本件商標を付した4種類のバッグ(商品番号RM256QE、RM257QE、RM258QE、RM259QE)の写真が記載されている。乙第5号証の写真は小さいため、本件商標を確認できるよう、これらの写真を拡大したもの(乙6)を提出する。
上記乙第5号証及び乙第6号証により、本件商標は確認できる。
イ 本件商標の使用者と商標権者との関係について
請求人は、「納品書」(乙3)では、誰が誰に何を納品したかが明らかでないと述べている。
しかしながら、乙第3号証は、商標権者が、商標権者の日本支社であるアルマーニジャパンあてに発行した納品書であり、商標権者が納品書に記載された商品をアルマーニジャパンへ納品したことを示している。
また、請求人は、「会社情報(COMPANY INFO)」(乙4)では、アルマーニジャパンが商標権者の日本支社であることが明らかでないと述べているが、在日イタリア商工会議所ホームページ(乙7)におけるアルマーニジャパンに関する記載には、「1987年、ジョルジオアルマーニジャパン株式会社はイタリア・ミラノに本社を置くジョルジオアルマーニS.p.A.の子会社として設立されました」と記載されていることから、商標権者とアルマーニジャパンとの関係が、親会社と子会社であることは明らかである。
さらに、請求人は、乙第4号証に記載のアルマーニジャパンの住所「東京都千代田区三番町5」と、乙第3号証に記載のアルマーニジャパンの住所「東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ銀座タワー」とが相違する旨を述べているが、アルマーニジャパンの会社登記簿謄本(乙8)には、アルマーニジャパンが平成19年10月15日に「東京都千代田区三番町5番地」から「東京都中央区銀座五丁目5番4号」へ移転したことが記載されていることから、アルマーニジャパンの現所在地が納品書(乙3)に記載の住所に合致する。
なお、請求人は、アルマーニジャパンが商標権者の日本支社であったとしても、アルマーニジャパンが本件商標の専用使用権者又は通常使用権者であることにはならないと述べているが、親会社が所有する商標権に係る商標を子会社に使用させる場合、使用許諾契約書を作成しない場合があるところ、被請求人は、その契約書の有無を確認の上、適宜提出する。
ウ 本件商標が使用された商品
請求人は、乙第2号証に記載の商品番号と乙第3号証に記載の商品番号とが相違するため、対応性が明らかでないと述べているが、商標権者の従業員(コマーシャルディレクター)であり、商標権者の商品について十分な知識のあるDaniele Panzani氏は、自ら署名した宣言書(乙9)において、乙第2号証に記載の商品番号256QE、257QE、258QEの「QE」は、「コントラストリボンが付いた工業用布」を意味し、乙第3号証に記載の商品番号R6256,R6257、R6258の「R」は「春/夏シーズン」を意味し、「6」は「メンズコレクション」を意味するため、乙第2号証に記載の商品番号は乙第3号証に記載の商品番号に対応することを証言した。
また、2012年1月17日付け納品書(乙10)の4ページに商品番号RM256QEが、同納品書の8、9、11、12、14及び22ないし24ページに商品番号RM257QEが、同納品書の15ないし23ページに商品番号RM258QEが、同納品書の10及び19ページに商品番号RM259QEが、それぞれ記載されている。これらの商品番号は、乙第5号証に記載された商品番号に対応している。
さらに、商品番号RM256QE、RM257QE、RM258QE、RM259QEの商品説明には、第2素材として水牛の革が使用されていることが表示されており、これらの商品は、第18類のかばん類に該当する。
よって、乙第5号証及び乙第10号証から、請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」に付されていることは明らかである。
エ 使用について
請求人は、アルマーニジャパンのいかなる行為が商標法第2条第3項各号に掲げる使用に該当するのか明らかでないと述べているが、乙第3号証及び乙第10号証の各納品書は、商標権者が該納品書に記載の商品をアルマーニジャパンへ納品したことを示している。
よって、上記各納品書は、アルマーニジャパンが該納品書に記載の商品を日本国内へ輸入したことを示しており、輸入は、商標法第2条第3項第2号に掲げる使用に該当する。
オ 使用時期
乙第3号証及び乙第10号証の各納品書は、それぞれ2011年6月22日付け及び2012年1月17日付けのものであり、これらは、いずれも要証期間内のものに該当する。
(2)審理事項通知書に対する意見
ア 乙第2号証では商標が確認できない上、商標の使用者及び使用時期も把握できないことについて
乙第2号証は、社内のみで使用される商品カタログであり、「フォトブック」と呼ばれるものである。乙第2号証及び乙第5号証に記載の商品は、顧客向けのカタログに掲載されたことがないため、出所又は使用時期を特定できるカタログは存在しない。
よって、被請求人は、社内で使用されたフォトブック及び顧客向けプレゼンテーションの資料を提出する。
イ 乙第2号証に表示されている商品が請求に係る商品の範ちゅうに含まれるものであることが確認できないことについて
納品書(乙3及び乙10)の商品説明に「水牛革」を使用した「男性用ハンドバッグ」との記載があることから、乙第2号証及び乙第5号証に表示されている商品は、請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」に含まれる。
ウ 乙第2号証に記載の商品番号と乙第3号証の商品番号とが一致しないために、同一のものとは認められないことについて
商標権者の従業員の宣誓書(乙9)によって、商品番号が一致することを証言する。
エ 商標権者と本件商標の使用者との関係が明らかでないことについて
本件商標の使用者は、商標権者の子会社である(乙7及び乙8)。
オ 本件商標の使用が商標法第2条第3項各号のいずれに該当するか明らかでないことについて
本件商標の使用は、輸入であり、商標法第2条第3項第2号に該当する。
3 平成26年1月31日付け上申書の内容
(1)使用許諾契約について
請求人は、アルマーニジャパンが商標権者の日本支社であったとしても、本件商標の専用使用権者又は通常使用権者であることにはならないと述べている。
しかしながら、商標権者とアルマーニジャパンとの間には、使用許諾契約は取り交わされていないが、アルマーニジャパンは、商標権者が唯一の株主である100%子会社であり、この親子会社の関係から、アルマーニジャパンが、被請求人から本件商標について黙示的に使用を許諾された者であるといえる。これを証明するために、アルマーニジャパンの平成24年度分確定申告書の写し(乙12)、アルマーニジャパンの株式名簿の写し(乙13)及び外資系企業総覧(東洋経済新報社刊)におけるアルマーニジャパンに係る欄の写し(乙14)を提出する。
また、請求人は、アルマーニジャパンの親会社がイタリアに本社を置くGiorgio ARMANI S.P.A.であるのに対し、名義人がスイスを本拠地とするため、両者が整合しないと述べている。
しかしながら、名義人であるGiorgio ARMANI S.P.A.,Milan,Swiss Branch Mendrisioは、「ミラノのGiorgio ARMANI S.P.A.のMendrisioにあるスイス支店」であるから、本店であるGiorgio ARMANI S.P.A.に従属し、実質的に同一人である。ミラノは、スイス国境に近い北イタリアに位置しているため、支店がスイスにあったとしても、何ら不自然ではない。
(2)乙第3号証及び乙第10号証の納品書に記載の商品の輸入の事実を証明する書類について
請求人は、乙第10号証の出荷元、出荷先、権利者、アルマーニジャパンの関係が明確でないこと、また、乙第10号証に記載の物品が通関手続を経て現実に日本に輸入されたことが立証されていないと述べている。
これに対し、被請求人は、乙第10号証に記載の商品が日本へ輸入されたことを証明する輸入許可通知書(乙15)を提出する。当該輸入許可通知書の輸入者にアルマーニジャパンが、仕出人に権利者が、それぞれ記載されていることから、当該貨物が権利者からアルマーニジャパンへ輸入されたことは明らかである。なお、乙第10号証に記載の「OM LOG ASIA LIMITED」は、商品の製造元であり、同じく、「MARUNI」は、アルマーニジャパンが倉庫業務を委託している丸二倉庫株式会社であって、貨物の配達先である。
上記貨物には複数の納品書に係る商品が含まれているところ、その内訳を示す輸入代理人「西濃シェンカー株式会社」から入手した一覧表(乙16)の一列目には、乙第15号証に記載のAWB(航空貨物運送状)番号「HKG-11231366」が記載されており、2行目に乙第10号証の納品書番号「20122250000209」が記載されている。さらに、乙第10号証25ページ目に記載のHTS Code Summaryの「420222」は、乙第15号証2ページ目の「03欄」の「4202.92」に対応する。HTS Codeは国際的なコード番号で、税表番号は日本で使用している番号であるため、末尾の2ケタの数字は異なるが、数量407個と金額1,694,300円は整合しており、対応には疑義がない。
したがって、乙第10号証に記載された商品番号RM256、RM257、RM258、RM259が権利者からアルマーニジャパンへ輸入されたことは明らかである。
(3)商品の販売数量及び時期について
請求人は、輸入された商品の数量が少ないことを理由に、極めて少数の商品数であるため、商標法上の使用に該当しないと述べている。
しかしながら、被請求人は、2012年2月8日から2013年9月4日の間に、商品番号RM256、RM257、RM258、RM259に該当する商品を合計170個販売した。販売日と販売先を記載したリスト(乙17)を提出する。
また、2012年3月1日に「ヒロコレクション」へ販売した事実を証明する出荷指示書、仕入伝票、請求書(乙18)を提出する。
さらに、商品番号RM256、RM257、RM258、RM259に該当する商品が2012年春夏コレクションの商品であることを証明する商品情報(乙19)を提出する。
(4)商品の写真について
請求人は、本件商標が不鮮明であると述べているので、被請求人は、さらに鮮明な商品の写真(乙20)を提出する。
(5)商品の材料について
商品番号RM256、RM257、RM258、RM259に該当する商品には、水牛革が使用されているところ、該商品に使用されている材料を表示した商品タグ(乙21)を提出する。「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」は、日本語で「革及び擬革、これらを材料とする商品であって他の類に属しないもの」であるから、水牛革を使用する上記商品は、これに該当する。
4 平成26年2月12日付け上申書の内容
(1)本件商標を付した商品
被請求人は、本件商標を付した商品が、請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」に該当することを、乙第19号証、乙第21号証及び乙第22号証をもって、以下のとおり、証明する。
ア 本件商標を付した商品の写真として、乙第22号証の1ないし4を提出する。該商品は、4種類の男性用ハンドバッグであり、各号証において、四角で囲う又は矢印で指し示した部分にバッファロー革を使用しており、本件商標が十分に視認できる態様で付されている。
(ア)乙第22号証の1-本件商標を表す部分(革ひも)
(イ)乙第22号証の2-本件商標を表す部分(革ひも)及びベルト止め
(ウ)乙第22号証の3-本件商標を表す部分(革ひも)
(エ)乙第22号証の4-本件商標を表す部分(革ひも)、ふた止め、ふたの縁取り
イ 上記乙第22号証の1ないし4と商品の詳細を説明する資料として提出した商品データ(乙19)との対応関係は、以下のとおりである。
(ア)乙第22号証の1-乙第19号証の商品番号RM256
(イ)乙第22号証の2-乙第19号証の商品番号RM257
(ウ)乙第22号証の3-乙第19号証の商品番号RM258
(エ)乙第22号証の4-乙第19号証の商品番号RM259
ウ 商品データ(乙19)の組成の欄には、該商品にバッファロー革が使用されていることが明記されている。被請求人は、バッグ、ベルト、財布等の革小物を「革製品」と分類するため、製品分類は「革製品」と記載されている。
また、商品番号RM256の材料を表示する資料である商品タグ(乙21)には、「100% BUFFALO LEATHER」と表示されている。
エ 請求に係る商品中の「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」は、日本語で「革及び擬革、これらを材料とする商品であって他の類に属しないもの」であるところ、RM256、RM257、RM258、RM259の各商品は、バッファロー革を材料とする商品であるから、本件商標が請求に係る商品中の「革及び擬革、これらを材料とする商品であって他の類に属しないもの」に付されていることは明らかである。
(2)輸入
被請求人は、本件商標が付された商品(商品番号RM256ないしRM259)がアルマーニジャパンによって日本国内へ輸入された事実を、乙第10号証、乙第15号証、乙第23号証及び乙第24号証をもって、以下のとおり、証明する。
ア 納品書(乙10)(納品書番号20122250000209)には、商標権者からアルマーニジャパンへ輸出された商品が記載されており、商品番号RM256ないしRM259に該当する商品が含まれている。該納品書では、「Ship From」として「OM LOG ASIA LIMITED」、「Ship To」として「MARUNI-IBL PLAZA」となっているが、これは、製造元であるOM LOG ASIA LIMITEDから、アルマーニジャパンが倉庫業務を委託している丸二倉庫株式会社へ貨物が配達されたことを意味しているにすぎず、輸入許可通知書(乙15)に記載のとおり、輸入者はアルマーニジャパンであり、仕出人はGIORGIO ARMANI S.p.A.である。
イ 上記輸入許可通知書(乙15)には、航空貨物運送状に付されるAWB番号「HKG-11231366」が記載されており、この貨物には、複数の納品書に係る貨物が混載されていて、貨物の内訳を示すリスト(乙23)のNo.13ないし27に納品書番号「20122250000209」の記載があるとおり、納品書(乙10)に係る貨物も含まれている。
ウ 納品書(乙10)に係る貨物は、上記輸入許可通知書(乙15)の「〈03欄〉」に該当する。そして、該「〈03欄〉」には、税表番号として、「4202.92」の記載があるところ、財務省関税局発行の実行関税率表(乙24)によれば、該税表番号が含まれる「4202」のカテゴリーには、「旅行用バッグ、断熱加工された飲食料用バッグ、化粧用バッグ、リュックサック、ハンドバッグ、買物袋、財布、マップケース、シガレットケース、たばこ入れ、工具袋、スポーツバッグ、瓶用ケース、宝石入れ、おしろい入れ、刃物用ケースその他これらに類する容器(革コンポジションレザー、プラスチックシート、紡織用繊維、バルカナイズドファイバー若しくは板紙から製造し又は全部若しくは大部分をこれらの材料若しくは紙で被覆したものに限る。)及びトランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばん、眼鏡用ケース、双眼鏡用ケース、写真機用ケース、楽器用ケース、銃用ケース、けん銃用のホルスターその他これらに類する容器」が含まれており、そのうち、「外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」は、「4202.92」に分類される。
したがって、上記「〈03欄〉」には、品名「ARTICLE OF CASES PLA.-SHEET & TEXTILE」と記載されているが、これは、「外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」であることを表しており、該商品が大分類の「4202」に含まれることは明らかであり、また、「ハンドバッグ」が「4202」のカテゴリーに含まれていることは明らかである。
エ 輸入許可通知書(乙15)の「〈03欄〉」には、数量(1)として「407」、金額として「1,694,300」が記載されている。これは、納品書(乙10)の「Page 25of27」の「HTS Code Summary」に記載のQty(数量)としての「407」とNet Value(正味価格)としての「1,694,300」に合致する。なお、「HTS Code Summary」に記載の重量「303」は、「〈03欄〉」に記載の「203.13」と異なっているが、納品書では重量を概算で記載するため、実際の重量とは異なっている。また、「HTS Code Summary」のコード番号「420222」と〈03欄〉の税表番号「4202.92」とは合致しないが、これは、商標権者が納品書に記載の商品を「420222」に該当すると判断して記載したが、日本の税関では「4202.92」に該当すると判断されたため、同じ商品であっても番号が異なっている。
したがって、納品書に記載された商品(商品番号RM256ないしRM259)が、アルマーニジャパンによって日本国内へ輸入された事実は、明らかである。
(3)販売
被請求人は、乙第17号証及び乙第18号証をもって、商品番号RM256ないしRM259に係る商品が日本国内において販売されたことを証明する。
5 むすび
本件商標は、請求に係る商品に付されている。そして、アルマーニジャパンは、本件商標を付した商品を日本国内へ輸入し、かつ、日本国内において販売した。輸入及び販売は、商標法上の商標の使用にあたるところ(商標法第2条第3項第2号)、上記アルマーニジャパンによる輸入及び販売は、要証期間内に行われた。
したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人に使用を許諾された者により、「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes」について使用されたことが明らかであるから、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求める。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した乙各号証及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標の使用者について
ア 乙第4号証の1及び2は、商標権者の会社情報とされるものであって、2013年(平成25年)7月16日にインターネット上の情報を紙出力したものであるところ、これには、「ジョルジオアルマーニ株式会社(GIORGIO ARMANI S.p.A)」が1975年7月24日に創立され、「イタリア、ミラノ20121、ヴィアボルゴヌオヴォ11」に本社を置くこと、「アジア/太平洋」に関し、「東京都千代田区三番町5」に所在する「ジョルジオアルマーニジャパン株式会社(GIORGIO ARMANI Japan Co.Ltd.)」があること、などの記載がある。
イ 乙第7号証は、在日イタリア商工会議所ホームページの写しとされるものであって、2013年(平成25年)12月18日に紙出力されたものであるところ、これには、「1987年、ジョルジオアルマーニジャパン株式会社はイタリア・ミラノに本社を置くジョルジオアルマーニS.p.A.の子会社として設立されました」との記載がある。
ウ 乙第8号証は、アルマーニジャパンの会社登記簿謄本であって、2013年(平成25年)12月12日の15時13分現在の情報とされるものであるところ、これには、同社が、衣料用繊維製品、装身具、かばん類、袋物等の輸入、販売等を目的として、昭和62年10月14日に会社成立されたこと、平成19年10月15日に「東京都千代田区三番町5番地」から「東京都中央区銀座五丁目5番4号」へ本店を移転したこと、平成22年12月22日時点における発行済み株式の総数が「7526株」であること、などの記載がある。
エ 乙第12号証は、アルマーニジャパンの平成24年1月1日ないし同年12月31日の事業年度分の確定申告書の写しとされるものであるところ、その「同族会社等の判定に関する明細書」によれば、アルマーニジャパンによる期末現在の発行済み株式「7,526株」は、そのすべてが「ジョルジオアルマーニ エス.ピー.エー.」(イタリア国 ミラノ 20121 ボルゴヌオヴォ通り 11)を株主とするものである旨の記載がある。
オ 乙第13号証は、アルマーニジャパンの代表取締役社長による記名及び押印のある平成25年12月31日現在における同社の株主名簿とされるものであるところ、これには、昭和62年10月14日の会社成立による新株発行時から平成25年12月31日までの間、その発行済み株式の総数7,526株のすべてについて、「イタリア国ミラノ 20121 ボルゴヌオーヴォ通り 11」の「ジョルジオアルマーニ エス.ピー.エー.」が株主である旨の記載がある。
カ 乙第14号証は、2013年7月31日発行の「2013 外資系企業総覧」(東洋経済新報社)の記事の写しとされるものであるところ、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン(株)」の事業として、「日本国内におけるアルマーニ製品の輸入及び卸・小売」との記載がある。
(2)本件商標の使用に係る商品及びその輸入について
ア 乙第10号証は、商標権者からアルマーニジャパンへ納品したことを示す2012年1月17日付け納品書(全27頁)とされるものであるところ、これには、日付としての「2012年1月17日」、インボイス番号としての「2012 225 0000209」、インボイス作成者としての「ジョルジオアルマーニジャパン株式会社」、出荷元としての香港の企業名、出荷先としての千葉県の企業名、商標権者名等の記載があるほか、商標権者が本件商標の使用に係る商品とする「RM256」、「RM257」、「RM258」及び「RM259」並びにほかの商品に係る商品番号、商品ごとの材質、HTSコード、数量、価格等が記載されている。
そして、上記「RM256」ないし「RM259」のいずれについても、「シーズン:2012 30-春夏 2012(Season:2012 30-SPRING SUMMER 2012)、コントラストリボンが付いた工業用布を意味するとする「QE」、「男性用ハンドバッグ(MAN HANDBAG)」、布1(FABRIC 1)として「成分 ポリエステル100%(Comp.100%POLYESTER)」、第2布(SECOND FABRIC)として「成分 水牛革100%(Comp.100%BUFFALO LEATHER)」、裏地1(LINING)として「成分 ポリアミド100%(Comp.100%POLYAMIDE)」、HTSコードとして「420222」との記載がある。
また、上記納品書の25頁には、HTSコードのまとめ(HTS Code Summary)として、該コードが「420222」に係る数量(Qty)が「407NR」、同じく、正味価格(Net Value)が「1,694,300」である旨の記載がある。
イ 乙第15号証は、上記アの納品書(乙10)に係る2012年1月24日付け輸入許可通知書とされるものであるところ、これには、申告年月日としての「2012/01/24」、輸入者としてのアルマーニジャパンの名称及び住所、仕出人としての商標権者の名称及び住所の記載があるほか、そのうちの「<03欄>」には、品名として「ARTICLE OF CASES PLA.-SHEET & TEXTILE」、税表番号として「4202.92」、数量(1)として「407 NO」、BPR按分係数として「1,694,300」の記載がある。
ウ 乙第19号証は、2012年春夏コレクションの商品である「RM256」ないし「RM259」に係る商品情報とされるものであるところ、これには、品番を「RM256」ないし「RM259」とする物の画像とともに、そのいずれも、生地を「QE」とすること、年及びシーズンを「2012」及び「30-春/夏(30-SPRING/SUMMER)」とすること、組成(COMPOSITION)を「[本体]ポリエステル100[その他]バッファロー革100[裏地]ナイロン100」とすること、などの記載がある。
なお、上記各商品の画像からは、該商品に本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)が使用されているか否か明らかでない。
エ 乙第22号証の1ないし4は、それぞれ乙第19号証の商品番号「RM256」ないし「RM259」に対応する商品(4種類の男性用ハンドバッグ)の画像であって、各商品における「バッファロー革」の使用部位を明示したとされるものであり、かつ、本件商標が十分に視認できる態様で付されているものとされるところ、各画像において示されている使用部位等は、以下のとおりである。
(ア)「RM256」とされるもの(乙22の1)は、黒色の横長形状のバッグであって、その左右上端にわたるベルト様のものが付いたものであるところ、「バッファロー革」が使用されているとする部位は、該バッグ上方中央に付された小さい銀色楕円形様のものの周囲に限られており、また、その画像からは、該商品に本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)が使用されているか否か明らかでない。
(イ)「RM257」とされるもの(乙22の2)は、黒色の横長形状のバッグであって、その上方に2つの手提げ紐様のものが付いたものであるところ、「バッファロー革」が使用されているとする部位は、該バッグの側面部にある4つのベルト止め部及び側面部上方中央に付された小さい銀色円形様のものの周囲に限られており、また、該銀色円形様のものには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。
(ウ)「RM258」とされるもの(乙22の3)は、黒色の横長形状のバッグであって、その上方にベルト様のものが付いており、かつ、その側面部に白色の「A」、「J」及び「SINCE/1981」の文字や図形等が表示されているものであるところ、「バッファロー革」が使用されているとする部位は、該バッグ上方中央に付された小さい銀色楕円形様のものの周囲に限られており、また、その画像からは、該商品に本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)が使用されているか否か明らかでない。
(エ)「RM259」とされるもの(乙22の4)は、黒色の略正方形状のバッグであって、その上方部がふたのように被るようになっているものであるところ、「バッファロー革」が使用されているとする部位は、該ふたのように被る部分の縁取りとその部分の止め具として機能する部分に限られており、また、該止め具として機能する部分にある銀色円形様のものには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。
オ 乙第24号証は、財務省関税局発行の実行関税率表(2012年1月版)であって、2014年(平成26年)2月10日に紙出力されたものであるところ、そのうちの「第42類 革製品及び動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品」には、「H.S.code」ごとに、対応する「品名」と「関税率」が一覧表形式にまとめられている。そして、「H.S.code」を「42.02」とする品名欄には、「旅行用バッグ、断熱加工された飲食料用バッグ、化粧用バッグ、リュックサック、ハンドバッグ、買物袋、財布、マップケース、シガレットケース、たばこ入れ、工具袋、スポーツバッグ、瓶用ケース、宝石入れ、おしろい入れ、刃物用ケースその他これらに類する容器(革、コンポジションレザー、プラスチックシート、紡織用繊維、バルカナイズドファイバー若しくは板紙から製造し又は全部若しくは大部分をこれらの材料若しくは紙で被覆したものに限る。)及びトランク、スーツケース、携帯用化粧道具入れ、エグゼクティブケース、書類かばん、通学用かばん、眼鏡用ケース、双眼鏡用ケース、写真機用ケース、楽器用ケース、銃用ケース、けん銃用のホルスターその他これらに類する容器」との記載があり、同じく、「4202.92」とする品名欄には「外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」との記載がある。
2 上記1において認定した事実に基づき、本件商標の使用につき、以下判断する。
(1)本件商標の使用者について
アルマーニジャパンは、我が国において、商標権者の100%子会社として成立、営業しており、2012年(平成24年)1月に、商標権者を仕出人とする本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品「男性用ハンドバッグ」(「RM257」及び「RM259」)を輸入したといえることから、商標権者は、アルマーニジャパンに対し、本件商標の使用について黙示的に許諾をしていたものと判断するのが相当である。
したがって、アルマーニジャパンは、本件商標に係る通常使用権者というべきである。
(2)本件商標の使用に係る商品について
上記(1)のとおり、アルマーニジャパンは、要証期間内である2012年(平成24年)1月に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した男性用ハンドバッグを輸入したところ、その輸入に係る商品の本体は、すべてポリエステル製であり、バッファロー革は、わずかにベルト止めや商品のふたのように被る部分の縁取り等に使用されているにすぎない。
そして、上記商品は、輸入に際し、「外面がプラスチックシート製又は紡織用繊維製のもの」についての関税が適用されているところ、これは、該商品の一部にバッファロー革が用いられているとしても、その本体がすべてポリエステル製であることによるとみるのが相当である。
そうすると、上記アルマーニジャパンの輸入に係る商品は、ポリエステルを主材とする男性用ハンドバッグといえるから、該商品は、請求に係る商品「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;trunks and suitcases」の範ちゅうに属する商品と認めることができない。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、本件商標に係る通常使用権者であるアルマーニジャパンは、要証期間内に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した商品を輸入したとまではいえるが、その輸入に係る商品は、請求に係る商品の範ちゅうに属するものとは認められない。
その他、被請求人の主張及び同人の提出に係る乙各号証を総合勘案しても、上記認定、判断を覆すに足る事実は見いだし得ない。
3 まとめ
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る商品「Leather and imitation leather,goods made thereof not included in other classes;trunks and suitcases」について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、上記商品に本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中、「結論掲記の商品」について、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2014-06-10 
結審通知日 2014-06-12 
審決日 2014-06-26 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Y18)
最終処分 成立 
前審関与審査官 和田 恵美 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 田中 敬規
梶原 良子
登録日 2001-05-17 
代理人 竹内 耕三 
代理人 長谷 玲子 
代理人 向口 浩二 
代理人 深見 久郎 
代理人 笹島 富二雄 
代理人 森田 俊雄 
代理人 冨井 美希 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ