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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20147821 審決 商標
不服2014650011 審決 商標
不服20149210 審決 商標
不服201323856 審決 商標
不服201412723 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W24
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 W24
管理番号 1296151 
審判番号 不服2013-10115 
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-03 
確定日 2015-01-08 
事件の表示 商願2012- 65374拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「筑前織物」を標準文字で表してなり、第24類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年8月10日に登録出願され、その後指定商品については、当審における同26年2月25日受付の手続補正書により第24類「帯地」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『今の福岡県の北西部』の旧国名である『筑前』と商品名である『織物』からなり、全体として『福岡県の北西部で生産された織物』程度の意味合いを容易に理解、認識させる。また出願人の所在地は、福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目6番24号であって、旧国名『筑前』の地理的範囲には、出願人の所在する福岡市が含まれるため、『筑前』は、本願の指定商品の産地又は販売地を表示するものといえる。そうとすると、これをその指定商品について使用するときは、実際の指定商品の産地・販売地の名称と商品名とを組み合わせたものであり、『福岡県の北西部で生産又は販売された織物』であることを普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『福岡県の北西部で生産又は販売された織物』以外の商品について使用をするときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。また出願人は、本願商標が各指定商品について使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っている旨主張するが、提出された資料からは不明であるから、当該主張について認めることはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯
審判長は、平成26年1月15日付けの審尋により、「織物」の文字に地名を冠した「○○織物」(○○は地名。)の文字の使用例及び商品名に「筑前」の文字を冠した「筑前△△」(△△は商品名。)の文字が一般に使用されている例を提示した上で、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条1項第16号に該当し、同法第3条第2項に該当するに至っていない旨を開示し、請求人に意見を求めた。
これに対し、請求人は、同年2月25日受付の回答書を提出し、その後同年7月24日受付の上申書を提出した。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、「筑前織物」を標準文字で表してなり、その指定商品を「帯地」とするものである。
ところで、本願商標は、その構成及び意味からして、「筑前」(福岡県の北西部の旧国名。)と「織物」の文字を結合させたものと容易に認識されるものであるところ、「織物」の文字に地名を冠した「○○織物」(○○は地名。)の文字が一般に使用されている事実、及び商品名に「筑前」の文字を冠した「筑前△△」(△△は商品名。)の文字が一般に使用されている事実が下記ア及びイのとおり認められる。
ア 「○○織物」(○○は地名。)の文字が一般に使用されている事実
(ア)「きもの用語大全」のウェブサイトにおいて、「米沢織物とは」の見出しの下、「山形県米沢市が産地の織りのきものです。」の記載がある。
(http://www.so-bien.com/kimono/ブランド・地域特産/米沢織物.html)
(イ)「桐生織物」のウェブサイトにおいて、「桐生織物産地の概要」の見出しの下、「…このような桐生市を中心としたのが桐生織物産地であります。」の記載がある。
(http://www.sunfield.ne.jp/~krytex01/htm/gaiyou.htm)
(ウ)「ふじのくに 静岡県公式ホームページ」のウェブサイトにおいて、「遠州織物とは」の見出しの下、「静岡県西部の遠州地域は、江戸時代には日本でも有数の綿花の産地でした。…そして遠州地域は、織布、染色などの分業工程の工場が集まる日本有数の綿織物の産地となります。」の記載がある。
(http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-560/eo/eo_howto.html)
(エ)「楽天市場」の「Bless You」のウェブサイトにおいて、「三河木綿5重ガーゼケット(D16-103-10)ギフト 内祝い お返し 出産 贈答 香典返し お中元 お歳暮 新築改築祝い 結婚」の見出しの下、「商品詳細」の欄に「…三河織物とは、愛知県三河地方で、2色以上の糸を使用した縞柄に織られた伝統ある木綿生地の総称で、…」の記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/blessyou/d16-103-10/)
(オ)「知多織物工業協同組合」のウェブサイトにおいて、「contents」の「知多織のあゆみ」の項に、「産地の沿革」の見出しの下、「知多地方は、古くから綿織物の産地として知られ、…」の記載がある。
(http://www.gld.mmtr.or.jp/~chitaori/)
(カ)「京都府織物・機械金属振興センター」のウェブサイトにおいて、「丹後織物産地」の見出しの下、「…丹後が『ちりめん』の産地として形成されたのは、1720年(亨保15年)に…」の記載がある。
(http://www.silk.pref.kyoto.jp/oriki/sanchi/tango_orimonosanchi.html)
(キ)「楽天市場」の「帯専門店 おびや」のウェブサイトにおいて、「夏帯 博多帯 紗献上【黒木織物】謹製 金印 本場筑前博多織り 八寸名古屋帯【お仕立て・送料・代引き】無料!【RCP】10P04Aug13」の見出しの下、「商品説明」の欄に「■博多織物名門【黒木織物】最高級の金印」の記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/obisenmon/1884/)
イ 「筑前△△」(△△は商品名。)の文字が一般に使用されている事実
(ア)「あさくら路 観光案内」のウェブサイトにおいて、「朝倉市の伝統・文化」の見出しの下、「甘木絞り」の項に「博多絞りも甘木絞りも、やはり江戸時代からの長い歴史を持っていたものらしく、初めは、『筑前絞り』として売り出されていたが、大正13年頃より『甘木絞り』の名で売り出されるようになったそうです。」の記載がある。
(http://www.amagiasakura.net/dento)
(イ)「YAHOO!JAPAN ショッピング」の「きものネット商会」のウェブサイトにおいて、「本場筑前博多帯」の見出しの下、「本場筑前帯の特長」の記載がある。
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/kimono-japan/cbdcbeecc3.html)
(ウ)「人形のごとう」のウェブサイトにおいて、「国崎正行」の見出しの下、「筑前雛(屏風・桐箱付)」の記載がある。
(http://www.hakataningyou.com/sakka/t32/a39.html)
(エ)「筑前琵琶 橘流 日本橘会」のウェブサイトにおいて、「筑前琵琶」の記載がある。
(http://www.biwatachibana.or.jp/resource/type5.html)
(オ)「久我記念館」のウェブサイトにおいて、「筑前磁器須恵焼」の記載がある。
(http://sue-museum.jp/art/contents1.html)
(カ)「あさくら路 観光案内」のウェブサイトにおいて、「特産品紹介 -筑前町-」の見出しの下、「筑前うどん」、「筑前まんじゅう」及び「筑前ロール」の記載がある。
(http://www.amagiasakura.net/toku_p2)
ウ 小括
以上の事実からすれば、「筑前織物」の文字は、「筑前(福岡県の北西部)で生産された織物」であることを表示するものとして、取引者、需要者に認識されるとみるのが相当である。
そして、本願の指定商品「帯地」は、「帯にする布地」であり、「織物」の一種といえるものである。
そうとすると、「筑前織物」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標を「筑前(福岡県の北西部の地域)で生産された織物」であるという商品の産地、品質を表示したものと認識するにすぎないものというべきである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標は、長年の使用により周知・著名であり十分に識別力を有する旨主張し、当審において平成26年2月25日受付の回答書により参考資料1ないし参考資料20並びに同年7月24日受付の上申書により使用事実1及び2(以下、これらを「使用事実1」「使用事実2」という。)を提出した。
そして、請求人の主張及び提出した証拠によれば、請求人は、博多織の産地専門卸商社又は織元(筑前織物株式会社、福絖織物株式会社)他から構成される筑前織物グループに属し、昭和25年の設立以来、博多織の帯地、帯や反物を中継地卸売商に販売する産地専門卸商であること、また、請求人は、自社の本店、支店及びインターネット通販サイト等において、帯地のほか、これから制作された帯や小物を販売していること、そして、請求人は、販売する帯地に添付する「しおり」や雑誌における帯地や帯の広告等に「筑前織物」の文字からなる商標を使用していることが認められる。
そこで、これら請求人の使用により、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものであるか否かについて検討する。
ア 実際に使用している商標及び商品
請求人が卸商として問屋に販売するほか、店頭及びインターネット通販サイトにおいて一般消費者に販売している商品は、帯地及び帯地から制作される帯や小物(以下「使用商品」という。)(参考資料3・5)であって、本願の指定商品「帯地」を含むものである。
また、請求人が使用商品の販売宣伝用チラシ・販売宣伝用しおり(参考資料3・6)に表示し、使用している「筑前織物」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)は、請求人(筑前織物株式会社)の略称であって、本願商標とその構成において同一の商標といえるものである。
イ 使用開始時期及び使用期間
請求人は、使用商標を昭和25年の創業当初より使用していると主張するところ、使用商標が表示された販売宣伝用しおり(使用事実1)に記載された郵便番号が5桁であることから、当該しおりは、郵便番号が7桁に移行した平成10年2月2日以前から使用されていたことが推認され、これから、使用商標が少なくとも16年以上継続して使用されていることが推認し得る。
ウ 使用地域
請求人は、本店を福岡県、支店を京都府、東京都に有し、使用商品の取扱店が福岡県に90店、京都府に158店、東京都に139店存在(参考資料7)することから、使用商品は、少なくとも取扱店の存在する都府県において販売されていることが認められる。
また、請求人は、福岡・天神の百貨店「岩田屋本店(和雑貨売場)」(参考資料3)や、東京・日本橋の百貨店「三越(呉服売場)」等(職権調査)において新作発表会や展示・販売を行っていることが認められる。
さらに、使用商品は、インターネット通販サイトにより購入することが可能であることから、全国においても購入可能な状態にある。
エ 指定商品の販売数量
請求人の取り扱いに係る商品の平成22年から平成25年の間の年別売り上げは、各年28億円前後であるところ(参考資料10)、「帯地」の販売数量は、平成22年度16,094本、平成23年度13,713本、平成24年度13,470本、平成25年度12,674本(職権調査)である。
オ 請求人による広告・宣伝等
請求人は、福岡・天神の百貨店「岩田屋本店」における新作発表会の案内はがき、「第61回筑前織物ファミリーセール春の市」の案内ちらし等、製品紹介のちらしを製作し、顧客に頒布している。また、本社1階にショールームを備え、展示・販売を行っている(参考資料3)。
さらに、使用商品はインターネット通販サイト上で広告・宣伝等している。
カ 他人による広告・宣伝等
使用商品は、使用商標の表示ともに雑誌「美しいキモノ」(参考資料4)において紹介されている。その雑誌の発行部数は約11万部であり、全国の書店で販売されている。また、使用商品は、使用商標の表示ともに、九州を中心に15万部発行されている雑誌(フリーペーパー)「Please」(参考資料7)に掲載されている。
また、新聞報道によっても以下のとおり紹介されている。
(ア)「福岡県/櫛田神社に博多織の狩衣 宮司の還暦祝いに贈られる/福岡都市圏」( 2013年6月14日 西日本新聞)の見出しのもと、「福岡市博多区上川端町の櫛田神社で13日、筑前織物(同区)が初めて制作した博多織の「狩衣(かりぎぬ)」が阿部憲之介宮司に贈られた。…」との記載がある。
(イ)「福岡県/まちナビ=博多織受賞作品展/福岡都市圏」(2013年4月17日 西日本新聞)の見出しのもと、「■博多織受賞作品展 21日まで、中央区天神1丁目のアクロス福岡匠(たくみ)ギャラリー。第110回博多織求評会で、8年連続内閣総理大臣賞を受賞した博多織の筑前織物と福絖(ふっこう)織物の作品展。受賞作品を中心に、博多帯や小物、インテリアなど約300点を展示販売。…」との記載がある。
(ウ)「博多織献上柄、ちょっと上質なエコバッグ、筑前織物(福岡市)(九州いち押し)」(2009年6月6日 日本経済新聞)の見出しのもと、「絹100%、生地は丈夫で軽く九州を代表する伝統工芸の博多織。帯の老舗卸で商品開発も手掛ける筑前織物(福岡市)は伝統の技術を生かし、ショッピングや行楽に活躍する手提げかばん『博多織献上柄 ちょっと上質なエコバッグ』を開発した。…」との記載がある。
(エ)「生き残り図る博多織業界??直織り機を導入、電算機使い生産合理化。」(1988年2月26日 日本経済新聞)の見出しのもと、「西陣、桐生と並ぶ帯の三大産地の一つ、博多。…品開発力の強化も課題だ。筑前織物(福岡市)は今年から毎月一回、商品開発会議を始めた。東京、京都支店から営業マン全員を本社に集め、販売の最前線のニーズを検討、売れ筋をみつけ出す。帯以外の用途開拓にも着手した。博多織は大半が帯で装飾用は二、三%程度。新製品開発委員会を作り、財布などギフト商品の開発を進める。…」との記載がある。
(オ)「筑前織協が和議申請。」(1984年6月1日 日本経済新聞)の見出しのもと、「博多織の大手産地問屋、筑前織協(本社福岡市、社長平田正一氏、資本金二億一千万円)は三十一日、和議法の適用を福岡地裁に申請した。…同社は博多織の産地問屋としては後藤、筑前織物と並ぶ“御三家”のひとつ。翼下には約四十社の織元を抱えいる。」との記載がある。
さらに、テレビドラマ「水戸黄門」(2003年3月24日放送)において、衣装協力をし、テレビ画面で紹介されている(使用事実2)。
カ 他人による標章「筑前織物」の使用の有無
職権調査によれば、商品「帯地」について、「筑前織物」なる標章が請求人及び取引関係者以外の者により使用されている事実は発見できなかった。
キ その他
請求人の製造部門が制作し、「筑前織物」と表示された帯が、帯地博多織求評会で連続して計9回(第103回?111回)、通算計10回の内閣総理大臣賞を受賞し、文部科学大臣賞を連続して2回(第110回、第111回)、経済産業大臣賞を3回(第103回、第109回、第110回)、経済産業省製造局長賞を2回(第109回、第111回)、九州経済産業局長賞を1回(第109回)をはじめ複数の賞を何度も受賞をしている。
また、これらの作品は、「筑前織物」の表示と共に、受賞し、その後福岡・天神の百貨店「岩田屋本店」(参考資料3)や、東京・日本橋の百貨店「三越(呉服売場)」等(職権調査)で展示・販売されている。
ク 小括
上記アないしキを、総合して検討すれば、請求人は、昭和25年の設立以来、博多織の帯地や帯、小物を販売している。
そして、本願商標は、請求人の略称であって、請求人は遅くとも平成10年頃から本願商標と同一の商標を帯地に継続して使用していること、販売数量は相当あり、自他の広告宣伝及び雑誌等にも掲載され、品評会等で賞を受賞していることからすれば、本願商標は、継続して使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものということができる。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同法第3条第2項の規定により本願登録を受けることができるものである。
その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2014-12-22 
出願番号 商願2012-65374(T2012-65374) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W24)
T 1 8・ 17- WY (W24)
最終処分 成立 
前審関与審査官 佐藤 淳小出 浩子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 網谷 麻里子
大森 健司
商標の称呼 チクゼンオリモノ 
代理人 有吉 修一朗 
代理人 遠藤 聡子 
代理人 森田 靖之 
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