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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2930
審判 全部申立て  登録を維持 W2930
審判 全部申立て  登録を維持 W2930
審判 全部申立て  登録を維持 W2930
管理番号 1295102 
異議申立番号 異議2014-900041 
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-02-06 
確定日 2014-12-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5634830号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5634830号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5634830号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成25年6月19日に登録出願された商願2013-47140に係る商標法第10条第1項の規定(分割出願)による商標登録出願として、同25年10月22日に登録出願され、第29類「乳製品,冷凍野菜,冷凍果実」及び第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦」を指定商品として、同年11月14日に登録査定、同年12月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
(1)本件商標について
本件商標は、「MCFS」の欧文字からなるものであるところ、本件商標の権利者(以下「権利者」という。)は、「MC Food Specialties」(登録第5621422号、甲第2号証)及び「MCフードスペシャリティーズ」(登録第5621421号、甲第3号証)の商標登録を得ている。また、権利者は、指定商品第29類及び第30類の商品を指定して、「MC Food Specialties」(登録第5625192号、甲第4号証)及び「MCフードスペシャリティーズ」(登録第5625191号、甲第5号証)の商標登録を得ている。
このような経緯から判断すると、本件商標は、「MC Food Specialties」及び「MCフードスペシャリティーズ」を構成する各単語の頭文字を取った構成からなるものであることが明らかである。
そして、「MC Food Specialties」及び「MCフードスペシャリティーズ」の語頭にあるMCの文字からは、「エムシー」又は「マック」の称呼が生じる。
したがって、本件商標の語頭にあるMCの文字からも、「エムシー」又は「マック」の称呼が生じる。
(2)申立人及び「マック・ファミリー商標」について
ア 申立人は、ハンバーガーのマクドナルドとして知られるマクドナルドの事業に使用される全世界における全ての商標及び知的財産権を登録し管理し行使している米国法人である。申立人を含むマクドナルドグループ(以下「マクドナルド」という。)のマクドナルド事業、並びに、その商品を表す「マクドナルド」の商標及び称呼並びにそれを短縮した「マック」の商標及び称呼は、いずれもマクドナルドの商品及び役務を意味するものとして日本において周知著名となっている。
イ 申立人は、日本において、以下の(ア)ないし(エ)の登録商標を有している(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
(ア)登録第819036号の1の2商標(以下「引用商標1」という。)は、「マツク」の片仮名を横書きしてなり、昭和42年5月30日に登録出願、同44年5月31日に設定登録された登録第819036号商標の商標権の分割移転に係るものであって、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年5月27に分割移転の登録がなされ、その後、指定商品については、平成21年7月1日に、指定商品を第29類「加工野菜及び加工果実」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(イ)登録第2188713号商標(以下「引用商標2」という。)は、「マック」の片仮名と「Mac」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和46年4月12日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年11月28日に設定登録され、その後、指定商品については、同21年7月22日に、指定商品を第29類「肉製品」及び第30類「サンドイッチ,べんとう」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(ウ)登録第2339747号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成元年6月14日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同3年9月30日に設定登録され、その後、指定商品については、同15年4月2日に、指定商品を第1類「人工甘味料」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリ-ソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(エ)登録第2691117号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成元年6月14日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年8月31日に設定登録され、その後、指定商品については、同17年10月12日に、指定商品を第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと」及び第32類「飲料用野菜ジュース」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
ウ 申立人は、引用商標に加えて、語頭部に「Mc」、「MAC」、「Mac」、「マック」等の文字を有する多数の商標登録を有している(以下、引用商標及びこれらの商標をまとめて「マック・ファミリー商標」という。)ところ、マクドナルドがその事業の遂行に関して多数のマック・ファミリー商標を使用し、マック・ファミリー商標は、「マクドナルド」及びそれを短縮した「マック」の商標の著名性と相まって、マクドナルドの商品及び業務に使用される商標を意味するものとして、需要者の間に広く知られている。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性
本件商標は、「MC」の文字をその語頭部に有しており、その後部に「FS」の文字が配置されているところ、その権利者の有する他の登録商標である「MC Food Specialties」及び「MC フードスペシャリティーズ」との関係において、これらの登録商標を構成する各単語の頭文字を取った構成からなる商標であることは明らかであるから、「MC」+「FS」という構成からなるものであり、需要者間において、マック・ファミリー商標の一部であるとの誤認を生じさせるおそれの極めて強いものである。
よって、マック・ファミリー商標が使用されている第29類の指定商品との関係においては、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同項第15号に該当する。また、本件商標は、第30類の指定商品との関係においては、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号又は同項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成文字は、赤色の太字活字体をもって、同一の書体、同一の大きさ、同一の間隔で、「MCFS」と外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生じると認められる「エムシーエフエス」の称呼も冗長という程のものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものといえる。
そうすると、本件商標は、その外観及び称呼の上記特徴を踏まえると、その構成中の「MC」の文字部分のみが独立して取引者、需要者に強い印象を与えるものではなく、構成全体をもって、一体不可分の商標を表したものと認識されるというべきである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「エムシーエフエス」の一連の称呼のみを生じるものであって、特定の観念を有しない造語を表したものと理解されるというべきものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、各文字が同じ大きさの「マツク」の片仮名からなるところ、該文字は、辞書等に載録された成語とは認められず、また、特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているということもできないものである。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「マツク」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標2は、「マック」の片仮名と「Mac」の欧文字とを上下二段に書してなるところ、該各文字の構成及び配置に照らせば、上段の片仮名部分は、下段の欧文字部分の読みを表したものとして看取、理解され得るものである。そして、引用商標2の構成中、「Mac」の欧文字は、我が国で親しまれた成語ということもできないものであるから、直ちに、特定の意味を認識できる語ともいい難いものである。
したがって、引用商標2は、「マック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
ウ 引用商標3及び引用商標4は、別掲2のとおり、大きく顕著に表してなるロゴ化された「M」の欧文字と、その右下方に、該欧文字の約4分の1の大きさで表された「c」の欧文字を配してなるところ、その構成中、ロゴ化された「M」の欧文字部分は、マクドナルドが、長年にわたり我が国を含む各国において、自己の業務に係る商品及び役務について使用している商標と同一のものといえるから、引用商標3及び引用商標4は、「エムシー」の称呼を生じるほか、「マック」の称呼をも生じ、「マクドナルド並びにその商品及び役務」程の観念を生じるものである。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
ア 本件商標と引用商標の類否
本件商標は、上記(1)の認定のとおり、その構成中の「MC」の文字部分のみが独立して取引者、需要者に把握、認識されるものではなく、構成全体が一体不可分のものとして把握、認識されるものであり、「エムシーエフエス」の一連の称呼のみが生じ、特定の観念が生じることのない、いわゆる造語商標を表したと認識されるものである。
してみると、本件商標と引用商標とは、外観において顕著に異なるものであるから、相紛れるおそれはなく、また、本件商標より生じる「エムシーエフエス」の称呼と引用商標より生じる「マック」又は「エムシー」の称呼は、構成音の数、音感・音質等の差異により明らかに聴別し得るものであるから、称呼においても相紛れるおそれはないものである。
そして、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念において、比較することはできず、また、本件商標と引用商標3及び引用商標4とは、前者が特定の観念を生じることのないものであるのに対し、後者は「マクドナルド並びにその商品及び役務」程の観念を生じるものであるから、観念において、相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれがあるということができない非類似の商標というべきであり、出所の混同を生じるおそれがあるということはできない。
イ 本件商標と引用商標以外のマック・ファミリー商標の類否
マック・ファミリー商標(ただし、引用商標を除く。以下このイの項において同じ。)は、引用商標の構成文字と同じ綴りの「Mc」、「Mac」、「MAC」又は「マック」の文字を語頭部に有してなるものであるが、上記(1)のとおり、本件商標がその構成全体をもって一体不可分のものとして把握、認識されるものであるから、たとえ、マック・ファミリー商標が「マック」の称呼を生じ、マクドナルドを連想させることがあるとしても、本件商標に接した取引者、需要者がマック・ファミリー商標を連想又は想起するということもできず、マック・ファミリー商標と本件商標が類似するということはできない。
したがって、本件商標とマック・ファミリー商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、出所の混同を生じるおそれがあるということはできない。
ウ まとめ
以上のことからすれば、本件商標は、引用商標を始めとしたマック・ファミリー商標とは非類似の商標であって、本件商標をその指定商品について使用しても、マック・ファミリー商標を連想又は想起するとはいえず、該商品が申立人又はこれと経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれのあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しないものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(色彩については、原本参照)




別掲2 引用商標3及び引用商標4




異議決定日 2014-12-01 
出願番号 商願2013-82154(T2013-82154) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W2930)
T 1 651・ 252- Y (W2930)
T 1 651・ 253- Y (W2930)
T 1 651・ 251- Y (W2930)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大渕 敏雄齋藤 貴博 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 土井 敬子
原田 信彦
登録日 2013-12-06 
登録番号 商標登録第5634830号(T5634830) 
権利者 MCフードスペシャリティーズ株式会社
商標の称呼 エムシイエフエス 
代理人 村田 実 
代理人 又市 義男 
代理人 神林 恵美子 

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