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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20144235 審決 商標
異議2013900085 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1293864 
異議申立番号 異議2014-900127 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-12-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-07 
確定日 2014-11-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5645833号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5645833号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5645833号商標(以下「本件商標」という。)は、「DIAMOND」の欧文字と「ダイヤモンド」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成24年8月6日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同25年12月6日に登録査定、同26年1月31日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第867443号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2005年3月31日にフランス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005年(平成17年)9月5日に国際商標登録出願、第33類に属する国際商標に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年1月19日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
(1)本件商標と引用商標の類似性
引用商標は、その構成中の「Diamant」の文字部分と「VRANKEN」の文字部分とがその表示方法において全く異なることから分離されている。また、「VRANKEN」の文字部分は、申立人のハウスマークであるから、商品商標である「Diamant」の文字部分がハウスマークを除いて捉えられる場合もある。そして、引用商標中の「Diamant」の文字部分は、日本の需要者に「ダイヤモント」と称呼されるから、「ダイヤモンド」の称呼が生ずる本件商標は、引用商標と称呼において類似するばかりでなく、両商標は、「ダイヤモンド」の観念において相紛らわしく、外観上も類似する。
してみると、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観上類似する商標であり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、互いに抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「DIAMOND」の欧文字と「ダイヤモンド」の片仮名を二段に横書きしてなるものであるから、これより、「ダイヤモンド」の称呼を生ずるものであって、「ダイヤモンド、金剛石」などの観念を生ずるものである。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、茶色の縁を有し、上部がやや山なりになった楕円状図形内を黄色で塗りつぶし、その内部の中央に、黒塗りの左右を斜辺とし対角が等しい横長四角形を配し、該四角形内に、灰色で「Diamant」の欧文字を横書きし、該四角形の下に、赤色で表した「VRANKEN」の欧文字を横書きし、さらに、該四角形の上には、茶色を主とした色彩で表した小さな抽象的図形が配されている構成よりなるものである。そして、引用商標における「Diamant」の文字部分と「VRANKEN」の文字部分は、上記のとおり、それぞれ文字の色・表現方法等において顕著な差異を有するばかりでなく、いずれの文字(語)も我が国の酒類の分野の取引者、需要者に親しまれたものであるとは認め難いところから、観念上密接な関連性を有するものとして理解されるとはいえない。
してみれば、引用商標中、中央に配された「Diamant」の文字部分は、楕円状図形内の黄色と色彩上対照的な黒塗り四角形内に灰色で表されていることも相まって、看者の注意を強く引く部分であり、それ自体が独立して自他商品の識別機能を有するものといえる。そして、「Diamant」の文字部分は、上記のとおり、我が国の酒類の分野の取引者、需要者に親しまれた語とはいえないところからすると、これに接する取引者、需要者は、これをローマ字読み風あるいは英語風に「ディアマント」あるいは「ダイアマント」と称呼して、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字全体を称呼した場合の「ディアマントブランケン」及び「ダイアマントブランケン」の称呼のほか、「Diamant」の文字部分より「ディアマント」及び「ダイアマント」の称呼をも生ずるものであって、該文字ないし構成全体としても、特定の観念を生ずるものではないということができる。
ウ 対比
(ア)外観
本件商標と引用商標は、上記構成よりみて、外観上明らかに相違するものであるから、外観上、類似する商標ということはできない。
(イ)称呼
本件商標より生ずる「ダイヤモンド」の称呼と引用商標より生ずる「ディアマントブランケン」及び「ダイアマントブランケン」の称呼は、構成音数などの顕著な相違により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合において、明瞭に聴別し得るものである。
また、本件商標より生ずる「ダイヤモンド」の称呼と引用商標より生ずる「ディアマント」の称呼は、末尾部の「ン」の音を共通にするのみで、他の構成音を異にするものであるから、前者が6音、後者が5音という比較的短い音数からなる両称呼において、これらの差異音が両称呼全体に及ぼす影響は大きい、そしてまた、本件商標より生ずる「ダイヤモンド」の称呼と引用商標から生ずる「ダイアマント」の称呼は、語頭の「ダイ」及び末尾部の「ン」音を共通にするものの、全体として語調、語感を明らかに異にするものであり、加えて、本件商標より生ずる称呼から「ダイヤモンド、金剛石」などの観念を直ちに想起させるのに対し、「ディアマント」及び「ダイアマント」の称呼からは特定の観念が生じないといった観念上の差異も相まって、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、互いに紛れるおそれはないものと認められる。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼上、類似する商標ということはできない。
(ウ)観念
引用商標は、特定の観念を生ずるものではないから、本件商標とは観念上、比較することができない。
(エ)以上によれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小活
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることはできない。

(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)(色彩は原本参照)


異議決定日 2014-10-31 
出願番号 商願2012-63592(T2012-63592) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W33)
T 1 651・ 263- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安達 輝幸石井 亮矢澤 一幸 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 原田 信彦
野口 美代子
登録日 2014-01-31 
登録番号 商標登録第5645833号(T5645833) 
権利者 アサヒグループホールディングス株式会社
商標の称呼 ダイヤモンド、ダイアモンド 
代理人 青木 篤 
代理人 田島 壽 

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