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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W3243
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W3243
審判 査定不服 外観類似 登録しない W3243
管理番号 1293786 
審判番号 不服2013-25421 
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-25 
確定日 2014-10-30 
事件の表示 商願2013-23549拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第32類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年4月1日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、同年12月25日付け手続補正書により、第32類「ミネラルウォーター」及び第43類「飲料水ディスペンサーの貸与」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1965933号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SMART」及び「スマート」の文字を二段に書してなり、昭和60年1月16日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同62年7月23日に設定登録され、その後、指定商品については、平成20年1月9日に第32類「ビール」及び第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第4356728号商標(以下「引用商標2」という。)は、「SMART」の文字を標準文字で表してなり、平成10年8月27日に登録出願、第42類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、同12年1月28日に設定登録され、その後、同24年8月10日に「登録第4356728号商標の指定役務中『医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究』については、その登録は取り消す。」旨の審決の確定登録がされたものである。
(3)登録第4707977号商標(以下「引用商標3」という。)は、「スマート」の文字を標準文字で表してなり、平成14年9月18日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン(但し,水あめ及び氷砂糖を除く。),調味料(但し,角砂糖・果糖・氷砂糖・砂糖・麦芽糖・はちみつ・ぶどう糖・粉末あめ・水あめ及びこれらに類する商品を除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物(豆を除く。)を主原料とする粉状・粒状・錠剤状・カプセル状・液体状・ゼリー状の加工食品」を指定商品として、同15年9月5日に設定登録されたものである。
(4)登録第4879574号商標(以下「引用商標4」という。)は、「スマート」、「SMART」及び「すまーと」の文字を三段に書してなり、平成16年9月7日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、同17年7月15日に設定登録されたものである。
(5)登録第5334382号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ウォーターサーバー」の文字を標準文字で表してなり、平成21年10月20日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同22年7月2日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び同3について
本願の指定商品は、上記1のとおり補正された結果、引用商標1及び同3の指定商品と類似しない商品になった。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録商標のうち、引用商標1及び同3についての拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標2、同4及び同5について
ア 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、「らく楽スタイル」、「ウォーターサーバー」及び「smart」の文字部分が3段に表されていること及びそれらの文字の大きさ・文字種やデザイン化の程度が相違することから、それぞれが視覚上分離して把握されるものである。
そして、本願商標の構成中の「ウォーターサーバー」の文字は、「筒状の容器(貯水タンク)にろ過された水やミネラルウォーターを入れたものを上部等に設置し、飲料や料理としての用途で汲み出す機器」(水の総合ポータルサイト 水比較ナビ (http://mizu-hikaku.jp/knowledge/waterserver.html))等の意味合いで一般に認識、使用されている語であるところ、これは「飲料水ディスペンサー」ともいえるものであり、本願指定商品「ミネラルウォーター」及び指定役務「飲料水ディスペンサーの貸与」との関係においては、「飲料水ディスペンサー用のミネラルウォーター」及び「貸与される機器が飲料水ディスペンサー」であることを認識させるにすぎないものであるから、自他商品及び自他役務の識別力を有しないか極めて弱いものであるとみるのが相当である。
そうすると、「ウォーターサーバー」の文字部分からは、商品及び役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じないといえるものである。
また、本願商標の構成中の「smart」の文字は、「すらりとして格好が良い」等の意味を有する語であって、本願の指定役務「飲料水ディスペンサーの貸与」との関係においては、「すらりとして格好が良い飲料水ディスペンサーの貸与」であること、すなわち、貸与される機器がスマート(smart)であることを表したものと理解させるにとどまるものであるから、自他役務の識別力を有しないか極めて弱いものであるとみるのが相当である。
そうすると、本願の指定役務との関係においては、「smart」の文字部分からは、役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じないといえるものである。
一方、本願の指定商品「ミネラルウォーター」との関係においては、「smart」の文字は、何らその商品の品質等を表示するものではなく、自他商品の識別力を有するものであるから、該文字部分をもって、独立して取引に資される場合も決して少なくないと判断するのが相当であり、該文字部分に相応して、「スマート」の称呼及び「すらりとして格好が良い」の観念を生じるということができる。
以上のことからすると、本願商標は、その構成全体から「ラクラクスタイルウォーターサーバースマート」の称呼及び上段の「らく楽スタイル」の文字に相応した「ラクラクスタイル」の称呼を生じるほか、これをその指定商品に使用するときは、「smart」の文字に相応した「スマート」の称呼及び「すらりとして格好が良い」の観念を生じるものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標2は、「SMART」の文字を標準文字で表してなるものであるから、「スマート」の称呼及び「すらりとして格好が良い」の観念を生じるものである。
(イ)引用商標4は、「スマート」、「SMART」及び「すまーと」の文字を三段に書してなるものであるから、「スマート」の称呼及び「すらりとして格好が良い」の観念を生じるものである。
(ウ)引用商標5は、「ウォーターサーバー」の文字からなるものであるから、「ウォーターサーバー」の称呼、「ウォーターサーバー」の観念を生じるものである。
類否判断
(ア)本願商標と引用商標2について
本願商標と引用商標2は、その指定役務が類似するものの、本願商標は、前記アのとおり、これをその指定役務に使用するときは、「smart」の文字部分からは、役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものであるから、「スマート」の称呼及び「すらりとして格好が良い」の観念を生じる引用商標2とは、互いに類似する商標ということはできない。
(イ)本願商標と引用商標4について
本願商標と引用商標4は、全体の外観において相違するものの、本願商標のうち、他の文字に比して大きく表され、そして、前記アのとおり、その指定商品との関係においては、独立して取引に資されると認められる「smart」の文字部分と引用商標4の「SAMRT」の文字部分とは、小文字と大文字の差異を有するにすぎないから、外観上、一定程度の類似性を有するものといえ、また、両商標から生じる「スマート」の称呼及び「すらりとして格好が良い」の観念において共通するものであるから、両商標は、互いに紛らわしい類似する商標というべきである。また、本願商標の指定商品と引用商標4の指定商品は、同一又は類似するものである。
(ウ)本願商標と引用商標5について
本願商標は、前記アのとおり、その構成中の「ウォーターサーバー」の文字部分からは、商品及び役務の出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものであるから、「ウォーターサーバー」の称呼及び観念を生じる引用商標5とは、互いに類似する商標ということはできない。
エ 請求人の主張について
(ア)請求人は、「本願商標は、外観上構成上まとまりよく一体的に表されており、該文字より生じる『ラクラクスタイルウォーターサーバースマート』の称呼も格別冗長というべきものでないから、語呂良く一連に称呼し得ること、本願商標の構成中『らく楽』、『スタイル』、『ウォーターサーバー』及び『smart』の文字は、いずれも商品・役務の品質、質、用途、形状に関する自他商品・役務識別力が微弱なものであるため、軽重の差無く結合された本願商標は、『楽な様式で使用できる、すらりとして格好が良い飲料水ディスペンサー』程の意味合いが生じる不可分一体の商標として認識されること及び本願商標は、請求人の使用により、テレビや雑誌等で広告宣伝されてきたため、その取引者、需要者の間で広く知られたものとなっていること(甲第3ないし5号証)から、本願商標は、構成全体に相応して一連の称呼のみを生じ、『楽な様式で使用できる、すらりとして格好が良い飲料水ディスペンサー』程の観念を生じる」旨、主張する。
しかしながら、「smart」の語が飲料用ディスペンサーの形状を表すものとして使用されている場合があるとしても、本願の指定商品である「ミネラルウォーター」の品質等を表示するものとすべき事実を立証する証拠の提出はなく、当審における職権調査においても、本願の指定商品について、「smart」の語がその品質等を表すものとして、取引上一般に使用されている事実を発見することはできない。
また、請求人による本願商標の使用については、その販売量、使用地域及び使用期間、広告・宣伝回数等が不明であることから、本願商標がその指定商品及び指定役務に使用された結果、請求人の業務に係る商標として、取引者、需要者の間で広く知られたものとなっていると認めることができない。
そして、本願商標は、全体から生じる「ラクラクスタイルウォーターサーバースマート」の称呼が20音と極めて冗長であり、「smart」の文字部分をもって取引に資される場合が少なくないことは、上記アのとおりであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
(イ)請求人は、請求人の主張が正当であることの証拠として審決例を挙げているが、それらは、いずれも指定商品や商標の具体的構成において本願とは事案を異にするものであり、本願商標については、上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
オ まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標1及び同3との関係では拒絶の理由が解消し、また、引用商標2及び同5との関係では類似する商標といえない。
しかしながら、本願商標は、引用商標4と類似する商標であり、かつ、指定商品が同一又は類似のものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 (本願商標) (色彩については、原本を参照されたい。)




別掲2 (引用商標2の設定登録時の指定役務)
「美容,理容,入浴施設の提供,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知器の貸与,消火器の貸与,タオルの貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,布団の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」


審理終結日 2014-08-12 
結審通知日 2014-08-19 
審決日 2014-09-05 
出願番号 商願2013-23549(T2013-23549) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W3243)
T 1 8・ 261- Z (W3243)
T 1 8・ 262- Z (W3243)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 大森 健司
土井 敬子
商標の称呼 ラクラクスタイルウオーターサーバースマート、ラクラクスタイル、ウオーターサーバー、スマート 
代理人 鎌田 直也 
代理人 前田 幸嗣 

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