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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W29
管理番号 1292912 
異議申立番号 異議2013-900020 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-01-18 
確定日 2014-10-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5531208号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5531208号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5531208号商標(以下「本件商標」という。)は、「なめらかクリーミープレーン」の文字を標準文字で表してなり、平成24年5月21日に登録出願、第29類「乳製品,食用油脂」を指定商品として、同年9月12日に登録査定され、同年10月26日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第42号証(なお、括弧内の証拠番号については、以下「甲1ないし甲42」のように省略する。)を提出している。
本件商標を構成する「なめらかクリーミープレーン」の文字は、「物の表面にでこぼこがなく、すべすべ又はつるつるしているさま。」や「物事が、すらすらと滞りなく進むさま。」等の意味合いに係る「なめらか」の文字と「クリームをたっぷり含んださま。」や「クリームのように柔らかでなめらかなさま。」の意味合いに係る「クリーミー」の文字及び「簡素なさま。あっさりしたさま。」の意味合いに係る「プレーン」の文字を結合し、一連に表したものと認められる。
そして、これら構成の各文字は、本件商標の指定商品中の商品との関係においては、「なめらか」の文字は、「口当たりないしは舌ざわりが良いこと」を表し、「クリーミー」の文字は、「クリームのように柔らかでなめらか」を表すものとして、それぞれ使用されることが少なくないと認められるとともに、「プレーン」の文字は、たとえば「ヨーグルト」については、「発酵させただけの生のもの」を、「チーズ、マーガリン、スプレッド」等については、「味を付していないもの」、「あっさりした風味のもの」であることを表すものとして使用されていると認められる(甲1ないし甲28)。
そうとすれば、本件商標を構成する「なめらかクリーミープレーン」の文字は、その指定商品中の例えば「ヨーグルト、チーズ、マーガリン、スプレッド」等の商品との関係においては、当該商品が「なめらかでクリーミーなプレーンタイプ」のものということを理解させるにすぎないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、その指定商品中、「プレーンタイプのヨーグルト、チーズ、マーガリン、スプレッド」等に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、その品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当し、同法第15条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきものである。

第3 取消理由通知
当審において、平成26年2月28日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。
1 本件商標に係る事実について
(1)申立人の提出に係る甲各号証及び職権調査によれば、以下の事実が認められる。
ア 「なめらか」「クリーミー」「プレーン」の語の意味について
「広辞苑 第六版」(株式会社岩波書店発行)によれば、「なめらか」の語は、「すべすべしているさま。つるつるしているさま。」の記載があり、「クリーミー」の語は、「クリームが多く含まれているさま。クリーム状にきめ細かくなめらかなさま。」の記載があり、「プレーン」の語は、「簡素なさま。淡泊なさま。何も加えていないさま。」の記載がある。
イ 「プレーンヨーグルト」(上記「ア」に同じ。)の語は、「甘味料や香料・果物などを加えていない生のままのヨーグルト。」の記載がある。
ウ 甲第2号証は、平成17年3月23日付けのよつ葉乳業株式会社のウェブサイトであり、「『よつ葉十勝プレーンヨーグルト生乳100%』」(抜粋)の見出しの下、商品特長として「北海道十勝産の生乳を100%使用したなめらかなプレーンヨ-グルトを手軽に味わえる個食タイプ。」との記載がある。
エ 甲第3号証は、2011年8月のタカナシ乳業株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、「タカナシ 絹シルキーヨーグルト」(抜粋)の見出しの下、商品特長として「クリームと卵黄の絶妙なバランスによって絹のようになめらかな食感を実現しました。」との記載がある。
オ 甲第4号証は、2007年2月20日の小岩井乳業株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、「小岩井まきばヨーグルトこだわりクリーミー」(抜粋)の見出しの下、「『小岩井まきばヨーグルト こだわりクリーミー』は、『乳』のおいしさにこだわったクリーミーなヨーグルトです。」との記載がある。
カ 甲第6号証は、2008年9月1日のダノンジャパン株式会社から報道関係者様宛てのウェブサイトであり、「『ダノンビオ』から秋の新製品が登場」(抜粋)の見出しの下、「クリーミーなおいしさはそのままに、16種類の野菜と3種類のフルーツをブレンドしたすっきりとしたおいしさが特長です。」、「人気のプレーン・加糖に加えて、さくさくとした果肉が入ったりんご、つぶつぶの新鮮な食感が特長のストロベリーの3種類の味で、脂肪分の摂りすぎやカロリーを気にせずに、毎日食べられる新しい『ダノンビオ 脂肪0%』シリーズです。」との記載がある。
キ 甲第7号証は、2012年7月の森永乳業株式会社のNEWS RELEASEのウェブサイトであり、「3倍濃縮した、滑らかな舌触りでクリーミーな新食感ヨーグルト!『濃密ギリシャヨーグルトPARTHENO(パルテノ)』」(抜粋)の見出しの下、「日本のヨーグルト市場は、プレーンを中心に伸張傾向にありますが・・・。」、「『ギリシャヨーグルト』とは水切り製法で水分や乳清(ホエー)を除去した、濃厚でクリーミーな味わいが特徴のヨーグルトです。」との記載がある。
ク 甲第8号証は、2008年7月のチチヤス株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、「『PureRichヨーグルト いちじく』100g 新発売 2008年9月2日(火)より全国で発売!」(抜粋)の見出しの下、「PURE RICHヨーグルトシリーズは、旬のフルーツと生乳たっぷりのクリーミーなヨーグルトとのバランスにこだわった、チチヤスのプレミアムデザートヨーグルトです。」との記載があり、商品コンセプトとして、「Benefit/旬のこだわり果実と、生乳たっぷりのクリーミーなヨーグルトとのベストバランス。」との記載があり、さらに商品特徴として「『ベストバランスデザートヨーグルト』を開発コンセプトに、フルーツソースとヨーグルトのベストバランスを追求。・・・クリーミーでなめらかなヨーグルトをあわせたデザートタイプのヨーグルトです。」との記載がある。
ケ 甲第9号証は、2007年11月のタカナシ乳業株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、「タカナシ 北海道無脂肪ヨーグルトプレーン 500g」(抜粋)の見出しの下、商品特長として「良質な北海動産の乳製品を使用した、乳脂肪0.4%のプレーンヨーグルト」との記載がある。
コ 甲第10号証は、2010年2月の安曇野食品工房株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、「ヨーグルト」の項には、「家族の贅沢/カスタードバニラヨーグルト」の商品案内として、「酸味が苦手なお子様から大人の方まで楽しんでいただける、卵黄とバニラの香りで仕立てた酸味の少ないなめらかなヨーグルトです。・・・【発売日】2010年3月上旬」との記載がある。
サ 甲第11号証は、2008年7月30日の日本ミルクコミュニティ株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、「フルーツがはいってもプレーンヨーグルトと同等の1カップあたり45kcal『アロエミックスヨーグルト』『ストロベリーミックスヨーグルト』『オレンジミックスヨーグルト』75g×3/2008年9月30日(火)全国で新発売!」(抜粋)の見出しの下、「フルーツヨーグルトなのに一般的なプレーンヨーグルトと同等です。」との記載がある。
シ 甲第13号証は、2013年2月26日紙出力のグリコ乳業株式会社の商品情報のウェブサイトであり、商品情報/ヨーグルトとして、「おいしいカスピ海」(抜粋)の見出しの下、「添加物・香料不使用で、自然本来の風味が生きたおいしいプレーンヨーグルトです。・・・〈とろ?りとろとろ〉のなめらかでクリーミーな食感。」及び「Copyright2007・・・」との記載がある。
ス 甲第14号証は、2013年2月26日紙出力の栃木乳業株式会社の商品一覧であって、「蔵の街ヨーグルト」の見出しの下、「蔵の街おいしいヨーグルト(180g)」の項に「栃木県産生乳86%に、芳醇な香りを持つパッションフルーツ果汁を加え、なめらかでクリーミィな食感とヒュッと早い口溶けが特徴の最高級ヨーグルトです。」との記載があり、さらに「蔵の街プレーンヨーグルト(400g)」の見出しの下、「じっくりと長時間発酵させた栃木県産生乳100%のプレーンヨーグルトで、生乳の持つ本来の風味が生きています。」との記載がある。
セ 甲第15号証は、2013年2月26日紙出力のダノンのヨーグルトのウェブサイトであり、「ヨーグルトの種類」の項に「また、牛乳や乳製品を発酵させただけのヨーグルトは、一般的には『プレーンタイプ』と呼ばれています。」との記載がある。
ソ 甲第16号証は、伊賀タウン情報YOUのウェブサイトであり、投稿日が2006年8月3日「県内初、ジャージー牛のヨーグルトを販売 モクモク手づくりファーム」の見出しの下、「酸味が少なくまろやかでクリーミーな味わいが特徴です。」との記載がある。
タ 甲第17号証は、2005年5月号とする凸版印刷株式会社 パッケージ事業本部発行の「食トレンド通信/名古屋に聞け!ヨーグルト編」であり、「酸味・くちあたり・乳酸菌の種類」の項に、「プレーンタイプの大容量ヨーグルト。・・・森永ビヒダスは、なめらかでクリーミーなくちあたりなのでドレッシングにも活用できそう。」との記載がある。
チ 甲第18号証の2は、平成22年1月25日に大阪、同年2月3日に福岡、同月17日に東京で、それぞれ開催された「ミルクツアーニッポン2010/地域のこだわり牛乳乳製品・展示会」(主催:社団法人全国農協乳業協会、甲第18号証の1)に福岡会場出展商品一覧表であり、該一覧表の2葉目の最上段に会社名が「うらけん・由布院チーズ工房」の商品名として「クリームヨーグルト」及び商品コンセプト&セールスポイントとして「酸味をおさえたクリーミーなプレーンヨーグルト」との記載がある。
ツ 甲第19号証は、アメリカ乳製品輸出協会発行の「チーズアプリシエイションガイド」の冊子であり、「クリームチーズ」の項に、特徴として「クリーミー。プレーン、フレーバー、低脂肪、脂肪カットタイプなど種類豊富。」、「ゴーダ、エダム」の項に、特徴として「ゴーダ(全乳を使用)はやや甘みを帯びたバターのようなコクのある風味。なめらかでクリーミーな口当たり。プレーンとスモークがあります。」、「ブリー、カマンベール」の項に、特徴として「内部はソフトでクリーミー。」との記載がある。
テ 甲第20号証は、2013年2月26日紙出力の雪印メグミルク株式会社のウェブサイトであり、「雪印 クリームチーズ 200g」の商品情報として「なめらかでクリーミーなおいしさだから、ケーキにもお料理にも使いやすいクリームチーズです。」との記載がある。
ト 甲第23号証は、2012年2月28日の森永乳業株式会社のニュースリリースであり、「家計応援おつまみチーズ プレーン/スモーク/3月1日(木)より新発売のお知らせ!」(抜粋)の見出しの下、商品「家計応援/おつまみチーズ/プレーン」と「家計応援/おつまみチーズ/スモーク」の写真が掲載されている。
ナ 甲第24号証は、2013年2月26日紙出力の六甲バター株式会社のウェブサイトであり、「ベビーチーズ(プレーン)4個(60g)」との記載がある。
ニ 甲第25号証は、小岩井乳業株式会社のニュースリリースのウェブサイトであり、2007年9月18日、「『小岩井 マーガリン 醗酵風味』『小岩井 マーガリン ヘルシータイプ』」(抜粋)の見出しの下、「『小岩井 マーガリン 醗酵風味』は、小岩井特製の醗酵バターミルクを加えた芳醇な風味のマーガリンです。更になめらかに、パンなどに塗りやすい仕上がりになりました。」との記載がある。
ヌ 甲第27号証は、2013年2月27日紙出力の株式会社創健社のニュースリリースのウェブサイトであり、「べに花ハイプラスマーガリンが新しくなって新発売!」の見出しの下、「味わいも従来品に比べ、発酵乳を50%増量しよりクリーミーな美味しさを追求した。」及び「発売日:平成14年3月」との記載がある。
ネ 甲第28号証は、仏蘭西倶楽部発行の情報誌「Salut La France」であり、4頁に「イーガー エクストラバージン オリーブオイルスプレッド」の商品情報として、「トランス脂肪酸とコレステロールがゼロ」の見出しの下、「フレーバーは5つ プレーン/ガーリック バジル/レモン/オレガノ」との記載がある。
ノ 株式会社創健社のウェブサイトの「べに花ハイプラスマーガリン」の商品情報の項に、5つの特徴として、「コクのあるクリーミーな滑らかさ/全紛乳、生クリームを使用し、おいしくクリーミーなマーガリンに仕上げました。」との記載がある。
(http://www.sokensha.co.jp/products/spread/hiplus/)
ハ みんなの食品クチコミサイトmognaviのウェブサイトに、「生活良好 クリーミー&なめらかソフト 減塩タイプ 箱320g」の見出しの下、商品の写真があり、その商品箱に「クリーミー&なめらかソフト/減塩タイプ」及び商品情報詳細のカテゴリーの項に、「バター・マーガリン」との記載がある。
(http://mognavi.jp/food/558842)
ヒ もっともっと美味しいもの発見ナビ!ナチュマートのウェブサイトの商品紹介として、「『世界一受けたい授業』で大注目!」の見出しの下、「オリバード マカダミアナッツオイル【プレーン】」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/natumart/ya-02-01/)
フ 山中油店のウェブサイトの「食用油・ごま油」の項に、「使ってみてわかる、良質の油の美味しさをお届けします」の見出しの下、芳香落花生油180gの商品情報として、「味わいはまるで煎りたてのピーナッツのように香ばしくてクリーミーな味わい」との記載がある。
(2)以上によれば、「なめらか」の文字は、「すべすべしているさま。」の意味を有する語として、「クリーミー」の文字は、「クリームが多く含まれているさま。クリーム状にきめ細かくなめらかなさま。」の意味を有する語として、「プレーン」の文字は、「何も加えていないさま。」の意味を有する語として、広く知られ、使用されているものと認められる。
そして、乳製品及び食用油脂等を含む業界の分野において「なめらか」、「クリーミー」及び「プレーン」の文字は、「なめらかでクリーミーな食感」、「なめらかでクリーミーな口当たり」のように使用され、また、例えば、ヨーグルト、チーズ、マーガリン及びオイルにはプレーンタイプのものがあり、「プレーンヨーグルト」、「ベビーチーズ(プレーン)」、「マーガリン(プレーン)」及び「オイル(プレーン)」等のように使用されている実情にあるといえる。
2 本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、「なめらかクリーミープレーン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「なめらか」、「クリーミー」及び「プレーン」の語は、上記1(1)のとおりの意味を有し、いずれも広く親しまれた平易な語と認められること、そして、乳製品及び食用油脂を取り扱う業界においては、上記のとおり、「なめらかでクリーミーな食感」、「なめらかでクリーミーな口当たり」、「プレーンヨーグルト」、「ベビーチーズ(プレーン)」、「マーガリン(プレーン)」及び「オイル(プレーン)」のように使用されていること等、これらを総合してみれば、本件商標「なめらかクリーミープレーン」の文字全体からは、「なめらかでクリームのようにきめ細かくプレーンタイプのもの」ほどの意味を容易に理解、認識させるものである。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者をして、該商品が「なめらかでクリームのようにきめ細かくプレーンタイプの商品」であることを認識させるにすぎないものであり、単に、商品の品質を表示してなるものというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

第4 商標権者の意見
商標権者は、前記第3の取消理由通知に対し、平成26年4月14日付けで意見書を提出し、その要旨を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。
1 本件商標について
本件商標は、外観上、同書体、同大の文字にて同間隔に調和良く一連に表示してなるものであり、全体で一体の造語商標と見られるのが最も自然といえる。よって、本件商標に接する取引者・需要者がこれをわざわざ分離して認識し、さらにこれらから生じる意味合いを総合して「なめらかでクリームのようにきめ細かくプレーンタイプのもの」といった意味合いを認識して、これは単に商品の品質表示であると理解するとは到底考えられない。
そして、「なめらかクリーミープレーン」の語が、商品の品質表示として一般に使用されている事実は存在しない。
このような状況においては、本件商標は、当然、商標権者が採択した造語商標とのみ理解されるものであり、本件商標が商品の品質表示であると誤認されるおそれはない。
2 「なめらか」、「クリーミー」、「プレーン」の語を含む登録例
申立人は、「なめらか」、「クリーミー」、「プレーン」のいずれかの文字を構成に含む商標の拒絶査定例をあげるが、各語のいずれかの文字を構成に含む商標の登録例が存在している(乙1ないし乙8)。
3 本件商標の使用実績及び認知度について
(1)商標権者は、本件商標を本件の指定商品中の「生乳100%タイプのヨーグルト」について実際に使用している。そして、テレビCMを含めた強力、かつ、広範にわたる宣伝広告活動の結果、本件商標は、取引者、需要者に商標権者の業務に係る商品であることを示す商標であると現実に認識されている商標である(乙9ないし乙16)。
なお、本件商標は、複数あるシリーズ商品のうち、生乳100%タイプのヨーグルトの商標として、「明治ブルガリアヨーグルトLB81 なめらかクリーミープレーン生乳100」といった態様にて使用している(乙11)。
(2)株式会社インテージのSRI(全国小売店パネル調査)により検出された、2012年10月?2013年9月の販売金額、販売個数、販売店率によれば、本件商標の使用に係るヨーグルトは、スーパーマーケット業態におけるピーク時は、一日平均3万本を売り上げ、累計671万本程度を売り上げていること、また、取扱店率もピーク時は58%であることが立証される(乙12)。
(3)30歳?69歳の既婚女性を対象とした調査において、「明治ブルガリアヨーグルトLB81なめらかクリーミープレーン生乳100」の認知率はおそよ40%であり、本件商標の使用に係るヨーグルトは極めて高い認知率であることが立証される(乙13)。
(4)インターネット検索サイト「Yahoo!」にて、「なめらかクリーミープレーン」を検索したところ、約77,200件ものサイトが検索され、その上位に検索されたサイトはいずれも本件商標の使用に係るヨーグルトに関するサイトであることが立証される(乙14)。
4 まとめ
本件商標は、実際に使用実績を有する商標であり、商標権者のみが「ヨーグルト」の商標として使用していること、また、過去の登録例からすれば、一連の造語商標としてその登録が維持されるべきものであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号には該当しないものである。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、前記第1のとおり、「なめらかクリーミープレーン」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の「なめらか」の文字は、「すべすべしているさま。つるつるしているさま。」の意味を有し、「クリーミー」の文字は、「クリームが多く含まれているさま。クリーム状にきめ細かくなめらかなさま。」の意味を有し、「プレーン」の文字は、「簡素なさま。淡泊なさま。何も加えていないさま。」の意味を有するものとして、いずれも広く親しまれた平易な語と認められること、そして、本件商標の指定商品である乳製品及び食用油脂を取り扱う業界における「なめらか」、「クリーミー」及び「プレーン」の文字の使用状況は、前記第3の取消理由通知のとおりであるから、これらを総合勘案すれば、本件商標の文字全体から「なめらかでクリームのようにきめ細かくプレーンタイプのもの」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものでる。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、単に、商品の品質を表示してなるものというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標権者の主張について
(1)商標権者は、本件商標は、同書体、同大の文字で同間隔に一連に表示してなるものであり、全体で一体の造語商標と見られるのが最も自然といえるから、本件商標に接する取引者・需要者がこれをわざわざ分離して認識し、さらにこれらから生じる意味合いを総合して「なめらかでクリームのようにきめ細かくプレーンタイプのもの」といった意味合いを認識して、商品の品質表示であると理解するとは到底考えられない。また、「なめらかクリーミープレーン」の語が商品の品質表示として一般に使用されている事実は存在しない旨主張する。
しかしながら、本件商標の「なめらかクリーミープレーン」の語が一連に表示されているとしても、それを構成する各単語の語義及び本件商標の指定商品である乳製品、食用油脂などを取り扱う業界分野における「なめらか」、「クリーミー」及び「プレーン」の文字の使用状況などを勘案すれば、前記1の意味合いを有する複合語として認識されるものである。
また、本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件商標の登録査定時において、本件商標がその指定商品との関係で商品の品質その他の特性を表記記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、その商品に使用された場合に、将来も含め、指定商品の取引者、需要者によって商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りるとされ、それが取引上現実に使用されていた事実があったことまで必要とするものではないというべきである。
そして、本件商標が自他商品の識別力を欠くものであることは、上記1のとおりである。
したがって、商標権者の上記主張は採用することができない。
(2)商標権者は、本件商標を本件の指定商品中の「生乳100%タイプのヨーグルト」について実際に使用している。そして、テレビCMを含めた強力、かつ、広範にわたる宣伝広告活動の結果、本件商標は、取引者、需要者に商標権者の業務に係る商品であることを示す商標であると現実に認識されている商標である旨主張する。
確かに、乙第9号証ないし乙第15号証のテレビCM、認知率調査結果、Yahooの検索結果及び新聞記事等によれば、商標権者が本件商標を本件指定商品中の「ヨーグルト」に使用し、テレビ等を含め広範に宣伝広告していることは認められるものの、その使用態様は、いずれも「明治ブルガリアヨーグルトLB81」等の文字と一体となった使用態様のものであり、「なめらかクリーミープレーン」の文字単独での使用は見当たらない。
よって、本件商標「なめらかクリーミープレーン」の文字が、本件指定商品との関係において、取引者、需要者に商標権者の業務に係る商品であることを示す商標であると認識されている証拠とはなり得ない。
したがって、商標権者の上記主張は採用することができない。
(3)商標権者は、本件商標の構成中の「なめらか」、「クリーミー」及び「プレーン」のいずれかの文字を構成に含む商標の登録例が存在している旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務とに基づいて、個別具体的に検討・判断されるべきものであって、商標権者主張に係る各商標登録例が存在するからといって、本件商標が同号に該当することを否定することはできず、また、本件商標についての同号該当性の判断が、これらの各商標登録例によって左右されるものでもない。
したがって、商標権者の上記主張は採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
異議決定日 2014-08-22 
出願番号 商願2012-40268(T2012-40268) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W29)
最終処分 取消 
前審関与審査官 山根 まり子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 手塚 義明
根岸 克弘
登録日 2012-10-26 
登録番号 商標登録第5531208号(T5531208) 
権利者 株式会社明治
商標の称呼 ナメラカクリーミープレーン、ナメラカクリーミー、ナメラカ、クリーミープレーン、プレーン 
代理人 保崎 明弘 
代理人 水野 勝文 
代理人 河野 生吾 
代理人 和田 光子 
代理人 岸田 正行 
代理人 河野 誠 
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