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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900032 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1292909 
異議申立番号 異議2014-900136 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-09 
確定日 2014-10-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5647554号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5647554号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5647554号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりからなり,平成25年7月3日に登録出願,同26年1月15日に登録査定,第35類「コンピュータ用タッチパネルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,半導体チップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,半導体集積回路用パッケージの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,プリント回路方式データ処理装置用インタフェースカードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,マイクロ回路の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,集積回路用ソケットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,プリント回路基板の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気コネクタの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,バッテリープレートの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,バッテリーターミナルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ブスバーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電線・ケーブル用絶縁保護カバーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気ケーブルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電線の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,磁気ワイヤの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ワイヤをラベリングするための電線の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電線用支持具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,絶縁層付き電線の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電話線用電線の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,同軸ケーブル用接続スリーブの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,同軸ケーブル用絶縁スリーブの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,同軸ケーブルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,光ファイバーケーブルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電力変換器・直流交流変換器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,光ファイバーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ICカードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,アンテナの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,コンピュータ用インターフェースの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,集積回路の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気スイッチの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,平成26年2月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第5112959号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりからなり,平成18年11月22日に登録出願,第35類「百貨店・衣料品店及びアクセサリー販売店の便宜のために行う各種商品の品揃え・陳列」を指定役務として,同20年2月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は,右側が開いた円の中にアルファベットの「A」を配した構図であり,「A」の文字を構成する横線部分が左右に大きくはみ出し,左部分が外周の円と接している。
一方,引用商標は,円の中にアルファベットの「A」を配した構図であり,本件商標と同様に「A」の文字を構成する横線部分が左右に大きくはみ出し,外周の円と接している。
本件商標と引用商標は,「A」の構図が全く同一であり,両者の商標の相違点は,外周円の一部が開いているか否かのみである。
したがって,両者は,類似の商標である。
(2)引用商標は,1993年にロンドンで設立された靴のメーカーである申立人のブランドロゴであり,その商品は世界各国で販売されている。
また,商品を販売している各国において商標権を取得しており,日本においては,引用商標以外に,登録第4427479号,同第4427480号並びに同第4472481号を有しており,海外においては,アメリカ合衆国,欧州共同体及び香港など,多数の商標登録を所有している(甲3ないし甲6)。
(3)申立人は,1993年の設立から2年足らずの1995年に,日本に進出した。代理店契約を結んだ法人を介して商品の販売を行っていたが,2009年4月には,伊藤忠商事株式会社傘下のIFA株式会社とライセンス契約を結んだ。2012年3月に,IFA株式会社から伊藤忠商事株式会社にライセンス契約が譲渡され,伊藤忠商事株式会社との契約は2012年10月並びに2013年10月に更新されており,更新された契約期間は,2015年10月までとなっている。
2012年度における最低保証ライセンス料は,108,000米ドルであり,日本円に換算すると約110,000円というライセンス料は,決して安い金額ではない(甲7)。
伊藤忠商事のような大手商社が,高額なライセンス料を支払ってまでライセンス契約を維持し商品の販売を継続させていることから,申立人の商品には契約に見合う十分な利益があることは明白である。
したがって,日本での販売開始から20年を経た現在でも,継続して販売されている商品に付された申立人の商標には著名性があることは疑う余地がない。
(4)申立人は,自身のブランドロゴを「小売業」についても商標権の取得を希望していたが,引用商標が出願された平成18年時点においては,「小売業」という役務は認められていなかったこと,また,代理店及び販売店において提供される顧客への商品の説明や新商品の紹介というサービスを補助することができる内容の役務を指定することに決め,第35類の「百貨店・衣料品店及びアクセサリー販売店の便宜のために行う各種商品の品揃え・陳列」という役務を指定した。
類似群コードが相違していることから,本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は異なる役務ではあるが,「商品の品揃え」や「陳列」は,「小売業又は卸売業における顧客に対する便益の提供」と類似する内容であり,本件商標と引用商標の指定役務の内容には,関連性があると考えるべきである。
市場開拓のための異業種間での業務提携が進む昨今において,申立人の指定役務と関連性がある役務を指定した本件商標を被申立人が使用した場合,その役務の提供を受けた者が,申立人が新たな事業展開を被申立人と共同で行うことになったと誤認する可能性は否定できない。20年以上も本件商標を使用してきた申立人にとって,出所の混同を生じる可能性を有する本件商標の存在は,長年培ってきた取引の信用を損なうものであり,断固としてその存在を容認できるものではない。
(5)以上のとおり,本件商標は,出所の混同を生じるおそれがあり,商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
申立人は,1993年にロンドンで設立された靴のメーカーであり,その商品は世界各国で販売されていること,1995年に我が国に進出し代理店契約を結んだ法人を介して商品の販売を行っていたこと,2009年4月にはIFA株式会社と,また,2012年3月からは伊藤忠商事株式会社とライセンス契約し,契約期間が更新されていること等から,日本での販売開始から20年を経た現在でも継続して販売されている商品に付された引用商標には著名性がある旨主張している。
しかしながら,申立人からは,我が国,アメリカ合衆国,欧州共同体及び香港における商標登録の状況,本件商標権について,申立人のライセンサーであるウォーカー・グループ・インターナショナル・カンパニーとIFA株式会社との間の2009年4月1日に遡って発効されたサブライセンス契約書,該契約について伊藤忠商事株式会社との間の2012年3月31日の譲渡同意書並びに2012年10月1日及び2013年10月1日の更新サブライセンス契約書(それぞれ写し)が提出されているのみであって,引用商標をその指定役務について,使用の開始時期,使用期間,営業の規模(店舗数,営業地域等),広告宣伝の方法,回数及び内容を確認できる具体的な証拠は,提出されていない。
そうとすれば,申立人が提出した証拠からは,引用商標が,本件商標の登録出願時に,我が国において,申立人の業務に係る役務を表すものとして広く認識されているものと認めることができない。
(2)本件商標と引用商標との類否及び本件商標と引用商標の指定役務について
本件商標は,別掲1のとおり,アルファベットの「E」と「A」とを組み合わせてやや縦長の楕円状にモノグラム化して表した構成からなるのに対し,引用商標は,正円図形内にアルファベット「A」の横線部分を延長させ,円と接するように配置した構成からなるものであるから,外観上,異なる印象を与え,十分に区別できるものである。
そして,本件商標と引用商標からは,称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念において類似するところはないものである。
そうとすれば,本件商標と引用商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
また,本件商標の指定役務は,個別に表示された「コンピュータ用タッチパネル,半導体チップ,半導体集積回路用パッケージ」等の各種商品の「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であって,これらの商品の販売者が,その顧客である需要者に対して商品の販売の際に行う便益の提供である。
他方,引用商標の指定役務は,百貨店・衣料品店及びアクセサリーの販売店の事業者に対し,各種商品を販売するために行う品揃え及び陳列であって,商品を販売する事業者に対して行う事業支援であることから,本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とは,役務の提供者,需要者及びその内容を異にする非類似の役務と認められる。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,前記(1)のとおり,本件商標の登録出願時に,我が国において申立人の業務に係る役務を表すものとして広く認識されているものと認めることができず,本件商標と引用商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,その指定役務も非類似の役務と認められることからすれば,商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても,これに接する取引者・需要者が,申立人の引用商標を連想又は想起するとはいえないものであり,その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 本件商標




2 引用商標





異議決定日 2014-10-09 
出願番号 商願2013-51425(T2013-51425) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小俣 克巳 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 亨子
大井手 正雄
登録日 2014-02-07 
登録番号 商標登録第5647554号(T5647554) 
権利者 易鼎股▲ふん▼有限公司
代理人 松本 孝 
代理人 黒田 健二 
代理人 山口 朔生 

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