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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W09353842
審判 一部申立て  登録を維持 W09353842
審判 一部申立て  登録を維持 W09353842
審判 一部申立て  登録を維持 W09353842
管理番号 1292898 
異議申立番号 異議2014-900101 
総通号数 179 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-11-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-04-04 
確定日 2014-10-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5639713号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5639713号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5639713号商標(以下「本件商標」という。)は、「J-Marine Link」の文字を標準文字で表してなり、平成25年6月3日に登録出願、第9類、第35類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月19日に登録査定され、同年12月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第8号及び同第11号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、商標権者とは他人と認められる東京都港区芝浦三丁目在の「株式会社ジェイマリン」(英文字表記「J-MARINE CO.,Ltd.」。以下「ジェイマリン社」という。)及び広島県広島市南区西旭町在の「ジェイ・マリーン(J・MARINE)」(以下「ジェイ・マリーン」という。)の名称(略称)を含むものであり、当該他人の承諾を得ているとも認められない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 申立人が引用する商標
申立人が引用する登録第4095381号商標(以下「引用商標」という。)は、「MARLINK」の文字を書してなり、平成8年6月20日に登録出願、第38類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同9年12月19日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
イ 具体的理由
本件商標は、その構成中「J-」の文字部分は、商品及び役務を取り扱う各種業界において、商品の型式・規格・品番及び役務の質等を表示するための記号・符号等として、取引上、普通に使用されている一類型と認められるものであるから、本件商標における自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たすと認められる部分は「Marine Link」の文字部分にあり、これより生ずる「マリンリンク」の称呼をもって取引に資される場合も決して少なくないというべきものである。
ところで、称呼の構成中に全く同じ音が繰り返し配されている場合、繰り返しの音は、簡易・迅速を尊ぶ実際の商取引の場にあって、一方が短縮ないし省略されて一回のみの音節のように発音・聴取されたり、一方の音が他方の音に吸収・埋没されるかのように発音・聴取される場合があることはしばしばみられるところである。
そこで、本件商標より生ずる「マリンリンク」の称呼をみるに、該称呼は、中間の「リンリン」の部分が簡易・迅速を旨とする実際の商取引の場において、語頭部の「マリン」の「リン」の音に、それに続く「リン」の音が吸収・埋没するかのように発音・聴取され、「マリンク」のように発音・聴取される称呼をもって取引に資する場合があることは決して少なくないものである。
そうとすると、このような特徴を有する音構成よりなる本件商標から生ずる当該称呼と引用商標から生ずる「マーリンク」の称呼は、それぞれを一連に称呼するときは全体の音調・音感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれが少なからずあるといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標は、称呼において類似する商標と判断するのが相当である。
そして、本件商標の指定役務には、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号について
商標法第4条第1項第8号は、他人の人格的利益の保護の規定であって、同号にいう「他人」とは、基本的には自然人又は法人と解すべきである。
また、他人が株式会社である場合、その名称とは株式会社等の組織形態を含むものがこれに当たり、「株式会社」の文字を除いた部分はその略称と解すべきである。
そして、同号は、略称にあっては著名なものであることを要件としていることは、その法文から明らかである。
ア ジェイマリン社について
本件商標は、上記1のとおり「J-Marine Link」の文字からなるものであるから、他人と認められるジェイマリン社の名称「株式会社ジェイマリン」「J-MARINE CO.,Ltd.」を含むものでないことは明らかである。
また、申立人は、同社の略称といえる「ジェイマリン」「J-MARINE」が、著名である旨の主張及び証左の提出をしていないし、職権調査によってもそれを認め得る事実は発見できなかった。
したがって、本件商標は、ジェイマリン社の名称、及び著名な略称を含むものとはいえない。
イ ジェイ・マリーンについて
申立人提出の証拠によっては、「ジェイ・マリーン(J・MARINE)」は自然人の氏名及び法人の名称(並びに著名な略称)のいずれにも該当しないものとみるのが自然であり、さらに、職権調査によってもそれらを認め得る事実は発見できなかった。
したがって、ジェイ・マリーンは商標法第4条第1項第8号にいう「他人」ということはできない。
ウ よって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当するものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり「J-Marine Link」の文字からなり、その構成中「J-」の文字部分が商品及び役務の形式・規格等を表示するための記号・符号等として取引上、普通に使用されている一類型であって、「Marine Link」の文字部分が自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものといって差し支えない。
そうとすれば、本件商標は、「Marine Link」の文字に相応して「マリ(ー)ンリンク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
なお、申立人は、簡易・迅速を旨とする実際の商取引の場においては全く同じ音が繰り返し配されているような場合、繰り返しの音は一方が短縮ないし省略されて一回のみの音節のように発音・聴取されたり、他方の音に吸収・埋没されるかのように発音・聴取される場合がしばしばみられることから、本件商標は「マリンク」のように発音・聴取される称呼をもって取引に資する場合があることは決して少なくない旨主張している。
しかしながら、「Marine Link」の文字は、該文字に相応し「マリ(ー)ンリンク」と称呼・聴取されると判断するのが相当であるし、申立人からは、繰り返しの音の一方が省略や埋没等されて発音・聴取されることを示す証左の提出はなく、職権調査によってもその事実は確認できなかった。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
イ 引用商標は、上記2(2)アのとおり「MARLINK」の文字からなるものであるから、「マーリンク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
ウ そうとすれば、本件商標と引用商標は、両者の上記外観、称呼及び観念のいずれの点においても明らかに相紛れるおそれのないものであって、非類似の商標というべきものである。
エ その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見いだせない。
オ したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号及び同第11号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-09-26 
出願番号 商願2013-41876(T2013-41876) 
審決分類 T 1 652・ 23- Y (W09353842)
T 1 652・ 263- Y (W09353842)
T 1 652・ 261- Y (W09353842)
T 1 652・ 262- Y (W09353842)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中束 としえ 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 大森 健司
渡邉 健司
登録日 2013-12-27 
登録番号 商標登録第5639713号(T5639713) 
権利者 日本無線株式会社
商標の称呼 ジェイマリンリンク、ジェイマリーンリンク、ジェイマリン、ジェイマリーン、リンク、マリン、マリーン 
代理人 濱田 百合子 
代理人 山下 彰子 

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