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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
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審判 一部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1291780 
異議申立番号 異議2013-900290 
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-09-02 
確定日 2014-09-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5585928号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5585928号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5585928号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年9月14日に登録出願、第25類「ポンチョ,巻きスカート,スヌード,ショール,ボレロ,ストール,マフラー」及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同25年4月18日に登録査定され、同年5月31日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)国際登録第1107343号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2011年12月9日にItalyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2011年(平成23年)12月20日に国際商標登録出願、第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成25年3月1日に設定登録されたものである。
(2)登録第4041104号商標(以下「引用商標2」という。)は、「リュージョー」の片仮名及び「LIU・JO」の欧文字を上下2段に書してなり、平成7年7月3日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものである。
引用商標1及び引用商標2は、いずれも有効に存続しており、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
(1)引用商標の周知性
申立人は、1995年にイタリアのニット生産地域であるカルピで、被服やかばん、靴等を製造販売する会社として設立され、ファッションブランド「LIU・JO」をもって、ヨーロッパやアジアを中心とした国で展開し、現在では、ヨーロッパ全体で5,407店舗、アジアでは、89店舗が存在し、2005年の歳入が9100万ユーロ、純利益は、1200万ユーロ、従業員数174名であったところ、2010年の歳入は、2億3000万ユーロ、純利益は、3600万ユーロ、従業員数394名となり順調に拡大を続けている(甲5及び甲6)。
我が国においては、高島屋東京店及び大阪店のほか、インターネット上のショッピングモールの楽天市場やAmazon等のショップで取り扱われ、手軽に「LIU・JO」ブランドの商品を購入できるよう販売網の充実を図っている(甲7ないし甲9)。
また、現在、「LIU・JO」の語をインターネットで検索すると、約927万件が検索結果として表示され(甲10)、指定商品の業界において、「LIU・JO」の語は、本件商標の査定時においても周知性を獲得しており、引用商標の「LIU・JO」は、申立人の使用により、ファッション関連商品、特に「被服」等について、需要者等に広く知られたものになっている。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標は、その構成中、「Lujo」の文字部分が独立の商標としてとらえられるから、該「Lujo」の文字部分からは、「リュージョ」、「リュジョ」、「リュージョー」、「ルジョ」、「ルージョ」、「ルージョー」の称呼が生じる。
イ 引用商標1は、その構成中、「LIU・JO」の文字部分が出所表示機能を発揮すると考えれるから、該文字部分から、「リュージョ」、「リュージョー」、「リュジョ」の称呼が生じる。
ウ 引用商標2は、その構成文字から、「リュージョ」、「リュージョー」の称呼が生じる。
エ そうすると、本件商標から生じる称呼のうち、「リュージョ」、「リュジョ」、「リュージョー」については、引用商標1から生じる称呼と同一であり、また、本件商標から生じる称呼のうち、「リュージョ」、「リュージョー」については、引用商標2から生じる称呼と同一である。
また、本件商標から生じる「ルジョ」、「ルージョ」、「ルージョー」と引用商標1から生じる「リュージョ」、「リュージョー」、「リュジョ」の称呼及び引用商標2から生じる「リュージョ」、「リュージョー」を比較すると、「ルジョ」と「リュジョ」、「ルージョ」と「リュージョ」、「ルージョー」と「リュージョー」は、それぞれ長音を含めて2音、3音、4音構成からなるところ、それぞれ語頭の「ル」と「リュ」の音のみが相違するものであって、共に50音図のラ行に属し、子音の「l」と母音「u」を共通にするものであるため、「ル」と「リュ」の音は近似するということができ、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感、音調が近似し、相紛らわしいとみるのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標から生じる称呼は、同一又は類似するものであり、本件商標と引用商標の指定商品は「ショール」等の「被服」において抵触しているから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性
申立人が「被服」について使用する引用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時において、需要者、取引者の間で周知性を獲得していた。
そうすると、本件商標をポンチョ、巻きスカート等に使用すると恰も申立人と関連する企業の業務に係る商品であるかのように誤って認識されるおそれがあり、申立人の業務に係る商品と混同を生じることが明らかである。
したがって、たとえ本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しないと判断される場合であっても、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生じるおそれがある商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性
本件商標は、申立人が長年にわたり使用している「LIU・JO」と構成の一部を共通にするものであり、申立人の商標「LIU・JO」が諸外国及び我が国においても周知であることから、本件の商標権者は、それを承知の上で申立人の業務上の信用にフリーライドする意図で登録出願されたものと考えられる。
このような商標登録を認めることは、国際信義上問題であり、商業道徳にも反するものであるから、公序良俗に反するものとして登録を取り消されるべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、筆記体風に「Reluciente」の欧文字を表した右端上に小さくゴシック体で「Lujo」の欧文字を配し、その下に正方形内中央に大きく筆記体風に「R」の欧文字と右側下に小さくゴシック体で「Lujo」の欧文字を表し、その周りを枠飾り風の図形を配した構成からなるところ、該「Lujo」の欧文字は、甲第2号証に示されたスペイン語であるとしても、該語について特定の語義を有する語として一般に親しまれているともいえないから、特定の観念を生じないものといえる。
そして、該「Lujo」の欧文字は、その構成中の2か所に配され、これと接する「Reluciente」又は「R」の欧文字とも、その大きさ及び書体を異にし、かつ、それぞれの欧文字との関連性も見いだせないものであるから、かかる構成においては、「Lujo」の欧文字部分をも独立して看取されるものであって、取引者、需要者は、該欧文字部分を捉えて取引に資する場合も決して少なくないとみるのが相当である。
そうとすると、本件商標は、「Lujo/Reluciente」の欧文字に相応して、英語風の読みに倣って、「ルジョーリラッシエンテ」の称呼のほか、「Reluciente」及び「Lujo」の各欧文字に相応して「リラッシエンテ」及び「ルジョ-」の称呼をもそれぞれ生ずるというべきである。
イ 引用商標
引用商標1は、前記2のとおり、筆記体風に「Les plumes de」の欧文字を表した下部に大きくゴシック体で「LIU・JO」の欧文字を書し、その語頭と語尾に羽根様の図形を配した構成からなるところ、下段の「LIU・JO」の欧文字は、ゴシック体で大きく顕著に表されていることから、これに接する取引者、需要者が該文字に着目して取引きに資されるとみるのが相当である。
そうとすると、引用商標1は、「Les plumes de/LIU・JO」の欧文字に相応して、「レプルームデリュージョー」の称呼のほか、「LIU・JO」の欧文字に相応して「リュージョー」の称呼をも生ずるものであり、該各欧文字は、親しまれた語とは認められないから、特定の観念を生じないものといえる。
また、引用商標2は、前記2のとおり、「LIU・JO」の欧文字を大きく表した上に「リュージョー」の片仮名を書してなるところ、上段の片仮名は、下段の「LIU・JO」の欧文字の読みを特定したものと無理なく看取されるから、全体の構成文字より「リュ-ジョー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)外観
本件商標は、前記1のとおりの構成からなるものであって、また、引用商標は、前記2のとおりの構成からなるものであるから、両者は、欧文字及び図形部分において明らかに相違し、外観上区別し得るものである。
(イ)称呼
本件商標の構成中「Lujo」の欧文字より生ずる「ルジョー」の称呼と引用商標の構成中「LIU・JO」の欧文字より生ずる「リュージョー」の称呼は、語頭において、「ル」と「リュー」の音の差異を有するものであり、いずれも3音又は4音という短い音構成にあっては、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聴別し得るものであるというのが相当である。
また、本件商標の全体の文字から生じる「ルジョーリラッシエンテ」及び「リラッシエンテ」の称呼と引用商標1の全体の文字から生じる「レプルームデリュージョー」の称呼又は引用商標から生じる「リュージョー」の称呼とは、音構成及び構成音数が著しく異なるものであるから、両者を一連に称呼しても相紛れるおそれはない。
(ウ)観念
本件商標と引用商標は、ともに特定の観念を有しないものであるから、観念上類似するとはいえない。
(エ)以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の著名性について
(ア)申立人の提出した証拠及び申立ての理由によれば、以下の事実が認められる。
コロネット株式会社の2013年10月1日及び同年9月30日紙出力のウェブサイト(甲5及び甲7)には、「LIU・JO リュー・ジョー」の紹介として、「1995年イタリアカルピに設立され、現在、ヨーロッパ・アジアを中心とする国で展開され、190店舗以上のショップで取り扱われている。」旨の記載及び「LIU・JO」は、高島屋東京店、高島屋大阪店として掲載されている。
また、楽天市場ブランド一覧の2013年9月30日紙出力のウェブサイト(甲8)には、「LIU・JO/2012-13秋冬Collection」、「秋冬物セール開催中!!50%OFF」として、「LIU・JO JEANS」や「レディース半袖Tシャツ」などが掲載されている。
さらに、「LIU JO(リュー ジョー):Amazon.co.jp」の2013年9月30日紙出力のウェブサイト(甲9)には、ダウンコート、手袋、ワンピースなどが掲載されている。
そして、「LIU・JO-Google検索」(甲10)には、約9,140,000件の表示はあるものの、甲第5号証ないし甲第9号証を含む検索結果1頁のみである。
そうすると、引用商標は、申立人により被服に使用されているとしても、提出された証拠をもって、本件商標の登録出願日(平成24年9月14日)前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標は、前記(1)認定のとおり、称呼、外観及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ 出所の混同
本件商標と引用商標とは、商標それ自体非類似の商標であるから、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというのが相当である。してみれば、本件商標は、これを指定商品について使用しても、その取引者、需要者をして、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標は、前記1のとおりの構成からなるものであるから、その構成が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字よりなるものということはできない。また、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点についても、明らかに相違する非類似の商標というべきものであるから、引用商標を剽窃したなど、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くと認めるべき事情があるものとも認めることができない。その他、本件商標が、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とみるべき理由があると認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1(本件商標)


(色彩については、原本参照。)
2(引用商標1)


異議決定日 2014-09-02 
出願番号 商願2012-78940(T2012-78940) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W25)
T 1 652・ 271- Y (W25)
T 1 652・ 263- Y (W25)
T 1 652・ 261- Y (W25)
T 1 652・ 22- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浜岸 愛藤村 浩二 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 寺光 幸子
手塚 義明
登録日 2013-05-31 
登録番号 商標登録第5585928号(T5585928) 
権利者 藤原 正輝
商標の称呼 ルホレルシエンテ、ルホ、ルジョ、レルシエンテ、アアルルホ、アアルルジョ 
代理人 広瀬 文彦 

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