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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09
管理番号 1290669 
審判番号 取消2013-300410 
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-05-21 
確定日 2014-07-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第1402652号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1402652号商標(以下「本件商標」という。)は、「TECHNOS」の文字を横書きしてなり、昭和49年2月18日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年12月27日に設定登録され、その後、3回にわたる商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成22年2月3日に指定商品を第9類「眼鏡」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の予告登録は、平成25年6月10日にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者又は使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標の商標権の帰属の経緯
本件商標は、昭和54年12月27日、平和堂株式会社(以下「平和堂」という場合がある。)を商標権者として商標登録されたものであるところ、平和堂は、平成5年6月1日に、グンズインガー ブラザーズ リミティッド テクノス ウォッチ カンパニー ウエルシェンロール(以下「グンズインガー」という場合がある。)に本件商標の商標権を譲渡し、また、グンズインガーは、同22年11月12日に、該商標権を被請求人に譲渡した。
したがって、本件審判の請求の登録前3年以内(平成22年6月10日ないし同25年6月9日。以下「要証期間内」という場合がある。)のうち、平成22年6月10日から同年11月11日までの間においては、グンズインガーが本件商標の商標権者であった。
2 グンズインガーの使用許諾を受けた者による使用
本件商標は、要証期間内にアイテック株式会社(以下「アイテック」という場合がある。)により使用されているところ、アイテックは、平和堂が本件商標の商標権者であった頃から被請求人が本件商標の商標権者となるまでの間、本件商標の使用について、継続的に許諾又は再許諾を受けてきており、その許諾に基づき、本件商標を継続的に使用している。具体的には、(1)平和堂によるアイテックへの使用許諾契約並びに(2)グンズインガーから平和堂への使用許諾契約及び平和堂からアイテックへの使用許諾契約が存在し、さらに、(3)アイテックによる使用許諾契約に基づく要証期間内の本件商標の使用の事実が存在する。
よって、グンズインガーによる許諾及び平和堂による再許諾の下でのアイテックによる要証期間内の本件商標の使用が、商標法第50条第2項の使用に該当することは明らかである。
なお、商標法第50条第2項における要証期間内に商標権の譲渡があった場合、前商標権者の下での使用も同項の使用に該当することはいうまでもない(東京高等裁判所昭和56年11月25日判決(昭和55年(行ケ)第329号)、同平成12年6月27日判決(平成12年(行ケ)第44号))。
(1)平和堂によるアイテックへの通常使用権許諾について
平和堂は、自らが本件商標の商標権者であった昭和63年4月8日に、アイテックとの間で、平和堂がアイテックに対して、眼鏡の製造販売に関し、本件商標に係る通常使用権を許諾し、その対価としてアイテックが平和堂に対して年間300万円の最低使用料等を支払う旨を主な内容とするライセンス契約を締結した(乙第2号証。以下「昭和63年契約」という。)。
(2)グンズインガーから平和堂及び平和堂からアイテックへの使用許諾
平和堂とアイテックとは、グンズインガーが本件商標の商標権者となった後である平成9年4月8日に、「テクノス・ライセンス契約書」と称する契約を新たに締結した(乙第3号証。以下「平成9年契約」という。)。その冒頭には、「平和堂株式会社(以下、甲という)は、スイス国、グンズィンガー・ブラザーズ・リミテッド・テクノス・ウオッチ・カンパニー・ウェルシェンロール(以下、テクノス社という)が、1900年設立以後、国際的に保有する商標『テクノス』の日本における代理人であり、同商標を日本において独占的に使用し、また第三者にこれを使用させる権利を有する」との記載がある。
また、平成9年契約の第1条には、平和堂がアイテックに対して、アイテックが日本国内で販売するために、「トレードマーク」を付した眼鏡を製造し、販売することを許諾する旨が規定されているところ、この「トレードマーク」は、「(3)トレードマーク・・・甲が管理し、第三者に使用権を許諾することのできる『テクノス』の商標、およびその商品を表象するサービスマークで、本契約所定の条件に従い、甲が乙にその使用を許諾するものをいう。」と定義されている。
その他、細かい変更点はあるものの、眼鏡の製造、販売に関して、本件商標の使用を許諾し、ライセンス料を得るという契約の要素に関しては、昭和63年契約と平成9年契約とは同様である。
上記の平成9年契約の規定内容に鑑みると、同契約の契約期間中、グンズインガーが、平和堂に対し、本件商標について「日本において独占的に使用し、また第三者にこれを使用させる権利」を与えていたこと、平和堂は、当該「第三者にこれを使用させる権利」に基づき、アイテックに対し、本件商標の使用許諾(通常使用権)を与えていたこと、が明らかである。すなわち、アイテックは、平成9年契約の下で、グンズインガーから本件商標の使用の再許諾を受けていた(サブライセンシーであった)ことになる。
そして、商標の通常使用権に係るサブライセンシーは、商標法第50条の「通常使用権者」に該当する(東京高等裁判所平成12年3月23日判決(平成11年(行ケ)第124号、同平成15年7月7日判決(平成14年(行ケ)第356号))ところ、これを本件についてみると、平成9年契約は、その締結後、特に平和堂及びアイテックのいずれからも解除、契約終了あるいは改定の意思表示がされることもなく、同一の条件で、現在まで自動更新され続けており(平成9年契約の第12条)、アイテックは、同契約に基づき、平和堂に対して、少なくとも年間300万円のライセンス契約料を継続的に支払っており(同第6条)、その事実は、現在まで、アイテックが本件商標を使用している事実(後述する(3))からも明らかである。
したがって、要証期間内に、遅くともグンズインガーが被請求人へ本件商標を譲渡した平成22年11月12日までの間は、アイテックは、グンズインガーから有効に(再)使用許諾を受けていたことになる。
(3)アイテックによる本件商標の使用について
上記のとおり、アイテックは、平和堂が商標権者であった頃から被請求人が本件商標の商標権者となるまでの間、本件商標の使用について、継続的に許諾又は再許諾を受けてきており、その許諾の下、平和堂が商標権者であった頃から本件商標を長期にわたり継続して使用している。具体的には、アイテックは、要証期間内に、平成9年契約で許諾された通常使用権に基づき、本件商標の指定商品「眼鏡」に本件商標を付して販売し、販売のために展示し、あるいは、インターネットで提供した(乙第8号証の1及び2)。被請求人が入手したアイテックの本件商標の使用製品においては、眼鏡のツルに「TECHNOS」との表示があり、また、眼鏡のフレーム上のステッカー及び同封された台紙にも「TECHNOS」との表示がある(乙第8号証の3)。さらに、アイテックと取引のある眼鏡の卸売業者である株式会社加藤興のウェブサイトにアイテック製品のブランド名のリスト及びアイテックの作成に係るカタログが掲載されており(乙第8号証の4)、その中で、本件商標「TECHNOS」が使用されていることが明らかである。
アイテックが、古くは昭和63年から継続して、使用料を支払って平和堂又はグンズインガーから本件商標の使用許諾ないし再許諾を受けていたという事実に鑑みると、要証期間内においても、上記と同様に、アイテックが継続して本件商標を付した製品を販売し、カタログを発行していたことが優に推認される。
したがって、要証期間内に、グンズインガーから平和堂を介して本件商標の通常使用権を受けていたアイテックによって本件商標が使用されていた事実が認められるのであるから、本件審判の請求に理由がないことは、明らかである。
3 平和堂、グンズインガー及び請求人の業務内容とその関係性について
上記のとおり、平成9年契約によれば、平和堂がグンズインガーから再使用許諾可能な使用権を受け、さらに、平和堂が、その使用権に基づき、アイテックに対する使用権を許諾していたという権利関係が認められるが、実体的には、遅くとも平成9年契約の締結時点において、グンズインガーと平和堂とは、継続的に役員を共通にしており、両者は一体ともいえるものであった。
(1)平和堂は、昭和27年5月に高木克二氏(以下「高木氏」という。)が創業した輸入販売業をその事業とする「平和堂時計店」を前身とする会社であり、昭和31年10月に、社名を「平和堂貿易株式会社」に変更し、さらに、平成10年に、平和堂株式会社と新設合併をして、現在に至っており、その間、テクノスやウォルサムといったスイスの有名時計ブランドの総輸入代理店として、経営を拡大した。
なお、平和堂は、昭和54年12月27日に、本件商標の登録を受けているが、これは、その登録当時、平和堂が、グンズインガーの輸入総代理店として、テクノスブランドの商品の販売を日本国内において行っていたからと思料する。
(2)グンズインガーは、1900年(明治33年)に、メルヒオールグンズインガーがスイスのウエルシェンロールに開設した時計工房を前身とする、主に腕時計で著名な会社であり、昭和57年に平和堂が買収して現在の社名になったものと思料するが、詳細は不明である。
(3)平和堂の創業者であり、前代表取締役である高木氏は、平成8年1月から平成10年10月までの間、グンズインガー社長を務め、その後も、平成24年6月まで、グンズインガーの取締役であった(乙第4号証及び乙第10号証)。
また、平和堂の現代表取締役である林せつ子氏(以下「林氏」という。)は、高木氏がグンズインガーの取締役を退任した平成24年6月以降、グンズインガーの取締役を務めている(乙第5号証及び乙第10号証)。
なお、林氏は、高木氏の子である。
(4)平和堂とグンズインガーの取締役との資本関係は不明であるが、上記のとおり、平成8年1月以降、両者は、継続して互いに役員を共有する実質的に一体といえるような密接なグループ企業であった。
したがって、平和堂とアイテックとの間で締結された平成9年契約当時において、グンズインガー自体も、平和堂からアイテックに対し、本件商標の使用についてサブライセンスを許諾する旨の契約の締結の事実を十分に認識していたものであり、その後現在に至るまで、平和堂とアイテックとの間におけるテクノス・ライセンス契約の継続についても同様に認識していたものである。
4 請求人による本件審判の請求は権利濫用であること
請求人は、上記アイテックによる本件商標の使用の事実を知りながら、専ら被請求人を害する目的で本件審判を請求しているから、その請求自体は、権利濫用であるというべきである。
(1)上記のとおり、グンズインガーと平和堂とは、役員を共通にする関係にあるが、請求人も、平和堂と役員を共通にしている。すなわち、請求人の商業登記簿(乙第9号証)をみれば明らかなとおり、請求人は、経営コンサルティング事業を主な事業内容とする会社であるところ、その業務執行社員及び代表社員は、いずれも中村良一氏(以下「中村氏」という。)であり、また、中村氏は、現在、平和堂の取締役に就任している(乙第7号証)。
(2)グンズインガーは、上記1のとおり、平成22年11月12日以降、本件商標については無権利者となったにもかかわらず、グンズインガーと実質的に一体であった平和堂は、アイテックに対し、かかる事実を秘して、あたかもグンズインガー及び平和堂が本件商標について権利を有しているかのように振る舞い、アイテックとの平成9年契約を継続し、アイテックからライセンス契約のライセンス料名目で年間300万円を受領し続けていた。
上記行為は、自らが無権利であることを知悉しながら、それを秘匿し、アイテックに対し、自らが本件商標の商標権について使用許諾する権限を有するかのように欺罔して、アイテックを錯誤に陥らせ、年間300万円のライセンス料を取得し続けたものであるから、刑法上の詐欺罪にも該当し得べき重大な不法行為である(刑法第246条、民法第709条)。
(3)以上を前提として本件を考えると、自らコンサルタント業である請求人会社を経営する中村氏は、平和堂の取締役として当然、平和堂による上記不法行為について知っていたか、知るべき立場にあったにもかかわらず、請求人は、アイテックが、要証期間内を含め、現在に至るまで継続して、本件商標を使用していたことを知りながら、要証期間内に本件商標が不使用であったなどと主張し、本件商標の登録の取消しを求めている。
そうすると、本件審判の請求は、請求人が、専ら被請求人の権利を害しつつ、請求人自らも取締役を務める平和堂による重大な不法行為をアイテックに対し隠蔽するという不正な目的で行われたものであることが優に推認される。
してみれば、平和堂のグループ企業である請求人による本件審判の請求は、明らかに被請求人の利益を害するとともに、自己の不当な利益を図ることのみが目的であるといわざるを得ず、このことは、商標法第50条が、商標登録がされることにより他者が当該商標に類似の標章を使用できなくなるという点に鑑み、公益的観点から何人にも不使用取消請求権を認めたという立法趣旨に明らかに反している。
したがって、請求人による本件審判の請求は、明らかに公序良俗に反しており、権利濫用ないし訴権の濫用として許されないというべきである(民法第90条及び第1条第3項、民事訴訟法第1条、特許庁編「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第18版]」1,381ページ)。

第4 当審の判断
1 被請求人による権利濫用の主張について
被請求人は、平和堂が、本件商標が平成22年11月12日に被請求人へ移転されたことを秘匿して、その移転以後においても、アイテックからライセンス料を取得し続けたことは重大な不法行為に当たること、請求人会社の経営者は平和堂の役員を務めており、上記平和堂による重大な不法行為及びアイテックによる要証期間内における本件商標の使用を知り得たことから、請求人による本件審判の請求は、請求人が専ら被請求人の権利を害しつつ、請求人自らも取締役を務める平和堂による重大な不法行為をアイテックに対し隠蔽するという不正な目的で行われたものであることが優に推認され、よって、明らかに公序良俗に反しており、権利濫用として許されない旨主張する。
しかしながら、商標法第50条による登録商標の不使用による取消審判の請求は、専ら被請求人を害することを目的としていると認められる場合などの特段の事情がない限り、該請求が権利の濫用となることはないと解するのが相当であるところ、被請求人の提出に係る証拠を総合してみても、上記主張に係るライセンス料取得の事実は明らかでなく、また、請求人会社の経営者が平和堂の役員を務めているとしても、そのことをもって直ちに、請求人が、本件審判の請求をするに際し、専ら被請求人の権利を害する目的を有していたということはできない。
してみれば、請求人による本件審判の請求が権利の濫用ということはできず、よって、被請求人による上記主張は、採用することができない。
2 本件商標の使用について
(1)被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、本件商標に係る商標登録原簿の写しであるところ、これによれば、本件商標の登録名義人は、その設定登録(昭和54年12月27日)時、平和堂であり、その後、平成6年11月21日に登録された譲渡による移転により、グンズインガーとなり、さらに、同22年11月12日受付の特定承継による移転により、被請求人となっている。
イ 乙第3号証は、平成9年4月8日に、東京都品川区所在の平和堂株式会社の代表取締役である林せつ子氏及び福井県鯖江市所在のアイテックジャパン株式会社の代表取締役である黒田一郎氏が署名捺印の上、両者の間で締結された「テクノス・ライセンス契約書」の写し(全6葉)であって、その2葉目には、「平和堂株式会社(以下、甲という)は、スイス国、グンズィンガー・ブラザーズ・リミテッド・テクノス・ウオッチ・カンパニー・ウェルシェンロール(以下、テクノス社という)が、1900年設立以後、国際的に保持する商標『テクノス』の日本における代理人であり、同商標を日本において独占的に使用し、また第三者にこれを使用させる権利を有するが、本日甲およびアイテック株式会社(以下、乙という)の間において、眼鏡における同商標の使用許諾につき、次のとおり合意したので、これを証するため、本契約書を2通作成し、各自署名捺印のうえ、各々1通ずつ保管するものとする。」との記載の下、「《本契約上の用語の定義》」の一として、「(3)トレードマーク」につき、「甲が管理し、第三者に使用権を許諾することのできる『テクノス』の商標、およびその商品を表象するサービスマークで、本契約所定の条件に従い、甲が乙にその使用を許諾するものをいう。」との記載がある。そして、上記契約書には、以下の内容の条項が含まれている。
(ア)第1条(ライセンス商品の製造販売の許諾)には、「甲は乙に対し、乙が日本国内で販売するための実施品の製造およびこれにトレードマークを付して販売することを、許諾する。許諾の譲渡または第三者への再実施権は、許されない。」との記載がある。
(イ)第4条(トレードマークの使用)には、「乙は、実施品、およびケース、ならびに実施品の販売活動に関し、乙の製作したトレードマークを使用することができる。ただし、その使用方法については、甲へ事前に資料を提出することとする。」との記載がある。
(ウ)第6条(ライセンス契約料)には、「甲と乙のライセンス契約は、第12条のとおり3年間の契約とし、その契約料は、以下のとおりとする。」との記載の下、「(1)最低実施料(年額)」として、「各年毎に、金3,000,000円。」との記載、「(2)超過実施料」として、「乙の各年度の実施品の販売価格の3%の額が、各年度の最低実施料を超過した場合は、超過分を超過実施料として支払うものとする。」との記載があるほか、「(3)海外商標管理料」、「(4)実施料の支払方法」及び「(5)消費税」のそれぞれに関する内容についての記載がある。
(エ)第12条(契約期間)には、「本契約は、締結の日より3年間有効とする。ただし、甲乙のいずれかが、本契約の満了日から少なくとも90日以前に、契約終了あるいは改定の意思表示をしない限り、本契約は同1条件でさらに1年毎に更新されるものとする。」との記載がある。
(オ)第13条(契約義務不履行による契約の終了)には、「甲または乙が、故意又は過失により本契約に違反したときは、相手方は30日以内の猶予期間を定め、義務違反の改善を催告し、この期間内に履行されないときは、本契約の解除の意思表示をなすことができる。本項による契約解除は、損害賠償の請求を妨げない。」との記載があり、また、第14条(その他の事由による契約の終了)には、例えば、当事者の一方である会社が解散したとき、破産等の本契約の履行が困難と判断される事由が発生したとき、などには、相手方に催告することなく直ちに本契約を解除することができる旨の記載がある。
ウ 乙第11号証は、アイテックの代理人から被請求人の代理人にあてた、平成26年1月22日付け「商標使用に関する報告書」とする書面であって、添付された資料1ないし資料6(枝番号を含む。)に基づき、平成22年7月から同年9月までの間のアイテックによる商標「TECHNOS」の使用状況を説明する内容のものである。そして、上記報告書に添付された資料には、以下の内容の記載がある。
(ア)資料1は、インターネット上にあるアイテックの企業情報を紙出力したものであるところ、その内容として、アイテックが1948年(昭和23年)9月に鯖江市において「黒田めっき工業所」として設立創業したこと、1985年(昭和60年)4月に眼鏡の販売事業へ進出したこと、近時においては「表面処理事業部」(眼鏡枠等に対する各種めっき等)及び「眼鏡事業部」(眼鏡フレームの企画・販売)を有すること、「黒田一郎」が代表取締役を務めていること、などの記載がある。
(イ)資料4の1は、「2010年06月21日区分」とする、アイテックと「株式会社ミヤシタメガネ」との間でなされた取引に係る「売上伝票」、「納品書」及び「受領書」の写しであって、各写しの品番欄及び品名欄には、「TE-7605」及び「TECHNOS 7605」並びに「TE-7611」及び「TECHNOS 7611」との記載がある。
(ウ)資料4の2及び資料4の3は、いずれも、アイテックが、自己の取扱いに係る商品「眼鏡フレーム」のうち、「TE-7601」ないし「TE-7612」の連続する品番ごとに、該当する商品の材質、サイズ及び色に関する記述とその商品の画像を掲載したカタログと思しき書面であるところ、各書面の左上隅には、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「TECHNOS」の文字からなる標章が表示されている。
(エ)資料5の1は、「2010年07月16日区分」とする、アイテックと「株式会社オプトタカシマ」との間でなされた取引に係る「売上伝票」、「納品書」及び「受領書」の写しであって、各写しの品番欄及び品名欄には、「TE-7614」及び「TECHNOS 7614」、「TE-7617」及び「TECHNOS 7617」並びに「TE-7618」及び「TECHNOS 7618」との記載がある。
(オ)資料5の2は、アイテックが、自己の取扱いに係る商品「眼鏡フレーム」のうち、「TE-7613」ないし「TE-7618」の連続する品番ごとに、該当する商品の材質、サイズ及び色に関する記述とその商品の画像を掲載したカタログと思しき書面であるところ、各書面の左上隅には、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「TECHNOS」の文字からなる標章が表示されている。
(カ)資料6の1は、「2010年08月05日区分」とする、アイテックと「株式会社メガネトップ」との間でなされた取引に係る「売上伝票」、「納品書」及び「受領書」の写しであって、各写しの品番欄及び品名欄には、「TE-7755」及び「TECHNOS 7755」との記載がある。
(キ)資料6の2は、アイテックが、自己の取扱いに係る商品「眼鏡フレーム」のうち、「TE-7751」ないし「TE-7756」の連続する品番ごとに、該当する商品の材質、サイズ及び色に関する記述とその商品の画像を掲載したカタログと思しき書面であるところ、各書面の左上隅には、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「TECHNOS」の文字からなる標章が表示されている。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、本件商標の使用につき、以下のとおり認めることができる。
ア アイテックは、自らの取扱いに係る商品「眼鏡フレーム」に本件商標を使用するべく、平成9年4月8日に、当時、本件商標の登録名義人であったグンズインガーからその使用許諾を得るため、グンズインガーが保有する商標に係る我が国における独占的使用権及び第三者に対する使用許諾権を有する代理人である平和堂との間で、その使用に係るライセンス契約を締結した。
そして、アイテックは、自己の取扱いに係る商品「眼鏡フレーム」のカタログと思しき書面上に本件商標と社会通念上同一の商標を表示していたところ、該書面に掲載された商品と同じ品番の商品が2010年(平成22年)の6月21日、7月16日及び8月5日に取引されていることからすれば、該書面は、少なくとも上記商品の販売がされた時には、商品に関する広告として展示されていたものと推認される。
また、上記アイテックによる商品「眼鏡フレーム」に関する広告は、アイテックが平和堂との間で締結した上記ライセンス契約により許諾された使用の範ちゅうにあるものと認められ、さらに、その広告がされた時に、該契約が終了していたと認めるに足る特段の事情も見当たらないことからすれば、該契約は、その第12条の規定により、更新がされ、上記広告がされた時点においても有効に存続していたものと推認される。
イ 上記アによれば、アイテックは、本件審判の請求の登録前3年以内である平成22年の6月21日、7月16日及び8月5日には、本件商標の通常使用権者として、自己の取扱いに係る商品「眼鏡フレーム」に関する広告に本件商標と社会通念上同一の商標を付して展示しており、その行為は、「商品若しくは役務に関する広告・・・に標章を付して展示・・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものと認められる。
そして、上記アイテックが展示した広告に係る商品「眼鏡フレーム」は、本件商標の指定商品「眼鏡」の範ちゅうに属する商品である。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、その請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2014-06-02 
結審通知日 2014-06-05 
審決日 2014-06-18 
出願番号 商願昭49-23009 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X09)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 井出 英一郎
田中 敬規
登録日 1979-12-27 
登録番号 商標登録第1402652号(T1402652) 
商標の称呼 テクノス 
代理人 安武 洋一郎 
代理人 坂倉 夏子 
代理人 浅村 昌弘 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 
代理人 浅村 皓 
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