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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900004 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1289798 
異議申立番号 異議2013-900354 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-10-23 
確定日 2014-07-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5601418号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5601418号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5601418号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、平成24年10月19日に登録出願、第3類「ヘアカラー,その他の化粧品」を指定商品として、平成25年5月28日に登録査定、同年7月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別掲(B)に示す構成からなり、同人が継続して各種化粧品について使用しているとする商標(以下「引用商標」という。)を引用している。
(2)理由の要点
申立人は、本件商標が、次の理由により、その登録を取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法して、甲第1号証ないし甲第42号証(枝番を含む。)を提出した。
ア 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、第1段目に「HB」の文字列を有し、申立人が継続して各種化粧品について使用した結果、本件商標の出願日前より日本国内において周知となっている未登録の引用商標「HB」と類似する。また、その使用に係るヘアカラー等の毛髪用化粧品と同一又は類似の商品を指定商品とするものである。
したがって、本件商標は、申立人の周知の引用商標と類似する商標であって、その使用に係る商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、第4条第1項第10号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の商標として日本国内において周知な引用商標と類似する商標であるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品との間に商品の出所について混同を生ずるおそれがある。すなわち、引用商標が本件商標の出願時及び登録時のいずれにおいても周知であったことは提出する証拠及び説明する事実によって明白であり、また、この引用商標が使用されている商品と本件商標の指定商品とは同一又は類似の関係にあるから、引用商標と類似する本件商標がその指定商品について使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、第4条第1項第15号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の商標として日本国内において周知な引用商標と類似する商標である。また、申立人からの使用差し止めの警告後に本商標を出願したものである。すなわち、申立人の使用に係る周知な引用商標の存在を知りながら、その出所表示機能を希釈化させたり、その名声等を毀損させる目的を持って出願したものであり、不正の目的(不正の利益を得る目的等)をもって使用するため出願したといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲(A)のとおり、第1段に「HB」、第2段に「NATURAL」、第3段に「COLOR」、第4段に「MyunaS」を配した構成からなるものである。
そして、最下段の「MyunaS」は特定の意味合いを有さない文字であるのに対し、「NATURAL」及び「COLOR」の文字が、指定商品との関連において、商品の品質を表示したと理解されるに止まるものであり、また、「HB」の文字は、商品の品番等として類型的に用いられる欧文字2字の一として把握され、一般に自他商品の識別力が無いか極めて弱いものであるところ、かかる構成態様の本件商標にあって、「HB」の文字部分のみを殊更に強く印象し記憶して、当該部分に相応した称呼や観念のみをもって取引に資されるとすべき格別の理由はなく、構成全体をもって取引に資されるほか、造語として強い識別力を発揮し得る「MyunaS」部分をもって印象され記憶され得るというのが相当である。
したがって、本件商標は、「エイチビイナチュラルカラーミュナス」及び「ミュナス」の称呼を生じ、何ら特定の観念を生じない標章からなるものというべきである。
イ 引用商標について
(ア)申立人提出の証拠によれば、継続して、「HB」の文字を構成中に含む標章が申立人に係る商品(毛髪用化粧品等)に付され(甲2?甲26)、また、本件商標の登録出願日前に発行された雑誌等において、当該商標を表示した商品の広告が掲載され、その広告中に「HB」を構成中に含む標章が表示されたことが認められる(甲27?甲30)。さらに、「HB商品」としての出荷実績等(甲32?甲34)が示されている。
しかしながら、当該使用に係る商標は、「HB」と他の標章「CARETECT」、「SPRUCE」、「COLOR」、「CARETECT COLOR」、「ACCESS FREE」等とを結合したものとして看取されるというのが相当であり、また、申立人の代表的商標といえる「nAplA」の文字を図案化した商標とともに表示されるのが常態といえるものであるから、本来的に識別力が無いか脆弱な欧文字2字の「HB」部分のみをもって殊更に強く印象し記憶される商標ということはできないものである。
また、出荷実績等から現に取引が行われたことを窺い知ることができるが、「HB商品」としての出荷実績が如何なる商品についてのものを指すのかは定かでなく、その出荷実績等をもって市場比率(シェア)等の把握は容易でない。
なお、証拠中の広告事例(甲27)において、「HB」の文字のみが表示されたものが認められるが、その掲載数量は1、2例程度の僅かなものである。また、美容関連の事業者等の証明書(甲31の1?130、甲36の1?175、甲37の1?46)が提出されているが、これについては、下記(イ)のとおりである。
(イ)申立人は、同人に係る商品(化粧品)の需要者が美容関連者であるとして、その証明書を提出している。そして、当該証明は、全国に亘る多数の事業者又は個人が署名押印をしたものである。
しかしながら、本件商標の指定商品の需要者が美容関連業者に限定されるものでないことは明らかである上、当該証明は、商標「HB」について、「上掲の商標は、・・・、上掲の商標が周知となっているものであることを、ご証明下さるようお願い申し上げます。」とする、申立人が予め用意した定型文について、「上記の通り相違ないことを証明します。」という予め印字された文面に、署名押印をした体裁のものであるところ、当該署名者らが如何なる具体的な資料のもとで、上記証明内容について「相違ない」ことを証することができたのか定かではないといわざるを得ない。
してみると、かかる証明をもって、証明者の間で商標「HB」自体が申立人の商標として認識されたとした上で、申立人の商品を表示する商標として広く認識されるに至ったことを首肯し得るとすることはできない。
(ウ)以上のとおり、申立人提出の証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人に係る商品を表示する商標として、需要者の間で広く認識されるに至ったものであると認めることはできないものである。
(エ)引用商標は、構成文字「HB」に相応し「エイチビイ」と称呼され得るものであり、何ら特定の観念を生じないものというべきである。
ウ 上記によれば、本件商標と引用商標とは、外観構成が著しく相違するものであり、称呼において紛れるおそれもなく、さらに、観念について比較し得ないものであるから、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と認めることはできないものである。
エ 小括
上記のアないしウよりすれば、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品の類否について論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とが類似の商標と認められないことは上記(1)のとおりである。そして、本件商標の構成中には、最上段に「HB」の文字が表示されているけれども、「HB」の文字が構成中に含まれていることのみをもって、本件商標が引用商標に関連あるものとして看取されることになるとは到底認め難いから、結局、本件商標は、引用商標とは全く別異の商標として看取されるというべきものである。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人の業務に係る商品、あるいは、同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認められないから、本件商標の出願時及び査定時において、商品の出所について混同するおそれがあったとすることはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記のとおり、本件商標が引用商標に類似するものと認められないこと、引用商標が周知な商標とは認められないことからすれば、本件商標が不正の目的をもって使用されるものであるか否かについて論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(A)本件商標


(B)引用商標


異議決定日 2014-06-26 
出願番号 商願2012-84595(T2012-84595) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 222- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 酒井 福造
手塚 義明
登録日 2013-07-26 
登録番号 商標登録第5601418号(T5601418) 
権利者 株式会社レイナカンパニー
商標の称呼 エイチビイナチュラルカラーミュナス、エッチビイナチュラルカラーミュナス、ナチュラルカラーミュナス、ナチュラルカラー、ナチュラル、ミュナス 
代理人 幸田 全弘 
代理人 斎藤 理絵 
代理人 濱田 俊明 

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