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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900259 審決 商標
異議2013900237 審決 商標
異議2013900404 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W39
審判 全部申立て  登録を維持 W39
審判 全部申立て  登録を維持 W39
管理番号 1289790 
異議申立番号 異議2013-900296 
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-09-03 
確定日 2014-07-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5588496号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5588496号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5588496号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、平成25年1月8日に登録出願、第39類「車両による輸送,自動車の運転の代行,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,駐車場の提供,自動車の貸与,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」を指定役務として、同年5月22日に登録査定、同年6月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2286631号商標は、別掲(B)のとおりの構成からなり、昭和59年2月22日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成2年11月30日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録、さらに、同13年9月19日に指定商品を第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,靴下,スカーフ,手袋,ヘルメット,帽子」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そのほかに、別掲(B)のとおりの構成からなるものとして、登録第1976560号商標、登録第1976560号防護第1号及び同防護第2号、登録第2026133号商標、登録第1929898号商標、登録第1967776号商標、登録第2002239号商標、登録第4144090号商標、登録第4294405号商標、登録第4343147号商標、登録第4165200号商標、登録第4336985号商標、登録第4985161号商標、登録第5071275号商標、登録第5146739号商標、登録第5269745号商標並びに登録第5275307号商標が引用されている。
なお、上記引用の別掲(B)のとおりの構成からなる登録商標及び防護標章を、以下「引用商標1」という。
(2)同じく、登録第1976508号商標は、別掲(C)のとおりの構成からなり、昭和58年10月14日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同62年8月19日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録、さらに、平成20年2月6日に指定商品を第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そのほかに、別掲(C)のとおりの構成からなるものとして、登録第2002240号商標が引用されている。
なお、上記引用の別掲(C)のとおりの構成からなる登録商標を、以下「引用商標2」という。
(3)同じく、登録第1537262号商標は、別掲(D)のとおりの構成からなり、昭和52年5月31日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同57年9月30日に設定登録、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録、さらに、平成15年1月22日に指定商品を第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,靴下,ゲートル,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そのほかに、別掲(D)のとおりの構成からなるものとして、登録第1371518号商標、登録第1506782号商標及び登録第1635868号商標が引用されている。
なお、上記引用の別掲(D)のとおりの構成からなる登録商標を、以下「引用商標3」という。
(4)上記(1)ないし(3)の各引用商標(引用商標1ないし3)を一括して、以下「引用商標」という場合がある。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標と引用商標との類似性
各引用商標は、黒塗り・白抜きの相違及び形状の若干の相違があるものの、左上から左下に弧を描くように広がりながら伸び、かつ、その左下から右上方向に長く伸ばして収斂するブーメラン状の形状の図形からなる「スウッシュ」マークと呼ばれる著名な図形商標であり、左端の弧の頂点において最大の厚みを持ち、右端を長く伸ばして収斂させている点に同一性がある。
他方、本件商標は、赤、ピンク及び紫の各色をグラデーション状に配し、赤色と青色の「スウッシュ」マークと同一又は極めて類似する各図形を左右逆対称に配置し、収斂部分をピンクの部分で結合させた標章である。
そこで、本件商標と引用商標と外観を対比すると、本件商標は、右上の鉤の部分を除けば、左上から左下に弧を描くように広がりながら伸び、かつ、その下から右上方向に長く伸ばして収斂するブーメラン状の全体形状が引用商標と類似する。本件商標の大きい鉤部分は、全体に比べて小さい部分であって、左下の大きい鉤部分から発するブーメラン状の形状が本件商標の全体的印象を形成している。
さらに、本件商標が大小2つのブーメラン状の図形を左右逆対象に結合させたものとみる場合には、各ブーメラン状の図形の概略は、引用商標と類似するものであって、引用商標を左右逆対象に配置してなるものとも看取される。
また、本件商標は、商標権者が運行するバスに付されて使用されているものであるところ、バスに付した場合には、右上の鉤の部分は後輪のタイヤの上にかかる形となり、より目立たない部分となるのであって、実際の使用態様をみても、特にバスの前面方向から見た場合には、本件商標の左側の大きい鉤部分のみが際立って見える(甲3)。
(2)不正の目的
商標権者は、そのバス事業に使用する商標として、引用商標「スウッシュ」マークと同一の形状の商標をバスに付していた(甲4,甲5)。そして、一般需要者も商標権者がナイキ社の商標と同一形状の商標を使用していると認識している(甲6?甲9)。
このような商標権者の使用に対して、申立人は、不正競争防止法第2条第1項第1号及び同第2号により不正競争に該当するとして、平成24年から使用の中止を求める通告を行っていたところ、変更された商標が本件商標である。本件商標は、明らかに引用商標の修正とわかる商標にみられるように(甲10)、引用商標の全体形状を包含するものである。
また、本件商標を使用したとみられる商標は、本件商標と同一ではない(甲10,甲11)。使用されている類似商標の左側の大きい方の鉤の部分の湾曲の仕方は、本件商標より引用商標に近いことがわかる。この事実から、商標権者は、故意に指定役務についての本件商標に類似する商標の使用であって他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるものをしていることになり、商標法第51条第1項に規定する不正使用により取り消されるべき商標に該当する。
さらに、バスの車体横に顕著に表示された商標は、公道において需要者の目を引くものであるところ、走行中は本件商標(又は類似の使用商標)と引用商標の相違部分(本件商標の右側の鉤部分の有無)は通行人にははっきりとは視認されず、引用商標の左側の鉤から右上方向に収斂する基本形状のみが視認される可能性が高い。
よって、本件商標の使用状態を考えると、引用商標と誤認される可能性が一層高く、後記引用商標の著名性に鑑みれば、業務分野が異なるとはいえ、商標権者が引用商標を知らなかったはずはないところ、最初に引用商標自体をバスの車体に付していたことは、明らかに引用商標の名声にフリーライドする不正競争行為といえる。その後に変更した本件商標も依然として引用商標の基本形状を踏襲するものであって、なお、引用商標にフリーライドする意図があることは明らかである。
(3)引用商標の著名性
申立人及びそのグループ会社(以下「ナイキ社」という。)は、「運動靴、運動用特殊靴」、「被服、運動用特殊衣服」等について、世界的に著名な商標「NIKE」並びに「SWOOSH」(スウッシュ)と呼ばれる引用商標の所有者である。
引用商標の「スウッシュ」と呼ばれるナイキ社のシンボルマークは、既存の図形ではなくナイキ社の創作に係るものであり、ギリシャ神話の勝利の女神NIKEの翼を表している。
引用商標は、特許庁ホームページの日本国周知・著名商標リストに掲載されており(甲13)、引用商標が、我が国において著名であることは、特許庁に顕著な事実と考えられる。
甲第14号証は、2012年8月から2013年8月にかけてのナイキ社の広告又は広告記事の記録であり、各種の有名媒体により引用商標が露出している。
甲第15号証は、広告代理店の大広による広告看板設置記録であり(2013年2月1日)、引用商標の形状が印象的に使用されている。
以上のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願前から現在に至るまで、申立人の商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標である。
(4)混同のおそれ
引用商標が著名性、及び本件商標の基本形状と引用商標との近似性又は本件商標が引用商標を包含する形状であることから、本件商標をその指定商品に使用するときには、申立人の商品又は役務と出所の混同を生ずるおそれがある。
(5)著名な図形商標の表示態様との近似
多大なブランド価値を有する著名な図形商標については、フリーライド希釈化を防ぐために、十分に保護する必要がある。
例えば、著名なプーマ社の図形商標については、フリーライドする商標が後を絶たないところ、態様が相当異なる図形商標を含む商標について、プーマ社の図形商標を含む商標との類似性及び混同のおそれを認めた判決がある(知財高判平成25年6月27日判決:甲17)。
本件も上記事例と事案を共通するものであり、例え本件商標と引用商標の図形の構成に差異があるとしても、本件商標は、明らかに引用商標にフリーライドする意図をもって採択されたものである。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と基本形状を共通にし、かつ引用商標を包含する図形からなるものであるから、本件商標がその指定役務について使用された場合には、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当するものとして、登録を取り消されるべきである。
また、本件商標は、引用商標へのフリーライドという不正の目的で採択され使用されているものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当するものとして、登録を取り消されるべきである。
さらに、本件商標は、日本国内及び外国において需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用されるものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当するものとして、登録を取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は、別掲(A)のとおり、先のとがった大小2つの鉤型の形状を有する図形からなるものであり、そのうち、左下方側の先端が上方を向いている肉厚の鉤型の形状部分は赤で彩色され、一方、右上方側の先端が下方を向いている鉤型の形状部分は紫で彩色されているものであって、それら2つの部分をピンクで彩色された細長い四角形部分で接合された態様で表されたものである。そして、本件商標は、その構成から特定の観念及び称呼を生じないとみるのが相当である。
これに対し、引用商標1は、別掲(B)のとおり、左上から左下に弧を描くように黒太線が広がりながら伸び、その左下から右上に跳ね上がるように描き、それに従い描線の幅が細くなった図形からなるものであり、また、引用商標2は、別掲(C)のとおり、引用商標1を白抜きで表した図形よりなるものである。そして、引用商標3は、別掲(D)のとおり、引用商標2において右上に跳ね上がるように描いた部分を跳ね上がらずになだらかに右方向に向かうように描いたものであり、引用商標1及び2とは、相違する印象を与えるものである。
さらに、引用商標についてみるに、引用商標1及び2は、その構成から一義的に特段の観念及び称呼を生じないというのが相当と解し得るが、申立人の主張及び提出に係る証拠を勘案し、両商標の周知・著名性を考慮すれば、取引者・需要者が該商標を「ナイキの(ノ)スウッシュマーク」の観念又は称呼により記憶し、取引に資される場合もあるといい得るものである。そして、引用商標3については、上記のとおりの構成であり、引用商標1及び2と同様にみることはできず、これよりは特定の観念及び称呼を生じないというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標1ないし3とを比較するに、図形の左方部分において左上から左下に弧を描くように太線が広がるように弧を描いてなる点においては共通するものの、本件商標が両端に鉤型の形状を有する図形であって、全体が赤、ピンク、紫の3色に色分けされたものである点に特徴を有するものであるのに対し、引用商標1ないし3は、単色(黒塗り又は白抜き)で描かれたブーメラン(くの字形の飛び道具)のような図形を看取させるものであり、これに接する看者に全く別異の印象を与える図形といえるものであるから、本件商標と引用商標1ないし3とを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、両者は、外観において判然と区別し得るものである。
また、上記のとおり、本件商標からは特定の観念及び称呼を生じないものであるところ、引用商標1及び2からは「ナイキの(ノ)スウッシュマーク」の観念又は称呼を生ずる場合があり得るにすぎないものであり、本件商標と引用商標1ないし3とが観念及び称呼において相紛れるおそれがあるとすべき点は見当たらない。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、観念及び称呼のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
してみると、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、それから、引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人は、本件商標が、著名である引用商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用されるものである旨主張するが、引用商標が申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国において需要者の間に広く認識されている商標であるとしても、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であること、上記(1)のとおりである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定の他の要件について検討するまでもなく、同号に該当しない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標が申立人の著名な引用商標の顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正の目的がある旨主張するが、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、本件商標をその指定役務に使用することが、社会公共の利益、一般的道徳観念に反するものとはいえず、また、国際信義に反するものともいえない。
さらに、本件商標が、きょう激、卑わい若しくは差別的な文字又は図形からなるものといえないことは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(A)本件商標

(色彩については、原本を参照のこと。)

(B)引用商標1


(C)引用商標2


(D)引用商標3


異議決定日 2014-06-20 
出願番号 商願2013-339(T2013-339) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W39)
T 1 651・ 222- Y (W39)
T 1 651・ 22- Y (W39)
最終処分 維持 
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 浦辺 淑絵
酒井 福造
登録日 2013-06-07 
登録番号 商標登録第5588496号(T5588496) 
権利者 有限会社スサノオ観光
代理人 西村 雅子 
代理人 田畑 浩美 
代理人 宮永 栄 
代理人 田邊 義博 
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