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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900406 審決 商標
異議2013900259 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1643
審判 全部申立て  登録を維持 W1643
審判 全部申立て  登録を維持 W1643
審判 全部申立て  登録を維持 W1643
審判 全部申立て  登録を維持 W1643
管理番号 1288837 
異議申立番号 異議2013-900407 
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-07-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-12-02 
確定日 2014-06-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第5613535号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5613535号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5613535号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミエシュラン」の文字を標準文字で表してなり、平成25年4月26日に登録出願、第16類「印刷物」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同年8月1日に登録査定され、同年9月6日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第717997号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MICHELIN」の文字を横書きしてなり、昭和40年10月28日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年8月25日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、平成19年6月6日に、指定商品を第9類「電子出版物」及び第16類「印刷物」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第717998号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ミシュラン」の文字を横書きしてなり、昭和40年10月29日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年8月25日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、平成20年3月19日に、指定商品を第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第5600152号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ミシュラン」の文字を標準文字で表してなり、平成23年6月28日に登録出願、第9類、第35類、第37類ないし第39類及び第41類ないし第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年7月19日に設定登録されたものである。
(4)登録第5620241号商標(以下「引用商標4」という。)は、「MICHELIN」の文字を横書きしてなり、2011年4月21日に欧州特許庁においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成23年6月29日に登録出願、第9類、第35類、第37類ないし第39類及び第41類ないし第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年10月4日に設定登録されたものである。
引用商標1?4をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、「ミエシュラン」の文字を書してなるものであり、一方で、引用商標は、「MICHELIN」又は「ミシュラン」の文字を書してなるところ、両商標は、その称呼及び外観において互いに類似するものである。また、本件商標の指定商品・役務と、引用商標の指定商品・役務は同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性
引用商標は、日本国内において、申立人の業務に係る商品「ガイドブック」及び役務「飲食物の提供に関する情報の提供」を表示する商標として、取引者及び需要者間に広く認識されている周知著名な商標であるところ、本件商標をその指定商品・役務に使用すれば、当該商品・役務が申立人の業務に係る商品及び役務と関係があるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性
引用商標は、日本国内及び諸外国において、申立人の業務に係る商品「ガイドブック」及び役務「飲食物の提供に関する情報の提供」を表示する商標として、当業界及び需要者間に広く認識されている周知著名な商標である。また、本件商標と引用商標は、その称呼及び外観において互いに類似するものであり、加えて、商標権者は不正の目的をもって本件商標を出願したものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「ミエシュラン」の片仮名を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ミエシュラン」の称呼を生ずるものである。また、本件商標の文字は、辞書等に載録が認められないから、これに接する取引者、需要者がその構成文字が何を意味する語であるのか全く想起し得ないと考える場合が多いとみるのが相当であり、特段の観念は生じないものと認められる。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「ミシュラン」の片仮名又は「MICHELIN」の欧文字を横書き又は標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ミシュラン」の称呼を生ずるものであって、後記(2)認定のとおり、引用商標は、申立人の発行するレストラン等を星の数で格付けするガイドブックを表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものであるから、これより、「レストラン等を星の数で格付けするガイドブック」の観念が想起されるものといえる。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)称呼
本件商標より生ずる「ミエシュラン」の称呼と引用商標より生ずる「ミシュラン」の称呼は、第2音において、「エ」の音の有無の差異を有するものであるところ、本件商標を全体として称呼するときは、「ミエ」と「シュラン」の音の間に一呼吸おいて称呼され得るのに対し、引用商標を全体として称呼するときは、「ミシュラン」と無理なく一気一連に称呼されるものであるから、「エ」の音の有無の差異が、比較的短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえない。してみると、「ミエシュラン」の称呼と「ミシュラン」の称呼は、それぞれを一連に称呼するときは、称呼全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤られるおそれはないものというのが相当である。
(イ)外観
本件商標は、「ミエシュラン」の片仮名よりなるものであり、また、引用商標2及び3も「ミシュラン」の片仮名よりなるものであって、いずれも簡潔な文字構成よりなるものといえるから、第2文字における「エ」の有無の差異は、通常有する注意力をもってすれば、両商標を外観上誤認混同することはないというべきである。
また、本件商標と引用商標1及び4は、「ミエシュラン」の片仮名と「MICHELIN」の欧文字との差異を有するものであるから、外観上区別し得るものである。
(ウ)観念
本件商標は、特定の観念を有しない造語よりなるものであるのに対し、引用商標は、「申立人の発行するレストランを星の数で格付けするガイドブックの名称」の観念を有するものであるから、観念上明らかに相違するものである。
(エ)以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(オ)申立人は、「エ」又は「イ」の音の有無の差異を有する2つの商標が称呼上類似すると判断した審決例を挙げる(甲6?甲14)が、申立人の挙げた審決例は、本件とは、全体の構成音、差異音の位置、称呼の長短等の相違があるから、事案を異にするというべきであり、また、本件においては、本件商標と引用商標との類否のみを判断すれば足りるのであるから、過去の審決例が存在することにより、本件商標と引用商標の類否判断が左右されるものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の著名性について
(ア)申立人の提出した証拠及び申立ての理由によれば、申立人は、1863年に設立された後、自動車等車両のタイヤの製造、販売を主たる業務として発展してきたこと、申立人は、1900年8月に、自動車のドライバー向けのガイドブックをフランスで発行したのを皮切りに、その後、レストラン、ホテル、旅行等の分野においてガイドブックを発行し、現在は、レストランを星の数で格付けするガイドブックを、日本を含む20以上の国や地域をガイド対象とし、90か国以上で販売していること(甲20、甲30、甲38等)、申立人は、我が国において、1964年(昭和39年)に、タイヤの販売事業を開始し、2007年(平成19年)11月に、東京のレストランを対象とした「ミシュランガイド東京2008」を発売したこと、当該ガイドブックの発売前後には、新聞やテレビなどのメディアで盛んに取り上げられたこと(甲16?甲29、甲39?43等)、その後、2010年(平成12年)から2014年(平成26年)にかけて、京都、大阪、神戸、横浜、鎌倉、北海道、奈良等とガイドの対象を拡大したこと(甲30)、我が国において、申立人のガイドブックで、三つ星の評価を得たレストラン等は、予約が殺到したこと(甲44?甲46)、「ミシュラン」の語は、辞書にも掲載され、例えば、広辞苑(第6版)には、「ヨーロッパのホテルやレストランの案内書。星の数で格付けし、三つ星が最高。フランスのタイヤ会社ミシュランが毎年発行。」と記載されていること(甲33?甲37)、などを認めることができる。
(イ)前記(ア)で認定した事実によれば、引用商標は、申立人の発行するレストラン等を星の数で格付けするガイドブックを表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成25年4月26日)前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。そして、その著名性は、本件商標の登録査定日(平成25年8月1日)においても継続していたものと推認することができる。
なお、申立人は、引用商標が、申立人の業務に係る役務「飲食物の提供に関する情報の提供」を表示するものとしても著名性を獲得していた旨主張するが、引用商標が申立人の上記「飲食物の提供に関する情報の提供」を表示するものとして、本件商標の登録出願日前より、著名性を獲得していた事実を認めるに足りる証拠の提出はない。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ 出所の混同
前記(2)ア認定のとおり、引用商標は、申立人の発行するレストラン等を星の数で格付けするガイドブックを表示するものとして、本件商標の登録出願日前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。また、本件商標の指定商品及び指定役務は、申立人の発行するガイドブックとは、関連性を有するものといえる。
しかしながら、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、商標それ自体非類似の商標であるから、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというのが相当である。してみれば、本件商標は、これを指定商品及び指定役務について使用しても、その取引者、需要者をして、該商品及び役務が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する商標と認めることはできない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、申立人の発行するレストラン等を星の数で格付けするガイドブックを表示するものとして、本件商標の登録出願日前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標であるとしても、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。そして、本件商標が不正の目的をもって使用する商標であることを認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する商標と認めることはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-06-19 
出願番号 商願2013-31727(T2013-31727) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W1643)
T 1 651・ 262- Y (W1643)
T 1 651・ 263- Y (W1643)
T 1 651・ 222- Y (W1643)
T 1 651・ 261- Y (W1643)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 酒井 福造
寺光 幸子
登録日 2013-09-06 
登録番号 商標登録第5613535号(T5613535) 
権利者 株式会社フロンティア
商標の称呼 ミエシュラン 
代理人 船橋 理恵 
代理人 勝沼 宏仁 
代理人 宮嶋 学 
代理人 塩谷 信 
代理人 高田 泰彦 
代理人 特許業務法人暁合同特許事務所 
代理人 宇梶 暁貴 
代理人 柏 延之 

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