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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013685020 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W20
審判 全部申立て  登録を維持 W20
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管理番号 1288828 
異議申立番号 異議2013-900311 
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-07-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-09-10 
確定日 2014-06-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5589873号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5589873号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5589873号商標(以下「本件商標」という。)は、「メタライカ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成24年8月31日に登録出願、第20類「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),木製又はプラスチック製の立て看板」を指定商品として同25年5月24日に登録査定、同年6月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1958005号商標(以下「引用商標」という。)は、「METALICA」の欧文字を表してなり、昭和60年4月19日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年5月29日に設定登録されたものである。その後、平成20年4月2日に、「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。)」を含む第20類の商品の他、商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第8号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであると主張し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「メタライカ」の標準文字よりなり、該構成文字に相応して「メタライカ」の称呼を生ずるものであり、他方、引用商標は、「METALICA」の文字よりなり、構成中の「META」の文字部分は、「metal」が「メタル」と発音されるのに倣い、「メタ」と発音され、「LICA」の文字部分は、「license」が「ライセンス」、「life」が「ライフ」と発音されるのに倣い、「ライカ」と発音されるとみられ(甲4)、引用商標は、全体として「メタライカ」の称呼を生ずる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、「メタライカ」の称呼を共通にし、称呼上類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第8号について
申立人「Metallica」は、アメリカ合衆国在のロックバンドの名称であり、「Metallica」は、著名な名称であることは、インターネット情報(Wikipedia)により明らかである(甲5)。
申立人「Metallica」は、我が国においては「メタリカ」と読まれ、表記されて、1986年渋谷公会堂等での公演をはじめ、1989年、1991年、1998年、2003年、2006年、2010年及び2013年に、東京ドーム、大阪城ホール、福岡国際センター、日本武道館、さいたまスーパーアリーナ等において公演が行われ、ヘビーメタルの分野では第一人者として我が国において著名となっているものであることがインターネットの検索結果情報(Wikipedia)により発見できる(甲5)。
したがって、「Metallica」は、我が国において、ロックバンドの著名な名称として認識されているといえる。
そして、「Metallica」は、一種の造語であり、インターネットにて「メタライカ」を検索すると、「METALLICA」(メタリカ)が検索され、さらに、絞り込みツールで「メタライカ」で再検索すると、「Metallica(メタライカ)つてそんなに良いバンドだったんだ。・・・Metallica(メタライカ)の知名度って結構高いのに、スレッドはここしかないよね。」との記載が発見される(甲6)。
このことからも、「Metallica」は、「メタライカ」とも読まれ表記され、また、「メタライカ」は「Metallica」と綴られる場合もあることの証であると思料する。
そうすると、本件商標「メタライカ」は、申立人の名称、または、著名なバンドの名称「Metallica」の読みを片仮名表記したにすぎないものというべきである。
そして、申立人は、本件商標の登録出願について、承諾を与えたものでないことはいうまでもないから、本件商標は、他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)であって、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号
申立人は、「METALLICA」の商標を付した、「Tシャツ,パーカー,帽子,バッグ,ベルト,バッジ,ポスター,ステッカー,指輪,ペンダント腕時計,タオル」等の商品を我が国の輸入業者に販売してきたものであり(甲7)、我が国のロック愛好家の間において「METALLICA」は周知、著名となっているものであり、申立人の取り扱う商品の需要者と本件商標の指定商品の需要者とは、商品が日常一般に使用される商品の一般の需要者といえ、需要者を共通にするものであり、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「メタライカ」の片仮名を標準文字を表してなり、その構成文字に相応して、「メタライカ」の称呼が生ずること明らかであり、特定の意味合いを有する語ではないから、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり「METALICA」の欧文字を表してなるところ、該文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであり、かかる場合には我が国で親しまれた英語の発音に倣って称呼されるというのが相当であるから、語頭の「META」の綴りを共通にする英語「metal」が「メタル」と発音されるのに倣い、また、語尾における「LICA」の綴りを共通にする英語「silica」を「シリカ」、「replica」を「レプリカ」と発音することに倣い、その構成全体で「メタリカ」の称呼を生ずるものというのが自然であって、特定の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標を比較するに、両者は、それぞれの構成文字に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標から生ずる「メタライカ」の称呼と引用商標から生ずる「メタリカ」の称呼とは、前半の「メタ」の音の部分を共通にするとしても、後半部分において、「ライカ」の音と「リカ」の音の明らかな差異を有するものであるから、両者を一連に称呼しても、その語調、語感が相違し、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標及び引用商標は、それぞれ特定の観念を生じないから、観念上、相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)「Metallica」の著名性について
ア 申立人は、1981年に結成された「Metallica」(メタリカ)という名称のアメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンドであり、1990年代に全米アルバム総売り上げ4位を記録するなど、商業的な成功を得ている。そして、我が国において、1986年、1989年、1991年、1998年、2003年、2006年、2010年及び2013年に、渋谷公会堂、東京ドーム、大阪城ホール、福岡国際センター、日本武道館、さいたまスーパーアリーナ等で公演が行われたことが認められる(甲5)。
イ Yahoo!検索を用いて「メタライカ」をキーワードにした検索結果は、例えば、「Metallica(メタリカ)・・・メタル系という括りを越えて多くのロック・ファンを魅了するバンド、メタリカ。」、「メタリカ-Wikipedia/メタリカ(Metallica)は、・・・ヘヴィメタル・バンド」、「Metallica(メタリカ)|HMV ONLINE/メタル系という括りを越えて多くのロック・ファンを魅了するバンド、メタリカ。」、「Metallicaとは(メタリカとは)[単語記事]-ニコニコ大百科」であり、「METALLICA」は、「メタリカ」と読まれていることが認められる(甲6)。
ウ バンドTシャツ専門店Garapa-Gosのウェブサイトには、「METALLICAとはロック界、メタル界の頂点に君臨すると言っても過言ではない超一流バンド、それがMETALLICAである。・・・初期のメタリカはスラッシュ四天王の一つに挙げられていた。しかし今ではグルーヴメタルなどのジャンルで頂点を極めている。」との記載がある(甲7)。
エ 以上を総合すると、「Metallica」は、「メタリカ」と読まれ、1981年から現在に至るまで、ヘヴィメタル・バンドとして、我が国においてもある程度知られているといえる。
(3)商標法第4条第1項第8号該当性について
申立人「Metallica」は、アメリカ合衆国在のロックバンドの名称であり、本件商標は、他人の名称または著名なバンド名を表すものといわざるを得ず、かつ、申立人の承諾を得ていない旨主張している。
そこで検討するに、前記(2)のとおり、申立人は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンドとして、我が国においてもある程度知られていることが認められる。
しかしながら、商標法第4条第1項第8号は、「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」とするものとされている。
そこで前記をふまえて検討すると、申立人の名称は、「Metallica」であり、その読みは「メタリカ」である。
そうすると、本件商標は、「Metallica」及び「メタリカ」を含むものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、「METALLICA」の商標を付した「Tシャツ」等の商品を、我が国の輸入業者に販売してきたとして甲第7号証を提出しているが、前記(2)のとおり、申立人は、ヘヴィメタル・バンド名としてある程度知られているといえるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において、「Metallica」の標章を使用して、自己の業務に係る商品を我が国の輸入業者に販売した事実は見いだせない。
そうとすれば、「Metallica」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたということはできない。
さらに、本件商標と「Metallica」とを比較すると、外観において、両者は、それぞれの構成文字に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
そして、「Metallica」は、前記(2)のとおり「メタリカ」と称呼されるものと認められるから、本件商標「メタライカ」から生ずる「メタライカ」の称呼との類否については、前記(1)における称呼の類否判断と同様に判断し、両者を一連に称呼しても、その語調、語感が相違し、相紛れるおそれはない。
また、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じず、「Metallica」は、特定の観念を生じないか、又は「ヘヴィメタル・バンドのMetallica」の観念を生ずる場合あるとしても、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうとすると、本件商標と「Metallica」とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない別異のものとして認識し把握されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が「Metallica」を連想、想起することはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-06-09 
出願番号 商願2012-70922(T2012-70922) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (W20)
T 1 651・ 261- Y (W20)
T 1 651・ 263- Y (W20)
T 1 651・ 262- Y (W20)
T 1 651・ 271- Y (W20)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浦崎 直之 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
大森 健司
登録日 2013-06-14 
登録番号 商標登録第5589873号(T5589873) 
権利者 シグマー電機工業株式会社
商標の称呼 メタライカ 
代理人 安田 徹夫 
代理人 平木 祐輔 
代理人 鈴木 恵子 
代理人 高野 清 
代理人 平木 康男 

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