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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1287695 
異議申立番号 異議2013-685016 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-08-06 
確定日 2014-01-30 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1130543号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1130543号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1130543号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、2012年(平成24年)4月12日に国際商標登録出願され、第33類「Alcoholic beverages (except beer).」を指定商品として、平成25年2月25日に登録査定、同年5月17日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下(1)及び(2)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第836565号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2004年4月14日に、フランス共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2004年(平成16年)9月27日に国際商標登録出願、第33類「Alcoholic beverages (except beers).」を指定商品として、平成17年6月24日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第840397号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、2004年7月8日に、フランス共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2004年(平成16年)12月17日に国際商標登録出願、第33類「Alcoholic beverages (except beers).」を指定商品として、平成20年2月29日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び2を、まとめて、単に「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、いずれも渦巻き状のアモン角を有する雄羊を図案化した点に特色があり、基本的構成態様が同一であって、共通する印象を強く受けるものであるから、外観において、互いに類似する商標であり、また、指定商品も互いに類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標を、「ワイン」に係る商標として使用しているところ、本件商標は引用商標に酷似しており、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるため、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標と引用商標の外観の類似については、前記(1)で述べたとおり、両者を全体観察した場合に、渦巻き状のアモン角を有する雄羊を図案化した点において共通するものであって、基本的構成態様が同一であり、共通する印象を強く受けるものであるから、本件商標と引用商標は相互に類似しているものである。
イ 引用商標の周知著名性及び独創性の程度
申立人は、1933年に創立された、フランスを代表するワイン製造業者であり、現在ボルドー地方の5大シャトーの一つである「シャトー・ムートン・ロスシルド」を有している。申立人が製造するワインは、フランスのボルドー地方を代表するワインとして世界中で愛飲されており、日本においても、現在、アサヒビール株式会社において輸入されている(甲4)。申立人のブランドに係るワインの日本への輸入量は、2004年が339,600本、2005年が280,404本、2006年が310,980本、2007年が350,904本、2008年が480,324本であり、ここ数年は毎年約35万本ものワインが日本に輸入されている(甲5)。
また、申立人が生産するワインは、日本において数多くの雑誌において紹介されている(甲6)。
さらに、申立人が製造・販売するワインのラベルは著名な画家によってデザインされており、これらのラベル原画展がアメリカ、イギリスなど世界を巡回して行われ、日本においても「ムートンロスシルド ワインラベル原画展」が2008年3月に開催されて(甲7)、その創作的価値の高さから、芸術作品として、ワイン愛好家のみならず、一般の人々にもあまねく知られているものであり、申立人のワインブランドである「CHATEAU MOUTON ROTHSCHILD」や「MOUTON CADET」に加えてラベルに描かれている図形が、世界はもちろんのこと、日本においても周知・著名であることを示すものであるといえる。
ウ 商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情
本件商標及び引用商標は、ともに、指定商品が「Alcoholic beverages(except beers).」であって、取引者及び需要者は共通しており、上述のとおり、引用商標は、ワインの取引者・需要者の間に広く認識されているのであるから、出所の混同を生ずる可能性はきわめて大きいといえる。
エ 以上によれば、本件商標は、これをその指定商品に使用するときには、その需要者が、引用商標を連想・想起し、当該商品が申立人の取り扱う商品であると誤信するか、又は、申立人との間に密接な関係を有する者の業務に係る商品であると誤信することで、その商品の出所について広義の混同を生ずるおそれがあるというべきであるから、商標法第4条第1項第15号に該当するのは明らかである。
4 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
申立人の提出に係る証拠及び主張によれば、申立人は、フランスのワイン製造業者で、ボルドーの5大シャトーの一つ「シャトー・ムートン・ロスシルド」を所有しているものであることが認められ(甲4の2)、申立人の業務に係るワイン「MOUTON CADET(ムートン・カデ)」(以下「使用商品」という。)を、2004年から2008年にかけて、ワインボトル(750ml)換算で、年平均35万本程度(甲5)、我が国へ輸出していると主張している。
しかしながら、2009年における我が国のワインの総輸入量が、約190,000kl(「ワインの輸入」平成24年11月21日、横浜税関(http://www.customs.go.jp/yokohama/toukei/topics/data/1211wine.pdf))であることからすると(職権調査)、使用商品の上記輸入量(約262.5kl)は、わずかであるといわざるを得ないものである。また、使用商品が、我が国の雑誌に掲載されたことが認められるが(甲6)、申立人による当該証拠の提出は、2009年における6件に止まり、それら内容を見ても、多数の商品の中の一つとして紹介されているにすぎないもの等であり、掲載記事から申立人若しくは申立人の業務に係る商品について引用商標が使用されて、需要者に広く知られているということはできない。その他に、引用商標に係る商品についての宣伝広告等の実情を窺える証拠の提出はない。
さらに、申立人は、その業務に係るワインのラベル展覧会が世界各国で開催されていることを理由に、ラベルに描かれた引用商標が、世界中で周知・著名であると主張しているが、甲第7号証として提出された新聞や雑誌記事により2008年3月に、東京都港区六本木において上記展覧会が開催されたことが認められるものの、引用商標についての記載は見当たらず、その開催の事実のみをもって、直ちに、引用商標が、我が国を含む世界中で著名であるということはできない。
その他、引用商標が、我が国の需要者の間に広く認識されている商標と認め得る証拠の提出はない。
そうすると、引用商標は、提出された証拠を総合してみても、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、別掲(1)のとおり、巻き角の正面を向いた黒色羊を写実的に描いた図形及び「BLACK RAM」の欧文字を白抜きした緑色の横長の丸隅四角形が一体的に表されているものであるから、その構成文字に相応して、「ブラックラム」の称呼を生じ、「ram」の語が「雄羊」の意味を有する英語であること及び写実的な上記図形と相俟って、構成全体として「黒い雄羊」の観念を生じるものである。
イ 引用商標1は、別掲(2)のとおり、何らかの動物を認識し得る程度の図形と小さな螺旋を8個配した図形を一体的に組み合わせたものであり、特定の事物を描いたものと直ちに認識することはできないものであるから、特定の称呼及び観念を生じないとみるのが相当である。
ウ 引用商標2は、別掲(3)のとおり、四角形の内部に、引用商標1と同じ構成態様の図形とフランス語で「MOUTONCADET.」「BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD」及びその他の文字を配列させた構成からなるところ、引用商標2は、その構成中の図形部分から、引用商標1と同様に特定の称呼及び観念を生じないと判断すべきであり、また、構成中に顕著に表された「MOUTONCADET.」及び「BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD」の文字部分から、「ムートンカデ」及び「バロンフィリップドロスチャイルド(ロスシルド)」の称呼を生じるものであるが、我が国のフランス語の普及の程度からすれば、親しまれた意味合いを認識することはできないというのが相当である。
エ そこで、本件商標と引用商標1を比較すると、両者は、上記ア及びイのとおり、その構成態様が明らかに相違するものである。また、本件商標は、「ブラックラム」の称呼及び「黒い雄羊」の観念を生じるのに対し、引用商標1は、特定の称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において、両者を類似するということはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1は、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても、混同を生ずるおそれのない非類似の商標である。
オ 次に、本件商標と引用商標2を比較すると、両者は、上記ア及びウのとおり、その構成態様が明らかに異なり、外観上、明確に区別し得るものである。また、それぞれから生ずる「ブラックラム」と「ムートンカデ」「バロンフィリップドロスチャイルド(ロスシルド)」の称呼を比較しても、両者は、その構成音数及び構成音が明らかに相違し、全体の語調語感が相違し相紛れるおそれはないものである。さらに、引用商標2は、特定の観念を生じないものであるから、本件商標と引用商標2は、観念において比較することはできず、両者を、観念上、類似するということはできない。
してみれば、本件商標と引用商標2は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、混同を生ずるおそれのない非類似の商標である。
カ なお、申立人は、本件商標と引用商標が、いずれも雄羊を図案化したものであるから、両者は外観において類似すると主張するが、これらを比較しても、本件商標の図形部分は、上記アのとおり、黒色の羊を写実的に描いたものであるのに対し、引用商標(の図形部分)は、上記イ及びウのとおり、直ちに特定の動物を表したものとして認識することはできないものであり、たとえ、申立人の主張するとおり、雄羊を図案化したものであるとしても、相当程度、抽象化されて表されている。そうすると、両者の図形は、その描写方法が明らかに異なり、その相違が看者の印象に与える影響は極めて大きいものというべきであるから、視覚的に十分区別し得るものであり、紛れるおそれはなく、結局、本件商標と引用商標は、外観上、類似するということはできない。
キ したがって、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、前記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されているものとは認められないものであり、また、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であること、前記(2)のとおりであるから、両者は、別異の出所を表示するものとして看取されるといわざるを得ないものである。
そうとすると、本件商標は、商標権者が、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者をして、申立人又は引用商標を想起させるとは認められず、当該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり、決定する。
別掲 【別記】



異議決定日 2014-01-24 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W33)
T 1 651・ 271- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
T 1 651・ 262- Y (W33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 林 圭輔 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 堀内 仁子
守屋 友宏
登録日 2012-04-12 
権利者 VINPROM PESHTERA AD
商標の称呼 ブラックラム、ラム、アアルエイエム 
代理人 柳生 征男 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 片山 礼介 
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