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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900175 審決 商標
異議2013900317 審決 商標
異議2013900203 審決 商標
異議2013900276 審決 商標
異議2013900330 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W45
審判 全部申立て  登録を維持 W45
管理番号 1287692 
異議申立番号 異議2013-900342 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-10-15 
確定日 2014-05-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5597987号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5597987号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5597987号商標(以下「本件商標」という。)は,「イージス」と「Aegis」の各文字を二段に書してなり,平成24年10月2日に登録出願,第45類「施設の警備,身辺の警備,衣服の貸与,防犯機器の貸与,防災機器の貸与,救急時用通報機器の貸与,金庫の貸与,社会保険に関する手続の代理」を指定役務として,平成25年6月17日に登録査定,同年7月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は,世界的に有名な民間警備事業者である登録異議申立人「AEGIS DEFENSE SERVICES LIMITED(イージス ディフェンス サービスィズ リミテッド)」(以下「申立人」という。)の著名な略称を表す「AEGIS(イージス)」を含み,出願時及び査定時において申立人の承諾を得ていないものであるから,商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)申立人の使用する商標(別掲;以下「使用商標」という。)は,申立人が「護衛,派遣による護衛,施設の警備,身辺の警備」の業務に使用して広く一般に知られているから(甲2?4),これと類似する本件商標をその指定役務に使用するときには,申立人の業務に係る役務であるかのように,役務の出所につい誤認を生ずるおそれがあるから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は,前記1のとおり,「イージス」と「Aegis」の文字からなるところ,これは「ギリシャ神話のZeusの盾,保護,擁護」の意味を有する「Aegis」の語とその読みを表したものと認められる。
これに対し,申立人は,本件商標が申立人の著名な略称を含むものである旨主張し,その根拠として甲2の1ないし16を提出した。
そこで,甲2の1ないし16についてみると,これらは,ブログを含むインターネット上の記事のみである。そして,そのうちの日本語の記事(甲2の5ないし11)によれば,申立人は,2002年に英国で設立された民間軍事会社であって,世界中で約2万人の兵士を雇っており,その海外拠点を米国,アフガニスタン,バーレーン,イラクなどにおき,顧客には,米国政府,国連,国際的な企業などが含まれるとある。
しかしながら,これらの記事において,申立人が「イージス」と略称されているのはわずか2件(甲2の6,7)であり,かつ,そのうちの1件(甲2の7)は,申立人の名称を「イージス」と略称して記載することを「(以下,イージス)」と記述した上での「イージス」の使用であるから,これらの記事をもって,「AEGIS」又は「イージス」が,日本国内において申立人の名称の略称として広く一般に知られ,受け入れられていると認めることはできない。
また,フリー百科事典ウィキペディア(甲2の1)における「イージス」の項に申立人が記載されてはいるものの,その記載順は,最後の6番目であり,その上位に「ギリシア神話において女神アテナが用いる防具」「イージス艦」などの一般に知られている事柄の記載がなされていることからすれば,その記載をもって,一般の者が「イジース」の文字から直ちに申立人を想起すると認めることはできない。
さらに,その他の甲2の記事は,いずれも英語によるものであり,「AEGIS」又は「イージス」が日本において広く一般に知られいることを立証するに足るものではない。
以上のとおり,甲2の記事からは,「AEGIS」又は「イージス」が申立人の名称の略称として,広く一般に知られ,受け入れられていると認めることはできない。そして,他に「AEGIS」又は「イージス」が申立人の名称の略称として,広く一般に知られ,受け入れられていることを立証するに足る証拠はない。
してみれば,本件商標は,これが申立人の名称の一部と認められる「Aegis」の文字及びその読みである「イージス」の文字からなるものであるとしても,他人の著名な略称を含むものということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は,使用商標が申立人の著名な略称であること,申立人のウェブサイトにおいて使用されていること(甲3)及びヨーロッパや米国で登録され
ていること(甲4)をもって,使用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして広く知られている旨主張する。
しかしながら,「AEGIS」又は「イージス」が申立人の著名な略称といえないことは前記(1)のとおりであり,また,申立人のウェブサイトにおける使用と他国における商標登録の事実をもって,使用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間で広く認識され,かつ,著名となっていると認めることはできない。
そして,申立人からは,前記のほかに,日本国内における使用商標の使用や広告宣伝などに関する具体的な事実を示す証拠の提出はない。
してみれば,商標権者が「イージス」と「Aegis」の文字からなる本件商標をその指定役務に使用しても,これに接する需要者が使用商標を連想又は想起するとはいえず,その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく,その役務の出所について混同を生じさせるおそれはない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
別掲
使用商標






異議決定日 2014-05-01 
出願番号 商願2012-79493(T2012-79493) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (W45)
T 1 651・ 271- Y (W45)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 敦子大澤 恒介 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 前山 るり子
大森 健司
登録日 2013-07-12 
登録番号 商標登録第5597987号(T5597987) 
権利者 警備機構株式会社
商標の称呼 イージス、エージス、アイジス、アエギス、アイギス 
代理人 特許業務法人 松原・村木国際特許事務所 

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