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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
審判 全部申立て  登録を維持 W41
管理番号 1287684 
異議申立番号 異議2013-900194 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-06-14 
確定日 2014-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5565376号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5565376号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5565376号商標(以下「本件商標」という。)は、「Dance Space WING」の文字を標準文字により表してなり、第41類「ダンス教室の企画・運営又は開催,ダンスの教授」を指定役務とし、平成24年7月26日に登録出願され、同25年1月30日に登録査定され、同年3月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証並びに資料1ないし資料16を提出した。
(1)引用商標
申立人が引用する国際登録第864925号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2005年7月7日にEuropean Unionにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005年(平成17年)9月14日に国際商標登録出願、第41類「Discotheque services, performance and production of shows and parties.」を指定役務として、平成19年3月13日に登録査定、同年5月18日に設定登録、現に有効に存続しているものである。
(2)具体的理由
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「Dance Space WING」の欧文字を横書きしてなり、「Dance」と「Space」と「WING」の各語の間は、1文字分程度の空白があるところ、構成全体として特定の意味合いを看取させる等、各語を常に一体不可分のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められなく、「Dance」、「Space」、「WING」のそれぞれの語をもって取引に資される場合もあることが経験則の教えるところである。
そうすると、本件商標は、該構成文字の表音と認められる「ダンススペースウイング」の称呼のほか、「ダンス」の称呼、「スペース」の称呼、「ウイング」の称呼も生じ得る。また、本件商標の構成中、語頭の2語は、大文字と小文字の組み合せからなり、語尾の1語は、全て大文字からなるから、この文字構成上の違いが、「Dance Space」と「WING」の間に切れ目が生じ、最も看者の目をひく語頭の「Dance Space」の一連の文字をもって、取引に資される場合もあり、本件商標からは、「ダンススペース」の称呼も生じ得る。
そして、本件商標からは、「Dance」、「Space」の欧文字をもって取引に資される場合も多く、該部分からは、「ダンス」、「空間、宇宙、場所」等の観念を生じる。
一方、引用商標は、「space」の欧文字とその左下段に「DANCE」の欧文字及び背景に数種の図形を伴って表されているところ、引用商標の構成文字から、「スペース」の称呼及び「空間、宇宙、場所」等の観念を生じ、また、「ダンス」の称呼及び観念が生じる。
以上からすると、本件商標と引用商標は、ともに「スペース」の称呼及び「空間、宇宙、場所」等の観念を生じ、また、「ダンス」の称呼及び観念を共通にするものである。
また、上述のとおり、本件商標からは、「Dance」、「Space」の欧文字をもって取引される場合もあり、これは、引用商標の構成文字と同一であるから、両商標は、外観上紛らわしく、需要者に同様の印象を与える。
さらに、本件商標の指定役務は、第41類「ダンス教室の企画・運営又は開催,ダンスの教授」であり、引用商標の指定役務中、「Discotheque services(ディスコの提供)」とは混同が生じ得る役務である。
すなわち、両役務は、ダンスという「提供の目的」及び「提供に関連する物品」、若者を含む「需要者の範囲」がそれぞれ一致しており、ダンスクラブがダンス教室を運営することも十分あり得ることを鑑みると、「同一の事業者」が提供するものであることから、流通経路等における共通性が著しく同じであり、類似する役務といえる。
したがって、本件商標は、引用商標と外観、称呼、観念及び指定役務が類似するから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
イ 商標法第4条第1項第15号について
(ア)引用商標の著名性について
申立人は、スペインのイビサ島で人気を博するダンスクラブ「space」を1989年より経営し、該ダンスクラブは、「スペース」と称され世界で最も著名なクラブとして知られている。2010年には、世界のベストクラブに選ばれ、2011年には、英国の高名なクラブ雑誌「DJ MAG」で、世界のトップ100中、第1位に輝くなど、クラブ史上最も多くの賞を獲得してきた(資料1)。そして、毎年5月から10月のシーズン中には、世界中から60万人以上が該ダンスクラブを訪れる。
申立人は、該ダンスクラブ名に化体した名声を守るべく、世界中でパーティーと称したイベントを開催し、上質な音楽や映像を通して最高峰のエンターテイメントを提供し、世界のクラブシーンにおいては、今や欠かすことのできない地位を確立し、申立人のクラブ「space」のステージにおいて、映像や音、光を使った多様なショーが催されている(資料3)。
申立人は、2009年に86カ所、2010年に108カ所及び2011年11月までに111カ所のイビサ島以外の世界各所で定期的にイベントを開催しており、その開催地には、日本も含まれており(資料4)、このイベントは、一回につき、イベント会場の収容人数の96%程度である平均2,500人を動員し、集客力の高さがうかがえる。
日本で開催されたイベントは、2011年1月7日に東京都渋谷区で開催されたツアーの模様が掲載されたウェブサイト(資料5)、同じく同年3月24日に開催されたイベントのちらし(資料6)、その他の日本でのイベントを紹介する記事(資料7ないし資料12)がある。
また、申立人は、イビサ島のスポーツ・若者の育成に貢献すべくフットボール、バスケットボール、セーリング、サイクリング、マラソンなどの各種スポーツチームのスポンサーをしており、NGO団体と協力して、病院の設置活動、日本の震災やインドの児童養護施設へ資金援助を積極的に行っている(資料13)。
インターネット上でも、申立人に関する情報は数多く検出され、検索エンジン「グーグル」によれば、「スペースイビサ」の条件で検出した結果の上位50件中31件が、申立人のダンスクラブに関する記事である(資料14)。
以上のように、「space」は、申立人のダンスクラブを通じて提供する娯楽関連業務を示す商標として、少なくともショービジネスなど娯楽関連ビジネスの需要者及び取引者の間で広く知られている。
また、「space」の周知性に加え、申立人は、本件商標の登録出願日前には、クラブ業のかたわら、世界各国でイベントなどを主催していたことなどから、引用商標の要部と認められる「space」は、本件商標の登録出願日前には、その指定役務にかかる業界及びこれに関連する業界において、よく知られていたというべきであり、その知名度は、本件商標の登録査定時まで継続していたと認められる。
(イ)出所の混同について
上述のとおり、申立人のダンスクラブ「space」は、関連産業間では「スペース」の名称で十分周知となっているところ、商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品及び役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(広義の混同を生ずるおそれ)がある商標を含むものと解するのが相当である。
そうすると、本件商標の指定役務は、申立人の業務に係るダンスクラブとは、ダンスを媒介としている点で関連性を有し、申立人が企業経営の多角化の一環としてダンスの教授を行っているとしても不思議ではないところ、世界的に著名なダンスクラブを経営する申立人との間に広義の混同を生ずるおそれがあることは、容易に考えられる。
そして、「混同の生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきであるところ、本件商標は、すべて満たしており、総合的に判断すれば、引用商標と類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、需要者が申立人の業務に係る役務と混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「Dance Space WING」の欧文字を標準文字により表してなるところ、その構成中「Dance」の欧文字は、「ダンス、ダンスをする」等の意味、「Space」の欧文字は、「空間、宇宙、場所」等の意味、「WING」の欧文字は「翼、羽」等の意味を有する語として、各語とも我が国において親しまれた語といえるものであって、また、その構成中、大文字と小文字で表した「Dance Space」の欧文字部分と大文字のみで表した「WING」の欧文字部分とは、視覚的に分離して看取されるといえる。
そして、本件商標の構成中、「Dance Space」の欧文字は、その指定役務との関係において、「ダンスをする空間」、「ダンスをする場所」を意味し、役務の提供場所であることを認識させるものであるから、「Dance Space」の欧文字部分は、自他役務の識別標識としての機能がないか弱いというべきものである。
そうとすると、本件商標は、その構成中、後半の「WING」の欧文字が独立して役務の出所識別標識としての機能を果たす部分というべきである。 してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ダンススペースウイング」の称呼及び「ダンスをする空間の翼」、「ダンスをする場所の翼」程の観念が生じるほか、要部と認められる「WING」の欧文字に相応して、「ウイング」の称呼及び「翼」の観念が生じるとみるのが相当である。
一方、引用商標は、前記2(1)のとおり、着色された図形と大きく中央に「space」の欧文字及び前記文字の下線で区切られた左下に「DANCE」の欧文字を小さく書してなるものであるところ、これらが常に一体不可分のものとしてのみ把握されるとみるべき特段の事情は見いだせなく、その構成中、「space」の欧文字が中央に大きく表されていること及び該
欧文字が広く一般に知られている語といえることなどからすれば、該文字に着目して取引に資される場合が少なくなく、該文字に相応して「スペース」の称呼及び「空間、宇宙、場所」等の観念を生じるものである。
また、引用商標の構成中、左下に小さく表された「DANCE」の欧文字は、「ダンス、ダンスをする」を意味し、その指定役務との関係において、ダンスに関する役務を認識させるものであって、自他役務の識別標識としての機能がないか弱いというべきものであるから、引用商標から「ダンス」の称呼を生じるとはいえない。
そこで、本件商標と引用商標との類否についてみると、本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、その外観は、判然と区別し得るものといえる。
また、本件商標の構成文字全体から生じる「ダンススペースウイング」の称呼と引用商標から生じる「スペース」の称呼とは、構成音数若しくは音構成において「ダンス」及び「ウイング」の音の有無という顕著な差異を有するものであり、また、本件商標の構成中「WING」の欧文字から生じる「ウイング」の称呼と引用商標から生じる「スペース」の称呼とは、ともに4音構成からなるとしても、すべての構成音において差異を有するから、本件商標と引用商標とは、称呼上、明確に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、その構成文字全体から、「ダンスをする空間の翼」、「ダンスをする場所の翼」程の観念が生じ、また、その構成中「WING」の欧文字から、「翼」の観念を生じるのに対し、引用商標からは「空間、宇宙、場所」等の観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念において区別できる。
以上からすると、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否の判断をするまでもなく、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の著名性
申立人の提出した資料1ないし資料13によれば、引用商標の要部である「space」の文字部分を有し、その下部に「IBIZA」の文字を小さく書した標章が付された英文のパンフレット等(資料1ないし資料6及び資料11ないし資料13)、申立人のイベント開催情報及びチラシ(資料7ないし資料10)に、「SPACE IBIZA」又は「Space Ibiza」の記載、Google検索結果(2013年10月25日紙出力:資料14)に、最上段に「Space『スペース』7つのフロアそれぞれがジャンルレス・・・」の見出し、三段目に「SPACE IBIZA『スペース イビザ』-スペイン・・・」の見出しなどが認められる。
以上からすると、申立人のダンスクラブは、「SPACE IBIZA」又は「スペース イビザ」と称されているといえるものの、上記証拠をもって、我が国において引用商標が申立人の業務に係るダンスクラブを表すものとして広く知られているとはいい難い。
また、職権をもって調査しても、引用商標が著名であることを裏付ける証拠は見いだせない。
イ 出所の混同
前記アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
してみると、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定役務について使用した場合、該役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)


(色彩については、原本参照。)

異議決定日 2014-05-01 
出願番号 商願2012-60267(T2012-60267) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W41)
T 1 651・ 262- Y (W41)
T 1 651・ 271- Y (W41)
T 1 651・ 261- Y (W41)
最終処分 維持 
前審関与審査官 杉本 克治 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 根岸 克弘
寺光 幸子
登録日 2013-03-15 
登録番号 商標登録第5565376号(T5565376) 
権利者 有限会社ウィングコーポレーション
商標の称呼 ダンススペースウイング、ダンススペース、スペースウイング、スペース、ウイング 
代理人 田中 光雄 
代理人 鮫島 睦 
代理人 寺田 花子 
代理人 勝見 元博 
代理人 佐々木 美紀 
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