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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1287665 
異議申立番号 異議2013-900395 
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-11-22 
確定日 2014-04-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5609545号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5609545号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5609545号商標(以下「本件商標」という。)は,「快血」の文字を標準文字で表してなり,平成24年11月29日に登録出願,第5類「サプリメント,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」を指定商品として,同25年7月12日に登録査定,同年8月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標
商標登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,下記3のとおり主張しているところ,その主張において引用する登録商標は,以下のとおりである(以下,申立人が引用する登録商標をまとめていうときは,「引用商標」という。)。
(1)登録第698922号商標(以下「引用商標1」という。)は,「回血」の文字を横書きしてなり,昭和39年10月16日に登録出願,第1類「薬剤」を指定商品として,同40年12月20日に登録査定,同41年2月14日に設定登録され,その後,平成17年10月12日に指定商品を第5類「薬剤」とする指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5314205号商標(以下「引用商標2」という。)は,「カイケツ」及び「回血」の各文字を二段に横書きしてなり,平成21年7月17日に登録出願,第5類「薬剤」を指定商品として,同22年3月5日に登録査定,同年4月2日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから,同法第43条の2第1項第1号により,その指定商品中,「サプリメント」についての登録は取り消されるべきであると主張し,甲第1号証ないし甲第8号証を提出している。
そして,その具体的理由を要旨以下のとおり述べている。
(1)商標の対比
本件商標は,被申立人によって平成25年5月29日に差し出された意見書(以下「意見書」という。)の記載によれば,「その構成文字から『カイケツ』の称呼が生じる」とされている。これに対し,引用商標1は,その構成文字から「カイケツ」の称呼が生じる。また,引用商標2は,上段の片仮名から「カイケツ」の称呼が生じるとともに,下段の漢字から文字どおり「カイケツ」の称呼が生じる。このように,本件商標と引用商標とは,ともに「カイケツ」の称呼が生じること明らかである。
本件商標と引用商標との外観上の差異については,いずれの商標とも,漢字2文字を横書きにしてなり,横書きの第2文字目(接尾)に漢字「血」を記してなることから,需要者が時と所を異にして離隔的に接した場合,視覚上,少なからず近似した印象を与えるものであり,大きく異なるということはない。
また,観念においては,本件商標は,意見書の記載によれば,被申立人の考案による造語であるとされている。これに対し,引用商標も,特定の観念を有していない造語である。このように,本件商標と引用商標とは,いずれも造語であって特定の観念を生ずるものでないから,観念上,大きく異なるということはない。
したがって,本件商標と引用商標とは,称呼,外観及び観念上,相紛れるおそれのある類似の商標である。
(2)指定商品の対比
本件商標の指定商品のうちの「サプリメント」は,ビタミンやミネラル,アミノ酸などの栄養補給を補助する健康食品である。他方,引用商標の指定商品である第5類「薬剤」には,ビタミン剤及び滋養強壮変質剤が包含されている。
本件商標の登録査定前から高齢化社会の到来や生活習慣病の急増などが話題となり,病気の治療のみならず,病気の予防や健康維持に対する関心が高まり,健康食品に対する関心が高まっていた。その結果,販売者にあっては,薬局や薬店が,従来から取り扱う医薬品のみならず,健康食品を取り扱うようになり,さらに,ドラッグストアーが,薬局や薬店と同様に,医薬品や健康食品を取り扱うようになった。そして,引用商標の指定商品の第5類「薬剤」に包含されるビタミン剤及び滋養強壮変質剤にあっては,平成11年に「疲労時,中高年期のビタミン補強剤」及び「滋養強壮,虚弱体質の改善及び栄養補強剤」が医薬品から医薬部外品に移され,医薬品の規制緩和施策が行われたことにより,ビタミン剤及び滋養強壮変質剤の自由な販売が認められるようになった。このように,医薬品及び医薬部外品と健康食品とは販売者や販売方法が近似している。
また,生産者にあっては,健康食品の市場の急成長という状況を受けて,多くの製薬会社が,健康食品の分野に進出し,医薬品のみならず健康食品を製造するようになった。そして,医薬品と健康食品とは,ともに需要者のニーズに応じて,粉末状,顆粒状及び錠剤状など,様々な形状により製造され,販売時の商品の容器についても酷似したデザインが採用されている。例えば,健康食品は,医薬品のごとくカプセル状をなす状態で販売されている。
このように,健康食品である本件商標の指定商品と,引用商標の指定商品の第5類「薬剤」に包含されるビタミン剤及び滋養強壮変質剤とは,実際の取引実情において,その商品の品質及び用途が類似し,あるいは関連性を有し,その生産者,販売店及び販売方法が同種のものであるから,類似の商品であるといえる。
なお、判決例においても,健康食品と薬剤(医薬品及び医薬部外品)に包含されるビタミン剤及び滋養強壮変質剤とが類似する商品である旨が判示されている(東京高裁平成14年(行ケ)第555号,東京高裁平成17年(行ケ)第10763号)。
また,国際分類第10-2013版における第5類の類似商品・役務審査基準においても,サプリメントと薬剤に包含されるビタミン剤及び滋養強壮変質剤とが類似する商品である旨の備考が設けられている。
(3)むすび
以上のとおりであるから,本件商標と引用商標とは,称呼,外観及び観念上,相紛れるおそれのある類似の商標であり,本件商標の指定商品中の「サプリメント」と引用商標の指定商品である「薬剤」に包含される「ビタミン剤及び滋養強壮変質剤」とは,類似の商品であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
商標法第4条第1項第11号における商標の類否については,商標の外観,観念及び称呼を総合的に勘案して判断しなければならない。
本件商標は,前記1のとおり,「快血」の文字からなるところ,該文字は,辞書に掲載される語ではないが,わずか2文字という簡潔な構成にして,その構成文字の一つである「快」の漢字が「(ア)心がはればれして気持ちがよい。こころよい。病気がなおってさっぱりする。(イ)はやい。すばしこい。」を意味するものとして,同じく,「血」の漢字が「(ア)ち。ちしお。(イ)ちのつながり。ちすじ。身うち。(ウ)もえたぎる生命力」を意味するものとして,それぞれ広く親しまれた漢字であるから,これに接する取引者,需要者は,これより熟語的意味合いを看取するとはいえないとしても,上記意味合いの二つの漢字によって構成されるものとして把握、認識するとみるのが自然といえるものである。そして,本件商標は,それを構成する漢字の読みに倣って,「カイケツ」の称呼が生ずるものである。
他方,引用商標をみるに,引用商標1は,前記2(1)のとおり,「回血」の文字からなるところ,該文字は,辞書に掲載されている語ではないが,わずか2文字という簡潔な構成にして,その構成文字の一つである「回」の漢字が「(ア)(ぐるりと)まわる。まわす。めぐらす。めぐる。(イ)もとにもどる・もどす。かえる。かえす。(ウ)ひとまわり。たび。度。」を意味するものとして,同じく,「血」の漢字も上述の意味合いのものとして,それぞれ広く親しまれた漢字であるから,これに接する取引者、需要者は,これより熟語的意味合いを看取するとはいえないとしても,上記意味合いの二つの漢字によって構成されるものとして把握,認識するとみるのが自然といえるものである。そして,引用商標1は,それを構成する漢字の読みに倣って,「カイケツ」の称呼が生ずるものである。
また、引用商標2は,前記2(2)のとおり,「カイケツ」及び「回血」の各文字を二段に横書きしてなるところ,その構成中の下段の「回血」の漢字は,引用商標1の構成文字と同じものであり,また,上段の「カイケツ」の片仮名は,下段の漢字の読みを表わしたものであるから,これに接する取引者,需要者は,引用商標1の場合と同様に,これより熟語的意味合いを看取するとはいえないとしても,上記意味合いの「回」及び「血」という二つの漢字によって構成されるものとして把握,認識するとみるのが自然であり,「カイケツ」の称呼が生ずるといえるものである。
そこで,本件商標と引用商標との外観、観念及び称呼を比較するに,本件商標の「快血」の漢字と引用商標の「回血」の漢字との間には,第2番目の文字が「血」の漢字であり,全体から生ずる称呼が「カイケツ」であるという共通点があるとしても,看者に強く印象付けられる語頭の漢字が「快」と「回」とで異なり,その漢字の意味合いも,前者が「心がはればれして気持ちがよい。こころよい。」などの意味合いを,後者が「(ぐるりと)まわる。めぐらす。めぐる。」などの意味合いを表わす漢字として,いずれも広く親しまれたものである点で大きく異なり,漢字2文字という簡潔な構成の商標にあっては,このような相違点が全体に与える影響は少なくないといえるから,外観,観念及び称呼を総合的に勘案するならば,両商標を相紛れるおそれがある類似の商標とまでいうことはできない。
したがって,仮に,申立人が主張するとおり,本件商標の指定商品中の「サプリメント」と引用商標の指定商品である「薬剤」に包含される「ビタミン剤」及び「滋養強壮変質剤」との間に商品の品質,用途,生産者,販売店等についての共通点があるとしても,本件商標と引用商標とは,上記のとおり,非類似の商標であるから,本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2014-04-14 
出願番号 商願2012-97053(T2012-97053) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W05)
T 1 652・ 262- Y (W05)
T 1 652・ 263- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 田中 敬規
梶原 良子
登録日 2013-08-23 
登録番号 商標登録第5609545号(T5609545) 
権利者 株式会社ヨネキチ
商標の称呼 カイケツ 
代理人 永露 祥生 
代理人 木村 吉宏 
代理人 伊東 美穂 
代理人 小谷 武 
代理人 杉本 勝徳 
代理人 長谷川 綱樹 

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