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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W30 |
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管理番号 | 1287636 |
審判番号 | 不服2013-11265 |
総通号数 | 174 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2014-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-06-17 |
確定日 | 2014-05-08 |
事件の表示 | 商願2012-8722拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年2月9日に登録出願、その後、本願の指定商品については、原審における同年9月13日受付の手続補正書により、第30類「アイスクリーム,氷菓,氷,菓子」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『Chocolate』及び『チョコレート』の文字、『クルミ・アーモンドなど、食用になる木の実。』を意味する『Nut』及び『ナッツ』の文字並びに『キャンディーの砕いたものや、砕いたナッツなどを混ぜた歯ざわりを楽しむチョコレートやあめ類など。』を意味する『Crunch』及び『クランチ』の文字を、『Chocolate Nut Crunch』及び『チョコレートナッツクランチ』と普通に2段に表してなるものであり、これをその指定商品に使用するときは、『チョコレートと砕いたナッツをまぜた(歯触りを楽しむ)菓子』であること、すなわち、単に商品の品質又は原材料を普通に用いられる方法で表示してなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、上段部分は、「Chocolate」、「Nut」及び「Crunch」の欧文字を、下段部分は、「チョコレート」、「ナッツ」及び「クランチ」の片仮名を、それぞれ、結合したものであると容易に看取、理解されるものである。そして、各文字の書体は格別特異なものともいえないものであるから、全体として、普通に用いられる方法で表された標章と認められるものである。 また、本願商標の構成中、「Chocolate(チョコレート)」の文字は「カカオの種子を煎って砕いてペースト状にしたものをベースに、カカオ脂・砂糖・香料などを加えて練り固めた菓子。」の意味を有する商品を表す普通名称であり、また、「Nut(ナッツ)」の文字は「クルミ、アーモンドなど、硬い殻に覆われた木の実の総称。」の意味を有する一般に親しまれた語である。さらに、「Crunch(クランチ)」の文字は、本願の指定商品との関係では、「噛んだとき砕けるような歯触りが特徴の洋菓子。ナッツやキャンディーを砕いた粒などを入れ、カリカリという歯ざわりを楽しむチョコレートなどの菓子。」の意味を有する語である。 そうすると、本願商標は、その構成文字のそれぞれの意味を組み合わせた、「チョコレートと木の実を入れた噛んだとき砕けるような歯触りが特徴の商品」であることを認識させるにすぎないというのが相当であり、加えて、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲2に示すとおり、「チョコレート(Chocolate)」、「ナッツ(Nut)」又は「クランチ(Crunch)」を使用した商品が製造、販売されている実情が認められる。 してみれば、本願商標を、その指定商品中、「アイスクリーム,氷菓,菓子」に使用したときは、「チョコレートと木の実を入れた噛んだとき砕けるような歯触りが特徴のアイスクリーム,チョコレートと木の実を入れた噛んだとき砕けるような歯触りが特徴の氷菓,チョコレートと木の実を入れた噛んだとき砕けるような歯触りが特徴の菓子」であることを認識させるものというのが相当であり、単にその商品の品質又は原材料を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえる。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、その指定商品中、上記商品に照応する商品(チョコレートと木の実を入れた噛んだとき砕けるような歯触りが特徴のアイスクリーム、氷菓及びその他の菓子)以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、本願商標が、「チョコレートと砕いたナッツをまぜた歯触りを楽しむ菓子」を表す言葉として広く一般的に使用されているか疑わしく、また、本願商標は、特殊な書体で表記されている特異な構成を有するものであるから、自他商品識別力を有する旨主張するが、そもそも、商標法第3条第1項第3号の商品の品質の表示に該当するというには、我が国の取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解される(東京高裁平成12年(行ケ)第76号、同年9月4日判決参照)ところ、本願商標については、これを構成する各文字の意味するところに照らせば、これを指定商品に使用した場合、全体として商品の品質又は原材料を表すものとして認識されるものであること上記(1)のとおりであり、また、別掲2に示した本願の指定商品における取引の実情からも首肯できるものである。さらに、本願商標は、その構成文字の書体及び全体構成において格別特異なものとは認められない。 そして、請求人は、「Crunch(クランチ)」を含む既登録例を挙げて、本願商標が自他商品の識別機能を有するものである旨主張するが、該登録例は、商標の構成文字又は指定商品において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能しうるか否かは、該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、該登録例をもってその判断が左右されることはない。 したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用できない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2 (1)「アイスクリーム,氷菓」を取り扱う業界における用例(下線は、当合議体で付加。以下同じ。) ア 1992年2月17日付け「日本食糧新聞」に、「フタバ食品、100円カップ入りアイス『ソルベオーレ・パイン味』など春季アイス発売」の見出しの下、「『クランチナッツ』(ラクトアイス)-バニラアイスにチョココーティングし、さらにシュガーコートアーモンド、ピーナッツクランチ、ブラッククッキーの三種類をたっぷりコートしたクランチアイスバー。」との記載がある。 イ 「ハーゲンダッツ」のウェブサイトにおいて、「クランチークランチ/キャラメルマカデミアナッツ」の見出しの下、「ほどよい甘みのキャラメルアイスクリームを、香り豊かなマカデミアナッツをたっぷり散りばめたキャラメルコーティングで包みました。カリカリとしたマカデミアナッツをぜいたくに楽しめる食べ応え十分なアイスクリームバーです。」との記載がある。 (http://www.haagen-dazs.co.jp/products/crunchy-crunch/caramel-macadamia-nut.html) ウ 「株式会社 明治」のウェブサイトにおいて、「明治クランチバー<マルチ>50ml×6本」の見出しの下、「商品概要/原材料名/クランチ(小麦、ピーナッツを含む)、チョコレートコーチング、・・・」との記載があり(http://catalog-p.meiji.co.jp/products/sweets/icecream/010518/4902705114777.html)、また、同ウェブサイトにおいて、「明治うまか棒ミニチョコナッツ 30ml×11本」の見出しの下、「チョコナッツとバニラアイスの組み合わせのおいしさ」との記載がある(http://catalog-p.meiji.co.jp/products/sweets/icecream/010504/4902705117211.html)。 エ 「グリコ」のウェブサイトにおいて、「ジャイアントコーン」の見出しの下、「<チョコナッツ>は、香ばしいナッツのトッピング、パリパリのチョコ、バニラアイス、側面に歯ざわりが心地良いビスキーチョコが入ったコーン、と最後まで続く味と食感のハーモニーが楽しめます。」との記載がある。 (http://www.glico.co.jp/ice/ice/giant_cone.html) オ 「株式会社ナポリアイスクリーム」のウェブサイトにおいて、「CHOCO-NUT チョコナッツ」の見出しの下、「バニラアイスをピーナッツとアーモンド、2種類のナッツを贅沢に使用したセミスイートチョコレートでコーティングしました。」との記載がある。 (http://napoli.jp/products/familiare/choco-nut/) カ 「JEAN-PAUL HE(「E」の文字にはアクサンテギュが付されている。)VIN ジャン=ポール・エヴァン」のウェブサイトにおいて、「Glaces et Sorbets/グラス&ソルベ」の見出しの下、「Sorbet cacao nature/ソルベ カカオ ナチュール/ビターチョコレートをそのままソルベにしたような、深く濃厚な味わい。上質なカカオの風味をお楽しみいただけます。」との記載がある。 (http://www.jph-japon.co.jp/product/glace_sorbet/) (2)「菓子」を取り扱う業界における用例 ア 2001年4月4日付け「日本食糧新聞」に、「キャラメルコーンをチョコバーに『チョコクランチ』発売(東ハト)」の見出しの下、「『チョコクランチ ミルクチョコ』は、小さくパフしたコーンスナックをピーナッツクランチと一緒にバー状に固め、ミルクチョコでコート。『同 キャラメルチョコ味』は、小さくしたパフしたコーンスナックをピーナッツクランチと一緒にバー状に固め、キャラメルコーンでコート。いずれの商品も、サクサクッとしたパフの食感とチョコの口溶けがぴったりのおいしさになっている。」との記載がある。 イ 2007年11月16日付け「日本食糧新聞」に、「山崎製パン、クリスマスケーキの展開開始 ベルギー産チョコ、野菜など素材に」の見出しの下、「『ガトーショコラ』はベルギー産チョコレートを使用したチョコクリームとナッツクランチを2層にサンドした。」との記載がある。 ウ 「TULLY’S COFFEE」のウェブサイトにおいて、「プレスリリース/2010年1月6日/チョコレートでとろけるロマンスを/季節限定コーヒー豆やスイーツなど新商品を発売・・・」の見出しの下、「・・・1月28 日(木)からは、チョコレートとアーモンドを贅沢にトッピングした新ドーナツ『チョコナッツクランチ』が加わり、スイーツタイムを華やかに演出いたします。」との記載がある。 (http://www.tullys.co.jp/u/pdfs/100106b.pdf) エ 「洋菓子舗ウエスト」のウェブサイトにおいて、「ギフトセレクション」の見出しの下、「ポロン/ナッツ・クランチの入ったボール状のクッキー生地を焼き上げた後、紛糖をまぶした全く新しいタイプのお菓子です。」との記載がある。 (http://www.ginza-west.co.jp/product/giftselection1_1.html) オ 「グリコ」のウェブサイトにおいて、「チョコにがっつけパキッツ/パキッツ<ナッツ&クランチ>商品紹介」の見出しの下、「香ばしいゴーフレットにクラッシュしたピーナッツとブラッククランチをねりこんだチョコレートがたっぷり!」との記載がある。 (http://www.glico.co.jp/pakitz/crunch.html ) カ 「ネスレ」のウェブサイトにおいて、「ネスレ製品ラインナップ/ネスレ クランチ ミニ 110.4g」の見出しの下、「こだわり抜いたクランチ自慢のチョコレートに、そのおいしさをさらに引き立てる香ばしいライスパフをたっぷり投入しました。チョコの味わいと、サクッサクのライスパフの食感が『クランチ』のおいしさの秘密です。」との記載がある。 (http://d.nestle.jp/choco_etc/crunch/16327.html) |
審理終結日 | 2013-11-26 |
結審通知日 | 2013-11-27 |
審決日 | 2013-12-16 |
出願番号 | 商願2012-8722(T2012-8722) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(W30)
T 1 8・ 13- Z (W30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松本 はるみ |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 浦辺 淑絵 |
商標の称呼 | チョコレートナッツクランチ、チョコレートナッツ、ナッツクランチ、チョコレートナットクランチ、チョコレートナット、ナットクランチ |
代理人 | 中山 健一 |