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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201311007 審決 商標
不服201312337 審決 商標
不服201312525 審決 商標
不服20131988 審決 商標
不服201315595 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W29
管理番号 1285564 
審判番号 不服2013-8456 
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-05-08 
確定日 2014-02-24 
事件の表示 商願2012-49529拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類「タイで製造したレトルトカレー」を指定商品として、平成24年6月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、指定商品との関係から、『タイで製造されたカレー』の意味合いを表わす『ThaiCurry』の欧文字を、ややデザイン化して書してなるところ、これを本願指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質(産地)を表示してなるものと認識するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、近時、レタリングの技術の普及に伴い、商標や広告宣伝に用いる各種文字について、需要者の注意を惹き、視覚的効果をねらう方法として、装飾的な図案化を施すことが一般的になってきていること、また、本願の指定商品との関係において、「タイ(国)の」の意味を有する英語「Thai」及び「(料理である)カレー」の意味を有する英語「Curry」がいずれも一般に慣れ親しまれたものであることに鑑みれば、本願商標は、その構成全体をもって、装飾的な図案化を施してなる「ThaiCurry」の欧文字を表したものとして看取、理解されるとみるのが相当である。
そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成全体から容易に「タイ(国)のカレー」程の意味を想起し、商品の品質、産地を表示してなるものと認識するにとどまるというべきであるから、本願商標は、商品の品質、産地をいまだ普通に用いられる方法の範ちゅうといえる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 本願商標の構成態様について
請求人は、本願商標は、珊瑚の枝状模様をモチーフに、斜め左上からハイライトを当てた立体的なデザインフォントで「ThaiCurry」の欧文字を書してなる態様からなるものであり、このフォントによる立体的な文字画像は、個性的な表現として受け止められ、大きな特徴を有していることから、請求人の業務に係る商品の出所を表示するものとして認識されている旨主張している。
しかしながら、本願商標は、上記(1)において認定、判断したとおり、その指定商品との関係において、商品の品質、産地を普通に用いられる方法の範ちゅうといえる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、上記請求人の主張は採用することができない。
イ 本願商標の需要者間における周知性について
請求人は、本願商標をその指定商品に使用してきた結果、本願商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く定着するに至っている旨主張し、原審ないし当審を通じて、資料1ないし資料48を提出している。
そこで、請求人の提出に係る各資料についてみるに、請求人は、少なくとも2005年9月、2007年8月、2009年7月、2011年7月及び2012年7月に、「ヤマモリ商品カタログ」を作成しており、該カタログには、本願商標と酷似する構成態様からなる標章を使用した「タイカレー グリーン」、「タイカレー レッド」、「タイカレー イエロー」、「タイカレー 蟹と卵」及び「タイカレー マンゴー」と称する商品が掲載されている(資料3ないし資料7。ただし、「タイカレー マンゴー」は、2011年7月及び2012年7月のものについてのみ掲載されている。)ことをうかがい知ることはできるものの、該カタログの具体的な作成数や配布先等は明らかではない。
また、請求人の作成に係る「タイカレー出荷数(2001年度?2011年度)」(資料8)によれば、「タイカレー グリーン」、「タイカレー レッド」、「タイカレー イエロー」及び「タイカレー 蟹と卵」は、2001年度から出荷をし、また、「タイカレー マンゴー」は、2008年度から出荷をしており、その合計出荷数は、2001年度に約17万5,000食であったものが、2005年度には100万食を超え、2011年度には約179万食に達していることをうかがい知ることはできるものの、これが同種商品においてどの程度の割合を占めるものであるかは明らかではなく、また、その具体的な出荷先(出荷した地域及び店舗数等)も明らかではない。
さらに、請求人は、本願商標の使用に係る商品の宣伝広告として、自己のホームページ(オンラインショッピングに係るものを含む。)を2012年11月28日及び2013年3月5日に紙出力したもの(資料14ないし資料25)、2012年4月25日付け、同年5月11日付け、同年7月13日付け及び同年8月24日付けの「日経MJ」及び同年9月19日付け「日本経済新聞(夕刊)」並びに同年9月24日発売の「MEN’S CLUB(2012年11月号)」(株式会社ハースト婦人画報社発行)に掲載した広告の写し(資料26ないし資料29、資料31、資料33)を提出しているが、これらは、すべて近時の比較的限られた期間内になされたものであり、また、その多くは、請求人の業務に係る商品群の中に本願商標と酷似する構成態様からなる標章を使用した「タイカレー グリーン」、「タイカレー レッド」、「タイカレー イエロー」、「タイカレー 蟹と卵」及び「タイカレー マンゴー」と称する商品が存することを内容とするものである。
加えて、資料30、資料34及び資料35によれば、2010年6月5日付け「日本経済新聞」、2012年7月9日放送の「テレビ朝日『ワイド!スクランブル』」及び同年12月19日放送の「はなまるマーケット」において、本願商標と酷似する構成態様からなる標章を使用した商品が紹介されたことをうかがい知ることはできるものの、該新聞の記事は、「夏に食べたい ぜいたくレトルトカレー」の見出しの下、他者の製造、販売に係る商品とともに、「タイカレー グリーン」が紹介されているものであり、また、該テレビ放送は、いずれも番組内の特定の時間枠(「テレビ朝日『ワイド!スクランブル』」について3分、「はなまるマーケット」について約20秒)において、「タイカレー グリーン」又はそれを含む「タイフードセット」と称するものが紹介されたにすぎないものである。
以上によれば、請求人は、遅くとも2005年9月頃から本願商標と酷似する構成態様からなる標章を使用した「タイカレー グリーン」等の商品を製造、販売しているとはいい得るものの、本願商標がその指定商品に使用された結果、請求人の業務に係る商品を表示する商標として需要者の間に広く知られるに至っているものと認めることはできない。
その他、請求人の提出に係る資料を総合してみても、上記判断を覆すに足る事実は見いだせない。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (本願商標)

(色彩については原本参照)


審理終結日 2013-11-20 
結審通知日 2013-11-21 
審決日 2014-01-14 
出願番号 商願2012-49529(T2012-49529) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 高橋 幸志
田中 敬規
商標の称呼 タイカレー 
代理人 三宅 始 

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