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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900079 審決 商標
異議2013900054 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1284377 
異議申立番号 異議2013-900125 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-03-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-05-07 
確定日 2014-01-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5553432号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5553432号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5553432号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成24年7月26日に登録出願され、第3類「化粧品」を指定商品として、同年12月7日に登録査定、同25年2月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものであり、同法第43条の2により、その登録は取り消されるべきである。
(1)引用商標の周知著名性について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標と明らかに類似する商標「motives」を、特に米国で1997年頃から現在に至るまで、「化粧品」に継続的に使用しており、申立人の商標「motives」(以下「引用商標」という。)は、少なくとも米国において周知著名な商標となっている(甲2?甲17)。
引用商標が現在広く使用され周知著名な商標であることは、例えば、インターネットにおいて「motives cosmetics」と入力して検索すると32万件以上の情報が表示されることからも明らかである(甲18)。
なお、米国において、引用商標が周知著名な商標であることは明らかであるが、引用商標は、米国以外にも、香港、台湾、オーストラリア、英国において2年以上使用されており、米国での周知性・著名性を背景として、これらの国々においても周知となっているものと思料する(甲19?甲21)。
(2)本件商標と引用商標との類似性について
本件商標は、筆記体の欧文字で「motive」と書して構成されてなり、「モーティブ」という称呼が生じる。
一方、引用商標は、欧文字で「motives」と書してなり、又は、上段に大きく「m」下段に「motives」と書してなる。そして、欧文字「motives」からは、「モーティブス」という称呼が生じる。また、上下2段に「m」及び「motives」と書してなる商標については、下段の「motives」部分から「モーティブス」という称呼が生じる。
そして、本件商標から生じる称呼「モーティブ」と、引用商標から生じる称呼「モーティブス」を比較すると、両称呼は、最終音の「ス」の音の有無のみにおいて相違するが、この「ス」の音は、「ブ」という濁音の直後の最終音であり、消え入るように弱々しく発音されるので、需要者は「ス」の音の有無を明確に聴別することができず、両称呼を極めて近似する称呼として認識するものと思料する。
ゆえに、両商標は、少なくとも称呼上明らかに類似する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人によって、特に米国で10年以上「化粧品」に継続的に使用しており、少なくとも米国において周知著名な商標となっている。ゆえに、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が少なくとも米国において周知著名な商標となっていたことは明らかである。
そして、本件商標の指定商品が第3類「化粧品」であることに鑑みると、本件商標の所有者が、少なくとも米国で「化粧品」との関係において周知著名な商標となっている引用商標の存在を認識していないとは考えられない。ゆえに、引用商標の周知性・著名性について十分な認識を持っていると考えられる本件商標の所有者が、申立人の商標と類似する本件商標を第3類「化粧品」について商標登録出願するということは、少なくとも米国で周知著名な引用商標の出所表示機能を稀釈化させ、若しくは当該商標に化体した名声等を毀損させる目的をもって出願したもの、又は、日本国内又は外国で周知な商標について取引上の信義則に反する不正の目的で出願したものと考えざるを得ない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人は、甲第2号証ないし甲第18号証を提出し、本件商標と明らかに類似する引用商標「motives」を、特に米国で1997年頃から現在に至るまで、「化粧品」に継続的に使用しており、引用商標は、少なくとも米国において周知著名な商標となっており、また、甲第19号証ないし甲第21号証を提出し、引用商標は、米国以外にも、香港、台湾、オーストラリア、英国において2年以上使用されており、米国での周知性・著名性を背景として、これらの国々においても周知となっている旨主張する。
しかしながら、甲第2号証ないし甲第17号証は、全て英文版である申立人の製品カタログ又は引用商標の表示が認められる雑誌類の写し、甲第18号証は、インターネット(Google)における「motives cosmetics」の文字の検索結果の写し(1枚)、甲第19号証は、台湾において発行された引用商標の表示が認められる広告が掲載された雑誌の写し、甲第20号証は、香港において発行された引用商標の表示が認められる雑誌の写し、甲第21号証は、「Canada 2008」を表題とし、申立人が「カナダでの商品価格等を示す書面」とするものであって、これらの証拠は、単に引用商標の記載があることを確認できるにすぎないものである。
その他、引用商標に係る商品の生産・営業の規模、広告宣伝の方法・回数・内容、又は一般紙、業界紙若しくは雑誌等における記事掲載回数・内容等を具体的に裏付ける証拠はない。
イ 上記アによれば、申立人が提出した証拠からは、引用商標を付した商品が申立人により販売されていることは認められるが、これをもって、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は同人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されているとはいい難い。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)イのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は同人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されていると認めることはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定のその他の要件について論及するまでもなく、同号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものということができないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標


異議決定日 2014-01-21 
出願番号 商願2012-64582(T2012-64582) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 山田 和彦
手塚 義明
登録日 2013-02-01 
登録番号 商標登録第5553432号(T5553432) 
権利者 モティーブ株式会社
商標の称呼 モーティブ 
代理人 古谷 聡 
代理人 西山 清春 
代理人 溝部 孝彦 

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