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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服200811461 審決 商標
不服200912251 審決 商標
不服201120454 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない X21
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X21
管理番号 1284216 
審判番号 不服2012-422 
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-01-10 
確定日 2014-01-30 
事件の表示 商願2011- 4144拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第21類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年1月24日に登録出願、指定商品については、原審における同年7月20日付け及び当審における同24年3月2日付けの手続補正書により、第21類「切子模様を備えるクリスタルガラス製品,切子模様を備えるグラス,切子模様を備えるコップ類,その他の切子模様を備える食器類,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の像,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の造形品,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の置物,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の花瓶・水盤・風鈴,切子模様を備える食品保存用ガラス瓶,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の容器,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振出し容器,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製調味料入れ,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製コースター,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製ろうそく立て,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製化粧用具,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製愛玩動物用食器,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製水槽」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、登録第5085277号商標(以下「引用商標」という。)を引用して、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
引用商標は、「江戸切子」の文字を標準文字で表してなり、平成18年6月5日に商標法第7条の2に基づく地域団体商標として登録出願、別掲2に記載のとおりの第14類、第21類及び第40類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務とする地域団体商標として、同19年10月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)本願商標は、引用商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本願商標は、「カガミクリスタル」の文字と「江戸切子」の文字とを段違いに縦書き二行に表してなるところ、「江戸切子」の文字は、商標法第7条の2に基づく地域団体商標の商標登録を受けているもの(引用商標)であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が商標権者又は同人と組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、別掲1のとおり、「カガミクリスタル」の片仮名と「江戸切子」の文字を2列に縦書きしてなるところ、これらの文字は、それぞれ片仮名と漢字であり、2列に分けて記載され、文字の大きさも異なることから、視覚上分離して把握されるものであり、本願商標全体を称呼すると「カガミクリスタルエドキリコ」と13音と冗長である上、本願商標にあっては、常に一体のものとして看取されるとする特段の事情もないものであるから、これに接する取引者、需要者は、その構成中、「カガミクリスタル」の文字よりも太く、大きく書された「江戸切子」の文字に着目し、該部分をもって取引に資する場合も少なくないと判断するのが相当である。
よって、本願商標は、該部分に相応し、「エドキリコ」の称呼及び「江戸切子」の観念を生ずるものである。
これに対し、引用商標は、「江戸切子」の文字を標準文字で表してなるものであり、これより「エドキリコ」の称呼及び「江戸切子」の観念を生ずるものである。
してみれば、両商標は「江戸切子」の文字において共通するものであり、「エドキリコ」の称呼及び観念を共通にする類似の商標である。
そして、本願商標の指定商品中、「切子模様を備えるグラス,切子模様を備えるコップ類,その他の切子模様を備える食器類,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の置物,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の花瓶・水盤・風鈴,切子模様を備える食品保存用ガラス瓶,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製の容器,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振出し容器,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製調味料入れ,切子模様を備えるクリスタル製又はガラス製コースター」は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本願商標は、別掲1のとおり、「カガミクリスタル」の片仮名と「江戸切子」の文字を2列に縦書きしてなるものである。
一方、引用商標は、「江戸切子」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、引用商標の商標権者が、前記2のとおり、平成19年10月19日に、第14類、第21類及び第40類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とする商標法第7条の2に基づく地域団体商標として、商標登録を受けているものであって、商標権者又はその構成員の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、本願出願前より需要者間に広く認識されているものである。
そして、本願商標の指定商品は、いずれも切子模様を備える商品であり、クリスタル製やガラス製の商品であるから、引用商標の指定商品及び指定役務とは、密接な関連性を有するものである。
してみれば、本願商標は、その構成中に、取引者、需要者間に広く認識されている引用商標と同一の綴り字からなる「江戸切子」の文字を有するものであり、しかも、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務とは、密接な関連性を有するものであることからすれば、本願商標をその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、周知・著名となっている引用商標を連想、想起し、該商品が引用商標の商標権者又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について誤認、混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(3)請求人の主張について
請求人は、創業当初より「江戸切子」を含むクリスタルガラス製品の製造、販売を行ってきており、「江戸切子」の著名性獲得に貢献してきたのであって、高級なクリスタルガラス製品のメーカーとして著名性を有しているから、本願商標に接する需要者は、「カガミクリスタル社製の江戸切子製品」を表す商標として常に一体のものとして認識するのであって、「江戸切子」の文字は、自他商品の識別標識として機能するものではない旨主張している。
しかしながら、「江戸切子」の文字からなる引用商標は、商標権者又はその構成員が、別掲2に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、その使用の結果、自他商品及び役務の識別力を得たものであって、地域団体商標として登録を受けていることは上記のとおりであり、本願商標は、「江戸切子」の文字部分のみをもって取引されることもあるというべきであるから、該主張を採用することはできない。
また、請求人は、引用商標が登録要件を備えていたのか疑問であるから、その保護の範囲は狭く解釈されるべきとの主張をしているが、引用商標は、平成19年に登録され、現に有効に存続しているものであって、その後、何らかの事情の変化があったとも認められないから、該主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号及び商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標





別掲2 引用商標の指定商品及び指定役務
第14類「東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製ブローチ,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製ループタイ,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製ペンダント,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製時計」
第21類「東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製酒瓶,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製冠水瓶,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製徳利,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製ぐい呑み,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製盃,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製グラス,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製皿,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製小鉢,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製菓子鉢,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製銚子,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製三段重,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製水指,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製ボンボニエール,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製なつめ,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製水差し,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製ナプキンホルダー,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製花瓶,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製飾り皿,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製室内装飾用置物,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製飾箱,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製風鈴,東京地方に由来する製法により東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で生産されたガラス製香炉」
第40類「東京都江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区及びその周辺で行われる東京地方に由来するガラスの加工」



審理終結日 2012-11-20 
結審通知日 2012-11-30 
審決日 2012-12-28 
出願番号 商願2011-4144(T2011-4144) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X21)
T 1 8・ 271- Z (X21)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
松田 訓子
商標の称呼 カガミクリスタルエドキリコ、カガミクリスタル、カガミ、エドキリコ 
代理人 木村 吉宏 
代理人 伊東 美穂 
代理人 小谷 武 

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