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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2013900223 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W121825
審判 全部申立て  登録を維持 W121825
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審判 全部申立て  登録を維持 W121825
管理番号 1282416 
異議申立番号 異議2013-900144 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2014-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2013-05-20 
確定日 2013-11-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5556963号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5556963号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5556963号商標(以下「本件商標」という。)は、「Energy Kart」の欧文字を横書きしてなり、平成24年5月26日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」、第18類「かばん類」及び第25類「被服,履物」を指定商品として、同年11月9日に登録査定、同25年2月15日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由(要旨)を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。
1 引用商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4487123号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を書してなり、平成12年7月17日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同13年6月29日に設定登録されたものである。
(2)登録第4863416号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年9月27日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録されたものである。
(3)登録第4863899号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年8月2日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録されたものである。
(4)登録第5165075号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年7月31日に登録出願、第9類「眼鏡」を指定商品として、同20年9月5日に設定登録されたものである。
(以下、引用商標1ないし4をまとめていうときは、「引用各商標」という。)

2 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 指定商品について
本件商標は、第18類「かばん類」及び第25類「被服,履物」を指定商品中に含むものであり、引用商標1ないし3は、それぞれ第25類「被服」及び「かばん類,袋物」を含む第18類に属する商品並びに第25類「履物」を指定商品とするものであるから、本件商標に係る指定商品は引用商標1ないし3に係る指定商品と同一である。
イ 本件商標と引用商標1ないし3との類否
本件商標と引用商標1ないし3との類否について検討するに、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字より「エナジー」の称呼を生ずるのに対し、引用商標1ないし3も本件商標と同一の称呼「エナジー」を生じるから、両商標は、称呼において明らかに類似の商標である。
次に、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字列より、英語で「エネルギー」の観念を生ずるのに対し、引用商標1ないし3は、「ENERGIE」の文字列より、フランス語、ドイツ語、オランダ語、ラテン語、ポーランド語で「エネルギー」の観念を生じるから、両商標は、観念においても明らかに類似の商標である。
さらに、本件商標は、その構成中の要部が、「Energy」と欧文字で表されているのに対して、引用商標1ないし3は、「ENERGIE」と欧文字で表されているもので、両外観は、互いに語頭から五文字目までの欧文字「E」、「N」、「E」、「R」、「G」を共通にするから、両商標は、外観においても明らかに類似の商標である。
以上のとおり、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼、観念、外観のいずれにおいても類似の商標である。
ウ 本件商標の要部
本件商標は、「Energy」と「Kart」との語から構成されるが、「Energy」と「Kart」とを比較すると、その識別力には著しい強弱があり、「Energy」の部分が「物事をなしとげる気力・活力。精力」といった意味を有し、識別力が極めて高いのに対し、「Kart」はその称呼である「カート」から、「(ア)カート(cart)、荷車。ショッピングカート、キャリーカート、ゴルフ場の電動カートなど、小さな車。(イ)レーシングカート(kart)。主にレース用途で使用される自動車の一種。(ウ)キッズカート(kidskart)子供用のレーシングカートの種類。」(甲7、甲8)程の意味を有し、識別力は弱い。
したがって、本件商標「Energy Kart」の要部は「Energy」であり、本件商標と引用商標の類否判断に際しては、「Energy」と「ENERGIE」とを対比するのが相当である。
エ 小結
以上により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号について
ア 引用各商標の周知著名性
申立人の「ENERGIE」の商標(標章)は、イタリアのシックスティ・グループが考案した商標(標章)として、少なくとも1989年には使用開始され、現在に至るまで継続して使用しているところ、イタリア発祥のファッションブランドとして、一般の取引者及び需要者に認識され、また、業界紙やウェブサイトにおいて多数掲載されていることが証される。また、引用各商標が申立人に移転されていることから、長年にわたりそれらの商標に蓄積された信用は、申立人に引き継がれたものと考える。
よって、引用各商標は、現在では申立人の商標としてファッションに関する業界における取引者・需要者において、広く認識されているものといえる(甲10?甲26)。
イ 本件商標と引用各商標との類否
本件商標と引用各商標から生ずる称呼を比較するに、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字列より「エナジー」の称呼を生ずるのに対し、引用各商標は、「ENERGIE」の文字列より「エナジー」の称呼を生ずるから、両商標は、互いに同一の称呼を生ずる称呼上類似の商標である。
次に、本件商標と引用各商標から生ずる観念を比較するに、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字列より英語で「エネルギー」の観念を生ずるのに対し、引用各商標は、「ENERGIE」の文字列よりフランス語、ドイツ語、オランダ語、ラテン語、ポーランド語で「エネルギー」の観念を生ずるから、両商標は、互いに同一の観念「エネルギー」を生ずる観念上類似の商標である。
最後に、本件商標と引用各商標から生ずる外観を比較するに、本件商標は、その構成中の要部が、「Energy」と欧文字で表されているのに対し、引用各商標は、「ENERGIE」と欧文字で表されている。両外観を対比すると、互いに語頭から五文字目までの欧文字「E」、「N」、「E」、「R」、「G」を共通にするから、両商標は、外観においても明らかに類似の商標である。
ウ 小結
以上の事実を総合的に考察すれば、かかる申立人の周知著名な商標である引用各商標と類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号にも該当する。仮に同号に該当しないとしても、申立人の業務に係る商品と混同をきたすおそれがあることから、同第15号にも該当する。

3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43の2条第1号により取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「Energy Kart」の欧文字を横書きしてなるところ、「Energy」と「Kart」の各文字部分は、1字程度の間隔を空けて同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、その構成文字全体に相応して生じる「エナジーカート」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中、前半の「Energy」の文字は、「物事をなしとげる気力・活力。精力。」等の意味を、また、「Kart」の文字は、「レーシングカート。主にレース用途で使用される自動車の一種」等の意味を有する英語として我が国において親しまれているものである(甲6、甲8)。
ところで、申立人は、本件商標を構成する「Energy」及び「Kart」のそれぞれの語の意味を述べ、その識別力には著しい強弱があり、要部は「Energy」である旨述べているが、本件の指定商品と抵触する引用商標の指定商品である第18類及び第25類の商品との関係において、「レーシングカート」等を意味する「Kart」の語の識別力が格別弱いということはできず、両語の間における識別力について特に軽重の差を見いだすことはできない。
そうとすると、本件商標は、いずれか一方だけが独立して着目されるというよりは、構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握されるものとみるのが自然というべきであり、特定の意味合いを有しない一種の造語よりなるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、構成文字全体に相応して、「エナジーカート」のみの称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1ないし3について
引用商標1は、前記第2のとおり、「ENERGIE」の欧文字を横書きしてなり、また、引用商標2及び3は「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、フランス語やドイツ語の「Energie」と同一の綴り字であり、「エネルギー、活力」等の意味を有するものとして、我が国において知られているといえるものであるから、これよりは「エネルギー」又は英語読み風の「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生ずるというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標1ないし3との類否
本件商標と引用商標1ないし3とは、「Kart」の文字の有無において、外観上、判然と区別し得るものである。
また、本件商標より生ずる「エナジーカート」の称呼と引用商標1ないし3より生ずる「エナジー」の称呼とは、「エナジー」の部分において共通するものの、後半部において、「カート」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、明確に聴別することができ、また、引用商標1ないし3より生ずる「エネルギー」の称呼とは、その構成音及び構成音数が異なり、容易に区別することができるものであるから、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼上、区別し得るものである。
さらに、本件商標は、特定の観念が生じないものであるのに対し、引用商標1ないし3からは「エネルギー」の観念を生ずるものであるから、両商標は、観念において共通するところがない。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第10号、同第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠及びその主張によれば、「ENERGIE」は、1984年に設立されたイタリアのファッションブランドで、現在は、1989年に立ち上げられたシックスティグループが引き継ぎ、展開しているものであって、その、シックスティグループは、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国等に支店等を有するものであること、また、「ENERGIE」ブランドは、デニムのほか靴、アクセサリー、眼鏡等も取り扱っていること、そして、我が国においても、2007年(平成19年)から2011年(平成23年)において、「Popeye」、「Safari」、「Oceans」、「MEN’S NON-NO」、「LEON」等の複数の雑誌に、申立人の業務に係る商品(「スニーカー、キャップ、デニムパンツ、Tシャツ」等)が、引用商標等とともに掲載されていることが認められる(甲11?甲17、甲23の1?78)。なお、掲載されている商標は、引用商標のほか、これを片仮名で「エナジー」と表したもの、当該片仮名と二段併記したもの、あるいは、「E」の部分を矢印を有する円図形で表したものがある。
そして、上記雑誌への掲載は、いくつか単独で掲載されているものがあるものの、その大多数が複数のブランドと共に掲載されているもので、本件商標等が特段目立つように掲載されているものではない。
このほか、日本への商品出荷に関するシックスティグループのインボイス(写し)、日本国内での「ENERGIE」ブランドに関する売上表及び全世界で宣伝広告活動を行ったことを裏付ける「ENERGIE」ブランドに関する年間広告費用の表が提出されている(甲24?甲26)が、インボイス(甲24)は、その欄外にシックスティグループが展開する複数のブランドが表示され、また、訳文の提出もないことから、その記載内容は明らかでなく、当該インボイスから「ENERGIE」ブランドについての出荷量を確認することはできない。また、「ENERGIE」ブランドに関する日本国内での売上表(甲25)及び全世界での「ENERGIE」ブランドに関する年間広告費用の表(甲26)についても、説明等はなく、かつ、外国語による記載であって、その内容が明らかでないことから、我が国における広告・宣伝についての状況も把握することができない。その他、引用各商標に係る我が国での使用開始時期、営業の規模(店舗数や売上高)等についても、確認することができない。
そうすると、申立人の引用各商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国において、ある程度、広告、宣伝等がされていたことは認められるとしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、需要者の間に広く認識されている商標であったとまでは認めることはできない。
また、本件商標と引用各商標とは、上記1と同様に、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であり、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだせないものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものではない。

3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-11-22 
出願番号 商願2012-46108(T2012-46108) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W121825)
T 1 651・ 261- Y (W121825)
T 1 651・ 25- Y (W121825)
T 1 651・ 271- Y (W121825)
T 1 651・ 262- Y (W121825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 野口 美代子
高橋 幸志
登録日 2013-02-15 
登録番号 商標登録第5556963号(T5556963) 
権利者 株式会社カロッツェリアジャパン
商標の称呼 エナジーカート、エネルギーカート、エナジー、エネルギー、カート、カルト 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 

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