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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201211830 審決 商標
不服201121614 審決 商標
不服2012650094 審決 商標
不服20137594 審決 商標
不服201219955 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 取り消して登録 X0105
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 X0105
管理番号 1282301 
審判番号 不服2011-27129 
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-15 
確定日 2013-12-09 
事件の表示 商願2009-91036拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「B-27」の文字を標準文字で表してなり,第1類,第5類,第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成21年12月1日に登録出願,その後,指定商品及び指定役務については,原審における同22年10月4日付け,同23年6月3日付け及び当審における同25年4月1日付けの手続補正書をもって,第1類「神経細胞培養培地の調整で使用される化学品(添加剤)」,第5類「神経細胞培養培地の調整で使用される医療診断用薬剤(添加剤)」(以下「補正後指定商品」という。)とする補正がされたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,商品の品番,規格,役務の質等を表示するための記号,符号として採択,使用されている欧文字の1字と二桁の算用数字の類型の一つである『B』と『27』の文字をハイフンを介在して書してなるものであるから,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標と認められる。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「B-27」の文字を標準文字で表してなるところ,これは欧文字1文字と数字2文字をハイフンで結合したものであって,原審説示の如く,商品の品番,規格等を表示する記号又は符号として類型的に使用されるものであり,特殊な態様からなるものともいうことができないから,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。
そして,請求人はこれに対する反論をすることなく,本願商標は使用をされた結果自他商品識別力を取得している(商標法第3条第2項の要件を具備する。)旨主張し,当審において証拠(甲第1号証ないし甲第31号証,以下「各甲号証」という。)を提出した。
そこで,以下,請求人の主張及び提出に係る証拠について検討する。
(1)使用商標及び使用商品
商品「神経細胞培養用添加物」のラベルに「invitrogen Corporation」の文字とともに表示された標章「B-27」(甲第1号証ほか)及びライフテクノロジーズジャパン株式会社(以下「ライフテクノロジーズジャパン」という。)作成の商品「神経細胞培養用添加物」の販売宣伝用チラシ・商品カタログ等に表示された標章「B-27」(甲第2号証ほか)は,いずれも本願商標とその構成において同一といえるものであり,また,商品「神経細胞培養用添加物」は,補正後指定商品と同一といえるものである(以下,標章「B-27」を「使用商標」ということがある。)。
(2)補正後指定商品の販売額
甲第29号証及び請求人の主張によれば,補正後指定商品は,世界中の神経生物学の研究で使用されていることが伺われ,その商品の日本国内での年間の売上高は,平成20年(2008年)に875,821ドル,同21年(2009年)に1,071,068ドル,同22年(2010年)に1,277,999ドル,同23年(2011年)に1,438,486ドル及び同24年(2012年)に1,918,919ドルである。
(3)広告宣伝の方法及び実績
各甲号証及び請求人の主張によれば,ライフテクノロジーズジャパンは,平成23年から同24年の2年間に,使用商標を表示した補正後指定商品を掲載した販売宣伝用チラシを3,500部発注(甲第22号証,甲第24号証及び甲第26号証),また,社内でも同様の販売宣伝用チラシを作成(甲第21号証,甲第25号証及び甲第27号証),さらに,平成24年に,使用商標を表示した補正後指定商品を掲載した商品カタログを5,000部以上発注し(甲第23号証),それぞれ,購入者や研究者向けに配布した。
そして,請求人の主張及び職権調査によれば,以下の事実が認められる。
ア ライフテクノロジーズジャパンは,環太平洋大学協会の加盟大学により開催された「APRU-BMAP 2012/FIRST 2012シンポジウム 脳/心の進化と疾患」(http://www.keio.ac.jp/ja/news/2012/kr7a4300000ayp0p.html)における抄録誌に,使用商標を表示した補正後指定商品の広告(甲第18号証)を掲載した。そして,その抄録誌は,シンポジウムの参加者に配布された。
イ ライフテクノロジーズジャパンは,雑誌「実験医学」に,使用商標を表示した補正後指定商品の広告(甲第19号証)を掲載した。そして,その雑誌の発行部数は,株式会社宣伝会議のウェブサイト「日本のメディア」(http://www.md-navi.jp/media/152617/index.html)によると,12,000部である。
ウ ライフテクノロジーズジャパンは,日本神経科学学会主催の「第35回日本神経科学大会」(http://neuroscience2012.jp/japanese/index.html)における抄録誌に,使用商標を表示した補正後指定商品の広告(甲第20号証)を掲載した。そして,その抄録誌は,大会の参加者に配布された。
ところで,補正後指定商品は,医療の研究目的において使用されるものであって,一般の需要者に取引されるものではないことから,その需要者は,医療の研究に携わる者であるといえる。そして,職権調査によれば,日本神経科学学会のウェブサイト(http://www.jnss.org/whats/)には,「■日本神経科学学会とは 日本神経科学学会は,・・・その後,会員数は年々増加し2008年7月には約5,200名に達して,我が国の神経科学研究者の大多数を結集した神経科学に関する代表的な学術団体となっています。」との記載がある。
そうすると,そのウェブサイトから想定できる医療の研究に携わる研究者の数を考慮すれば,補正後指定商品を扱う業界においては,前記の販売宣伝用チラシ,商品カタログ,抄録誌の配布部数及び雑誌の発行部数をもって,その宣伝活動・実績は,相当程度高いとみて差し支えないものということができる。
(4)使用開始時期,使用期間及び使用地域
上記(1)ないし(3)からすれば,ライフテクノロジーズジャパンは,日本国内で,遅くとも平成20年(2008年)から使用商標を補正後指定商品に使用しており,現在も継続して使用していることが認められる。
(5)使用商標の使用者
請求人は,invitrogen Corporation(以下「インビトロジェン」という。)との間で,使用商標に係るライセンス契約を締結したところ,その契約の効力は,インビトロジェンのみならず,その関連会社,子会社及び系列会社にも及ぶことが認められる(甲第30号証)。
そして,前記のとおり,日本国内での使用商標の使用者は,ライフテクノロジーズジャパンと認められるところ,ライフテクノロジーズジャパンは,インビトロジェンの関連会社と認められる(甲第31号証)。
したがって,ライフテクノロジーズジャパン又はインビトロジェンの補正後指定商品についての使用商標の使用は,請求人の使用とみて差し支えない。
(6)他者による「B-27」なる標章の使用の有無
職権調査によれば,補正後指定商品について,「B-27」なる標章が請求人及び前記契約(甲第30号証)のライセンス契約者以外の者により使用されている事実は発見できなかった。
(7)まとめ
上記(1)ないし(6)を総合して検討すれば,本願商標は,継続して使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものということができる。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当するものの,同法第3条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから,これをなお原査定の理由をもって拒絶すべきものとすることはできない。
その他,本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2013-11-27 
出願番号 商願2009-91036(T2009-91036) 
審決分類 T 1 8・ 17- WY (X0105)
T 1 8・ 15- WY (X0105)
最終処分 成立  
前審関与審査官 村上 照美田中 幸一 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 西田 芳子
大森 健司
商標の称呼 ビイニシチ、ビイニジューシチ 
代理人 森下 夏樹 
代理人 安村 高明 
代理人 山本 秀策 

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