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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200620197 審決 商標
審判199720329 審決 商標
審判199935082 審決 商標
不服201216942 審決 商標
異議2015900318 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X17
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X17
審判 査定不服 商4条1項19号 不正目的の出願 取り消して登録 X17
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X17
審判 査定不服 商標の周知 取り消して登録 X17
管理番号 1277837 
審判番号 不服2012-26164 
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-12-28 
確定日 2013-08-04 
事件の表示 商願2011-65941拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第1類、第9類及び第17類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年9月13日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同24年12月28日付けの手続補正書により、第17類「消防用ホース」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下の(1)ないし(3)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、株式会社ナカムラ消防化学(以下「使用者」という。)が商品「消火パック、ボトル型消火剤(消火ボトル)、消防用ホース」について使用し、本願商標の登録出願前より取引者、需要者間に広く認識されている商標「Shobo」(「o」の上に小さく「ショーボ」の文字が表示されている。)と酷似するものであり、前記商品と同一又は類似の商品に使用するものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)本願商標は、使用者が上記商品について使用し、本願商標の登録出願前より取引者、需要者間に広く認識されている上記(1)の商標と酷似するものであり、偶然に一致したものとは到底考えられない。してみれば、出願人は、本願出願当時、使用者の商標が相当程度知られていることを知りながら、これがいまだ登録されていないことを奇貨として、当該使用者の商標の出所表示機能を稀釈化し若しくは顧客吸引力に便乗して不当な利益を得る等の目的のもとに出願したものと推認せざるを得ないから、本願商標の出願は、不正の目的をもってしたものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)本願商標は、登録第4947763号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第5251258号商標(以下「引用商標2)という。)と類似の商標であって、引用各商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号及び同第19号該当性について
ア 他人の商標の周知性について
本願商標が、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に該当するというためには、少なくとも、本願商標の登録出願時(平成23年9月13日)に、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示する商標が、我が国(19号においては「我が国又は外国」)の需要者の間に広く認識されていることが要件の1つであるところ(第4条第3項)、この点につき、以下検討する。
(ア)商品「消火パック」及び「消火ボトル」について
原審において提出された平成24年1月23日付け刊行物等提出書(第1号証ないし第8号証(枝番を含む。))及び当審における調査によれば、使用者は、「shobo」又は「ショーボ」の表示(以下、まとめて「使用商標1」という。)を、平成22年11月から、商品「消火パック」及び商品「消火ボトル」について使用を開始し、これら商品を平成23年7月時点で累計4万本を販売した事実(第5、6)、平成22年5月頃、「消化パックShoboリーフレットA4」を2万枚発注した事実(第2)、両商品を2つの展示会等に出品した事実(第3、4)及び日刊工業新聞で紹介された事実(第5、6)が認められる(なお、第6の日付の記載は不明確だが、当審における調査によれば「2011年(平成23年)7月28日」と認められる。)。
しかしながら、「消火パック」及び「消火ボトル」の販売地域、売上高、市場占有率(シェア)、広告宣伝の額や方法等が明らかでなく、本願商標の登録出願時までの使用商標1の使用期間も、1年弱と長いものではない。また、使用商標1の使用開始時期(第1)及びGoogle検索結果(第8)は、出典が不明か、日付が不明又は本願商標の登録出願後のものであり、証拠として採用できない。さらに、当審において調査するも、使用商標1の周知性を立証する事実を見出すことができない。
してみれば、使用商標1は、本願商標の登録出願時において、使用者の業務に係る商品「消火パック」及び「消火ボトル」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものということはできない。
(イ)商品「消防用ホース」について
当審において調査した別掲2の事実によれば、使用者は、使用商標1又は「shobo」(語尾の「o」の上に小さく「ショーボ」の文字が表示されている。)の表示(以下「使用商標2」という。)を、平成23年9月から、商品「消防用ホース」について使用を開始し、当該商品を販売した事実が推認される。
しかしながら、「消防用ホース」の販売地域、売上高、市場占有率(シェア)、広告宣伝の額や方法等が明らかでなく、本願商標の登録出願時までの使用商標1又は使用商標2の使用期間も、仮に、これら使用商標の使用開始が平成23年9月1日だとしても、2週間にも満たない。また、当審において調査するも、これら使用商標の周知性を立証する事実を見出すことができない。
してみれば、使用商標1又は使用商標2は、本願商標の登録出願時において、使用者の業務に係る商品「消防用ホース」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものということはできない。
イ 小括
以上のとおり、本願商標は、その登録出願時において、他人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標ということはできないから、その他の要件について検討するまでもなく、本願商標は商標法第4条第1項第10号及び同19号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標と引用商標1について
本願商標は、別掲1のとおり、「Shobo」の文字を太文字で横書きし、語尾の「o」の上に小さく「ショーボ」の文字を配してなるところ、一般に欧文字と片仮名を併記した構成の商標において、その片仮名部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、片仮名部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるから、本願商標は、「ショーボ」の称呼を生じ、また、観念については、特定の観念を生じないものである。
一方、引用商標1は、「消棒」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に掲載されている成語とは認められないものの、これを構成する「消」と「棒」の文字は、いずれも平易、かつ、一般人にとって観念を容易に想起し得る漢字であるから、本願商標からは、「消」と「棒」から生じる観念を組み合わせた、「消す棒」程の観念が生じ、また、「ショーボー」の称呼が生じるものと認められる。
そこで、本願商標と引用商標1の類否について検討するに、まず、外観については、両商標は、その構成を大きく異にするものであるから、構成全体の外観において区別できるものである。
次に、称呼については、本願商標から生ずる「ショーボ」の称呼と引用商標1から生ずる「ショーボー」の称呼は、語尾における長音の有無の差異に加えて、全体の音数がそれぞれ3音又は4音という短い音構成よりなるから、これらをそれぞれ一連に称呼した場合には、全体の語調・語感が相違し、十分聴別できるものである。
さらに、本願商標からは特定の観念が生じない一方、引用商標1からは「消す棒」程の観念が生じるものであるから、観念において区別できるものである。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
してみれば、引用商標1を引用して、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でない。
イ 本願商標と引用商標2について
本願商標の指定商品について、前記1のとおり補正された結果、原査定における拒絶の理由に係る指定商品は、すべて削除された。
してみれば、本願商標と引用商標2とは、指定商品において互いに類似しないものとなったため、商標の類否について検討するまでもなく、引用商標2を引用して、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、解消した。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第10号、同11号及び同19号に該当するものではないから、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2
1 2011年(平成23年)9月22日付け日刊工業新聞 25頁
「ナカムラ消防化学、消防ホースを自社生産-軽量・柔軟タイプ開発」の見出しの下、「ナカムラ消防化学(長崎県大村市、中村眞輔社長)は、軽量、柔軟で扱いやすい消防用ホースの製造を始めた。『ショーボホース』を開発、他社製の仕入れ販売から自社製品に切り替えた。」との記載がある。
2 第13回エコプロダクツ2011のウェブサイト
「オリジナル商品(SHOBOシリーズ) 消防用ホース・消火ボトル・消火パックの紹介」の見出しの下、「出展内容」の項中、「消防用ホース」について「【納入実績事例】9月発売以来」との記載があり、写真中の消防用ホースには使用商標2(ただし、文字の一部が隠れている。)が、表示されている。



審決日 2013-06-27 
出願番号 商願2011-65941(T2011-65941) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (X17)
T 1 8・ 263- WY (X17)
T 1 8・ 262- WY (X17)
T 1 8・ 255- WY (X17)
T 1 8・ 222- WY (X17)
最終処分 成立  
前審関与審査官 津金 純子山田 正樹 
特許庁審判長 村上 照美
特許庁審判官 梶原 良子
冨澤 武志
商標の称呼 ショーボ 
代理人 森田 拓生 

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