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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X09
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない X09
審判 査定不服 観念類似 登録しない X09
審判 査定不服 外観類似 登録しない X09
管理番号 1275335 
審判番号 不服2011-650216 
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-25 
確定日 2013-03-19 
事件の表示 国際登録第1025533号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「Electronic joystick control system comprised of an electronic controller having a microprocessor and a hand-held joystick for controlling the maneuvering of a marine vessel.」を指定商品として、2009年6月24日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2009年(平成21年)12月22日に国際商標登録出願されたものであって、2010年(平成22年)1月28日にその出願に係る領域指定の通知がなされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2203096号商標は、「Express」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年5月29日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録されたものである。
その後、平成12年3月28日及び同21年9月8日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、同年11月18日に指定商品を別掲2のとおりとする指定商品の書換登録がなされたものであり、さらに、同23年5月20日に商標法第50条第1項の規定による商標登録の取消しの審判の請求があった結果、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具」について商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、同24年5月25日にその確定審決の登録がされたものである。
(2)登録第2266334号商標は、「EXPRESS」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年10月21日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録されたものである。
その後、平成12年11月14日及び同22年6月22日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、同年9月1日に指定商品を別掲2のとおりとする指定商品の書換登録がなされたものであり、さらに、同23年5月20日に商標法第50条第1項の規定による商標登録の取消しの審判の請求があった結果、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具」について商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、同24年5月25日にその確定審決の登録がされたものである。
(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「EXPRESS」の文字と「JOYSTICK SYSTEM」の文字とを上下二段に表してなり、かつ、該「EXPRESS」の文字中の語頭の「E」の文字の左方に接するように、太線で表された「S」字様の図形を2つ並列してなる図形を配してなるところ、その構成中の「JOYSTICK」の文字部分は、容易に「(コンピュータ等の入力装置である)ジョイスティック装置」ほどの意味合いを看取させるものであることからすれば、該文字部分は、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いか、又はその機能を果たし得ないものとみるのが相当である。
また、本願商標の構成中の図形部分についてみるに、該図形は、それ自体が特定の事物を表したものとして認識されるとはいい難く、また、その位置するところが、上記のとおり、本願商標の構成中の「EXPRESS」の文字に接するようなところであるとしても、これが該「EXPRESS」の文字を修飾する等、該文字が本来有する読みや意味に影響を及ぼすものとも認められないから、該図形は、本願商標の構成全体にあって、特定の称呼及び観念を生ずることのない一種の飾りとして認識されるとみるのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その構成中の「EXPRESS」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであるから、その要部は該文字部分であり、その構成文字に相応して、「エクスプレス」の称呼及び「急行、至急便」の観念を生ずるものといえる。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「Express」又は「EXPRESS」の文字を書してなるものであるから、これより、「エクスプレス」の称呼及び「急行、至急便」の観念が生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違するものの、「エクスプレス」の称呼及び「急行、至急便」の観念を同じくするものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(2)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品は、請求人の提出に係る第1号証、第2号証、第5号証及び第6号証の内容に照らせば、操船に当たり、従来は舵、エンジン、スラスター等を個別に操作する必要があったところ、それらを1つのジョイスティックの操作で可能とすべく、マイクロプロセッサーを備えた電子制御装置とその装置への操船のための指示(入力)をする小形のジョイスティックとを組み合わせてなる装置と認められる。
そうとすると、本願の指定商品は、操船用のものであるとしても、その本質は、電子制御装置(コンピュータ)とジョイスティック(入力装置)といえるものであり、商標法施行規則第6条に係る「別表」において、第9類に属する商品の一として定められている「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品とみるのが相当である。
してみれば、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中に含まれる「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品といわなければならない。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願の指定商品は、高額で取引者、需要者が限られる特殊な商品であることから、その取引にあたっては、見本や現物、カタログ等を見ながら、慎重に検討、協議の上取引されるものであり、商標の外観が主たる識別機能を果たすものであるところ、本願商標は、デザイン化された文字部分と図形部分を含む全体がまとまりよく一体不可分に構成されてなるものであるから、商標の一部を分離観察し、それによって生ずる観念及び称呼に基づき、本願商標と引用商標との類否を判断するのは妥当ではない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、その構成中の「EXPRESS」の文字部分が商品の出所識別標識としての要部たり得るものであるから、該文字部分をもって引用商標との類否を判断することに差支えはないというべきである。
また、請求人は、本願商標の構成中の「EXPRESS」の欧文字は、その語義から、機械、装置、システム等の処理機能が速い旨を表す際にしばしば用いられるありふれた表記であり、自他商品の識別標識としての機能が弱いことから、他の語と結合した場合に取引者、需要者が「EXPRESS」の文字のみをもって取引にあたることはない旨主張し、これを裏付けるものとして、平成22年10月7日付け意見書とともに提出された第3号証ないし第6号証及び同24年1月10日付け手続補正書とともに提出された第4号証を提出している。
しかしながら、請求人(出願人)の提出する各号証をみても、本願の指定商品を取り扱う業界において、「EXPRESS(エクスプレス)」の文字が商品の具体的な品質を表示するものとして一般に広く用いられている等、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認めるに足る事実は見いだせない。
さらに、請求人は、「SemiconductorEXPRESS」の文字からなる商標(登録4917918号)と引用商標とが非類似と判断された審決例を始めとする過去の審決例を挙証し、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる過去の審決例は、いずれも商標の構成において本願とは事案を異にするものであり、また、出願された商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるところ、本願商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、外観、称呼及び観念を総合してみたときに、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。
したがって、請求人の上記各主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

別掲2 引用商標1及び引用商標2の指定商品
第7類
「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」
第8類
「電気かみそり及び電気バリカン」
第9類
「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」
第10類
「家庭用電気マッサージ器」
第11類
「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」
第12類
「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」
第17類
「電気絶縁材料」
第21類
「電気式歯ブラシ」
審理終結日 2012-09-13 
結審通知日 2012-09-28 
審決日 2012-11-06 
国際登録番号 1025533 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X09)
T 1 8・ 264- Z (X09)
T 1 8・ 263- Z (X09)
T 1 8・ 262- Z (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄津金 純子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 吉野 晃弘
田中 敬規
商標の称呼 エクスプレスジョイスティックシステム、エクスプレス、エキスプレス 
代理人 飯田 和彦 
代理人 飯田 伸行 

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