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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
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管理番号 1274077 
異議申立番号 異議2012-900325 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-11-05 
確定日 2013-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5511290号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5511290号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5511290号商標(以下「本件商標」という。)は、「Energy Wear」の文字を標準文字で表してなり、平成23年11月9日に登録出願、第25類「セーター類,ワイシャツ類,靴下,手袋,帽子」を指定商品として、同24年4月6日に登録査定、同年8月3日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由(要旨)を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第103号証を提出した。
1 引用商標
(1)登録第4487123号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を書してなり、平成12年7月17日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同13年6月29日に設定登録され、その後、同23年6月28日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4863416号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年9月27日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4863899号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年8月2日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第5165075号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年7月31日に登録出願、第9類「眼鏡」を指定商品として、同20年9月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、上記引用商標1ないし引用商標4を一括していうときは、「引用各商標」という。
2 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 指定商品について
本件商標は、第25類「セーター類,ワイシャツ類,靴下,手袋,帽子」を指定商品とするものであり、引用商標1は、第25類「被服」を指定商品とするものであるから、両者の指定商品は明らかに互いに類似の商品である。
イ 本件商標の要部
本件商標は、「Energy」と「Wear」との語から構成されているが、指定商品との関係上、「Wear」の部分は単に品質等表示にあたり識別力を有しないため、本件商標中、識別力を有し、かつ、一般の需要者及び取引者の注意を強く引きつける部分は「Energy」の文字である。したがって、本件商標は、「Energy」の文字を要部として認識されるものである。
ここで、本件商標は、その構成中、「Wear」の文字から生ずる観念に着目すると、株式会社岩波書店発行の広辞苑第六版によると「着るもの。衣服。服」(甲第3号証)を表す語であるとされ、株式会社研究社発行のリーダーズ英和辞典第2版によると「着用物、衣服」(甲第4号証)を表す語であるとされているから、「Wear」の語は、すでに通常程度の語学力を備えた日本人である一般の需要者、取引者においては、その観念を広く認知されており、これを被服の分野において使用された場合には、容易に「衣服、服」を表す品質等表示にあたると理解されるのである。
また、本件商標は、その構成中、「Wear」の文字が、被服の分野において識別力を有しない単に品質等表示と捉えられることは、審決例(甲第5号証ないし甲第11号証)からも明らかである。
以上により、本件商標は、一般の需要者及び取引者においては「Energy」の文字を要部として認識されるものであることがわかる。
また、他の審決例(甲第12号証及び甲第13号証)からも、本件商標と引用商標1とが互いに類似であることは明らかであり、これらの審決例では、商標の構成中「Wear」の文字は、単に品質等表示に過ぎず、その他の部分を要部として独立して取引に資されることから、「Wear」の文字の有無の差異は、全体として極めて近似しており、類似するとして、商標登録が拒絶されていることが確認できる。
ウ 本件商標と引用商標1との類否
本件商標と引用商標1との類否について検討するに、本件商標は、その構成中の「Energy」の文字部分が要部であるから、該文字より「エナジー」の称呼を生じ、引用商標1も「エナジー」の称呼を生じるから、両商標は、称呼において明らかに類似の商標である。
次に、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字列より、英語で「エネルギー」の観念を生じ、引用商標1は、「ENERGIE」の文字列より、フランス語、ドイツ語、オランダ語、ラテン語、ポーランド語で「エネルギー」の観念を生じるから、両商標は、観念においても明らかに類似の商標である。
さらに、本件商標は、その構成中の要部が、「Energy」の欧文字で表されているのに対して、引用商標1は、「ENERGIE」の欧文字で表されているから、両外観は、互いに語頭から五文字目までの欧文字「E」、「N」、「E」、「R」、「G」を共通にするから、両商標は、外観においても明らかに類似の商標である。
以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、称呼、観念、外観のいずれにおいても類似の商標である。
エ 小結
以上により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号について
ア 引用各商標の周知著名性
申立人の「ENERGIE」の商標(標章)は、イタリアのシックスティ・グループが考案した商標(標章)として、少なくとも1989年には使用開始され、現在に至るまで継続して使用しているところ、イタリア発祥のファッションブランドとして、一般の取引者及び需要者に認識され、また、業界紙やウェブサイトにおいて多数掲載されていることが証される。また、引用各商標が申立人に移転されていることから、その長年にわたり商標に蓄積された信用は、申立人に引き継がれたものと考えるのが自然である。よって、引用各商標は、申立人の商標として現在ではファッションに関する業界における取引者・需要者において、広く認識されているものということができる(甲第22号証ないし甲第103号証)。
イ 本件商標と引用各商標との類否
本件商標と引用各商標から生ずる称呼を比較するに、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字列より「エナジー」の称呼を生ずる。これに対して、引用各商標は、「ENERGIE」の文字列より「エナジー」の称呼を生ずる。したがって、両商標は、互いに同一の称呼を生ずる称呼上類似する商標である。
次に、本件商標と引用各商標から生ずる観念を比較するに、本件商標は、その構成中の要部「Energy」の文字列より英語で「エネルギー」の観念を生ずる。これに対して、引用各商標は、「ENERGIE」の文字列よりフランス語、ドイツ語、オランダ語、ラテン語、ポーランド語で「エネルギー」の観念を生ずる。したがって両商標は、互いに同一の観念「エネルギー」を生ずる観念上類似する商標である。
最後に、本件商標と引用各商標から生ずる外観を比較するに、本件商標は、その構成中の要部が、「Energy」と欧文字で表されている。これに対して、引用各商標は、「ENERGIE」と欧文字で表されている。両外観を対比すると、互いに語頭から五文字目までの欧文字「E」、「N」、「E」、「R」、「G」を共通にする。したがって、両商標は、外観においても明らかに類似の商標である。
ウ 小結
以上の事実を総合的に考察すれば、かかる申立人の周知著名な商標である引用各商標と類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号にも該当するのみならず、申立人の業務に係る商品と混同をきたすおそれがあるから、同第15号にも該当する。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43の2条第1号の規定により取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「Energy Wear」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「Energy」と「Wear」の各文字部分は、1字程度の間隔を空けて同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
ところで、本件商標の構成中、前半の「Energy」の文字は、「活力、エネルギー」等の意味(小学館ランダムハウス英和大辞典)を有し、「Wear」の文字は、「身に着けている,着ている,帯びている」の意味を有する英語(甲第4号証)として我が国において親しまれているものである。
そして、本件商標は、その構成文字全体に相応して生じる「エナジーウエア」又は「エネルギーウエア」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく一連に称呼し得るものである。
申立人は、「Wear」の文字(語)は、「衣服、服」を表し、被服の分野において識別力を有しない品質表示として捉えられることは、甲第5号証ないし甲第13号証の審決例からも明らかであり、品質等表示にあたる旨主張する。
しかしながら、「Wear」の文字(語)について、甲第4号証をみると、「身に着けている,着て[履いて,かぶって,はめて]いる,帯びて[携えて]いる」、及び名詞として「着用,使用,着用物,衣服」等の記載があり、前記意味を有する英語であるといえるところ、「wear」の語は、例えば「eyewear」が「メガネ、サングラス」等を、「footwear」が「はき物」を表すように、他の語と共に使用されることによって具体的な内容を表すものであるから、該語が「衣服」等の意味を有するとしても、本件商標の指定商品である「セーター類,ワイシャツ類,靴下,手袋,帽子」との関係においては、特定の商品を表したものということができない。
そうとすると、本件商標は、構成文字全体に相応して、「エナジーウエア」又は「エネルギーウエア」の称呼を生じ、一体不可分の一種の造語を表したものとみるのが自然であるから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、前記第2のとおり、「ENERGIE」の欧文字を書してなるものであるところ、該文字は、フランス語やドイツ語の「Energie」と同一の綴り字であり、「エネルギー、活力」等の意味を有するものとして、我が国において知られているといえるものであるから、これよりは「エネルギー」又は「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生ずるというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標1との類否
本件商標より生ずる「エナジーウエア」又は「エネルギーウエア」の称呼と引用商標1より生ずる「エネルギー」又は「エナジー」の称呼とは、「エナジー」又は「エネルギー」の部分において共通するものの、後半部において、「ウエア」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、明確に聴別することができ、本件商標と引用商標1とは、称呼上、区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標1とは、外観上、判然と区別し得るものであり、また、本件商標は、特定の観念が生じないものであるのに対し、引用商標1からは「エネルギー」の観念を生ずるものであるから、両商標は、観念において共通するところがない。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第10号、同第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠をみると、「ENERGIE」の文字が、申立人の業務に係る商品、主として「ジーンズパンツ、Tシャツ、スニーカー、サンダル、ジャケット」を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国で使用されている(甲第25号証ないし甲第28号証及び甲第35号証ないし甲第98号証)ことが認められる。
しかしながら、日本国内での売上を裏付けるとするインボイス(写し:甲第31号証)の数量をみると、例えば、「2009年6月29日」のインボイス(写し)には、スニーカーやサンダルの数量が総数として「18」と記載され、「2010年12月21日」のインボイス(写し)には、アクセサリー、ニットウエア、Tシャツ等の数量が総数として「712」と記載されていることが認められるとしても、該数量は、この種商品の1回の取引としては決して多いものということができず、また、日本国内における売上表(甲第32号証)については、申立人作成の表であり、いかなる商標が使用され、どのような商品についての売上であるかを確認することができない。さらに、世界各国での売上を裏付けるインボイス(写し:甲第33号証)及び全世界における年間広告費用(甲第34号証)等の提出された証拠によっては、我が国における広告・宣伝の方法及び回数やその内容等についての状況が明確ではなく、その他、引用各商標に係る使用の開始時期、営業の規模(店舗数や売上高)等については、確認することができない。
そうすると、申立人の引用各商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において周知、著名であったものと認めることができない。
また、本件商標と引用各商標とは、上記1の本件商標と引用商標1の場合と同様に、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であり、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだせないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2013-05-01 
出願番号 商願2011-80417(T2011-80417) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (X25)
T 1 651・ 262- Y (X25)
T 1 651・ 261- Y (X25)
T 1 651・ 25- Y (X25)
T 1 651・ 271- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小出 浩子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 原田 信彦
田中 亨子
登録日 2012-08-03 
登録番号 商標登録第5511290号(T5511290) 
権利者 株式会社エムアイティインク
商標の称呼 エナジーウエア、エネルギーウエア、エナジー、エネルギー 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 

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