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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W44
審判 全部申立て  登録を維持 W44
審判 全部申立て  登録を維持 W44
審判 全部申立て  登録を維持 W44
管理番号 1274072 
異議申立番号 異議2012-900340 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-11-20 
確定日 2013-05-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5519498号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5519498号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5519498号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成24年6月21日に登録出願され、第44類「美容」を指定役務として、同年8月17日に登録査定、同年9月7日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第93号証を提出した。
1 引用する商標について
(1)申立人が使用する商標
申立人が使用する商標は、甲第2号証として示された商標(以下「使用商標」という。)であって、「Cache」の欧文字を横書きしてなり(決定注:「Cache」の欧文字には、語尾の「e」においてアクサン記号(アクサン-テギュ)が付してある。以下、アクサン記号が付された文字については括弧で括り、「(e)」のように表す。)、2001年8月から現在に至るまで、申立人が現に使用しているものである。
(2)引用する登録商標
登録第5441186号商標(以下「引用商標」という。)は、「Cache」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年6月21日に登録出願され、第44類「美容,理容」を指定役務として、同年9月30日に設定登録されたものである。
2 商標法第4条第1項10号について
(1)本件商標と使用商標との対比
ア 外観
本件商標は、別掲のとおり、上段に「cashe」び欧文字と「e」の欧文字との間に小さなくさび状図形を配してなるもの(決定注:以下、その全体を「cashe`e」のように表す。)、下段に「カシェ」の片仮名を配してなるものである一方、使用商標は「Cach(e)」の欧文字を横書きしてなるものであるから、両商標は、外観において相違する。
イ 称呼
本件商標は、「cashe`e」の欧文字と「カシェ」の片仮名とを2段に横書きしてなるところ、下段の「カシェ」の片仮名は、上段の「Cashe`e」の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し、理解することができるから、本件商標に接する需要者は、「Cashe`e」の欧文字を「カシェ」と称呼するものと解すべきである。
また、商標権者に係るウェブページ(甲第4号証)によれば、「Cashe`e」について、「カシェ」の片仮名を付して使用している事実があることからすれば、商標権者においても、本件商標の「Cashe`e」は、取引者、需要者に対し、「カシェ」と称呼させることを予定しているものといえる。
してみれば、本件商標は、「カシェ」の称呼が生じる。
他方、使用商標は、アクサン記号付きの「(e)」が用いられており、また、使用役務である美容等においては、役務の提供に際して用いられる化粧品等と同様にファッション性が重視され、その主要な需要者が女性であることもあって、仏語をもって商標等が採択されている傾向にあるといえる。
そうすると、使用商標は、「隠れた」、「秘密の」、「見えない」等の意味を表す仏語と解して、「カシェ」との称呼が生じると解するのが自然であり(甲第5号証)、また、仏語の「Cache」は、「カシェ」と称呼され、「隠れ場所」等の意味を有する語として、日本国内において広く使用されているものである(甲第6号証ないし甲第9号証)。
してみれば、使用商標は、取引者、需要者がこれを英語と解して称呼することはないと解すべきである。
したがって、本件商標と使用商標とは、称呼において共通する。
ウ 観念
一般に、商標が造語からなる場合、当該商標からは特定の観念を生じないと解されるところ、商標権者に係るウェブページ(甲第4号証)に、「Cache`e=仏語で『隠れ家』を意味します。(中略)Cache`eをCashe`eの綴りに変えたのは、Cache`e(隠れ家)の中にShe(彼女)が隠れてる、秘かにそんな意味を込められています。」との記述がある。
そうすると、本件商標は、当該ウェブページに接した取引者、需要者に対して、「隠れ家」や「隠し場所」等の観念も生じさせると解される。
また、本件商標と上記「Cache`e」の差異は、欧文字部分の3文字目が「s」か「c」の差にすぎず、このような差異は、文字の中間にあって見過ごしやすいものといえる。そうすると、取引者、需要者においては、本件商標を上記「Cache`e」と誤認する場合がある。その結果、当該ウェブページに接しない取引者、需要者においても、本件商標から「隠れ家」や「隠し場所」等の観念を生じさせ得ると解される。
他方、使用商標は、上述したとおり、取引者、需要者は、「隠れた」等の意味を有する仏語と認識すると解されるから、当該使用商標は、「隠れた」、「秘密の」、「見えない」等の観念が生じる(甲第5号証)。
したがって、本件商標と使用商標とは、観念において共通する。
(2)役務の同一性
使用商標は、申立人の業務に係る役務「美容,理容」を表示するものとして使用されている(甲第10号証ないし甲第20号証)から、使用商標の使用に係る役務は、本件商標の指定役務と同一又は類似である。
(3)使用商標の周知性
申立人は、2001年8月にヘアーメイクサロン「Cach(e)」を創業し、現在に至るまでその事業を展開しており、使用商標は、創業以来、現在に至るまで、長年にわたり美容の役務において使用している(甲第10号証ないし甲第20号証)。
そして、ヘアーメイクサロン「Cach(e)」は、関西等の西日本を中心に発行されている女性向けファッション雑誌「カジカジH(ヘア)」や「関西girl’s style exp」に掲載されており、また、全国的に発行されている女性向けファッション雑誌等にも紹介されているものであり(甲第21号証ないし甲第72号証及び甲第80号証ないし甲第93号証)、少なくとも本件商標の登録出願日から現在に至るまで、関西を中心に、少なくとも三重県等を含む近隣の県において、需要者の間に広く知られているものである。
(4)小括
以上によれば、使用商標は、関西を中心に、少なくとも三重県等を含む近隣の県において、申立人の業務に係る役務「美容」を表示するものとして周知である。
そして、本件商標と使用商標とは、外観において異なるものの、称呼及び観念において同一又は類似するから、両商標は、類似するものであり、また、本件商標の指定役務は、使用商標の使用に係る役務と同一又は類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項10号に違反して登録されたものである。
3 商標法第4条第1項11号について
(1)本件商標と引用商標との対比
ア 外観
本件商標は、別掲のとおり、上段に「cashe`e」の欧文字が横書きされ、下段に「カシェ」の片仮名が前記欧文字より小さく横書きされている一方、引用商標は、「Cache」の欧文字を横書きしたものであるから、両者は、外観において相違する。
イ 称呼
本件商標は、「cashe`e」の欧文字と「カシェ」の片仮名とを2段に横書きしてなるところ、下段の「カシェ」の片仮名は、上段の「Cashe`e」の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し、理解することができるから、本件商標に接する需要者は、「Cashe`e」の欧文字を「カシェ」と称呼するものと解すべきである。
また、上記2(1)イで述べたとおり、商標権者は、「Cashe`e」の欧文字について、取引者、需要者に対し、「カシェ」と称呼させることを予定しているものといえる。
してみれば、本件商標は、「カシェ」の称呼が生じる。
他方、引用商標は、「Cache」の欧文字を標準文字で表したものであり、該欧文字を仏語と解した場合には、「カシェ」の称呼が生じ、該欧文字を英語と解した場合には、「キャッシュ」と称呼することも可能であるが、「Cache」を英語と解した場合の意味は、コンピュータ・IT分野において専門用語として用いられる「キャッシュメモリー」となり、その指定役務である美容等における取引者、需要者とは馴染みの浅いものとなる一方、指定役務の美容等においては、その役務の提供に際して用いられる化粧品等と同様にファッション性が重視され、その主要な需要者も女性であることから、仏語をもって商標等が採択されている傾向にあるといえる。
そうすると、引用商標の「Cache」については、仏語の「Cache」が「カシェ」と称呼され、「隠れ場所」等の意味を有する語として日本国内において広く使用されているものであることは、甲第6号証ないし甲第9号証で示すとおりであるから、引用商標は、「隠れ場所」等の意味を表す仏語と解され、「カシェ」の称呼が生じると解するのが自然である。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼において共通する。
ウ 観念
本件商標は、これに接する取引者、需要者において、「隠れ家」や「隠し場所」等の観念を生じさせ得ると解される。
他方、引用商標は、上述したとおり、取引者、需要者は、「隠れ場所」等の意味を有する仏語と認識すると解されるから、「隠し場所」、「隠れ場所」、「小紙片」、「キャッシュメモリ」等の観念を生じ(甲第5号証)、また、引用商標を英語として認識した場合にも、「(隠し場の)貯蔵物」、「隠し場」、「キャッシュ」等の観念を生じ得る(甲第73号証)。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において共通する。
(2)役務の同一性
本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似である。
(3)取引の実情
ア 本件商標は、三重県松阪市に所在するヘアーサロンにおいて使用されている(甲第74号証)。
イ 引用商標は、申立人の商号商標であり、申立人が経営する店舗は、全国的に発行されているファッション雑誌等でも紹介されているものであり(甲第21号証ないし甲第72号証及び甲第80号証ないし甲第93号証)、ヘアーメイクサロンとして、少なくとも本件商標の登録出願日から現在に至るまで、関西を中心に、少なくとも三重県等を含む近隣の県において、需要者の間に広く知られているものである。
したがって、本件商標がその指定役務に使用された場合には、引用商標との間で役務の出所について誤認混同を生じさせる。
ウ 本件商標と引用商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は、本件商標がその指定役務に使用されている特殊的、限定的な実情に限定して理解されるべきではなく、当該指定役務についての一般的、恒常的な取引方法、需要者層、商標の使用状況等を総合した取引の実情を含めて理解されるべきである(昭和47年(行ツ)第33号参照)。
引用商標は、上述のとおり、申立人の商号商標であり、申立人が経営する店舗は、全国に発行されている美容専門雑誌等でも紹介されているものである一方、本件商標の現在の取引の実情は、商標権者の店舗の所在地である三重県松阪市を中心に、少なくとも三重県で使用されている(甲第74号証)ものであるが、引用商標の上述のような取引の実情を考慮すると、本件商標が現に三重県でのみ、その指定役務に使用されているとの特殊的、限定的な実情に限定して考慮されるべきではなく、現在の取引実情の一側面が今後も変化する余地のないものと判断されるのは適切でない。
したがって、本件商標は、その指定役務について使用された場合には、引用商標との間で役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるといえる。
エ 美容業界においては、美容室等の新規開店や店舗の紹介等を行うための広告・宣伝は、新聞・チラシ・雑誌等の紙媒体のみで行われるものではなく、画像又は音声を用いた広告・宣伝媒体が選択されるものである。そして、実際に美容業界において、その店名等を告知する方法として、テレビ・ラジオ・インターネット上の動画等によるCMが利用されている(甲第76号証ないし甲第79号証)。
このような広告・宣伝が行われていることからすれば、音声を用いた広告・宣伝に対する人の耳からの記憶(商標の称呼)が出所の識別に重要な役割を果たしているものといえ、本件商標の指定役務と同一又は類似である引用商標の指定役務「美容,理容」の分野においても称呼は重要であるから、本件商標と引用商標との類否を判断する上で、称呼の果たす役割も大きいといえる。
(4)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、外観において異なるものの、称呼及び観念において同一又は類似するから、両商標は、類似する。
また、本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似する。 さらに、本件商標がその指定役務に使用された場合には、引用商標との間で、役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれがある。
(5)小括
以上によれば、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項10号について
(1)使用商標の周知性
申立人は、使用商標が、関西を中心に、少なくとも三重県等を含む近隣の県において、申立人の業務に係る役務「美容」を表示するものとして、需要者間に周知である旨述べているので、以下検討する。
ア 申立人は、2001年8月に大阪市西区に開業した(甲第10号証)ことが認められる。
イ 申立人は、使用商標が「カジカジH」、「関西girl’s style exp」、「za beat別冊」、「ar最新愛されヘアカタログ」、「ar」、「FRau」、「ps」、「TOMOTOMO」及び「Shinbiyo」の雑誌等における申立人の店舗を紹介する記事中に多数掲載されている旨主張する。
しかしながら、雑誌「カジカジH」(2002年ないし2012年発行:甲第21号証ないし甲第30号証、甲第32号証、甲第34号証、甲第37号証、甲第39号証及び甲第45号証ないし甲第53号証)は、地区(エリア)別関西サロンガイドとするものであって、222店掲載(甲第21号証)を含む100店以上の店舗について掲載されている雑誌であり、申立人店舗は、そのうちの一店舗として紹介されている。
また、「関西girl’s style exp」(2008年ないし2011年発行:甲第58号証ないし甲第62号証、甲第81号証及び甲第83号証ないし甲第85号証)は、例えば、「関西おしゃれガールズ 冬の着こなし240」(甲第58号証)及び「大阪 京都 神戸 人気ショップの春アイテム&着こなし最新情報145SHOP」(甲第81号証)等の文字で表紙を飾り、ヘアスタイル、着こなしや小物等ファッション全般に関して紹介されている雑誌であって、その中において申立人店舗が紹介されている。
さらに、全国ファッション雑誌とされる「ar愛されヘアカタログ」(2009年、2010年及び2012年発行:甲第55号証ないし甲第57号証)、「FRau」(2006年7月発行:甲第68号証)、「ps」(2006年5月及び同年11月発行:甲第70号証及び甲第71号証)及び「Shinbiyo」(2011年11月発行:甲第92号証)には、使用商標の記載があるものの、スタイリストの紹介とともに記載されている。
なお、「ar」(2005年9月発行:甲第66号証)及び「TOMOTOMO」(2012年7月発行:甲第86号証)には、使用商標の記載がなく、また、「Shinbiyo」(2009年8月ないし2011年4月及び2012年10月発行:甲第87号証ないし甲第91号証及び甲第93号証)にも、使用商標の記載が見いだせない上に、その掲載内容は、スタイリストの紹介といえるものである。
そうすると、申立人は、開業以来、自己の店舗について広告していることがうかがえるものの、上記の各雑誌には、営業地域を明示した申立人以外の多数の店舗も広告ないし紹介されていることからすれば、その読者は、自ずと自己に必要な情報のみに着目するとみるのが相当であり、掲載された申立人の店舗名を記憶に留めるとは必ずしもいい難い。
してみれば、申立人の店舗は、大阪市西区ないし近隣の在住者、あるいは勤務先等がある者には、その存在が一定程度知られているとはいえるとしても、使用商標「Cach(e)」が、申立人の業務に係る役務「美容」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標と認めることはできない。
(2)小括
以上によれば、使用商標は、本件商標の登録出願時において、需要者の間に広く認識されている商標とはいえないから、その他の要件について判断するまでもなく、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。
2 商標法第4条第1項11号について
(1)本件商標と引用商標との対比
本件商標は、別掲のとおり、「cashe`e」の欧文字及び「カシェ」の片仮名を上下2段に表してなるところ、その構成中、下段の「カシェ」の片仮名は、上段の「cashe`e」の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識できるものであり、また、該欧文字及び片仮名は、いずれも辞書類に載録が認められない語であって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるとみるのが相当であるから、その各構成文字に相応して、「カシェ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記第2のとおり、「Cache」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字について、例えば「ベーシック ジーニアス英和辞典」(2009年4月1日 株式会社大修館書店発行)の「Cache」の項には、「隠し場(所)、貯蔵所、(コンピュータ)キャッシュ(ひんぱんに使うデータを一時的に蓄える高速メモリ)」の記載、「大辞林 第三版」(2006年10月27日 株式会社三省堂発行)の「キャッシュ【cache】」の項には、「(隠し場、貯蔵所の意)キャッシュメモリー。」の記載、「イミダス編集部編imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典」(2006年4月30日 株式会社集英社発行)の「キャッシュ【cache】」の項には、「一度アクセスしたデータを高速のメモリー(RAM)に記録しておく機能.貯蔵庫.隠し場所.」の記載があることから、該欧文字は、一般に知られている英語であるといい得る。
また、「Cache」の欧文字は、仏和大辞典(甲第5号証)に成語としての記載が認められるものの、我が国における仏語の普及の程度に照らし、該語が本件商標の指定役務に係る主たる需要者である一般成人女性を含め、広く一般に知られているとはいい難い。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「キャッシュ」の称呼を生じ、「隠し場所」の観念を生じるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、特定の観念を生じない造語であり、引用商標は、「隠し場所」の観念を生じるといえるから、両商標は、観念において相違するといえる。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その構成文字において明らかな差異を有するものであるから、両者は、外観において区別できるものであり、また、本件商標から生ずる「カシェ」の称呼と引用商標から生ずる「キャッシュ」の称呼とは、その音構成及び構成音数において明らかな差異があるから、それぞれを一連に称呼するときは、互いに聴き誤るおそれはなく、観念においても相違する。
したがって、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、非類似の商標といわなければならない。
(2)小括
以上によれば、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標




異議決定日 2013-04-23 
出願番号 商願2012-50040(T2012-50040) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W44)
T 1 651・ 263- Y (W44)
T 1 651・ 25- Y (W44)
T 1 651・ 262- Y (W44)
最終処分 維持  
前審関与審査官 海老名 友子 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 酒井 福造
田中 敬規
登録日 2012-09-07 
登録番号 商標登録第5519498号(T5519498) 
権利者 株式会社Cashe`e
商標の称呼 カシェ 
代理人 小山 靖 

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