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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900307 審決 商標
異議2012900220 審決 商標
異議2012900265 審決 商標
異議2012900206 審決 商標
異議2012900292 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
審判 全部申立て  登録を維持 X30
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管理番号 1274056 
異議申立番号 異議2012-900263 
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-09-10 
確定日 2013-05-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5498983号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5498983号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5498983号商標(以下「本件商標」という。)は、「天上天地茶」の漢字を標準文字で表してなり、平成23年12月22日に登録出願、第30類「ティーバック入りの茶,茶飲料,その他の茶,茶を主原料としてなる粉末状・液体状・錠剤状・顆粒状・カプセル状・ゼリー状の加工食品,茶入りの菓子及びパン」を指定商品として、同24年5月1日に登録査定、同年6月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第13号証(なお、括弧内における証拠番号は、以下「甲1?甲13」のように省略して表す。)を提出した。
(1)引用商標
本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたとして、申立人が引用する登録第5291470号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(A)のとおり、「天地茶」の漢字を横書きしてなり、平成21年2月26日に登録出願され、第30類「茶」を指定商品として、同22年1月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
また、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に違反して登録されたとして、申立人が引用する申立人による使用商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(B)のとおり、「天地茶」の漢字を毛筆書体により横書き又は縦書きに書してなるものである(甲10)。
なお、引用商標1の商標権者である「株式会社True World Japan」は、申立人の親会社の親会社にあたる米国法人「True World Holding LLC」の子会社であり、申立人の関連会社にあたる。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、「天上天地茶」の文字を書してなるところ、前半の「天上」の文字部分は、「この上もないこと。物事の至りきわまること。」の意味を有する(甲4)ことから、該文字部分は、本件指定商品との関係において、「最上の」、「上質の」等、単に商品の品質を認識させる部分にすぎず、自他商品の識別機能を発揮することができない、又は該機能が極めて弱いというべきである。
他方、後半の「天地茶」の文字部分は、そのような語が辞書等に収録されているものではなく、特に、「天地」の語は、「天と地。天壌。あめつち。宇宙。世界。世の中。書物・荷物などの、うえした。」等の意味を有し(甲5)、本件指定商品の内容とは無関係であって、極めて強い自他商品の識別標識としての機能を発揮するものであるから、「天地茶」の文字部分は、本件指定商品との関係で、一種の造語として極めて強い自他商品の識別標識としての機能を発揮するものであるというべきである。
よって、本件商標に接した需要者又は取引者は、本件商標の構成文字中の極めて強い自他商品の識別標識としての機能を発揮する「天地茶」の文字部分をもって商取引に資するとみるのが一般的な取引の実情に照らして相当であり、本件商標からは、該構成文字に相応し、「テンチチャ」の自然的称呼のみが生ずるとみるのが相当というべきである。
イ 引用商標1について
引用商標1は、「天地茶」の文字を書してなり、該文字に相応して、「テンチチャ」の称呼が生ずる。
ウ 本件商標と引用商標1との対比
本件商標と引用商標1からは、共に同一の自然的称呼「テンチチャ」が生ずるため、本件商標と引用商標1とは、互いに類似するものといわなければならない。
エ 「茶」に係る具体的な取引の実情
「茶」の商取引に際しては、商品名とともに「極上」、「特選」等の表示を用いることにより、商品の品質の差を表している例が多く見受けられる(甲7,甲8)。需要者又は取引者は、商品名とともに「極上」、「特選」の表示が用いられた商品に接した際には、該商品名に係る商品と同じシリーズの商品であって、品質が上等なものであると無理なく認識するところである。
このような具体的な取引の実情にかんがみれば、本件商標に接した需要者又は取引者は、「天上」の部分を商品の品質を表す文字部分である認識し、「天地茶」の部分を商品名であると認識する可能性があることは、容易に想像することができる。
オ 小括
以上より、本件商標は、引用商標1に類似する商標にほかならない。
また、本件指定商品中の「ティーバック入りの茶,茶飲料,その他の茶」と引用商標1の指定商品は、互いに類似する。
よって、本件商標は、その指定商品中の「ティーバック入りの茶,茶飲料,その他の茶」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標2の周知性について
申立人は、アメリカ合衆国ニュージャージー州に所在し、主として、健康食品を取り扱う企業であり、現に、薬草をブレンドした健康茶である「天地茶」を販売している。申立人のホームページには、申立人の名称・住所及び引用商標2が掲載され、申立人が引用商標2を使用して茶の販売をしていることが分かる(甲10)。申立人の商品「天地茶」は、日本国内及び外国で広く親しまれ、少なくとも、2011年3月29日には、日本の企業に対して7,950USドルの売上げがあった。また、2011年7月30日には、韓国の企業に対して27,460USドルの売上げがあった。
また、申立人は、本件商標の登録出願前から引用商標2及び「天地茶」の英語表記の商標「TEN-CHI CHA」を使用し、また、該商標を使用すべく、自ら又は関連会社が商標登録を受けている。
さらに、日本に申立人の商品のファンは多く、該商品の効果を称賛するコメントが数多く寄せられている(甲13)。
したがって、引用商標2は、本件商標の登録出願前から、需要者又は取引者によって、申立人の商品を表す表示として広く認識されていたといえる。
イ 小括
以上によれば、引用商標2は、本件商標の登録出願前から、需要者又は取引者によって、申立人の商品を表す表示として広く認識されるに至っていることが分かる。
また、本件商標と引用商標2が類似することは、上述のとおり、本件商標と引用商標1が類似する上、引用商標1と引用商標2が同じ構成文字からなることから明らかである。
さらに、申立人による引用商標2の使用に係る商品は「茶」であり、本件指定商品中の「ティーバック入りの茶,茶飲料,その他の茶」と類似する。
よって、本件商標は、その指定商品中の「ティーバック入りの茶,茶飲料,その他の茶」について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
引用商標2は、本件商標の登録出願前から、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者又は取引者の間に広く認識されているところ、茶や飲料を製造・販売する者又はそれと関連する者が姉妹商品として、該茶や飲料に関連する菓子その他の食品を製造・販売する例が多く見受けられることから、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
(5)商標法第4条第1項第19号について
申立人が使用する引用商標2と類似する本件商標の採択自体、申立人の業務上の信用にフリーライドする意図を有し、また、申立人の業務上の信用を毀損し損害を加える目的を有することは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
(6)商標法第4条第1項第7号について
申立人が使用する引用商標2は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者又は取引者の間に広く認識されているところ、本件商標は、不正の目的をもって、引用商標2と類似する商標を剽窃的に登録出願したものであるから、本件商標の登録出願は、公正な商標秩序を乱すものというべきであり、ひいては、社会公共の利益に反するものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
(7)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号、同項第15号、同項第19号及び同項第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録が取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)引用商標2の周知性について
申立人は、引用商標2が周知である旨主張して、甲第10号証ないし甲第13号証を提出しているが、これらは、申立人のホームページの一部を紙打ち出ししたもの(甲10,甲13)、韓国における「TEN-CHI CHA」の登録情報(KIPRISデータベース)(甲11)及び米国における「TEN-CHI CHA」の登録証の写し(甲12)のみである。
そうすると、上記証拠からは、引用商標2を付した商品が申立人により販売されていること、並びに商標「TEN-CHI CHA」が韓国及び米国において商標登録されていることは認められるが、これをもって、引用商標2が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は同人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されているとはいい難い。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「天上天地茶」の漢字を同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表されており、その構成文字全体に相応して生じる「テンジョーテンチチャ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、申立人は、本件商標の構成中、前半の「天上」の文字部分が「この上もないこと。物事の至りきわまること。」の意味を有する(甲4)ことから、該文字部分は、本件指定商品との関係において、「最上の」、「上質の」等、単に商品の品質を認識させる部分にすぎず、自他商品の識別標識としての機能を発揮することができない、又は該機能が極めて弱いというべきである旨主張しているが、「天上」の文字が、申立てに係る指定商品を取り扱う業界において、「茶」等の品質を表す語として、取引上、一般に使用されているとみるべき証拠は見いだせない。
また、本件商標の構成中、「天上」の文字は、上記の意味を有するほか、「そらのうえ。そら。天へのぼること。」の意味を有し(甲4)、同じく「天地」の文字は、「天と地。宇宙。世界。」の意味を有するものであって、自他商品の識別標識として、本件商標における「天上」の文字と「天地」の文字との間に、観念上、特に軽重の差があるということもできない。
そうすると、本件商標は、外観上一体的に表現され、その称呼も特段冗長ではないから、一連一体にみられるものであり、また、観念上も「天上」の文字部分が商品の品質を表す語として認識されるなど特段の事情もなく、本件商標に係る指定商品の普通名称又は品質表示といえる「茶」の文字部分を捨象して理解、把握されることはあるとしても、「天地茶」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとはいえないことから、本件商標は、その構成中の「天上」の文字部分を捨象し、「天地茶」の文字部分だけを引用商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されないというべきである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「テンジョーテンチチャ」及び「テンジョーテンチ」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生ずるものではない。
イ 引用商標1について
引用商標1は、別掲(A)のとおり、「天地茶」の漢字を横書きしてなるものであるから、「テンチチャ」及び「テンチ」の称呼を生じものであり、また、その構成全体からは、特定の観念は生じないものの、「天地」の文字部分からは「天と地」ほどの観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標1との類否について
(ア)外観
本件商標と引用商標1とは、前記1及び別掲(A)のとおりの構成からなり、「天地茶」の文字を共通にするが、冒頭部分における「天上」の文字の有無という顕著な差異を有するから、両商標は、時と所を異にして観察しても、外観上、互いに紛れるおそれがなく、十分区別し得るものである。
(イ)称呼
本件商標は、上記アのとおり、「テンジョーテンチチャ」及び「テンジョーテンチ」の称呼を生ずるものであり、引用商標1は、上記イのとおり、「テンチチャ」及び「テンチ」の称呼を生ずるものであるから、両称呼は、「テンチチャ」又は「テンチ」の音を共通にするが、称呼における識別上重要な冒頭部分における「テンジョー」の音の有無という顕著な差異を有するから、称呼上、互いに紛れるおそれがなく、十分聴別し得るものである。
(ウ)観念
本件商標は、上記アのとおり、特定の観念を生ずるものではなく、引用商標1は、上記イのとおり、その構成全体から特定の観念を生じないものの、「天地」の文字部分からは「天と地」ほどの観念を生じるものであるから、両商標は、観念上、互いに紛れることはない。
(エ)取引の実情
本件商標と引用商標1とは、これらを同一又は類似する商品について使用した場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき取引の実情を見いだせない。
(オ)小括
以上によれば、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれはなく、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、その商品の出所の混同を生ずるおそれがあるとは認められない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また、引用商標2が引用商標1と同一の文字構成からなるものであることからすれば、本件商標と引用商標2とは、上記(2)において、本件商標と引用商標1とが非類似の商標であると判断したことと同様に、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。
してみれば、本件商標は、その指定商品が引用商標2の使用に係る商品と同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。
さらに、上記のとおり、引用商標2の周知性が認められないことに加え、本件商標と引用商標2が非類似の商標であることからすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、申立人又は引用商標2を想起、連想させるものとはいえず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は同人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されていると認めることはできないものであり、また、上記(3)のとおり、本件商標と引用商標2とは類似するものではない。そして、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、本件商標権者が、不正の目的をもって本件商標を登録出願し、商標登録を受けたと認めるに足る具体的な事実を見いだすことはできない。
そうとすれば、本件商標は、引用商標の出所表示機能を希釈化させ、申立人の名声を毀損させる目的、その他不正の目的をもって使用するものとは認め難いものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとはいえない。
(5)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、同人が使用する引用商標2は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者又は取引者の間に広く認識されているところ、本件商標は、不正の目的をもって、引用商標2と類似する商標を剽窃的に登録出願したものである旨述べているが、引用商標2について、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は同人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されていると認めることはできないこと、また、本件商標と引用商標2とが類似するものではないこと、上記のとおりであり、申立人の主張は、その前提を欠くものである。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標ということはできないから、商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(A)引用商標1(登録第5291470号商標)

(B)引用商標2




異議決定日 2013-04-23 
出願番号 商願2011-92590(T2011-92590) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X30)
T 1 651・ 25- Y (X30)
T 1 651・ 271- Y (X30)
T 1 651・ 263- Y (X30)
T 1 651・ 222- Y (X30)
T 1 651・ 261- Y (X30)
T 1 651・ 22- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 冨澤 美加 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 田中 敬規
酒井 福造
登録日 2012-06-08 
登録番号 商標登録第5498983号(T5498983) 
権利者 株式会社さくらコーポレーション
商標の称呼 テンジョーテンチチャ、テンジョーテンチ 
代理人 山崎 行造 
代理人 杉村 憲司 
代理人 村松 由布子 

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