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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201212875 審決 商標
不服201116950 審決 商標
不服201222983 審決 商標
不服201225710 審決 商標
不服201217005 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X29
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X29
管理番号 1272586 
審判番号 不服2012-18364 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-09-20 
確定日 2013-04-10 
事件の表示 商願2011-58744拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、団体商標として登録をすべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「チーズ」を指定商品として、平成23年8月17日に団体商標として登録出願され、その後、指定商品については、当審における同24年12月28日付け手続補正書により、第29類「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・ネレミリア地方で生産されたチーズ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『パルミジャーノ レッジャーノ』を標準文字で表してなるところ、『パルミジャーノ』及び『レッジャーノ』は、ともにイタリア共和国、エミリア・ロマーニャ州に属する地域であって、それぞれ、『パルマの』、『レッジョ・エミーリアの』等の意を有する語である。そして、『チーズ図鑑(株式会社文藝春秋発行)』によれば、『パルミジャーノ・レッジャーノ』は、『(地方名 パルマの、レッジョ・エミリアの)』との簡易な注釈が付された上で、『産地 イタリア エミリア・ロマーニャ州、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ各県全域とボローニャ県の一部及びロンバルディア州マントヴァの一部』と紹介されており、『伊和中辞典第2版』には、それぞれ、『パルメザンチーズ』、『パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ』との和訳も紹介されていることからすれば、ともに、イタリア共和国の主要なチーズの産地であることが伺える。また、前記原産地で生産され、かつ、PDO(原産地呼称制度。イタリア共和国では『DOP』という。)の認定を受けたものだけが、『パルミジャーノ・レッジャーノ』と名乗ることができる、厳格な品質管理体制のもと生産されている実情が伺える。さらに、該名称は、我が国においても、イタリアチーズの産地を示すものとして、一般に広く親しまれているものということができる。そうとすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、イタリア産チーズの代表的な産地を表示したものと認識するにとどまるといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められるので、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記『イタリア エミリア・ロマーニャ州、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ各県、ボローニャ県、ロンバルディア州マントヴァ』で生産される商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字からなるところ、その構成中の「パルミジャーノ(parmigiano)」は、「パルマの」「パルマの人」を、「レッジャーノ(reggiano)」は、「レッジョ・エミリアの」「レッジョ・エミリアの住民」をそれぞれ意味するイタリア語(「小学館 伊和中辞典 初版」昭和58年1月10日発行)」であって、いずれもイタリアの地名に関連する語であるものの、これらを結合してなる本願商標は、特定の地名や地域を表したものと認識するものとはいい難い。
また、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」について、請求人提出の資料、同人の主張及び職権調査によれば、次の事実が認められる。
(1)請求人は、1934年に設立された、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの全生産者が加盟し、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの生産と販売及びその原産地表示を保護・管理する活動等を行っている非営利団体である。
(2)「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の名称は、イタリアの定められた原産地である「パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、マントヴァのポー川右岸、ボローニャのレーノ川左岸」で生産及び加工され、厳格な生産方法(生産基準)、管理された乳牛の給餌方法(給餌規制)及び品質選別と合格マークの押印(マーク規制)を要求する厳しい規則に従って生産され、かつ、請求人の鑑定に合格したものだけに付すことができる表示である。
(3)欧州連合(EU)は、数世紀にわたり受け継がれているノウハウに従って、職人が作り続けてきた高品質の製品を保護し、継承して行くために、その製品の品質と名称を保護・認証する「地理的表示(GI)」制度を設けているが、同制度の紹介や、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」が同制度の認定を受けた代表的な製品として、我が国でも別掲1のとおり広報活動が行われている。
(4)我が国の書籍には、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」について、別掲2のとおり、イタリアの特定の地域で生産された一定の品質が備わっているチーズとして掲載されている。
(5)我が国におけるチーズを取り扱う業界において、「パルミジャーノ レッジャーノ」が、イタリア産の特定の品質のチーズを表示するものとして、別掲3のとおり使用されている。
そうとすれば、我が国において、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の文字は、イタリアで定められた原産地で生産され、かつ、請求人による鑑定に合格したチーズの銘柄として用いられ、認識されていると判断するのが相当である。
また、当審において職権をもって調査するも、「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字が具体的な地域(地名)を表すものとして、取引上普通に使用されているという事実を見いだすことはできなかった
してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が本願商標を商品の産地又は販売地を表示したものと認識するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものであって、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(我が国における「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の広報活動)
(1)2004年4月28日付け日本食糧新聞には、「伊・仏合同でGI認証製品アピール 『3つの熟成ヨーロッパ!』日本でプロモ展開」の見出しの下、「パルミジャーノ・レッジャーノチーズ協会(伊、レッジョ・エミリア市)、パルマハム協会(伊、 パルマ市)、コンテ・チーズ生産者協会(仏、ポリニー市)の三協会は、欧州共同体(EC)、伊・仏両政府の協力で、『三つの熟成ヨーロッパ!』と題し三年間のプロモーション活動を日本で展開する、と発表した。21日、東京のホテルニューオータニで行われた記者会見で、欧州連合(EU)駐日欧州委員会代表部のフィリップ・デュポンテイユ一等書記官は『今回キャンペーンを行う三製品はいずれも欧州を代表する食品で、安全と品質を保証するGI認証を受けた品。国を超え一丸となってPR活動を行うことで、GI認証食品の(1)おいしさと高品質(2)トレーサビリティに裏打ちされた安全性をアピールし、日本での認知度向上、ひいては国際的なGI制度確立につなげたい』とあいさつした。」と記載されている。
(2)2005年11月18日付け日本食糧新聞には、「チーズなど欧州3協会が『3つの熟成ヨーロッパセミナー』開催」の見出しの下、「パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会とパルマハム協会、コンテ・チーズ生産者協会は、それぞれの輸出促進とGI(地理的表示)制度の啓もう・普及を目的に『3つの熟成ヨーロッパ』と題するプロモーションキャンペーンを展開している。その一環として4?5日、ホテル日航大阪とエコール辻大阪でトレードセミナーとレシピセミナーを開催。」と記載されている。
(3)2006年11月20日付け日本食糧新聞には、「『3つの熟成ヨーロッパ!』レシピコンテスト 徳永純司氏が最優秀賞受賞」の見出しの下、「ヨーロッパの代表的な地理的表示(GI)食品、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ、パルマハム、コンテ・チーズの伝統と手作りのおいしさを伝える『3つの熟成ヨーロッパ!』キャンペーンが、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会、パルマハム協会、コンテ・チーズ生産者協会共催で、初のレシピコンテストが開催された。」と記載されている。
(4)2008年9月12日付け日本食糧新聞には、「日本で『おいしい伝統 熟成ヨーロッパ』プロモーションキャンペーン実施」の見出しの下、「ヨーロッパには、限られた地域で生産される伝統的特産品が数多くあるが、数世紀にわたり受け継がれているノウハウに従って、職人が作り続けてきたこれらの高品質製品を保護し、継承していくために、EUでは、その製品の品質と名称を保護・認証する『地理的表示(GI=Geographical Indications)制度』を設けている。今回展開するキャンペーンは、EUのGI制度とともに、その認定を受けた伝統的製品のおいしさ、品質、安全性に対する認知度を高めることを目的とするもの。具体的なラベリングとして、食品のPDO(原産地呼称保護)やPGI(地理的表示保護)、ワインの原産地呼称統制であるAOCやDOCなどの表示がある。今回、キャンペーンの対象となっているパルマハムとパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズはPDO、ポートワイン&ドウロワインはDOCの認定を受けている代表的なGI製品。」と記載されている。
(5)2011年3月11日付け日本食糧新聞には、「日欧産業協力センター、フーデックスでEU地理的表示制度セミナー開催」の見出しの下、「日欧産業協力センターは2日、千葉県幕張メッセで開催した『FOODEX JAPAN(フーデックスジャパン)2011/第36回国際食品・飲料展』で、EUの地理的表示制度に関するセミナー『農産物食品に付加価値を与え地域ブランドを国際市場で守るには』を開催した。EUが進める地理的表示制度は、生産地や製法が品質や評価につながる農産物食品に用いられるもので、小規模生産者の多い欧州では不正なブランド品から生産者や消費者を守る効果的なシステムとして高く評価されている。セミナーの講師は、欧州委員会農業総局のフランシス・フェイ氏、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会のシモーネ・フィカレッリ氏、駐日ポーランド大使館のヨアンナ・ドピェラーワーコンコウォヴィッチ氏、ハンガリーのピック・セゲット社輸出担当のアルパド・ナギオール氏の4人がそれぞれ務め、担当部署・地域と同制度の関わりについて紹介した。・・・・・フィカレッリ氏は、約3500軒の酪農家と392の工場で生産されているパルミジャーノ・レッジャーノチーズについて紹介した。同チーズは、小規模生産者によるPDO(原産地呼称保護)ブランドの象徴であり、原産地生産が基本の農産品は、ノックダウン生産や工場移転する工業製品とは違って本質的に地域経済に根ざしているという点を説明、地域経済保護の観点からも同制度の有効性を訴えた。」と記載されている。

別掲2(書籍の記載)
(1)英和商品名辞典(初版 研究社)322頁には、「Parmigiano-Reggiano パルミジアノレジアノ」の見出しの下、「北イタリアのLombardia地方のいくつかの農村で作られる硬質チーズ。いわゆるパルメザンチーズ(Parmesan Cheese)の最高級品。900年以上も作られ続けている。その名称は、この地域で厳重な管理のもとに造られたチーズだけに与えられる公式名で、政府によって保護されている。」と記載されている。
(2)改訂調理用語辞典(全国調理師養成施設協会)960頁には、「パルミジャーノレジャーノ[parmigiano-reggiano]」の見出しの下、「=パルメザンチーズ」と記載され、「パルメザンチーズ[Parmesan cheese]」の見出しの下には、「イタリア北部のパルマ付近原産のナチュラルチーズ。イタリアのパルマ地方で期間を限定して作られるものは、パルミジャーノレジャーノの名でも呼ばれる。」と記載されている。
(3)丸善食品総合辞典(丸善)868頁には、「パルミジアーノレジアーノ〔Parmigiano reggiano〕」の見出しの下、「→パルメザンチーズ」と記載され、「パルメザンチーズ〔Parmesan cheese〕」の見出しの下には、「北イタリアのポー川流域のパルマ地方で初めてつくられた超硬質チーズ。グラナチーズ(grana cheese)のなかでもっとも有名で、イタリア以外ではパルメザンチーズ(parmesan cheese)とよばれるが、正確にはパルミジアーノレジアーノ(parmigiano reggiano)という。牛乳を原料とし、固形分中脂肪含量32%、ドラム型、平均重量30kgである。1年から4年熟成し、硬く、褐色のリンドに烙印があり、淡黄色で粒状でもろく、砕けやすい組織をもち、鋭くぴりっとした独特の風味があり、粉末チーズ(grated cheese)に最適である。」と記載されている。
(4)チーズ図鑑(文藝春秋)239頁には、「(DOP)パルミジャーノ・レッジャーノ Parmigiano Reggiano(地方名 パルマの、レッジョ・エミリアの)」の見出しの下、「産地 イタリア エミリア・ロマーニャ州、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ各県全域とボローニャ県の一部及びロンバルディア州マントヴァ県の一部」及び「表皮 自然のもの。褐色で非常に固く約6mmと厚い。側面に名前が刻印されている。」と記載されている。

別掲3(チーズを取り扱う業界における使用例)
(1)小岩井乳業株式会社のウェブサイトにおいて、商品名「小岩井パルミジャーノ・レッジャーノブレンド6Pチーズ」の商品特性に「“チーズの王様”と呼ばれるイタリア産のパルミジャーノ・レッジャーノを10%ブレンドした6Pチーズ。」と記載されている。(http://www.koiwaimilk.com/company/news/news060823.html)
(2)「マイライフ手帳@ニュース」と称するウェブサイトにおいて、「『クラフト パルミジャーノ・レッジャーノ入り6P』は、イタリア産のパルミジャーノ・レッジャーノチーズを9%以上使用する。上品かつ芳醇な香りをもつパルミジャーノ・レッジャーノチーズの濃厚なコクと旨みを楽しめる本格的な味わいだとしている。パルミジャーノ・レッジャーノチーズは、イタリアを代表する熟成期間の長いハードタイプのチーズ。」と記載されている。(http://www.mylifenote.net/001/6p_6p_6p.html)
(3)エムケーフーズ株式会社のウェブサイトにおいて、「品名 パルミジャーノPCパウダー」の商品特性に「本場のパルミジャーノレジャーノを主原料とした顆粒状プロセスチーズです。」と記載されている。(http://www.mkfoods.co.jp/product/cat_c.html)
(4)チェスコ株式会社のウェブサイトにおいて、「パルミジャーノレジャーノ」について「原産国:イタリア」及び「『イタリアチーズの王様』とよばれています。」と記載されている。(http://www.chesco.co.jp/html/user_data/list/detail.php?id=23)
また、同ウェブサイトにおいて、「パルミジャーノレジャーノ 粉チーズ」について、「イタリア産パルミジャーノレジャーノを80%以上使用し、国内で加工しています。」と記載されている。(http://www.chesco.co.jp/html/user_data/list/detail.php?id=24)


審決日 2013-03-25 
出願番号 商願2011-58744(T2011-58744) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (X29)
T 1 8・ 13- WY (X29)
最終処分 成立 
前審関与審査官 茂木 祐輔 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 豊瀬 京太郎
梶原 良子
商標の称呼 パルミジャーノレッジャーノ、パルミジャーノ、レッジャーノ 
代理人 浜野 孝雄 
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