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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y45
管理番号 1272549 
審判番号 取消2011-301086 
総通号数 161 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-05-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-11-30 
確定日 2013-03-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第4713602号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4713602号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりからなり,平成15年1月20日に登録出願,第45類「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,祭壇の貸与」を指定役務として,平成15年9月3日に登録査定,同年9月26日に設定登録されたものである。
そして,本件取消の請求の登録は,平成23年12月21日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定役務中,「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,祭壇の貸与」について継続して,本件審判請求の前3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁書に対する弁駁
(1)乙第1号証の1及び乙第2号証の1は,いずれもチラシをコピーしたものであるが,チラシに,本件商標と同じような表示を記した短冊を貼り付けた感があり,不自然である。チラシを作成した事実があると主張するのであれば,コピーではなく,原本をもって証拠とすべきである。
(2)乙第1号証の2,乙第2号証の2は,印刷会社が発行したチラシの納品書であるが,それぞれにおいて,「町田駅前会堂けやき 施設案内A4版チラシ」,「けやき葬儀費用相談会A4版チラシ」と記載されていても,これが,直ちに,乙第1号証の1及び乙第2号証の1であるかどうかは不明である。
乙第1号証の1のチラシのコピーには,「町田駅前会堂けやき」の文字が記載されており,乙第2号証の2のチラシのコピーには,「けやき葬儀費用相談会」の文字が記載されているが,これだけでは証明は不十分である。
被請求人は,チラシの原本を添付した,印刷会社による証明書を提出すべきであり,納品を受けたチラシを,いつ,どのような方法で配布したのかを,第三者による証明をもって立証すべきである。より具体的には,新聞広告として配布されたのであれば,どの新聞に,どの販売店を通じて,いつごろに頒布されたのかを立証すべきである。
(3)本件商標には,「中央式典」という語が含まれており,これは中央式典株式会社という社名に由来する語と思われるが,この中央式典株式会社は,2003(平成15)年12月に,株式会社コムウェルセレモニーに社名変更され,また,2002(平成14)年7月には,株式会社中央互助センターも株式会社コムウェルに社名変更されている。
請求人が提出した甲第2号証から類推すると,乙第1号証の1及び乙第2号証の1のチラシが納品された2011(平成23)年は,社名変更をしてから8年が経過していることになるが,社名変更から8年経過してもなお,チラシの施設案内に旧社名を示す「中央式典」をそのまま記載している態様は不自然で,取引の実情からしても疑念を抱かざるを得ない。
(4)被請求人は,中央式典株式会社を株式会社コムウェルセレモニーに社名変更した後,「中央式典町田駅前会堂けやき」は使用せずに「コムウェルホール町田駅前会堂けやき」を統一して使用している。これは需要者に混乱を来たさないため,当然のことと推察するが,この事実を証明するため,請求人は甲第3号証の1,甲第3号証の2,甲第3号証の3を提出する。
これに反して,被請求人が提出した乙第1号証の1を見ると,裏面下の問い合わせ先の住所が「中央式典 町田駅前会堂けやき4F」と記載されており,社名変更から8年経過してもなお,「中央式典」を用いているのは,その上段に,株式会社中央互助センターが株式会社コムウェルの旧社名として明示している事実や,ホームページでは「中央式典町田駅前会堂けやき」を使用せずに,「コムウェルホール町田駅前会堂けやき」として統一して使用している事実と対比して見ても不自然である。
(5)本件商標の権利者は審判請求後に名義変更されているが,乙第1号証の1及び乙第2号証の1のチラシが発行された時期の権利者は,甲第2号証から類推すると,株式会社コムウェルセレモニーであるので,株式会社コムウェルに名義変更がなされ,同社が使用事実を証明すること自体も不可解である。
(6)本件商標の指定役務「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,祭壇の貸与」のうち,指定役務「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供」の使用事実については,何らの証拠もないので,使用事実を認めることはできない。
3 答弁書(第2回)に対する弁駁
(1)チラシについて
ア 乙第1号証の1及び乙第2号証の2のチラシの原本に記されている「中央式典町田駅前会堂けやき」は,本件商標と同一の外観構成をなしているが,いずれもチラシの一部に帯を形成して,その内に表記されており,チラシの印刷後に貼付けたような感がある。
乙第1号証の1のチラシは,株式会社コムウェル 町田営業支部(旧社名 株式会社中央互助センター)や,町田駅前会堂けやきの表記があるにもかかわらず,本件商標と同一の態様のものを表示している点は不自然である。コピー技術の発達した今日においては改ざんも容易に行うことができるので,実際に印刷され,配布されたチラシが改ざんされた可能性も否定し得ない。
イ 乙第3号証は,チラシの原本を印刷した業者による証明であり,被請求人は,印刷業者とは顧客,納入者の関係にあり,営業上も強い立場上にあるので,証明としては客観性を欠く。
ウ 乙第4号証は,被請求人の社員による証明で,客観性に欠くものであり,チラシを手配りで配布した事実は,この配布を受けた者の証明ないし証言がない限り,信憑性は疑わしい。被請求人は,日刊新聞などの折り込みや,広告代理店による宣伝広告の事実などを証拠にすべきである。
エ 乙第5号証も被請求人の社員の証明であり,客観性に欠く。
被請求人は,平成14年5月において,町田市の住民代表者と協議した結果,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」を使用し続けていると主張しているが,平成14年5月の時点では,被請求人の名称は,中央式典株式会社であるので,町田市の住民代表者と協議して,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」を葬儀場に使用することについて同意を得た事実は是認し得る。
しかし,これは,葬儀場としての名称であって,被請求人が社名変更した後も,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」を商標として使用していることの証明にはならない。
(2)写真について
乙第6号証及び乙第7号証は,葬儀会場の建物側面の外壁に記された表示を示すものであるが,これも,被請求人の社員によるものであり,客観性を欠き,証明として信憑性がない。
また,仮に,撮影日とする当日に建物の側面外壁に写真のような表示があったとしても,「町田駅前会堂」の文字が存在する限り,それは建物の表示であって,商標の使用態様とは言いがたいし,仮に,商標的使用態様として認められることがあっても,その外観構成は,社会通念上,本件商標と同一とはいえない。
(3)その他
ア 甲第4号証は,平成24年11月4日に現地において撮影されたものであり,建物の中央には,コムウェルグループのマークと思われる図形とともに,「コムウェルホール」と「町田駅前けやき」とが金文字で2段書きされており,建物の側壁には,「中央式典」の下に「町田駅前会堂けやき」を金文字で2段書きされているので,撮影された写真の表示は現在も存在することが確認された。
しかし,この表示が平成22年10月6日に存在していたかどうかは確認できていない。
イ 現地で配布を受けた甲第5号証のパンフレットには,「COMWELL HALL」と「町田駅前会堂けやき」の2段書き表記,コムウェルセレモニーの表記はあるが,「中央式典」の表示はなく,旧社名が「中央式典」であったことについては,その言及すらもない。
ウ 現地で配布を受けた甲第6号証は,コムウェルグループのサービス内容を顧客に宣伝するためのリーフレットであり,ここには,「コムウェルホール」や,「町田駅前会堂 けやき」についての言及すらない。
エ 以上の事実に照らすと,被請求人が,現在において,「町田駅前会堂けやき」において配布しているチラシには,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」の表示はないので,被請求人が本件審判の請求登録の前に本件商標を使用している事実を証明する資料は乙第1号証の1,乙第2号証拠の1のみと推察され,本件商標の使用事実の証明に極めて重要な資料となっている。
したがって,被請求人は,より客観性のある者による証明を行なうべきである。
オ 「会堂」とは,広辞苑などで調べると,「1.集会などに使う目的で建てた大きな建物,2.キリスト教の教会の建物」を意味し,それ自体は建物を意味する用語であり,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」は,通常の知識を有した日本人であれば建物の名称ないし,葬儀場の名称と理解するのが自然である。
また,仮に,葬儀場に,写真撮影のような表示が,被請求人の主張する撮影日にあっとしても,またそのような表示に商標的使用の側面があるとしても,この表示は,乙第6号証及び乙第7号証に見るように,「中央式典」,「町田駅前会堂」,「けやき」という標準文字を組み合わせているだけであるので,特別なデザイン文字を用いて「町田駅前会堂」と記し,更に「けやき」を縦書し,デザイン化して表示している本件商標とは,同じ外観をなすものではない。
以上を考慮すると,葬儀場の側壁に記された「中央式典 町田駅前会堂 けやき」は,商標的使用態様とは言えず,本件商標と社会通念上同一とはいえない。
4 総論
以上より,被請求人の答弁書では,商標権者等が日本国においてに「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,祭壇の貸与」の役務に本件商標を使用していた事実が客観的に立証されていないので,本件商標は,その指定役務について,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は,商標権者である株式会社コムウェル(旧社名:中央式典株式会社 本書面と同日付で登録名義人の表示変更登録申請を提出)の町田営業支部により,本件商標の指定役務である「婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,祭壇の貸与」について,本件取消審判の請求登録日以前より国内で継続的に使用されている事実がある(乙第1号証及び乙第2号証)。
(1)乙第1号証の1は,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」の施設案内用チラシである。
表面の右上に,商標法第70条第1項の規定により本件商標と同一の商標と認められるべき商標が表示され,表面の右下には指定役務の提供場所が示されている。
裏面には,指定役務の提供を受けるための掛金積立方式の会員募集案内が掲載されている。例えば,「ご利用可能なサービス」として,「完納後はもちろん,掛金が途中でもご婚礼・ご葬儀のどちらかにご利用いただけます。」との記載がある。
裏面の下端には,「ご入会のお問い合わせご相談は」として,商標権者の町田営業支部の名称と住所が表示されている。
(2)乙第1号証の2は,同号証の1について印刷会社が発行した納品書である。
この納品書は,同社が2011年2月24日(売上日付)に商標権者のセレモニー事業部に対し「町田駅前会堂けやき 施設案内 A4チラシ」を10,000枚納品した事実を証するものである。なお,乙第1号証の1の裏面右下隅に「2011.2.1」と表示されているのは,当該チラシの内容が2011年2月1日現在の情報に基づくものという意味である。
(3)乙第2号証の1は,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」の葬儀費用相談会案内用チラシである。
表面の中央右寄りに,本件商標と同一の商標と認められるべき商標が表示され,表面の右下には指定役務の提供場所が示されている。
表面の当該商標表示と提供場所表示の間には,相談会の日時を示す「6月11日 10:00?15:00(土)」の表示があるが,これは,2011年6月11日の土曜日午前10時から午後3時までの間に相談会を行うことを示すものである。なお,乙第2号証の1の裏面右下隅に「上記は,2011.4月現在の一例です。」と表示されている。
裏面には,「葬儀の執行,祭壇の貸与」に関する費用見積もりの例が掲載されている。即ち,「お見積もり提示金額 J3コースの場合 ¥697,175 親族:10名様 会葬者:10名様 計:20名様 会場:自社式場」の場合の「基本設営 ¥137,300」として,「祭壇一式,火葬費用他」と記載されており,これらが指定役務「葬儀の執行,祭壇の貸与」に関する費用を示すものであることは明らかである。
裏面の下端には,「ご葬儀費用相談会に関するお問い合わせは・・・」として,商標権者が統括するコムウェルグループの名と,問い合わせ先電話番号(町田駅前会堂「けやき」の代表番号)が表示されている。
(4)乙第2号証の2は,同号証の1について印刷会社が発行した納品書である。
この納品書は,同社が2011年5月10日(売上日付)に商標権者のセレモニー事業部に対し「けやき葬儀費用相談会 A4チラシ」を3,000枚納品した事実を証するものである
(5)乙第1号証の1及び乙第2号証の1について,その原本を添付した印刷所の印刷証明書を乙第3号証として提出する。
2 弁駁に対する反論
(1)乙第1号証の1及び乙第1号証の2のチラシを配布した事実について,株式会社コムウェルの公報企画室次長,岩尾淳氏作成の説明文を乙第4号証として提出する。これらのチラシは,株式会社コムウェルの社員が地域を分担して近隣家庭に手配り配布したものである。
(2)旧社名の要部を使用している理由について,上記岩尾氏作成の説明文を乙第5号証として提出する。当該施設の正式名称は地域住民との話し合いの結果決定されたもので,当該名称を変更するためには,改めて地域住民の承諾を得る必要があり,また,需要者である地域住民によく知られた名称であることから,社名変更に関わりなく本件商標を使用している旨である。
(3)被請求人のホームページにおける施設名称と実際の施設名称が異なる点は,ホームページ上の記載が誤っているためで,当該施設の正式名称は乙第5号証に記載のとおり,「中央式典 町田駅前会堂けやき」である。
(4)中央式典株式会社は株式会社コムウェルセレモニーに社名変更したが,株式会社コムウェルセレモニーは平成21年5月1日に株式会社コムウェルに合併されており,本件商標の商標権者は株式会社コムウェルである。
なお,当該事実の証明するために中央式典株式会社の閉鎖登記簿謄本と株式会社コムウェルセレモニーの履歴事項全部証明書を提出する。
(5)「婚礼(結婚披露宴を含む。)のための施設の提供」について,当該施設は「婚礼」にも使用することができるものである。
(6)被請求人は,本件商標の使用事実を証する新たな証拠方法として,当該施設の外観を撮影した写真を発見したので,乙第6号証及び乙第7号証として提出する。これらは,本件審判請求登録日以前の平成22年10月6日に上記岩尾氏が撮影したもので,建物外壁に「中央式典\町田駅前会堂けやき」と金文字で大きく表示されている事実を確認することができ,この商標表示態様は現在も変わらない。
本件商標と当該表示態様とは,文字の書体,特に「けやき」の書体が異なるが,全体として構成文字とその配置は同じであることから,商標の識別力に影響を与えない程度の変更使用で,乙第6号証及び乙第7号証に示す商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められるべきである。
3 以上とおり,本件商標の商標権者による本件審判請求の登録日前3年以内の本件商標の指定役務についての日本国内使用事実を立証し得たものと確信する次第である。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下のとおりである。
(1)乙第1号証の1は,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」の施設案内及び会員募集に関するチラシである。
該チラシの表面右上には,「中央式典 町田駅前会堂 けやき」(以下「使用商標」という。)が表示され,その構成中の「けやき」の平仮名部分のみ茶色で表されているものの,全体としての構成態様は本件商標と同一であるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標とみることができる。
そして,該チラシには,施設の外観の写真が掲載され,中央部分には,やや大きく「町田駅前会堂けやき」と表示され,その下には,「心から故人を偲び,ゆっくりとお別れをしていただける『1日1葬儀制』・・・お客様の立場に立ったセレモニーホールです。」「式場使用料・・・会員様価格10万円」との記載とともに,式場,遺族控室,お清め室の写真等が掲載されていることから,該チラシは,葬儀の執行,祭壇の貸与に関する役務の提供(以下「使用役務」という。)を内容とするものと認められる。
また,「ご入会のお問い合わせ ご相談は」として「株式会社コムウェル 町田営業支部(旧社名 株式会社中央互助センター)」,「本社/東京都杉並区阿佐谷南3-6-1」及びその右には「2011.2.1」との記載があることから,該チラシは,商標権者によるものであり,その内容は,2011年2月1日現在のものと推認できる。
(2)乙第1号証の2は,2011年2月24日付けの,株式会社正弘印刷から株式会社コムウェル セレモニー事業部(東京都杉並区阿佐谷南3-6-1)にあてた「納品書」であるところ,「商品コード/品名」に「町田駅前会堂けやき 施設案内 A4判チラシ」との記載及び「数量」及び「単位」に「10,000枚」との記載があり,その記載内容から,2011年2月24日に納品されたチラシは,乙第1号証の1のチラシとみて差し支えない。
(3)平成24年9月11日付けの上申書により提出された,中央式典株式会社の閉鎖登記簿謄本(写し)によれば,中央式典株式会社は,昭和57年9月24日に設立,平成11年1月12日に本店を東京都杉並区阿佐谷南3-6-1に移転し,平成15年12月1日に「株式会社コムウェルセレモニー」に商号の変更が登記されたことが記載されている。
そして,株式会社コムウェルの履歴事項全部証明書によれば,「株式会社コムウェルセレモニー」は,平成21年5月1日に「株式会社コムウェル」に商号を変更したことが記載されている。
2 前記1で認定した事実によれば,商標権者は,本件審判の請求の登録(平成23年12月21日)前3年以内である,乙第1号証の1のチラシが納品された2011年(平成23年)2月24日以降,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を表示した使用役務に関する該チラシを頒布したことが推認される。
そして,使用役務は,本件指定役務に含まれるものと認められる。
当該商標権者の行為は,「商品又は役務に関する広告,・・・に標章を付して・・・頒布・・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものと認めることができる。
なお,請求人は,乙第1号証の1のチラシについて,チラシの原本に記されている「中央式典町田駅前会堂けやき」は,チラシの一部に帯を形成してその内に表記されており,チラシの印刷後に貼付けたような感がある,株式会社コムウェルや町田駅前会堂けやきの表記があるにもかかわらず,本件商標と同一の態様のものを表示している点は不自然であり,実際に印刷され,配布されたチラシが改ざんされた可能性も否定し得ない旨主張するが,提出されたチラシの原本をみる限りにおいては,改ざんの疑義を抱くことができないものであるから,請求人のかかる主張は採用することができない。
また,請求人は,上申書(平成24年11月5日付)において,被請求人に対して早々に和解の条件を提示し,折り合いがつけば本件審判請求を取り下げる旨述べ,本件の審理の猶予を求めているので,審判長は,上記交渉の進捗について当事者双方に審尋したが,請求人の回答からは,譲渡交渉の具体的進捗が明らかでなく,また,被請求人は,和解交渉を行う意思を有していない旨回答していることから,本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと認め,審理を行うこととした。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が,請求に係る指定役務中「葬儀の執行,祭壇の貸与」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって,本件商標は,商標法50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 <本件商標>




審理終結日 2013-01-11 
結審通知日 2013-01-16 
審決日 2013-02-07 
出願番号 商願2003-3217(T2003-3217) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y45)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 洋子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
堀内 仁子
登録日 2003-09-26 
登録番号 商標登録第4713602号(T4713602) 
商標の称呼 チューオーシキテンマチダエキマエカイドーケヤキ、チューオーシキテン、マチダエキマエカイドー、エキマエカイドー、ケヤキ、チューオー 
代理人 沖本 周子 
代理人 奥村 公敏 
代理人 中井 宏行 
代理人 松本 正夫 

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