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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09
管理番号 1271221 
審判番号 取消2011-300735 
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-07-29 
確定日 2013-03-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4615591号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4615591号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成12年11月14日に登録出願され、第9類「ノートブック型コンピュータ及びその部品,携帯情報端末機(PDA),インターネット電話機,インターネット接続用電子計算機端末,コンピュータ入力タブレット,コンピュータゲームのコンソール型入出力装置,液晶ディスプレイモニタ,半導体装置(線形回路およびディジタル回路を含む),携帯用電話機,携帯用小型無線呼出し機,携帯用ラジオ送受信機,携帯用テレビジョン受信機,携帯用双方向性ビデオプレーヤー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成14年10月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、答弁に対する弁駁、口頭審理における陳述及び上申書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された形跡が見当たらない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)通常使用権者について
被請求人は、佐鳥電機株式会社(以下「佐鳥電機」という。)及び三信電気株式会社(以下「三信電気」という。)が日本における通常使用権者である旨主張するが、その証拠、例えば、ライセンス契約書等が一切提出されていない。
なお、乙第1号証に、両社が被請求人の代理店・取扱店と記載されていること、乙第4号証の佐鳥電機の「取扱いメーカー一覧」中に被請求人が記載されていること、乙第5号証の佐鳥電機の「製品案内」に被請求人が記載されていること、乙第8号証の「半導体デバイス」欄の「主な取り扱いサプライヤー」として被請求人が記載されていることによっては、佐鳥電機及び三信電気の両社が被請求人の商品を取り扱っている、又は、単に販売していることが窺えるにすぎず、両社が、本件商標に関する被請求人の通常使用権者であることを直接立証するものではない。
(2)乙第1号証ないし乙第6号証及び乙第8号証について
被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第6号証及び乙第8号証のウェブページは、2011年11月22日又は同月30日にプリントアウトされたものであり、本件審判請求の予告登録日である2011年8月22日(審決注:弁駁書中の記載「2011年8月18日」は、誤記と認められる。)よりも後であって、そもそも要証期間内のものではない。
したがって、これらの証拠は、被請求人又は通常使用権者が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で本件商標を使用していたことを何ら立証するものではない。
(3)使用商標について
被請求人が提出した証拠のうち、本件商標が表示されているのは、(ア)乙第1号証の2頁目、つまり、被請求人の英文ウェブページの左上、(イ)乙第7号証の販促印刷物の右上、(ウ)乙第8号証の4頁目、つまり、被請求人の英文ウェブページの左上と「COMPUTER」欄のノートパソコンの画面上、のみである。
先ず、前記(ア)と(ウ)についてみると、これらは被請求人の英文のウェブページであり、これら自体は日本における本件商標の使用とは認められない。
このことは、例えば、甲第3号証の審決においても明らかである。
次に、前記(イ)についてみると、乙第7号証は「LED照明制御IC」の販促印刷物とのことであるが、この販促印刷物の写真を、誰が、いつ、どこで撮影したものなのかのみならず、そもそもこの販促印刷物の頒布時期(つまり、本件商標の使用時期)、頒布場所等が一切不明である。なお、本件商標を表示した部分周辺が少し浮いているようにも見えることから、若干不自然な感もある。
なお、乙第5号証の4頁目及び乙第6号証に、ゴシック体で記載された「O2Micro」の文字を表示した商品の画像があるが、本件商標はあくまで、黒色の正方形の中に「O2」の文字を白抜きし、その右横に「Micro」の文字をデザイン化して配置し、さらに、その「Micro」の文字の下に識別力のある文字列「Breathing Life into Mobility」を表示した態様であるため、単にゴシック体で記載された「O2Micro」と本件商標とは社会通念上同一のものといえないことは明らかである。
また、乙第11号証及び乙第12号証の各インボイスの左上に記載の表示は、被請求人の商号を表した「O2Micro/INTERNATIONAL LTD.」であって、「Micro」文字の下に記載されている文字が「Breathing Life into Mobility」ではなく「INTERNATIONAL LTD.」である点で、本件商標と異なっており、本件商標と社会通念上同一のものではない。
このことは、例えば、甲第4号証の審決においても明らかである。
(4)乙第9号証及び乙第10号証について
被請求人によれば、乙第9号証及び乙第10号証(審決注:弁駁書中の記載「乙第10号証及び乙第11号証」は、誤記と認められる。)は、被請求人が佐鳥電機と三信電気に商品を販売してきた資料の写しとのことであるが、そもそもこれら資料には本件商標は一切表示されていないため、被請求人と佐鳥電機又は三信電気との間で何らかの商取引があったことは窺えるとしても、これらの証拠によって、被請求人又は通常使用権者と称する佐鳥電機と三信電気が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で本件商標を使用していたことを立証できるものではない。
3 平成24年6月19日付け口頭審理陳述要領書
(1)被請求人は、平成24年6月13日付けの口頭審理陳述要領書において、要旨、佐鳥電機及び三信電気が被請求人の日本の通常使用権者であることを再度主張すると共に、それを示す証拠として、被請求人と佐鳥電機との間で2011年7月に結ばれたという「Distributorship Agreement」(販売代理権契約書)(乙1及び乙13)を提出している。
しかし、前記「Distributorship Agreement」には、締結日が記載されていないばかりでなく、ライセンス対象となるはずの本件商標の登録番号がどこにも記載されておらず、更には、14頁の署名欄に被請求人と佐鳥電機のいずれの、署名も押印もない。したがって、前記「Distributorship Agreement」では、佐鳥電機が被請求人の本件商標の通常使用権者であることは全く立証されていない。
また、三信電気については、本件商標の通常使用権者であるとの主張を裏付ける証拠が一切提出されてない。
(2)被請求人は、2011年11月30日にプリントアウトされた佐鳥電機のウェブサイトの写し(乙5及び乙6)に、佐鳥電機が扱う「製品案内」として「半導体」が挙げられ(乙4)、そのなかに被請求人の名称とその製品が明確に示されていること、そして、被請求人の製品が佐鳥電機によって取り扱われてきたことは、乙第9号証によって明らかである旨を主張する。 しかし先ず、弁駁書において請求人が主張したとおり、佐鳥電機のウェブサイト(乙5及び乙6)は要証期間外のものであるので、その中の製品案内に何が記載されていようが、本件商標が要証期間内に使用されていたことを立証するものではない。また、佐鳥電機のウェブサイトに被請求人の名称とその製品が示されていることや佐鳥電機が被請求人の製品を取り扱っていることと、本件商標が使用されていることとは別の問題であって、この点に関する被請求人の主張は明らかに理由がない。
(3)被請求人は、本件商標の構成態様には「Breathing Life into Mobility」が小さな文字で含まれていることから、半導体製品に用いる際には商標をそのままの態様で示すスペースはなく、また商標をそのまま表すことは極めて非現実的であり、半導体製品に用いられている「O2Micro」(乙6)をもって登録商標の実質的使用に該当する旨主張する。
しかし先ず、他の文字と比して「Breathing Life into Mobility」という文字が小さく表示されているとしても、当該識別力のある語を削除した使用態様は明らかに登録商標と社会通念上同一と言える範囲を超えた使用である。
また、そもそも商標は必ずしも製品自体に付して使用する必要はなく、その製品パッケージ、インボイス、広告媒体等にも使用することが許されているのであるから、半導体製品に登録商標を使用するには十分なスペースがないとの主張は明らかに理由がない。
(4)被請求人は、乙第1号証によって、佐鳥電機と三信電気が被請求人の日本における販売代理店であることを示した旨を主張し、また、三信電気のウェブサイトの「半導体デバイス」の製品紹介ページに被請求人の名称があって、その製品紹介との関係で被請求人の英文ウェブサイト(乙8)の一部を用いて、その英文ウェブサイトの一部に本件商標が使用されていることをもって、本件商標が日本国内で要証期間内に使用されていた旨を主張する。 しかし先ず、弁駁書において請求人が主張したとおり、三信電気のウェブサイト及び被請求人のウェブサイト(乙8)は要証期間外の2011年11月30日にプリントアウトされたものであるので、その中の製品案内に何が記載されていようが、本件商標が要証期間内に使用されていたことを立証するものではない。
(5)乙第7号証について被請求人は、審理事項通知書における審判長からの「乙第7号証の販促印刷物は、その作成や使用時期・使用場所等が不明です。また、提出された証拠は不鮮明なため、表示されている商標と本件商標との同一性について判断できず、商標部分の周囲に陰影があり、広告全体とはー体的にみられないことから、不自然さを否めません。」との指摘に対して、何ら説明をしていない。
4 平成24年6月26日付け陳述要領書(2)
(1)被請求人は、平成24年6月25日付けの上申書において、要旨、佐鳥電機及び三信が被請求人の日本の通常使用権者であることを再度主張すると共に、それを示す証拠として、被請求人と佐鳥電機との間で2006年5月26日に、そして、被請求人と三信電気との間で2006年5月に結ばれたという「Distributorship Agreement」(販売代理権契約書)(乙14及び乙15)を提出している。
しかし、前記「Distributorship Agreement」には、ライセンス対象となるはずの本件商標の登録番号がどこにも記載されていない上、そもそも佐鳥電機や三信電気に本件商標をライセンスするとの明示的な規定もない。
したがって、乙第14号証及び乙第15号証では、佐鳥電機と三信電気が被請求人の本件商標の通常使用権者であることは全く立証されていない。
(2)さらに、被請求人は、佐鳥電機の担当者宛の集積回路製品に関する「FINAL FAILURE ANALYSIS REPOT」(最終製品故障分析報告)(乙16)を提出している。
しかし先ず、この「FINAL FAILURE ANALYSIS REPOT」は、その1頁の中頃にPDFファイルのマークがあることからして、(一般的に比較的改変が容易な)電子データを単にプリントアウトしたものであると思われる。また、例えば、その8頁の左欄の一番下の図表(P15)を見ると、その日付が本件報告書の作成日である2009年10月26日よりも後の2009年12月21日と記載されているようにも見える。さらに乙第11号証や乙第12号証のインボイスには、乙第16号証の報告書の作成時期を挟む前後の時期のものもあり、それぞれで異なる商標を付していることは不自然である。つまり、広告や販売時に本件商標を一切使用していないにもかかわらず、乙第16号証の報告書についてのみ本件商標を使用しているのは極めて不自然である。
以上からすると、乙16号証の証拠としての信憑性には相当疑問が残るといわざるを得ない。
仮に、乙16号証の報告書が証拠として成立するとした場合であっても、本件報告書は、広告や価格表等の「商品の販売時」の書類ではなく、単に顧客から不具合に関する問い合わせがあった際の報告書であり、商標法第2条第3項第8号に規定される「取引書類」に該当しないことは明らかである。
したがって、仮に、乙第16号証の報告書が証拠として成立するとした場合であっても、やはり本件商標が使用されていたことは立証されていない。
5 平成24年8月13日付け上申書
被請求人の次の主張(乙17の1ないし乙46)に対して、反論する。
(1)通常使用権者による使用について
ア 佐鳥電機及び三信電気は通常使用権者か
(ア)被請求人は、佐鳥電機及び三信電気は、被請求人の黙示の許諾による、本件商標の通常使用権者であると主張するが、この主張には理由がない。 通常使用権が商標権者の黙示の許諾により成立することは勿論であるが、許諾の明示がない場合に黙示の許諾があるとするには、商標権者の意思を、明示の許諾と同程度に評価することを肯定できるに十分な事実が必要となる。
被請求人と佐鳥電機の間の販売代理権契約(乙14)、及び被請求人と三信電気の間の販売代理権契約(乙15)のいずれにおいても、被請求人は、佐鳥電機及び三信電気に対して、商標その他の権利・利益の一切は被請求人が所有することの確認を求め(第11条)、さらに、「All uses of the Trademarks will inure solely to O2Micro and Distributor shall obtain no rights with respect to any of these Trademarks,other than the right to distribute the Products as set forth herein,」(第16条1項の8行目?10行目)と規定している。
まず、「All uses of the Trademarks will inure solely to O2Micro」であり、「商標の全ての使用は、被請求人にのみ効力が生じる」のである。
つぎに、「Distributor shall obtain no rights with respect to any of these Trademarks,other than the right to distribute the Products as set forth herein,」であって、「販売代理店である佐鳥電機及び三信電気は、本契約に述べる製品を『distribute』する権利以外には、それら商標に関していかなる権利も取得しない」とされている。
さらに、マーケティング及び広告に関し、佐鳥電機及び三信電気は、被請求人の製品の販売に関するマーケティングに使用する印刷物・カタログ・データシート・その他の資料の相当量を被請求人から無償提供される(第6条1項)し、佐鳥電機及び三信電気は、被請求人の製品に関する広告を行うには被請求人の事前承認を受けなければならない旨(第6条2項)が規定されている。
これら第11条及び第16条1項、さらには第6条1項及び同2項の規定の仕方からすると、佐鳥電機や三信電気に対して本件商標の通常使用権を黙示的に許諾していると評価できるとは到底言えず、むしろ佐鳥電機及び三信電気は、自らの意思による本件商標の使用は禁止されているのであり、前記の「製品をdistributeする」場合にのみ、その「distribute」に伴わざるを得ない商標の表示が、事実上のものとして例外的に認められているにすぎないと思われ、商品を流通させることができる地位にあることのみを以って、同時に当該商品の商標の通常使用権を黙示的に許諾されていると言うことはできないのである。
ところで、被請求人は、同人と佐鳥電機との間の「販売代理権契約書」(乙14)の第1条2項に規定する「添付書類A」(EXHIBIT A)を提出している(乙40)が、その第1条2項では「(佐鳥電機の)商域は、添付書類Aに挙げられた日本における特定の取引先からなる。被請求人は、30日以前に事前による販売代理店への文書による通知により変更を加える権利を留保し、また販売代理店に90日以上の事前による文書による通知をもって当該製品を提供することを止める権利を留保する。」旨を規定している。
この佐鳥電機(三信電気の場合も同様である。)の商域が特定の取引先の地域に限定されていることは、同社は、被請求人の商品の限定された販売権を有するにすぎず、本件商標の通常使用権まで許諾されているものではないことを十分に推認させるものである。
そもそも通常使用権の許諾の意思を容易にかつ明確に表明することができる商標権者である被請求人が、佐鳥電機や三信電気の主張ならともかく、「黙示の許諾」を今となって主張していることは不自然であり、乙第14号証及び乙第15号証の販売代理権契約においては、その第11条及び第16条1項並びに第6条1項及び同2項の規定内容からしても、被請求人は佐鳥電機及び三信電気に対して本件商標の通常使用権を許諾する意思はなかったと推認するのが自然である。
したがって、被請求人と佐鳥電機及び三信電気との間の販売代理権契約(乙14及び乙15)によって、黙示的に佐鳥電機及び三信電気に対して本件商標の通常使用権を許諾されているとする被請求人の主張は成り立たない。(イ)そして、被講求人は、これらの販売代理権契約が現在失効しているとは述べていないので、同契約はその第9条1項の規定により現在も更新されているとみられる。そうすると、被請求人の佐鳥電機及び三信電気に対する被請求人商標の使用に関する前記意思は現在も継続されているといえる。
そこで、本審判の要証期間後に本審判での主張のために作成された書面(例えば、乙32)の内容で、乙第14号証及び乙第15号証の販売代理権契約における被請求人の前記意思に反する部分は事実に反するものであると言わざるを得ない。
イ 佐鳥電機及び三信電気による使用は本件商標の使用には該当しない
(ア)以上のとおり、佐鳥電機及び三信電気は本件商標の通常使用権者であるとはいえないので、佐鳥電機又は三信電気の使用に関するものとして提出されている証拠資料(乙2ないし乙8、乙13、乙14、乙17の1ないし乙19、乙23、乙24、乙31、乙33ないし乙35及び乙37ないし乙40)は、本件商標が使用されたことを証明するものではない。
(イ)なお、佐鳥電機が本件商標の通常使用権者であると仮定した場合、乙第17号証の1及び乙第18号証の1の佐鳥電機の従業員(電子デバイス営業技術部部長)の陳述書によって乙第17号証の2と乙第18号証の2の各パネルが実際に展示されたことを証明しようとしているが、これには次の疑義がある。
(A)乙第17号証の1の陳述書は2012年6月25日に作成されているが、他方乙第17号証の2のパネルの写真は2012年7月8日に撮影されたものである。したがって、乙第17号証の1の陳述内容として記載されている「本件展示パネル」が乙第17号証の2に写されているパネルであることはあり得ない。したがって、乙第17号証の1の陳述書でもって確認しようとしている「展示パネル」が特定されていない。
(B)仮に、乙第17号証の1に記載されている「本件展示パネル」が乙第17号証の2に写されているパネルのことであるとした場合でも、乙第17号証の1で「本件展示パネルは、下記の展示会にて展示したものに相違ない。」と陳述していることから、2012年7月8日に撮影された乙第17号証の2のパネルが2010年5月12日?14日に展示されたことになるが、乙第17号証の2に写されているパネルの状態は、この間2年以上経過しているものとしては極めて不自然に汚れもなく真新しい状態のものである。 また仮に、乙第17号証の2のパネルは、前記展示会で展示されたパネルとは別物であるが内容は同じものであると主張するのならば、乙第17号証の2のパネルが前記展示会で実際に展示されたパネルと同一であることを示す客観的な証拠が何も提出されていない。
(C)以上要するに、乙第17号証の1の陳述書によっては、2010年5月12日?14日の展示会で実際に展示されたパネルは、2012年7月8日に撮影された乙第17号証の2のパネル(CRC制御方式 DC/DC コントローラー)であるとの証明はなされていない。
(D)以上の(A)?(C)の疑義は、乙第18号証の1の陳述書の内容と乙第18号証の2に写されているパネル(LED照明制御IC)との関係にも同様に当てはまる。
すなわち、乙第18号証の1の陳述書によっては、2010年5月12日?14日の展示会で実際に展示されたパネルは、2012年7月8日に撮影された乙第18号証の2のパネル(LED照明制御IC)であるとの証明はなされていない。
(ウ)また、三信電気が本件商標の通常使用権者であると仮定した場合、同社が本件商標を使用したことを証明するために、同社の「納入仕様書」(乙19、乙33及び乙34)なるものが提出されているが、これらについてもその内容等に疑義がある。
(A)まずこれらの「納入仕様書」なるものが真正なものの写しであるかについて疑義がある。
(a)表紙に記載されている日付「2011.3.28」の「2011」部分と「3.28」部分の書体・色の濃さが明らかに異なり(乙33及び乙34の各1枚目)、「2011」部分が後から記載された疑いがある。
(b)仕様書の具体的内容が記載された頁の下段の日付(03/24/2010)が、その表紙に記載された日付(2011.3.28)より1年以上の前のものである(乙33の2枚目)。技術革新が激しい分野の商品の仕様書としては不自然である。
(c)さらに、既に表示されていた文字列の上に本件商標が貼付されたように見える不自然な箇所(乙34の10枚目)がある。
(B)そして、そもそもこれらの「納入仕様書」として提出されている書面のどこからどこまでが一体的なものなのかが判然としない。提出されているこれらの書面の手順で、ある具体的な商品を正確に製造することができるのか疑問である。
(C)これらの「納入仕様書」として提出されている書面は、受取人の住所が記載されておらず、またその多くの部分が英語や中国語で記載されているので、これらの書面の受取人がはたして日本国内の法人なのかが判らない。(D)「納入仕様書」に記載の商品
「White LED Backlight Controller」(乙19)、「LED Lighting Controller」(乙33)、「HB LED DC/DC Controller with Forward Analog Dimming Control」(乙34)は、本取消請求の対象となっている「電気通信機械器具(11B01)、電子応用機械器具及びその部品(11CO1、11C02)」に属することが証明されていない。
なお、「発光ダイオードを用いた照明器具並びにその部品及び付属品」は「第11類 11AO2」であり、「照明用器具の制御器」や「調光器(光調整器)(電気式のもの)」は「第9類 11A01」に属する商品であるとされている。
(E)以上要するに、「納入仕様書」(乙19、乙33及び乙34)なるものによっては、三信電気が本件商標を使用したことを証明していない。
なお、三信電気の従業員の「陳述書」(乙35)に記載されている、乙第33号証及び乙第34号証の品名と、同じ品名の「OZ9992GN-B5-O-TR」及び「OZ8022AHN-A-O-TR」の「納入仕様書」は、三信電気が発行したものである旨を陳述しているが、三信電気が発行したそれらの「納入仕様書」と、乙第33号証及び乙第34号証で提出されている「納入仕様書」なるものが同一のものであることは証明されていない。
仮に、それらが同一であるとしても、前記(B)?(E)の疑義がある。(エ)さらに、三信電気が本件商標の通常使用権者であると仮定した場合、同社が本件商標を使用したことを証明するために、乙第23号証及び乙第24号証を提出しているが、これらについても疑義がある。
(A)乙第23号証の書面は、三信電気の一方的な書面であって、これがソニー株式会社へ到達しているかが証明されていない。
仮に、乙第23号証の書面がソニー株式会社へ到達していたとしても、その到達した時の書面の態様と、乙第23号証の書面とが同一であることが証明されていない。
(B)乙第24号証の書面は、被請求人が、同人の「平成24年7月11日付け上申書」の5頁の「7」項で「乙第24号証は・・・三信電気株式会社がソニー株式会社向けのビジネスについて被請求人オーツー・マイクロ・インターナショナル・リミテッドからMr.Jim Keim(最高業務執行責任者)が来日した際に被請求人の製品についてのビジネスの概要を報告するために使用した資料である。このため文書は英文で作成されている。」と述べていることから明らかなように、この乙第24号証の書面は三信電気の被請求人に対する報告書であるので、三信電気以外の者に対する取引書類には該当しない。
(オ)そして、佐鳥電機に関して、乙第31号証及び乙第37号証ないし乙第39号証を提出しているが、これらの書面は、同社の事業の業績の報告書であり、本件商標を使用したことを何ら証明するものではない。
ウ オーツー・マイクロ・インターナショナル・ジャパン有限会社(以下「オーツー・マイクロ・ジャパン」という。)による本件商標の使用が証明されているか
(ア)乙第41号証、乙第42号証及び乙第45号証によっては、オーツー・マイクロ・ジャパンが被請求人の通常使用権者であることは、何ら証明されていない。
したがって、オーツー・マイクロ・ジャパンに係る乙第43号証及び乙第44号証は、オーツー・マイクロ・ジャパンによる本件商標の使用を証明するものではない。
(イ)仮に、オーツー・マイクロ・ジャパンが被請求人の通常使用権者であるとした場合でも、次の疑義がある。
(A)「オーツー・マイクロ・ジャパンによる日本企業への製品の発送控え」とする伝票(乙43)に記載の製品番号と、「オーツー・マイクロ・ジャパンが発送した製品のパッケージや包装箱の写真」と称する写真(乙44)に現れている製品番号とでは、後者の写真が不鮮明で番号が明確には写されていないが、明らかに一致するものは存在しない。
したがって、前記伝票(乙43)によって日本企業へ発送された製品と、包装箱の写真(乙44)の製品とのつながりが証明されていない。
(B)さらに、包装箱の写真(乙44)では、その包装箱には製品番号が記載されていないので、伝票(乙43)によって発送されたとする製品が、この包装箱に収められて発送されたことを証明していない。そもそも、この包装箱が、前記製品が発送された2008年7月?2011年5月に存在したものか、または前記期間に存在した包装箱と同一のものかは、全く証明されていない。
(C)以上要するに、乙第41号証ないし乙第45号証によっては、オーツー・マイクロ・ジャパンが、本件商標の通常使用権者であること、及び同社が本審判の要証期間内に本件商標を使用したことが、ともに証明されていない。
(3)被請求人によって本件商標が使用されたか
ア 「最終製品故障分析報告書」について
被請求人は、同人の「最終製品故障分析報告書」(乙16及び乙20ないし乙22)は、同人の内部文書であると明言している(乙32)。したがって、これらの報告書は同人の取引書類には該当しない。
また、これらの報告書は、請求人の「ロ頭審理陳述要領書(第2回)」の3頁で述べたとおり、顧客からの不具合に関する問い合わせに対する試験結果の報告の書面であるので、その内容面からみても、商標法第2条第3項第8号に規定される取引書類には該当しないものである。
したがって、これらの報告書によっては、被請求人が本件商標を使用したことが証明されたことにはならない。
イ 被請求人の三信電気宛てのパッキングリストについて
被請求人は、本件商標が表示された2010年7月2日発送日付けの同人の三信電気宛てのパッキンクリストの写し(乙36)を提出している。しかし、これに関しては次の疑義がある。
(A)乙第12号証の各インボイスと、今回提出された前記パッキングリスト(乙36)に表示されている商標の関係は、被請求人の主張によると、三信電気宛ての書面において、2010年7月2日発送日付けのパッキングリストのみが本件商標を表示していたことになる。
しかし、インボイスとパッキングリストとの違いがあっても、取引においては互いにワンセットとなるべき書面の中にある両者において、表示商標が異なることは不自然と言わざるを得ない(乙12の取引と乙36の取引は勿論別件であるが、近接する時期において、使用される取引書類の用紙は同じであることが通常であると思われる。)。
(B)また、前記パッキングリストに係る取引に関し、そのパッキングリストに記載された商品の、三信電気の受領を証する書面、少なくとも発送国の運送業者の預り証など、当該商品が現実に被請求人から三信電気に配送されたことを示す証拠資料が一切提出されていない。
(C)以上要するに、被請求人の一方的な書面である前記パッキングリストの写し(乙36)によっては、そこに記載された商品「LED Driver」(LEDを点灯するための駆動装置)が本取消請求対象商品に含まれるものであると仮定した場合においても、その商品が現実に被請求人から三信電気に配送されたことの証明がなされたことにはならない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した乙各号証によっては、本件商標が、被請求人又は通常使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内で本件取消対象商品について使用されたことが証明されているとは言えない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁、口頭審理における陳述及び上申書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第46号証(枝番号を含む。また、平成24年6月13日付け口頭審理陳述要領書にて提出した「乙第1号証」を「乙第13号証」とし、平成24年6月26日口頭審理陳述要領書(2)にて提出した「乙第17号証」を「乙第17号証の1」とし、「乙第18号証」を「乙第18号証の1」とする。)を提出している。
1 答弁の理由
(1)被請求人は、日本の通常使用権者である佐鳥電機、三信電気、その他の通常使用権者により日本国内で半導体製品、コンピュータ等の製品についてこれまで幅広く販売されてきた(乙1ないし乙3)。
(2)このことは、佐鳥電機のウェブサイトにおいて、被請求人である「O2 Micro International Limited」が「取扱メーカー一覧」に示され(乙4)、「製品案内」として「半導体」が挙げられ、そのウェブページにおいて「専用LSI」として被請求人の商品が販売されていることが明らかにされている。被請求人の製品の詳細については、いろいろな半導体製品の販売内容が明らかにされている(乙5)。
被請求人の製品案内の「LED Backlight Controller」の欄の製品画像において製品に「O2Micro」の商標が明確に示されている(乙6)。
また、「LED照明制御IC」の販促印刷物においても、被請求人の商標が明確に示されている(乙7)。
(3)三信電気のウェブサイトにおいて、事業内容として「半導体デバイス」が示され、サプライヤーとして被請求人が明らかにされ、取扱い製品画像おいて、本件商標が明確に示され、またコンピューターの画面上に本件商標が明らかに示されている(乙8)。
(4)被請求人が佐鳥電機にこれまで半導体製品を販売してきた詳細は、乙第9号証のとおりである。また、被請求人が三信電気にこれまで半導体製品、コンピュータ等を販売してきた詳細は、乙第10号証のとおりである。
(5)被請求人が佐鳥電機に2008年12月5日から2011年10月21日までに発行したインボイスの写しは、乙第11号証のとおりである。また,被請求人が三信電気に2008年12月8日から2011年10月25日までに発行したインボイスの写しは、乙第12号証のとおりである。
(6)したがって、被請求人は、本件商標を指定商品である「半導体製品、コンピュータ等」に現在まで使用しているものである。
2 平成24年6月13日付け口頭審理陳述要領書
(1)被請求人は、答弁書において、佐鳥電気及び三信電気が日本の通常使用権者である旨述べた。被請求人と佐鳥電気との間において2011年7月に結ばれた「Distributorship Agreement」(販売代理権契約書)は、佐鳥電気が日本における通常使用権者であることを示すものである(乙13)。
(2)答弁書において、乙第5号証及び乙第6号証として添付した佐鳥電気のウェブサイトの写しは2011年11月30日にとられたものであるが、佐鳥電気が扱う「製品案内」として「半導体」が挙げられ、そのなかに被請求人の名称とその製品が明確に示されている。
そして、被請求人の製品が佐鳥電気によって取り扱われてきたことは、2006年7月28日から2011年10月27日迄に被請求人が佐鳥電気に販売してきた内容を示した資料(乙9)から明らかである。
(3)審理事項通知書において、「乙第11号証及び乙第12号証のインボイスは、商取引の事実は認められるとしても、取引された商品及び商標の使用は不明である。」との指摘を受けたが、佐鳥電機のウェブサイトにおける製品案内においては、被請求人の製品を扱っている紹介があり、ここでは半導体に使用されていることが明らかにされている(乙4ないし乙6)。
同じく、審理事項通知書において「本件商標と社会通念上同一の商標とはいえない。」との暫定的な見解が示されたが、本件商標の構成態様には「Breathing Life into Mobility」が小さな文字で含まれていることから、半導体製品に用いる際には商標をそのままの態様で示すスペースはなく、また商標をそのまま表わすことは極めて非現実的であり、商標の構成態様の要部の表現態様をもって登録商標の使用は実質的に行われている。
(4)三信電気のウェブサイトにおいて、事業内容として「半導体デバイス」を扱い、主な取り扱いサプライヤーとして被請求人が挙げられ、被請求人の商標がパーソナルコンピュ一タとの関係において使用されていることが示されている。
審理事項通知書において、「乙第1号証及び乙第8号証として提出された、本件商標と思しき商標が表示された被請求人のホームページは、英文のみで作成されているものであり、日本の需要者を対象としたものとは認められない。」との暫定的な見解が示されたが、乙第1号証は、佐鳥電気及び三信電気が被請求人の日本における販売代理店であることを単に示したものである。そして、乙第8号証は、三信電気のウェブサイトの写しであり、第4頁の製品の紹介は、三信電気が主な取り扱いサプライヤーとしての被請求人の製品紹介との関係で、被請求人のウェブサイトの一部が用いられており、半導体製品やパーソナル・コンピュータなどの製品を購入する取引者や需要者は、製品名「COMPUTER」及びコンピュータ製品との関係においては極めて容易にその内容を理解できるものであり、英語・日本語間の違いはない。そして、該頁の上段や製品に示された商標から登録商標の使用も十分に認識できる。
3 平成24年6月26日付け上申書
被請求人と佐鳥電機及び三信電気との履行にかかる販売契約書の写し(甲14及び甲15)と部分訳を提出する。販売契約書の写しは佐鳥電機及び三信電気が被請求人の日本における通常使用権者(販売代理店)を示すものである。また、通常使用権者である佐鳥電機のユウイチ ナカムラ氏から2009年10月9日に被請求人に宛てたライセンスに係る本件商標の集積回路製品の不具合についての問合せに対する最終製品故障分析報告とその翻訳文を提出する(甲16)。「最終製品故障分析報告」は「集積回路」について本件商標についてのものであって、答弁書に添付した書類(乙1ないし乙12)と相俟って被請求人が本件商標を日本国で使用してきたことを示すものである。
4 平成24年6月26日付け口頭審理陳述要領書(2)
(1)佐鳥電機は、2010年5月12日?14日にかけて東京ビックサイトで開催された「第13回組込みシステム開発技術展」において、パネル名称「CRC制御方式DC/DCコントローラ」のパネルを展示した(乙17の1)。
(2)佐鳥電機は、2010年12月1日?3日にかけてのパシフイコ横浜で開催された展示会にパネル名称「組込み総合技術展」のパネルを展示した(乙18の1)。
(3)三信電気がFDK株式会社に宛てた2010年1月25日付けの納入仕様書において、本件商標と商品「White LED Backlight Controller」(白色LEDバックライト コントローラー)」及び「TYPICAL OPERATING CIRCUIT」(典型的オペレーティング集積回路)が明らかにされている(乙19)。
(4)佐鳥電機のスズキ氏から2010年12月6日、同じくユウイチ氏から2009年11月19日、同じくフジタ氏から2008年9月25日に、それぞれ被請求人に宛てたライセンスに係る本件商標の集積回路製品の不具合についての問合せに対する「FINAL FAILURE ANALYSIS REPOT」(最終製品故障分析報告)とその翻訳文(部分訳)を提出する(乙20ないし乙22)。
(5)三信電気は2010年4月26日付けで、ソニー株式会社宛に被請求人の「O2Micro ビジネスに関して」の報告書を送付したが、その中に、三信電気がソニーにO2Micro製品を販売してきた内容が示されている(乙23)。
(6)三信電気は2010年6月16日付けの、「Business Status of O2 Micro Product」(O2マイクロ製品のビジネス・ステータス)において、ソニー株式会社への製品の販売量を示してある(乙24)。
5 平成24年7月11日付け上申書
(1)被請求人は、前記4において述べた「CRC制御方式DC/DCコントローラ」のパネルの写真(乙17の2)及び「LED照明制御IC」のパネルの写真(乙18の2)を提出する。
(2)請求人は、前記3において提出した被請求人と佐鳥電気、及び被請求人と三信電気の間で締結された「Distribution Agreement」(販売契約書)の写し(乙14及び乙15)には、通常使用権を許諾する旨の明確な文言がない旨、またライセンスの対象となる登録商標が特定されていない旨主張している。
しかしながら、通常使用権は当事者間の契約に基づいて発生する債権であり、物権的性質を有する専用使用権とは異なり、当事者間においては通常使用権の設定登録の有無は必要とされていない。
また、前記「Distribution Agreement」(販売契約書)においては、被請求人の所有する商標を含むすべての知的財産権が第11条及び第16条で対象とされていることから通常使用権の対象には、本件商標も含まれていることが前提となっている。したがって、前記「Distribution Agreement」(販売契約書)において、通常使用権許諾の対象となっていることに問題はないものであり、通常使用権を許諾する旨の明確な文言がないことをもって通常使用権が存在しないとの請求人の主張は誤っている。
(3)乙第7号証の「LED照明制御IC」のパネルには「SATORI GROUP」の名称があるが、佐鳥電気の第70期中間報告書(平成23年6月1日?平成23年11月30日)の6頁で明らかにされているように、グループ会社として、佐鳥電気は、他に、佐鳥バイオニックス株式会社、佐鳥エス・テック株式会社、株式会社スター・エレクトロニクスのそれぞれの子会社及び14の海外子会社を所有しており、佐鳥電気はこれらの子会社を含めて「SATORI GROUP」としている(乙31)。
(4)「最終製品故障分析報告」(乙16、乙20ないし乙22)は、佐鳥電気が、あるいは佐鳥電気が他の会社と名称を併記して被請求人に製品の不具合についての連絡をし、被請求人が作成した内容の文書である。
それぞれの分析報告書に示された「DATE FINISHED」(完成日)の日付が故障解析完了日を示した被請求人の内部文書であり、その内容が正しいものであることは、被請求人の担当者によって宣誓証言がなされた書類によって示されている(乙32)。
(5)乙第19号証は、FDK株式会社への「OZ9989」の販売実績を示したものではなく、サンプルを示したものである。
3頁の「部品調査の件」は当製品(集積回路)がどこで生産されているか、また、どのような作業条件や取扱注意点があるかを明記し、故障率や有害物質の非含有などを示す記述をFDK株式会社より納入仕様書に盛り込むよう依頼があったため、盛り込んでいる。
4頁以降、それぞれの頁の下欄に示された「OX9989-DS-0.99」が品名「OZ9989ILN-B2-O-TR」と合わないとの指摘を受けたが、「OX9989-DS-0.99」は文書の社内的な整理番号で、意味合いとしては、「OZ9989」という製品のデータシートのバージョン「0.99」ということになる。つまり、「DS」は、「Data Sheet」の略で、開発当初のバージョン「0.01」から始まって改訂を重ねた結果、本件は「0.99」というバージョン番号が付けられたものということになる。
(6)乙第23号証の5頁にある「三信電気 ソニー様向け取扱い製品」における表は、三信電気が2007年から被請求人の扱っている製品「OZ99970」をソニー株式会社が使っている生産協力会社(工場)であるSOME(Sony Malaysia Sdn.Bhd)に、また、2009年から被請求人の扱っている製品「OZ9972」及び「OZ9990」をソニー株式会社が使っている生産協力会社(工場)であるZDL(Zega Daidong Limited)及びSTT(Sony Technology(Thailand)Co.,Ltd.)に輸出販売したことを示している。
乙第23号証は、三信電気がソニー株式会社へのPR資料として使用した資料である。
(7)乙第24号証は、三信電気がソニー株式会社向けのビジネスについて、被請求人からMr.Jim Keim(最高業務執行責任者)が来日した際に被請求人の製品についての日本国内でのビジネスの概要を報告するのに使用した資料である。
(8)三信電気が、製造業者(被請求人)の製品の品名「OZ9992 GN-B5-0-TR」について、オリオン電機株式会社に宛てた2011年3月28日付けの納入仕様書において、本件商標と商品「LED Lighting Controller」(LED照明コントローラ)及び「TYPICAL OPERATING CIRCUIT」(典型的オペレーテイング集積回路)が明らかにされている(乙33)。
また、三信電気が製造業者の製品の品名「OZ8022AHN-A-O-TR」について、同日付けでオリオン電機株式会社に宛てた納入仕様書において、本件商標と商品「HB LED DC/DC Controller with Forward Analog Dimming Control」(フォワードアナログ調光操作を備えたHB LED DC/DC コントローラ)及び「TYPICAL OPERATING CIRCUIT」(典型的オペレーティング集積回路)が明らかにされている(乙34)。
これらの仕様書が三信電気により作成されたものであることは、2012年6月26日付けで、三信電気、第一電子デバイス事業本部、事業推進部長、石田知康氏が被請求人日本支社オーツー・マイクロ・ジャパンのオフィス・マネージャーの上田賢一郎に宛てた証明書から明らかにされているとおりである(乙35)。
また、被請求人のPacking List(梱包明細書)によれば、三信電気からの注文(注文日:2010年5月17日)に基づいて本件商標について商品IC(集積回路)[品名:OZ9990IRN-A2-O-TR]を2010年7月2日に発送したことを示している(乙36)。
(9)2009年1月15日付けの佐鳥電気による「2008年度第2四半期決算説明会」で用いた資料の18頁における「デバイス戦略商品事業の拡大」の説明において、被請求人の製品として「電源制御IC」が挙げられている(乙37)。
2008年7月18日付けの佐鳥電機による「2007年度決算説明会」で用いた資料の6頁及び11頁の「経営重点課題」の説明で、被請求人の製品として「電源制御IC」が挙げられている。
また、24頁の「3-6.成長性拡大」の説明において「電源制御IC(O2Micro)」が、32頁の「3-14 安定性強化 カーエレクトロニクス分野の拡大」の説明において「O2Micro:カーナビLEDバックライト向け電源制御IC」が挙げられている(乙38)。
また、2009年7月16日付けの佐鳥電気による「2008年度(2009年5月期)決算説明会」で用いた資料の26頁の「成長への取組み『活動詳細』」において、デバイス戦略商品の拡大として、「電源制御IC」が被請求人の製品として挙げられている(乙39)。
これらは佐鳥電機が被請求人の製品「電源制御IC」を販売してきたことを示すものである。
(10)平成24年6月26日付け提出の上申書において、乙第14号証として被請求人と佐鳥電気の間で2006年5月26日に締結された「Distribution Agreement(販売契約書)」に添付の「EXHIBIT A」(販売区域の取引先)が2007年12月25日付けの佐鳥電気の担当者による署名及び2008年1月2日付けの被請求人の担当者による署名により、佐鳥電気の被請求人の製品の販売区域の取引先が明らかにされた(乙40)。この書類も、佐鳥電気が被請求人の通常使用者であることを示していると考える。
(11)被請求人の日本法人オーツー・マイクロ・ジャパン(乙41及び乙42)もまた、本社の被請求人の製造・販売に係る製品を日本企業に引き渡してきた。このことは発送の控え(2008年10月21日?2011年5月6日)が示しているとおりである(乙43)。その製品の入った包装や発送のパッケージの態様は乙第44号証のとおりである。
なお、オーツー・マイクロのウェブサイトにおいて、「Sales Offices」(営業所)として日本においては「O2Micro Japan」(オーツー・マイクロ・ジャパン)の他、通常使用権者としての「Satori Electric Co.,Ltd.」(佐鳥電気)、「Sanshin Electronics Co.,Ltd」(三信電気)、「Mikasa Shoji Co.,Ltd」(三笠電機株式会社)が挙げられている(乙45)。
(12)北陸電気工業株式会社が三信電気大阪支店に2010年11月9日付けで被請求人の製品番号「OZ9960 ISN-B-O-TR,BIN2」の商品を「資材注文書」にて注文し、2010年12月13日に三信電気大阪支店から北陸電気工業株式会社へ当該商品を28,000個販売したことを示す北陸電気工業株式会社の「2010年12月度検収明細表」からも本件商標に係る商品が実際に三信電気を通じて販売されたことを示しているものと考える。
(13)これまで提出した証拠書類から明らかであるように、被請求人はIC(集積回路)、コントローラ等について本件商標を日本国内における通常使用権者である佐鳥電気や三信電気を通じて、また被請求人の日本支社(オーツー・マイクロ・ジャパン)を通じて大々的に使用してきた。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証の1枚目は、設計・開発者が部品選定に利用しているとされる「部品選定の最強サイトindexPro」のウェブサイトの「O2Micro」の「代理店・取扱店」のページであり、「佐鳥電機株式会社」及び「三信電気株式会社」が正規代理店として記載されている。
同じく、2枚目は、被請求人のウェブサイト「O2Micro SALES OFFICES」のページであり、「O2Micro Sales-Japan」の項に、日本における販売会社として「Satori Electric Co.,Ltd」及び「sanshin Electronics Co.,Ltd 」の記載がある。
(2)乙第4号証及び乙第5号証は、佐鳥電機のウェブサイトであり、「取扱メーカー一覧(50音順)」中に「O2Micro International Limited 半導体」の記載、及び「半導体」「専用LSI」の項にメーカー名として「O2Micro International Limited」と記載され、「製品案内」の項に「O2Micro International Limited」と記載され、その商品が紹介されている。
(3)乙第9号証は、被請求人が佐鳥電機に商品を販売してきた内容を示す資料されるものであり、「CUSTOMER NAME」欄には「Satori Electric Co.,Ltd.」と表示され、「C/INV.DATE C/INV.NO.」及び「CUSTOMER P/O NO.」欄中には、「12/05/08 89189 1302-H384-03715」(8/21)、「03/09/09 93199 1302-H384-04127」(8/21)、「06/08/09 98965 1302-H384-04671」(9/21)、「10/20/09 106731 1302-H384-05389」(11/21)、「03/09/10 115018 1302-H384-06312」(13/21)、「07/08/10 122169 1302-H384-07310」(15/21)、「12/08/10 129963 1302-H384-08680」(17/21)、「02/11/11 133371 1302-H384-09076」(18/21)、「04/08/11 136473 1302-H384-09795」(19/21)、「10/21/11 147289 1302-H384-11064」(21/21)の記載があり、これらは、以下(4)に示す乙第11号証に対応している。
(4)乙第11号証は、被請求人が「SATORI ELECTRIC CO.,LTD.」(佐鳥電機)に2008年12月5日から2011年10月21日までに発行したインボイスの写しである。
ア 「1/10」には、「Date 05-DEC-8」、「Invoice Number 89189」、「Cust po:1302-H384-03715」と記載され、下段の枠内に、「IC.20SSOP 150mil.CCFL Inverter Controller.T&R」と記載されている。
イ 「2/10」には、「Date 09-MAR-09」、「Invoice Number 93199」、「Cust po:1302-H384-04127」と記載され、下段の枠内に、「IC.48LQFP 7*7mm.CCFL CCFL PMU.T&R」と記載されている。
ウ 「3/10」には、「Date 08-JUN-09」、「Invoice Number 98965」、「Cust po:1302-H384-04671」と記載され、下段の枠内に、「IC.20SSOP 150mil.CCFL Inverter Controller.T&R」と記載されている。
エ 「4/10」には、「Date 20-OCT-09」、「Invoice Number 106731」、「Cust po:1302-H384-05389」と記載され、下段の枠内に、「IC.20SSOP 150mil.CCFL Inverter Controller.T&R」と記載されている。
オ 「5/10」には、「Date 09-MAR-10」、「Invoice Number 115018」、「Cust po:1302-H384-06312」と記載され、下段の枠内に、「IC.20SSOP 150mil.CCFL Inverter Controller.T&R」と記載されている。
カ 「6/10」には、「Date 08-JUL-10」、「Invoice Number 122169」、「Cust po:1302-H384-07310」と記載され、下段の枠内に、「IC.16SSOP 150mil.LED Driver.T&R」と記載されている。
キ 「7/10」には、「Date 08-DEC-10」、「Invoice Number 129963」、「Cust po:1302-H384-08680」と記載され、下段の枠内に、「IC.16SSOP 150mil.CCFL Inverter Controller.T&R」と記載されている。
ク 「8/10」には、「Date 11-FEB-11」、「Invoice Number 133371」、「Cust po:1302-H384-09076」と記載され、下段の枠内に、「IC.48LQFP 7*7mm.CCFL CCFL PMU.T&R」と記載されている。
ケ 「9/10」には、「Date 08-APR-11」、「Invoice Number 136473」、「Cust po:1302-H384-09795」と記載され、下段の枠内に、「IC.48LQFP 7*7mm.CCFL CCFL PMU.T&R」記載されている。
コ 「10/10」には、「Date 21-OCT-11」、「Invoice Number 147289」、「Cust po:1302-H384-11064」と記載され、下段の枠内に、「IC.24E-TSSOP 173mil.LED Driver.T&R」と記載されている。
(5)乙第14号証は、被請求人と佐鳥電機との間で、2006年5月26日に締結された「販売契約書」である。
(6)乙第18号証の1は、佐鳥電機の電子デバイス営業技術部部長から、オーツー・マイクロ・ジャパンのジャパン・オフィス・マネージャーに宛てた2012年6月25日付けの書面であり、乙第18号証の2に示す展示パネルについて、2010年12月1日?3日に開催された「組込み総合技術展」に展示したものに相違ない旨が述べられている。
そして、乙第18号証の2は、パネルの写真であり、該パネルには、「LED 照明制御IC」の商品名が表示され、その下方右側に、使用標章が表示され、パネルの右下方には、「SATORI GROUP」と記載されている。
2 通常使用権者による使用
(1)通常使用権者について
被請求人の提出した乙第1号証の1枚目によれば、佐鳥電機は、被請求人の正規代理店と認められ、また、2枚目の被請求人のウェブサイトによれば、佐鳥電機は、被請求人商品の日本における販売会社であることが確認できる。
そして、乙第4号証、乙第5号証及び乙第8号証によれば、佐鳥電機は、被請求人の製造に係る半導体を取り扱っていることが認められ、乙第9号証及び乙第11号証の各記載からすれば、被請求人と佐鳥電機の間で、商品「IC.20SSOP 150mil.CCFL Inverter Controller.」等の取引が実際にあったことが認められる。
さらに、被請求人と佐鳥電機の間で合意されている販売契約書(乙14)中の「6.2 広告」によれば、製品に関する広告は、被請求人が提出する材料データに従って行い、また、広告についてのすべての写しは事前承認を受けるために提出されなければならないものであるから、乙第18号証の2のパネルについても、佐鳥電気は、請求人の事前承認を受けて使用していると推認できるものであり、また、「16 商標」によれば、佐鳥電気は、商標を使用して製品を流通させる権利を有していると認められるものであること、さらには、佐鳥電機が日本における通常使用権者であるとの被請求人の主張及び佐鳥電機が日本における正規代理店であることからすれば、被請求人は、佐鳥電機に対し、黙示により本件商標の使用を許諾していたとみても不自然ではなく、佐鳥電機は、本件商標権に係る通常使用権者とみて差し支えないものというべきである。
(2)使用商標について
佐鳥電機が、下記(4)の「組込み総合技術展」において展示したパネル(乙18の2)に表示された別掲2の使用商標は、緑色の外枠の中に、黒色四角形内に白抜きで「O」の文字と、その横に小さく赤色で「2」を表し、その右側にややデザインを施した「Micro」の欧文字と、その下段にやや小さな「Breathing Life into Mobility」の欧文字を表してなるものであり、緑色の枠に囲まれていること、及び黒色四角形内の「2」の文字が、赤色である点を除けば、本件商標と同一の構成、態様のものであるから、本件商標と使用商標とは社会通念上同一の商標といえるものである。
(3)使用商品について
前記の展示パネルには、「LED 照明制御IC」の商品名が記載されているところ、該「IC」(トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を集めて基板の上に装着し、各種の機能を持たせた電子回路。)は、本件商標の指定商品である「第9類 電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する商品といえるものである。
(4)使用時期、使用場所及び使用者について
前記展示パネルは、佐鳥電機が、2010年12月1日?3日の間に、パシフィコ横浜において行われた「組込み総合技術展」で展示したものと認められる。
なお、乙第18号証の2の展示パネルには、「SATORI GROUP」と記載されているが、「SATORI GROUP」は、佐鳥電機を中核とするグループであることが認められ(乙31)、実際に、佐鳥電機が、被請求人の商品を取り扱っていることからすると、「SATORI GROUP」は、佐鳥電機と同一視できる。
(5)以上によれば、本件商標に係る通常使用権者と認められ、佐鳥電機は、2010年12月1日?3日に、パシフィコ横浜で開催された「組込み総合技術展」において、「LED 照明制御IC」に関する広告用パネルに本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して展示していたものであるから、当該行為は、商標法第2条第3項第8号の使用に該当するものと認めることができる。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、乙第17号証の1の書面は2012年6月25日に作成されているが、他方乙第17号証の2のパネルの写真は2012年7月8日に撮影されたものである。したがって、乙第17号証の1の陳述内容として記載されている「本件展示パネル」が乙第17号証の2に写されているパネルであることはあり得ない。乙第17号証の2に写されているパネルの状態は、この間2年以上経過しているものとしては極めて不自然に汚れもなく真新しい状態のものである。また仮に、乙第17号証の2のパネルは、展示会で展示されたパネルとは別物であるが内容は同じものであると主張するのならば、乙第17号証の2のパネルが前記展示会で実際に展示されたパネルと同一であることを示す客観的な証拠が何も提出されていない。加えて、乙第18号証の1の陳述書の内容と乙第18号証の2に写されているパネル(LED照明制御IC)との関係にも同様に当てはまる。旨を述べている。
しかしながら、乙第17号証の1及び乙第18号証の1で示すところの展示パネルは、平成24年6月26日に行った口頭審理において提示したパネルであり、乙第17号証の2及び乙第18号証の2は、当該パネルを口答審理時の指示に従って、その後に撮影したものであるから、日時的には合致しており、乙第17号証の1及び乙第18号証の1でいうところの「本件展示パネル」は、乙第17号証の2及び乙第18号証の2の写真に示されたパネルとみて何ら問題はない。さらに、該パネルが真新しい状態にみえると指摘しているが、当該パネルが、展示会において使用されていないという証左はなく、否定することはできない。
したがって、上記請求人の主張は採用することができない。
4 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、その請求に係る指定商品中の第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属するものと認められる「LED 照明制御IC」について、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したものというべきである。
したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本件商標



別掲2 使用商標(色彩は原本を参照されたい。)






審理終結日 2012-10-17 
結審通知日 2012-10-19 
審決日 2012-10-30 
出願番号 商願2000-123039(T2000-123039) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山田 啓之清川 恵子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 2002-10-25 
登録番号 商標登録第4615591号(T4615591) 
商標の称呼 オオニマイクロ、オオニミクロ、オーツーマイクロ、オーツーミクロ、ブリージングライフイントゥーモビリティー 
代理人 太田 誠治 
代理人 村井 康司 
代理人 福田 秀幸 
代理人 北村 修一郎 
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