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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X01 審判 全部申立て 登録を維持 X01 審判 全部申立て 登録を維持 X01 審判 全部申立て 登録を維持 X01 審判 全部申立て 登録を維持 X01 |
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管理番号 | 1269681 |
異議申立番号 | 異議2012-900242 |
総通号数 | 159 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2013-03-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-08-17 |
確定日 | 2013-01-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5493534号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5493534号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5493534号商標(以下「本件商標」という。)は、「ネスナイト」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年8月24日に登録出願され、第1類「凝集剤,凝固剤(化学品に属するものに限る。),廃液処理剤,廃水処理剤,水浄化剤,固液分離用化学剤,その他の化学品,非鉄金属,非金属鉱物」を指定商品として、平成24年2月7日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5019016号商標(以下「引用商標」という。)は、「ネオナイト」の片仮名を標準文字で表してなり、平成18年6月14日に登録出願され、第1類「凝集剤,凝固剤(化学品に属するものに限る。),廃液処理剤,廃水処理剤,水浄化剤,固液分離用化学剤,その他の化学品,非鉄金属,非金属鉱物」を指定商品として、平成19年1月19日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第10号について 本件商標「ネスナイト」と引用商標「ネオナイト」は何れも片仮名5文字で表記され、第2音が「ス」、「オ」である点以外は同じであり、外観及び称呼が類似し、また、両者共に「新しい」という意味の「New」、「Neo」をもじったものであって観念も類似するため、全体として判断しても類似するものである。 商標「ネオナイト」は、他人である申立人及び申立人の前身である株式会社山陰プロスハートの業務に係る商品「凝集剤」に用いる商標であり、商標「ネオナイト」は、他人の業務に係る商品「凝集剤」に用いる商標として、広く一般に知られているものである(甲第5号証ないし甲第23号証)。 本件商標の指定商品、指定役務は他人の業務に係る商品「凝集剤」と同一又は類似するものである。 2 商標法第4条第1項第11号について 商標の類否については、前記1の記載を援用する。 なお、引用商標は平成19年に登録されたものであるが、これは、引用商標の権利者である寺山隆久が、既に所有していた甲第24号証に係る商標登録第2708617号(商標出願公告平6-84010 登録日:平成7年7月31日、消滅日:平成17年7月31日)を、指定商品を見直した上で平成18年6月14日に出願し、権利化したものである。 本件商標及び引用商標の指定商品は、完全に同一である(甲第1号証及び甲第2号証)。 3 商標法第4条第1項第19号について 商標の類否及び引用商標の周知性については、前記1の記載を援用する。 本件権利者は、出願前に第1類の「凝集剤」に使用される引用商標「ネオナイト」を知っており、さらに、本件商標の出願の経緯、使用態様(甲第25号証ないし甲第28号証)から、本件権利者が不正の目的をもって使用するために権利化したものである。 4 むすび 以上、本件商標登録は商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第19号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標について 本件商標は、前記したとおり、「ネスナイト」の片仮名を標準文字により、同書、同大、等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、該語は、全体として特定の意味を有する語とはいえず、一種の造語よりなるものであって、特定の観念を生じないというのが相当である。そして、本件商標は、その構成文字に相応して「ネスナイト」の称呼を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、前記したとおり、「ネオナイト」の片仮名を標準文字により、同書、同大、等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、該語は、全体として特定の意味を有する語とはいえず、一種の造語よりなるものであって、特定の観念を生じないというのが相当である。そして、引用商標は、その構成文字に相応して「ネオナイト」の称呼を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標とは、第2文字目において「ス」と「オ」との差異があることから、外観上、互いに見間違うことはないものというべきである。 また、本件商標と引用商標とは、共に特定の観念を生ずるものではないから、観念において類似するものでないこと明らかである。 次に、本件商標から生ずる「ネスナイト」の称呼と、引用商標から生ずる「ネオナイト」の称呼とを対比すると、両者は、語尾において「ナイト」の各音を共通にするものの、称呼上重要な位置を占める語頭部において「ネス」と「ネオ」の各音の差異を有し、ともに「ネ」の音を有するものの、この音は、舌尖を前硬口蓋に触れて発する鼻子音[n]と母音[e]との結合した音節であって、通鼻音として柔らかい構音の音であることから、それに続く音にアクセントがかかるところ、「ス」の音は、舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音[s]と母音[u]との結合した摩擦節であり、「オ」の音は、唇の両端を少し中央に寄せ、舌を少し後方にひき、後舌面を軟口蓋に向かって高め、声帯の振動によって発する母音であって、「ス」の音と「オ」の音とは、互いに構音方法を異にすることから、それぞれを一連に称呼したときは、両者は、この語頭部分の語調、語感が相違することから、全体として、互いに聞き紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼のいずれにおいても類似するということはできない。 (4)そうすると、引用商標が、申立人により「凝集剤」に使用され、取引者、需要者の間において広く認識されているものとしても、本件商標は、引用商標とは互いに紛れるおそれのないものであって、互いに類似する商標とはいえないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第10号及び同第19号について 商標法第4条第1項第10号及び同第19号の該当性は、前記同11号と同様、本件商標と引用商標とが同一又は類似することが前提となるところ、前記したように、本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標ではないから、本件商標が、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に該当するとの申立人の主張は理由がない。 3 まとめ 以上、本件の商標登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第19号に該当するとは認められないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2013-01-10 |
出願番号 | 商願2011-60443(T2011-60443) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(X01)
T 1 651・ 222- Y (X01) T 1 651・ 262- Y (X01) T 1 651・ 263- Y (X01) T 1 651・ 25- Y (X01) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 山田 正樹 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 内山 進 |
登録日 | 2012-05-18 |
登録番号 | 商標登録第5493534号(T5493534) |
権利者 | 株式会社隠岐商事 |
商標の称呼 | ネスナイト |
代理人 | 廣瀬 哲夫 |
代理人 | 鈴木 佑子 |