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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X01
審判 全部申立て  登録を維持 X01
審判 全部申立て  登録を維持 X01
審判 全部申立て  登録を維持 X01
管理番号 1268490 
異議申立番号 異議2012-900241 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2013-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-08-10 
確定日 2012-12-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第5495218号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5495218号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
登録第5495218号商標(以下「本件商標」という。)は、「earthplus」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年12月9日に登録出願、第1類「化学品」を指定商品として、同24年4月17日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)のとおりであり、現に有効に存続しているものである(以下まとめていうときは「引用各商標」という。)。
(1)登録第1674262号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、昭和55年10月8日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同59年3月22日に設定登録され、その後、平成16年2月18日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1674263号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、昭和55年10月8日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同59年3月22日に設定登録され、その後、平成16年2月18日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第2353757号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、昭和51年7月2日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成3年11月29日に設定登録され、その後、同13年12月19日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。
なお、引用商標3には、防護標章登録第1号ないし第30号(ただし、第23号は存続期間満了により抹消された。)が登録されている。
(4)登録第4454745号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4に示すとおりの構成からなり、平成12年2月14日に登録出願、第3類及び第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同13年2月23日に設定登録されたものである。

2 理由の要点
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 「plus」の文字について
「plus」の文字部分は、「加える」等を意味するありふれた一般的な日常語であり、「既存の商品に新たな成分などを加えたもの」等の意味を表すために、従来の商標に形容詞的に付加して使用されることもしばしば見受けられるところであるから、識別標識としての機能があるとは認められない。そして、「plus」の文字は、これを商品に使用するときは、単に「加える」程度の意味を想起させるにすぎず、識別機能は有しない語として認識されるものである。
イ 本件商標
本件商標は「earthplus」の文字からなるところ、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起させるものとは認められないこと、構成後半部の「p1us」部分は、前記のとおり、識別標識としての機能があるとは認められず、また、構成前半部の「earth」の文字は「アース」の称呼を生じ、申立人(アース製薬株式会社)が同人の取扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標を理解するものであることからすると、構成全体を常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特別の事情も見出せないものである。
してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標構成後半の「plus」の文字部分を単に形容詞的な表示として認識し、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めてか弱い語であると捉え、構成前半部の「earth」の文字に注目し、当該「earth」の文字を周知著名な商標(登録防護商標と類似の商標)として、かつ、自他商品の識別標識としての機能を有する部分であると理解・認識するものである。
そうすると、本件商標は、構成中の「earth」の文字部分より「アース」の称呼が生ずる。
ウ 引用各商標
引用各商標は、「アース」の文字より「アース」の称呼が生ずることは明らかである。
エ 本件商標と引用各商標
してみれば、本件商標と引用各商標は、「アース」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、両者の指定商品も相抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 「アース」の文字の著名性について
「アース」の文字からなる標章は、申立人が有する登録第2353757号の防護標章として登録されている(甲6)ことから、「アース」の文字からなる商標は、商品や役務が類似していなくとも、商品役務の出所の混同を来す程の強い識別力を備えていること、すなわち、そのような程度に至るまでの著名性を有している商標であるといえる。
また、「アース」の文字よりなる商標が、申立人の取り扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に同人が使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標(ブランドロゴ)であることは顕著な事実であって、かつ、その状態が現時点においても継続しているものである。
イ 出所の混同のおそれについて
本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中前半部の「earth」の文字部分に強く印象づけられ、周知著名な商標「アース」を連想、想起し、その商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
そうすると、本件商標は、他人の著名な商標を一部に有する商標であり、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「earthplus」の文字を標準文字により、同書、同大、等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、これより生ずる「アースプラス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、ここから「plus」の文字が捨象され、「earth」の語が要部であるとすべき理由があるということもできず、また、他に構成中の「earth」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の理由や事情は見いだせない。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって一体のものとして認識されるものであって、これが特定の意味を有する語とはいえないことから、一種の造語というのが相当であり、観念は生ずるものとはいえず、また、構成文字全体に相応して「アースプラス」の称呼のみを生ずるというのが相当である。
この点について、申立人は、「plus」の文字部分は、「加える」等を意味するありふれた一般的な日常語であり、「既存の商品に新たな成分などを加えたもの」等の意味を表すために、従来の商標に形容詞的に付加して使用されることもしばしば見受けられるところであるから、これを商品に使用するときは、単に「加える」程度の意味を想起させるにすぎず、識別機能は有しない旨主張している。しかしながら、「puls」の語に「加える」の意味があるからといって、それが指定商品との関係で識別機能を果たし得ないとする理由は判然とせず、「puls」ないし「プラス」の語が指定商品の品質や効能、機能、数量等を表示するものであるとの事情は見いだし得ない。
(2)引用各商標について
引用各商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、構成中の「アース」の語は、「地球、大地」を意味する英語「earth」の片仮名表記、あるいは、それに由来し、「(大地・土の意)電気装置などを地面と接続すること。また、その接続線。」(広辞苑第六版)等を意味する外来語として、極めて広く知られている一般的語であるから、当該観念及び「アース」の称呼をもって取引に資されるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用各商標の外観についてみるに、本件商標と引用各商標の外観は、前記したとおりの構成よりであることから、これらは互いに区別し得るものである。
次に、称呼についてみるに、本件商標からは、「アースプラス」の称呼のみが生じるものであるから、「アース」の称呼が生ずる引用各商標とは称呼においても類似するものではない。
また、本件商標からは、特定の親しまれた観念が生じるとはいえないから、本件商標と引用各商標とは観念においても類似するということもできない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても類似する商標であるということはできない。
したがって、指定商品の類否について論及するまでもなく、本件商標は、引用各商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。

2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、「アース」の文字からなる標章は、申立人の防護標章として登録されていることから、商品や役務が類似していなくとも、商品役務の出所の混同を来す程の強い識別力を備え、著名性を有している商標である旨及び申立人の取り扱いに係る商品「殺虫剤、蚊取線香」等に同人が使用して、本件商標の登録出願前から取引者、需要者間に広く認識されている商標(ブランドロゴ)であることは顕著な事実である旨主張している。
そして、申立人が主張するとおり、甲第6号証によれば、別掲3に示した態様よりなる標章は、防護標章として登録されていることが確認できる。
しかしながら、防護標章として登録され、あるいは申立人の業務に係る商品「殺虫剤、蚊取線香」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されているとする標章は、「アース」の文字よりなるものであり、標準文字により「earthplus」と表してなる本件商標とは、商標自体が異なるばかりでなく、「アース」の語は、前記1の(2)のとおり、極めて広く知られている一般的語であることからすれば、「アース」が申立人の業務に係る商標として需要者に広く知られていることを前提にしたとしても、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者が、「アース」の文字よりなる商標を連想又は想起するものとは認めがたく、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
なお、申立人は、「アース」の文字よりなる商標が、取引者、需要者間に広く認識されている商標であることは顕著な事実である旨主張しているが、その主張を立証する証拠は、引用各商標の書誌的事項を印刷した書面及び同公報(甲2ないし甲6)以外は、何ら提出していない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

3 むすび
以上のとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)(色彩は原本を参照)


別掲2(引用商標2)(色彩は原本を参照)


別掲3(引用商標3)


別掲4(引用商標4)


異議決定日 2012-12-10 
出願番号 商願2011-88706(T2011-88706) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X01)
T 1 651・ 261- Y (X01)
T 1 651・ 262- Y (X01)
T 1 651・ 263- Y (X01)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 2012-05-18 
登録番号 商標登録第5495218号(T5495218) 
権利者 株式会社信州セラミックス
商標の称呼 アースプラス 
代理人 石川 泰男 
代理人 特許業務法人 インテクト国際特許事務所 
代理人 石橋 良規 

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