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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 042 |
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管理番号 | 1268444 |
審判番号 | 取消2012-300202 |
総通号数 | 158 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2013-02-22 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2012-03-16 |
確定日 | 2012-12-28 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3016076号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3016076号商標(以下「本件商標」という。)は、「シズラー」の文字を書してなり、商標法一部改正(平成3年法律第65号)附則第5条第1項による使用に基づく特例の適用の主張を伴う出願として、平成4年5月11日に登録出願され、第42類「焼肉料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成6年12月22日に特例商標及び重複商標として設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。 (1) 請求の理由 本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)弁ばく ア 本件商標の指定役務は「焼肉を主とする飲食物の提供」であるが、「焼肉」とは「牛・豚などの肉や内臓にたれをつけ、焼網に乗せて炙ったり、鉄板などで焼いたりする料理」であって、日本料理ないしは韓国料理に分類されるものである。 被請求人は、本件商標を「ハンバーグ」「ステーキ」に使用している旨主張し、乙第1、第3及び第5号証には「ハンバーグ・ステーキ」の記述があるが、ここでいう「ハンバーグ・ステーキ」とは、乙第1及び第5号証の上記記述のページにそれぞれ「こだわりの和牛を使ったジューシーなハンバーグ」、「こだわりの和牛を使ったハンバーグ」という文言があることから、いずれも「ハンバーグステーキ」と解するべきである。そして、「ハンバーグステーキ」とは「牛のひき肉にいためたタマネギ、つなぎ用のパン粉・卵、調味料などをまぜ、楕円形にまとめてフライパンで焼いたもの」であって、西洋料理に分類されるものであるから、「ハンバーグステーキ」は「焼肉」には当たらない。 乙第5号証には、「シズラーステーキ」なる表示もあるが、同様に「ハンバーグステーキ」と解すべきである。 イ 乙第2及び第4号証は、いずれも本件商標がその指定役務に使用されていることを何ら立証するものではない。 ウ 総括 以上のとおり、被請求人の提出した証拠方法によっては、審判請求の登録前3年以内に本件商標が取消請求に係る指定役務「焼肉料理を主とする飲食物の提供」に使用されていたことを立証していない。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第5号証を提出している。 商標権者は、平成21年9月19日から平成23年4月26日まで、広島市西区井口明神1-16-1に所在する、株式会社天満屋のアルパーク西棟4階でレストラン「シズラー」を営業し(乙1?乙3)、該レストランでは「ハンバーグ」「ステーキ」などの焼肉料理を主とする飲食物の提供を営業種目としていた(乙4、乙5)。 乙各号証に表記されている使用標章「シズラー」の書体と本件商標の書体とでは、微妙な違いが存在するが、使用標章は社会通念上本件商標と同一と判断されるべきものであり、使用標章の使用は本件商標の使用である。 以上のとおり、本件商標は、商標権者により、平成21年9月19日から平成23年4月26日まで、その指定役務について日本国内において継続して使用されていたものであるから、その登録は取消されるべきではない。 4 当審の判断 (1)乙各号証によれば、以下の事実が認められる。 乙第1号証は、被請求人(商標権者)が平成21(2009)年10月19日に掲載した「『シズラー』オープンのお知らせ。」のウェブサイトであり、同お知らせには、「この度、ハンバーグ・ステーキ『シズラー』をオープンいたしましたので、お知らせします。」「シズラー 住所 広島市西区井口明神1-16-1アルパーク西棟4F」「2009.9/19(土)OPEN\ハンバーグ・ステーキ\シズラー\こだわりの和牛を使用したジューシーなハンバーグを和・洋・中と豊富なソースでお楽しみいただけます。」などの記載や料理されたハンバーグの写真などが掲載されている。 乙第2号証は、商標権者が平成23(2011)年4月29日に掲載した「シズラー閉店のお知らせ。」のウェブサイトであり、同お知らせには、「『シズラー』は、4月26日をもって閉店致しました。」などと記載されている。 乙第3号証は、被請求人が商標権者のウェブサイトと主張するものであり、同ウェブサイトには、掲載者及び掲載日が明示されていないが、ハンバーグ・ステーキ シズラー等の4店舗が4月26日(火)に閉店する旨及び2011年4月1日(金)?4月26日(火)に謝恩キャッシュバック・キャンペーンを行う旨が記載されている。 乙第4号証は、2010年4月30日付け賃貸人(甲)株式会社天満屋広島アルパーク店と賃借人(乙)商標権者との「営業と出店に関する契約書(定期建物賃貸借契約)」であり、同契約中には、甲の広島市西区井口明神1丁目16-1に所在する商業施設株式会社天満屋広島アルパーク店の4Fグルメタウンの一部において、乙が「かつ膳」「シズラー」「なごみ」の各店が「揚げ物料理、肉料理、和食」を取扱い品目とし、営業開始日を平成22年5月1日として営業することを契約したものである。 乙第5号証は、「幹事さん必見!ヒロコシの忘・新年会プラン」と題する商標権者発行のヒロコシグループの飲食店などを紹介するリーフレットであり、同リーフレット10ページ及び11ページの見開きに「シズラー アルパーク天満屋店」の紹介として、「こだわりの和牛を使ったハンバーグを和・洋・中お好みのソースでどうぞ」の記載及びジャンルが「洋食」である旨の記載があり、さらに、「冬団欒コース」の料理として「石焼ハンバーグすき焼き風」「シズラーステーキ、鶏唐揚、フライドポテト」などの記載があり、フライドポテトとともに牛ステーキが盛られた鍋(皿)、すき焼風ハンバーグが盛られた石鍋、アイスクリームなどが配された写真が掲載されている。そして、該リーフレットには発行日が掲載されていないが、38ページの「八雲」紹介には、「ご予約賜り期限」として「2011年1月31日(月)まで」と記載され、裏表紙には年数の表示がないが、曜日の配列から、2010年11月、12月及び2011年1月と推認されるカレンダーが掲載されている。 (2)上記認定事実によれば、商標権者は、平成21年9月19日から同23年4月26日までの間、広島市西区井口明神1丁目16-1において、「シズラー」と称する飲食店を営業し、インターネットにホームページを開設して、本件審判請求の登録前3年以内に、少なくとも「ハンバーグ・ステーキ」について「シズラー」の文字を表示して開店広告及び謝恩キャッシュバック・キャンペーンを行い、またリーフレットには「シズラー」の文字を表示し、「ハンバーグ・ステーキ」の表示のほか、コースメニューとして「シズラーステーキ」「石焼ハンバーグすき焼風」として、「ステーキ」及び「ハンバーグステーキ」料理を提供することについて広告宣伝をしていたと認められる。 なお、請求人は、審判請求に係る指定役務「焼肉を主とする飲食物の提供」の「焼肉」とは「牛・豚などの肉や内臓にたれをつけ、焼網に乗せて炙ったり、鉄板などで焼いたりする料理」であって、日本料理ないしは韓国料理に分類されるものであり、被請求人が本件商標を使用している「ハンバーグステーキ」とは「牛のひき肉にいためたタマネギ、つなぎ用のパン粉・卵、調味料などをまぜ、楕円形にまとめてフライパンで焼いたもの」であって、西洋料理に分類されるものであるから、「ハンバーグステーキ」は「焼肉」には当たらない旨主張する。 しかしながら、「焼肉」とは、「牛・豚などの肉をあぶって焼いたもの」(広辞苑)であり、「肉を焼いた料理」と解されるものであって、日本料理ないしは韓国料理に限定されるものではない。そして、厚切りの肉の両面を短時間に炒め焼きにする料理を「ステーキ」といい、ひき肉などを厚さ2?3cmにまとめたものを焼いて料理するハンバーグステーキ(ハンバーグと略称される。)も軟らかく経済的なステーキとして知られているものであり、これらはいずれも「焼肉」の範ちゅうに該当するというのが相当であるから(例えば、平成10年4月5日株式会社同文書院発行「総合食品事典 ハンディ版」の「ステーキ」の項、同10年3月14日社団法人全国調理師養成施設協会発行「調理用語辞典」の「ステーキ」及び「ハンバーグステーキ」の項参照)商標権者の提供するハンバーグステーキについても、「焼肉」の範ちゅうの料理とみて差し支えない。 そして、商標権者が使用する「シズラー」の文字からなる商標は、通常の書体で表されたものであって、ややデザイン化された本件商標「シズラー」とは書体ががわずかに異なるが、その差異は本件商標の範囲内の使用といえるものである。 そうすると、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定役務「焼肉料理を主とする飲食物の提供」に使用していたと認められる。 (3)結論 以上によれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件商標を取消請求に係る指定役務「焼肉料理を主とする飲食物の提供」に使用していたことを証明したものということができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-08-06 |
結審通知日 | 2012-08-09 |
審決日 | 2012-08-22 |
出願番号 | 商願平4-110904 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(042)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
前山 るり子 高野 和行 |
登録日 | 1994-12-22 |
登録番号 | 商標登録第3016076号(T3016076) |
商標の称呼 | シズラー |
代理人 | 藤吉 繁 |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 青木 篤 |