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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X25
管理番号 1268368 
審判番号 取消2011-300823 
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-09-01 
確定日 2012-12-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第5115215号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5115215号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年5月22日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成23年9月20日にされている。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)本件商標の商標としての「使用」について
被請求人は、答弁書において「アパレル業界において、ズボンのバックポケット部分は、商標を付す箇所として一般化しています」と述べ、本件商標の使用証拠として、本件商標と近似した図形模様をズボンのバックポケットに配したズボン(以下「本件ズボン」という。)の写真(乙第1号証)及び本件ズボンの商品タグの拡大写真(乙第2号証)を掲げ、本件商標が本件審判の請求の予告登録前3年以内に日本国内において「ズボン」を含む「被服」について使用されている旨を主張している。
検討するに、本件商標は、アルファベット「V」を天地逆転させて四角形一面に等間隔に配し、その中央に大きくアルファベット「V」を配した態様である。一方、被請求人が提出した乙第1号証及び乙第2号証に表された態様は、アルファベット「V」を天地逆転させて「五角形」の地一面に等間隔に配し、中央やや上部に大きくアルファベット「V」が配された態様である。
アルファベット一文字は、一般的でありふれていることを理由として商標登録が認められない(商標法第3条第1項第5号)。かかる点を考慮すると、本件商標の要部は、小さく表されたアルファベット「V」を天地逆転させて四角形一面に等間隔に配し、その四角形の中央に大きなアルファベット「V」一文字を組み合わせた「構成態様」であると考えられる。
本件商標の構成要素がアルファベット「V」であって、直ちに「V」と把握し得ることをかんがみると、創作的・装飾的処理の施されたアルファベット文字を要素とする商標に比べて、各構成要素の識別力は弱いといわざるを得ず、すなわち、本件商標の要部は、(A)アルファベット「V」を天地逆転させて一面に等間隔に配した四角形図形の中央に(B)大きくアルファべット「V」を組み合わせた「構成態様」である。したがって、本件商標において極めて重要な要素のひとつである「四角形」要素を「やや大きな五角形」要素に変更することは、主たる需要者・取引者は、看過し得ず、被請求人が「本件商標の使用」として掲げる図形は、「外観において同視される図形からなる商標」(商標法第50条第1項)には該当せず、社会通念上同一の範囲を超えた態様である。
被請求人は、本件商標が付された「2007年秋・冬向けの商品カタログ」(乙第17号証)を掲げ、「今後も本件商標を使用する予定」である旨を述べている。本件商標を継続して使用しているのであれば、「2007年秋・冬向けの商品カタログ」と同様に、本件商標を使用している証拠の提出をすれば足りるのであり、被請求人がかかる証拠を提出できない背景には、本件商標が、本件審判の請求の予告登録前3年以内に日本国内において「被服」に対して使用されていないことにほかならない。
なお、請求人は、周知著名な商標が被服に使用される際には、自他識別標識としての機能を発揮すると同時に、意匠的な機能を果たす模様として看者に理解される余地があることは否定するものではない。しかしながら、被請求人が主張するように、「本件ズボン」のバックポケットに付された図形や文字について、これに接した需要者が、直ちに出所を表示する標識である「商標」として理解する程度にまで、かかる見解が一般的であるとまではいい難い。
また、被請求人が掲げる乙第3号証及び乙第4号証の判決は、いずれも「ジーンズパンツ」における周知著名性の高い「ステッチ形状」に係る事案であって、一般的なズボンについての見解を示すものではなく、本件とは、事案を異にするものである。
(2)「本件ズボン」の販売実績について
平成23年7月9日?11日にわたり、本件商標の使用状況について専門機関が調査を行った(甲第3号証の1ないし甲第3号証の5)。
本件商標は、被請求人が主張するとおり、被請求人の運営する婦人服ブランド「VALENZA(バレンザ)」の頭文字[V]を用いた図形である。平成23年7月10日に、調査人が被請求人に電話にて本件商標を使用した商品について問い合わせをしたところ、「VALENZA」は、主として東京オフィスが担当している旨の回答を得た(甲第3号証の3)。そして、同11日に「VALENZA」を担当する東京オフィスに、本件商標を使用した商品について本件商標を貼付してファクシミリで問い合わせたところ、「当該絵柄は、4年ほど前に販売していた生地に違いない」としつつも、「当該絵柄を用いた生地のものは完売して在庫が無い」、「今のところ同じデザインのものを再度販売する予定はない」との回答を得た(甲第3号証の2及び甲第3号証の3)。
また、平成23年7月10日に被請求人の直営店である「VALENZA 京王新宿店」の販売員に、本件商標を表した紙片を提示して、本件商標の使用について確認したところ、本件商標を模様として付した商品の販売時期については、「去年や今年のものではない」とし、「数年前の商品の生地の柄模様に使われたデザイン」であるとの回答を得た(甲第3号証の2及び甲第3号証の3)。
上記のように、請求人は、本件商標の使用状況について綿密に調査を行い、「VALENZA」の担当部門及び販売員のいずれもが3年以内に本件商標を使用した商品の存在を不知であったことが認められる。
被請求人は、平成23年(2011年)2月18日から同年3月29日までの本件ズボンの「店舗別売上実績」を、本件商標が使用された証拠として掲げている(乙第15号証)。
しかしながら、上記「店舗別売上実績」は、被請求人が自ら作成した資料であるために客観性に欠け、また、上記「店舗別売上実績」には、「新宿」の直営店において、当該製品の販売実績がある旨が表されているものの、上記のとおり、わずか4ヶ月後の平成23年7月時点において、「VALENZA」ブランドを担当する東京オフィスの担当者及び直営店の販売員のいずれもが、1着あたり30,450円の販売価格のズボンを合計228着も販売したと称する当該製品を、全く記憶していない点は、不自然といわざるを得ない。なお、「VALENZA」は、東京都の新宿において「京王新宿店」以外に店舗を有していないことから、「店舗別売上実績」の「新宿」として表されている店舗が「京王新宿店」であることは明らかである(甲第4号証)。
また、被請求人が主張する、平成23年8月17日に「株式会社大丸 新長田店」(以下「大丸新長田店」という。)において当該製品を販売した旨の証拠(乙第13号証及び乙第14号証)は、本件審判の予告登録の3ヶ月以内の使用を示すものであって、かつ、調査人が本件商標を使用した商品について、請求人の本社及び東京オフィス、直営店に問い合わせを行った後の使用実績である。すなわち、被請求人は、複数のルートから、本件商標に対して使用状況が調査されている旨の報告を受けていることが推認される。そして、被請求人が多くの商標権を取得している事実から、商標法の主要制度を理解していると考えられる。かかる者であれば、登録商標の使用調査がなされた場合には、近い将来に「不使用取消審判」が請求されることを気づき、すなわち、被請求人は、本件商標に対する使用調査についての情報を入手した時点で、本件商標に係る商標権に対して不使用取消審判が請求されることを知り得たことを十分に推認し得る。したがって、上記、平成23年8月17日に大丸新長田店において、本件商標に近似した図形を付したズボンの販売は、いわゆる、駆け込み使用に該当するものであり、当該証拠(乙第13号証及び乙第14号証)は、本件商標の使用を示す証拠とはなり得ない。
(3)まとめ
上述のとおり、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第18号証を提出した。1 本件商標の使用事実について
被請求人は、本件ズボンを中国において249着製造し、これらを日本国内に輸入後、2011年2月14日から日本国内の有名百貨店などで販売のために展示し、また、販売している。
(1)乙第1号証により、本件ズボンのバックポケット部分に本件商標が付されている状態を確認することができる。アパレル業界において、ズボンのバックポケット部分は、商標を付す箇所として一般化している(乙第3号証及び乙第4号証)。
そして、本件ズボンのバックポケット部分に付された商標は、五角形になっている点が相違しているが、該五角形は、ジーンズパンツ等のズボンの商標の自他商品識別力に影響を与えない極めて一般的な形状であるから、外周が四角形であるか、あるいは、五角形であるかの相違は、商標の識別力に影響しないわずかな差異であり、本件商標の使用であると考えられる。
(2)乙第2号証により、本件ズボンが被請求人の取扱商品であること及び本件ズボンの品番が「5116017」(東京のコンピューター用の品番:511-6017-1)であることが示されている。
(3)本件ズボンの「加工指図書」(乙第8号証)及び「加工発注明細書」(乙第9号証)により、2010年11月15日に本件ズボンの「加工指図書」を作成し、2010年11月21日に本件ズボンの加工を実際に依頼した事実及び本件ズボンの加工作業を終えた完成品の納期が2011年2月15日である事実が明らかである。
これらの加工指図書と加工発注明細書には「5116017」という品番が記載されているので、本件ズボンに係る資料であることが分かる。
(4)本件ズボンが被請求人に納品された事実を示す「納品書」の一部(乙第10号証)と、製品加工の仕上がり具合に問題がある本件ズボンを加工作業の委託先に返品した事実を示す「返品書」の一部(乙第11号証)にも「5116017」という本件ズボンの品番が記載されているから、加工作業後の本件ズボンが2011年2月に被請求人に納品された事実などが判明する。
(5)本件ズボンを2011年2月24日に「大丸新長田店」(兵庫県神戸市の小売店)に納品した事実を示す「納品伝票」(乙第12号証)と、当該小売店において本件ズボンが2011年7月3日及び同年8月17日に1着ずつ(合計2着)販売された事実を示す「品番別売上表」(乙第13号証)にも「5116017」という本件ズボンの品番が記載されているので、本件ズボンが「大丸新長田店」において販売のために展示され、また、消費者に実際に販売された事実が明らかである。なお、「大丸新長田店」においては、被請求人を代理して桐山販売代理店が被請求人の商品の販売・接客業務を行っているので、実際に本件ズボンの販売業務を担当した桐山販売代理店の販売担当者の証明書(乙第14号証)を提出する。
また、2011年2月18日から同年3月29日までの本件ズボンの店舗別売上実績表(乙第15号証)は、「511-6017-1」という品番の本件ズボンが、2011年2月18日から同年3月29日までの期間内に日本全国の小売店やバザールにおいて合計228着販売された事実を示している。
そして、本件商標を付した本件ズボンは、「VALENZA」(バレンザ)ブランドの製品であるから、本件ズボンを販売のために展示し、かつ実際に販売した「大丸新長田店」の店舗写真(乙第16号証)には、本件ズボンを販売する店舗の名称である「VALENZA」の文字が写っている。
(6)被請求人の2007年秋・冬向けの商品カタログ(乙第17号証)の表紙には本件商標と同一の商標が付されているから、被服についての本件商標の使用例である。被請求人は、このような商品カタログにおいて、今後も本件商標を使用する予定である。なお、乙第17号証の商品カタログの表紙には「VALENZA CO.,LTD.」と記載されているが、この株式会社バレンザ(VALENZA CO.,LTD.)は、2008年に被請求人が同社の株式及び資産の一部を買い受けたことにより、被請求人を中心とするイズムグループの傘下に入った(乙第18号証)。その後、「VALENZA」ブランドの本件商標は、株式会社バレンザより商標権を譲り受けた被請求人又はライセンシーである株式会社V&Sが使用している。
2 第2答弁
(1)本件ズボンの具体的性状に応じて本件商標の輪郭の形状を変更したにすぎない商標、すなわち、本件ズボンのバックポケットのありふれた五角形を外枠として利用しただけの商標を、本件商標と社会通念上同一の商標と解することは、商標法第50条の登録商標の使用の範囲を社会通念上同一の範囲まで拡大している趣旨に合致する自然な解釈である。
(2)請求人は、乙第3号証及び乙第4号証の判決がジーンズパンツにおける周知著名性の高い「ステッチ形状」に係る事案であって、一般的なズボンについての見解ではないから、本件と事案を異にする旨述べている。
しかしながら、被請求人がこの判決を引用した趣旨は、「アパレル業界において、ズボンのバックポケット部分は、商標を付す箇所として一般化」している事実の一例を示すことにあり、請求人の主張する商標の周知著名性やステッチ形状に係る事案であることは無関係である。また、バックポケット部分に商標を付す点に関して、客観的にズボンの範ちゅうに含まれると考えられる「ジーンズパンツ」の判決を被請求人が引用することは、何ら不自然ではない。
(3)請求人が依頼した商標の使用調査の結果については、被請求人のスタッフが「当該絵柄を用いた生地のもの」、「数年前の商品の生地の柄模様」と述べていることから、本件ズボンのワンポイントのように「本件商標が商品の識別標識として付された被服」ではないようであり、会話の対象になっている商品が、本件ズボンに特定されていないと考える。
(4)請求人は、乙第13号証及び乙第14号証が、いわゆる「駆け込み使用」に該当すると主張しているが、乙第13号証には、平成23年8月17日のみならず、同年7月3日の販売実績が記載されており、請求人依頼の調査実施前の販売実績があることを看過している。
(5)店舗別売上実績(乙第15号証)は、被請求人が自ら作成した資料であるために客観性に欠ける旨主張しているが、店舗別の販売実績表を自社内で作成することは、一般的である。乙第8号証ないし乙第12号証に示されている本件ズボンの取引の流れ、あるいは被請求人と第三者との取引の状況によって、本件ズボンに関する一連の資料の客観性は確保されていると思料する。
3 以上より、本権審判の請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件商標の商標権者が、第25類の「被服」に含まれる「ズボン」について本件商標を使用していることは明らかである。

第4 当審の判断
1 商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成23年(2011年)9月20日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
2 被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証は、「本件ズボンの写真」とするものであり、そこには、「No.5116017」とする商品タグが付いたズボンのバックポケット部分拡大写真、横部全体写真、後部全体写真の三葉の写真が示されており、その左バックポケットには、後述するように、本件商標と外観上同視され得る図形からなる商標が表されている。
(2)乙第2号証は、乙第1号証に付された商品タグの拡大写真であり、「No.5116017」、「COL.77」、「SIZE 40」、「ポリエステル100%」、「日本製生地使用」、「MAID IN CHINA」の文字とともに、「511-6017-1」、「ism CO.,LTD.」、「税込価格¥30,450」、「本体価格¥29,000」等の記載がある。
(3)乙第7号証は、2011年10月21日に印字された商標権者のホームページ(写し)であり、「Company Profile」には、商標権者を始めとするism GROUPの紹介、「東日本大震災復興支援シンボルマーク事業 チャリティーTシャツ/シャツ 販売」の見出しの下、「株式会社イズム・グループ」、「神戸市中央区布引町1-1-10」等の記載があるほか、乙第10号証の「納品書」(写し)のあて先欄に表示されているものと同じ図形と「ism GROUP」の文字との結合からなる標章の表示がある。
(4)乙第8号証は、作成日を2010年11月15日とする「加工指図書」(写し)であり、品名の欄に「パンツ2」、ブランドの欄に「VALENZA」、品番の欄に「5116017」の記載がある。
(5)乙第9号証は、発注日を2010年11月21日とする「加工発注明細書」(写し)であり、納期の欄に「2011/02/15」、ブランドの欄に「VALENZA」、品番の欄に「5116017」の記載がある。
(6)乙第10号証は、平成23年2月12日付けの「ism GROUP」あての「納品書」(写し)であり、品番の欄に「5116017」、サイズの欄に「40」、カラーの欄に「77」等の記載がある。
(7)乙第12号証は、2011年2月24日付けのイズムグループから大丸新長田店あての「納品伝票」(写し)であり、品名の欄に「5116017」及び「パンツ」の記載等がある。
(8)乙第18号証は、2011年11月7日に印字された「VALENZA」のホームページ(写し)であり、「2008年7月1日より、イズムグループの傘下となりました。」等の記載がある。
3 上記2で認定した事実によれば、商標権者の表示のある商品タグが付された品番を「5116017」とする本件ズボンは、2010年(平成22年)11月15日に加工指図、同月21日に加工発注がされ、その後、2011年(平成23年)2月24日に大丸新長田店へ納品されたものといえる。
4 本件商標との同一性
本件商標は、別掲に示したとおり、正方形輪郭内に細かいアルファベット「V」を上下逆転させて上下左右等間隔に配し、その中央に大きくアルファベット「V」を配した図形よりなるのに対し、本件ズボンについての使用態様は、該ズボンのバックポケットの形状(五角形)を輪郭図形とするものであるところ、両者は、その構成要素において、看者に強く印象付けられるものといえる上下逆転させて上下左右等間隔に配置された細かいアルファベット「V」及びその中央に配置された大きなアルファベット「V」を共通にするものであるから、たとえ、後者がその輪郭をバックポケットの形状に合わせて五角形としたものであるとしても、そのことをもって、直ちに看者が別異の商標として認識するとはいい難く、よって、かかる使用は、本件商標と外観上同視され得る図形からなる商標の使用というべきである。
5 使用に係る商品
本件ズボンは、本件審判の請求に係る指定商品中の「被服」に含まれるものである。
6 むすび
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品に含まれる「ズボン」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
なお、請求人は、「平成23年7月9日?11日にわたり、本件商標の使用状況について専門機関が調査を行った」として、甲第3号証の1ないし5を提出して述べるところがあるが、当該調査は、調査範囲もおのずと限定されるものであり、本件商標の使用が、上記のとおり、被請求人により証明されたと認められる以上、かかる主張は、採用できない。
また、請求人は、平成23年8月17日に大丸新長田店においてされたとする本件商標に近似した図形を付したズボンの販売(乙第13号証及び乙第14号証)は、駆け込み使用であって、本件商標の使用を示す証拠とはなり得ない旨述べるところがあるが、上記認定のとおり、請求人主張の証拠を採用することなく使用の事実を認め得るものであるので、請求人の該主張は、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標



審理終結日 2012-07-18 
結審通知日 2012-07-23 
審決日 2012-08-06 
出願番号 商願2007-55593(T2007-55593) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X25)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 寺光 幸子
特許庁審判官 酒井 福造
田中 敬規
登録日 2008-02-29 
登録番号 商標登録第5115215号(T5115215) 
代理人 杉村 憲司 
代理人 村松 由布子 
代理人 安彦 元 
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