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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 審判 全部申立て 登録を維持 X41 |
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管理番号 | 1266146 |
異議申立番号 | 異議2012-900101 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2012-04-23 |
確定日 | 2012-11-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5466064号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5466064号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5466064号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成23年6月17日に登録出願、第41類「セミナー又は講演会の企画・運営又は開催,イベント・博覧会又はシンポジウムの企画・運営又は開催」を指定役務として、平成24年1月27日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3275674号商標(以下「引用商標1」という。)は、「オリンピック」の文字を書してなり、平成4年10月7日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成9年4月4日に設定登録されたものである。 同じく登録第4117280号商標(以下「引用商標2」という。)は、「OLYMPIC」の文字を書してなり、1993年4月1日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成5年10月1日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成10年2月20日に設定登録されたものである。 同じく登録第3264562号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、平成4年9月28日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成9年2月24日に設定登録されたものである。 同じく登録第4117278号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)に示す構成からなり、1993年4月1日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成5年10月1日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指指定役務として、平成10年2月20日に設定登録されたものである。 (2)理由の要点 ア 商標法第4条第1項第6号について 本件商標は、申立人である非営利公益団体である国際オリンピック委員会により、4年に一度開催される近代オリンピック競技大会を指標する商標として長年に亘り使用されている著名な引用商標1ないし4と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当する。 イ 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、申立人が所有する、引用商標1及び3と類似する商標であって、かつ、引用商標1及び3の指定役務と同一又は類似の役務「セミナー又は講演会の企画・運営又は開催,イベント・博覧会又はシンポジウムの企画・運営又は開催」について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 ウ 商標法第4条第1項第15号について 引用商標1ないし4は、本件商標の出願時点において、申立人が開催するオリンピック競技大会を指標するものとしてわが国において著名であったから、本件商標に接した需要者は、本件商標から直ちに申立人の著名な引用商標1ないし4を連想・想起し、本件商標の商標権者により提供される役務が、申立人又はその関連団体により提供されるものであるかの如く、役務の出所につき誤認・混同することは必定である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 エ 商標法第4条第1項第7号又は同第19号について 本件商標は、オリンピック競技大会を指標するものとして国内外の需要者の間に広く認識された申立人の著名な引用商標1ないし4を剽窃したものに他ならず、引用商標1ないし4の有する指標力・顧客吸引力及びイメージにただ乗りし、不正の利益を得る目的をもって使用するものであって、国際信義及び公序良俗に反するものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号又は同第19号に該当する。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第6号について ア 申立人提出の証拠によれば、引用商標1ないし4を構成する各標章は、非営利公益団体である国際オリンピック委員会(申立人)により、4年に一度開催される近代オリンピック競技大会を指標する標章として長年に亘り使用されていることが認められ、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章として、著名なものとなっていたと認められるものである。 イ 本件商標は、別掲(1)に示すとおり、上段に、赤色の7個の輪を横一列に鎖状に配置し、それらの中央を横切る黄色の線を描いた図形を配し、下段に、「やきとリンピック」の文字を配した構成の標章からなるものである。 しかして、上段の図形と下段の文字とは、独立しても自他役務の識別標識としての機能を果たし得ると認められるものであるが、本件商標は、その構成態様からみても、また、指定役務との関連においてみても、いずれの部分からも、特定の観念を生じることはないというのが相当であり、「やきとリンピック」の文字に相応して「ヤキトリンピック」の一連の称呼が生じるものである。 一方、引用商標1及び2は、それぞれ、その構成文字「オリンピック」及び「OLYMPIC」から、「オリンピック」の称呼、「オリンピック競技大会」の観念が生じること明らかというべきものである。 また、引用商標3は、別掲(2)に示すとおり、左から青色、黄色、黒色、緑色及び赤色の、5つの輪を、青色と黒色の輪の下方で黄色の輪を連鎖させ、黒色と赤色の輪の下方で緑色の輪を連鎖させて、5個の輪全体が連鎖するようにした図形をもって構成されるものであり、引用商標4は、別掲(3)に示すとおり、引用商標3を構成する標章と同じ構成態様の図形を黒一色で表したものであり、いずれも、いわゆる「五輪マーク」(オリンピックのマーク)として印象し記憶されるものである。 しかして、本件商標の図形部分と引用商標3及び4を構成する図形を対比すると、鎖状の輪を配した点に共通するところがあるとしても、前者が7個の輪を横一列に配したものであるのに対して、後者は5個の輪を上段に3、下段に2となるように段差をもって配したものであること、前者には黄色い横線があるのに対し、後者に横線がないこと、色彩が異なること、に相違が認められる。 そして、これらの相違は微差とは言い難いものであり、かかる相違によって、両者の全体の印象は明らかに異なったものとして受けとめられるというのが相当であって、本件商標の図形部分は、五輪マークとは発想、構成の軌を一にするものとは認め難いから、五輪マークと類似する標章とは認められないものである。 さらに、本件商標の文字部分についてみても、一連不可分の造語として理解されるものというのが相当であって、直ちに「オリンピック」「OLYMPIC」と関連付けて看取される構成態様のものとはいえないものである。 ウ してみると、本件商標は、上記アの「公益に関する事業で営利を目的としないものを表示する標章であって著名なもの」に類似する商標と認めることはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当するものとはいえない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲(1)に示す構成からなり、上記(1)イで認定のとおりのものであり、一方、引用商標1ないし4も、上記(1)イで認定のとおりのものである。 しかして、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標と引用商標1ないし4の外観構成は、上記のとおり、明らかに相違するものであるから、外観上相紛れるおそれはない。 また、本件商標の称呼「ヤキトリンピック」と引用商標の称呼「オリンピック」を対比しても、両者は、構成音数が相違する上、語頭部分で「ヤ」「キ」「ト」と「オ」の音の顕著な差異を有するものであるから、これらを一連に称呼した場合、全体としての音感が異なり、相紛れることなく充分に区別し得るものである。 さらに、本件商標は、特定の観念を生じさせないものであり、観念について引用商標と比較することができないから、観念上相紛れるおそれはないものである。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1ないし4に類似する商標であると判断することはできないものである。 したがって、指定役務について論及するまでもなく、本件商標は、引用商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。 (3)商標法第4条第1項第15号について 引用商標を構成する各標章は、上記(1)ア記載のとおり、著名なものと認められ、また、証拠によれば、同各標章は、申立人及び許諾を受けた者によって、各種の役務等について使用をされていることが窺い知れるものである。 しかしながら、本件商標が各引用商標と類似するものとは認められないこと前記のとおりである上、本件商標が引用商標を構成する各標章をその構成の一部に含むなど、さらに両者を関連付けてみるべき事情も認められないから、結局、本件商標と各引用商標とは別異の出所を表すものとして看取されるというべきである。 しかして、本件商標を指定役務に使用したとしても、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該役務を申立人の業務に係る役務、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く誤信するとは認め難いから、本件商標の出願時及び査定時において、役務の出所について混同を生じさせるおそれがあったとすることはできないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。 (4)商標法第4条第1項第19号について 引用商標1ないし4が周知・著名な標章に該当するものであるとしても、上記のとおり、本件商標は、引用商標1ないし4に類似する商標とは認められない。 したがって、不正の目的をもって使用するものに当たるか否かなど、本号の他の要件に言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとはいえない。 (5)商標法第4条第1項第7号について 上記のとおり、本件商標は、引用商標1ないし4とは別異の標章からなるものであるから、引用商標1ないし4を剽窃したとは認め難いものであり、引用商標1ないし4に関連して、その信用や名声等に故なく依拠し、あるいは信用や名声等を毀損するなどの不正の目的をもって使用するものであると断ずることはできないものである。 そして、本件商標は、その構成からみて、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような構成のものでないことは明らかであり、また、その使用が、法的に禁じられているとか、公正な取引秩序を乱すおそれがあったり、国際信義に反するものとなるとすべき明確な理由はみいだせない。 してみると、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標に当たるとは認められないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。 (6)まとめ 以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第6号、同第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標(色彩は原本参照) (2)引用商標3(色彩は原本参照) (3)引用商標4 |
異議決定日 | 2012-11-07 |
出願番号 | 商願2011-42144(T2011-42144) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X41)
T 1 651・ 263- Y (X41) T 1 651・ 262- Y (X41) T 1 651・ 222- Y (X41) T 1 651・ 22- Y (X41) T 1 651・ 261- Y (X41) T 1 651・ 21- Y (X41) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 清棲 保美 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
内山 進 前山 るり子 |
登録日 | 2012-01-27 |
登録番号 | 商標登録第5466064号(T5466064) |
権利者 | 株式会社ひびき |
商標の称呼 | ヤキトリンピック |
代理人 | 藤倉 大作 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 田中 伸一郎 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 加藤 ちあき |