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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20121947 審決 商標
不服20129855 審決 商標
不服201210602 審決 商標
不服20128131 審決 商標
不服20127844 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X25
審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 取り消して登録 X25
管理番号 1265912 
審判番号 不服2010-21611 
総通号数 156 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-27 
確定日 2012-11-02 
事件の表示 商願2009-52869拒絶査定不服審判事件についてした平成23年11月15日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成24年(行ケ)第10002号、平成24年9月13日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年7月13日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同22年1月27日受付の手続補正書により、第25類「被服,ベルト,帽子,手袋,ネクタイ,エプロン」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、東京湾に臨む日本有数の工業都市である川崎市に通じる『Kawasaki』の文字を書してなるものであり、商品の産地・販売地を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」及び「本願商標は、ありふれた氏の一つと認められる『川崎』に通じる『Kawasaki』の文字を書してなるものであるから、ありふれた氏普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、欧文字「Kawasaki」が、エーリアルブラックの書体に似た極太の書体で強調して書かれており、字間が狭く、全体的に極めてまとまりが良いことから、見る者に、力強さ、重厚さ、堅実さなどの印象を与える特徴的な外観を有することが認められる。
(2)「川崎」が神奈川県川崎市を意味することを示す辞典類の記載、同市を「KAWASAKI」、「Kawasaki」、「kawasaki」の欧文字を使用して表記している東京新聞、朝日新聞、毎日新聞、日刊工業新聞の各記事、団体企業等のウェブページの各記事(URLを含む。)の中にアパレル関連の商品に関して使用した例はなく、本願商標と同一又は類似の表記態様がなされた例もない。なお、これらのうち、川崎球場のウェブページの「Kawasaki」の表記は、本願商標と類似するようにも思われるが、当該表記は、その後、本願商標と類似しない表記態様に変更された(甲464)。
(3)請求人が、調査会社であるインテージ株式会社に委託して実施したブランドイメージ調査(18歳から69歳の男女4266人を対象とするインターネットによる定量調査。実施期間は平成23年5月10日から12日。)の結果(甲217)は、次のとおりである。業種が広告代理店、市場調査、マスコミに勤務していないとの条件を満たす者を対象に行われた。
ア 画面において、本願商標のみを呈示し、「Q1 このロゴをご覧になって、あなたは何を思い浮かべましたか。なんでも結構ですので、思い浮かべた内容をご自由にお書きください。」と質問した。
この項目の回答の総数は1407件であり、このうち、バイク関係を想起したものが925件で最も多く、スポーツ用品(テニス・ラケット等を含む。)を想起したものが67件、企業関係を想起したものが66件、船舶海洋・車両・航空宇宙・機械ビジネス・モーター・エンジン・精密機器を想起したものが65件であり、地名(神奈川県・川崎市)を想起したものは39件、川崎・カワサキのみ記載した回答が12件、「分からない」又は「なし」と記載した回答が合計75件であった。
年代別では、地名(神奈川県・川崎市)を想起したものが20代女性でやや多かったものの、同年代女性の約10%にすぎなかった。
イ 画面において、本願商標を呈示し、「Q2 このロゴをご覧になって、あなたは何のロゴだと思いましたか。最もあてはまるものを1つだけお答えください。商品・サービスブランドのロゴ、市区町村・自治体・役所のロゴ、企業ブランドのロゴ、個人事業・商店のロゴ、事業ブランドのロゴ、その他具体的に」と質問した。
この項目のサンプル数は1187件であり、全体では、「企業ブランドのロゴ」との回答が71.0%と最も多く、「商品・サービスブランドのロゴ」との回答が13.6%、事業ブランドのロゴとの回答が7.8%、「市区町村・自治体・役所のロゴ」との回答が3.1%、「個人事業・商店のロゴ」との回答が1.5%であった。
年代別では、「市区町村・自治体・役所のロゴ」との回答が10代(18-19歳)の男女にやや多く、同年代の約10ないし11%であったが、この年代でも「企業ブランドのロゴ」と回答したものの割合が最も多かった。
(4)請求人が、インテージ株式会社に委託して実施した第2回ブランドイメージ調査(18歳から69歳の男女3968人を対象とするインターネットによる定量調査。実施期間は平成23年12月21日から26日。)の結果(甲315)は、次のとおりである。この調査は、上記(3)の調査対象者を除き、業種が広告代理店、市場調査、マスコミに勤務していないとの条件を満たす者を対象に行われた。
ア 面面において、本願商標の付されたアパレル商品(帽子、Tシャツ、ジャケット、パーカー、耳当て)のみを呈示し、「Q1 このロゴをご覧になって、あなたは何を思い浮かべましたか。なんでも結構ですので、思い浮かべた内容をご自由にお書きください。」と質問した。
この項目の回答の総数は1288件であり、このうち、バイク関係を想起したものが670件で最も多く、スポーツ用品(テニス・ラケット等を含む。)を想起したものが73件、サッカー関連を想起したものが78件、企業関係を想起したものが40件、船舶海洋・航空宇宙・機械ビジネス・モーター・エンジンを想起したものが4件であり、地名(神奈川県・川崎市)を想起したものが64件、「個人名」を想起したものが15件、川崎・カワサキのみ記載した回答が33件、「分からない」又は「知らない」と記載した回答が合計34件であった。
イ 次に、両面において、本願商標の付されたアパレル商品(帽子、Tシャツ、ジャケット、パーカー、耳当て)を呈示し、「Q2 このロゴをご覧になって、あなたは何のロゴだと思いましたか。最もあてはまるものを1つだけお答えください。商品・サービスブランドのロゴ、市区町村・自治体・役所のロゴ、企業ブランドのロゴ、個人事業・商店のロゴ、事業ブランドのロゴ、その他具体的に」と質問した。
この項目のサンプル数は1146件であり、全体では、「企業ブランドのロゴ」との回答が60.8%と最も多く、「商品・サービスブランドのロゴ」との回答が13.0%、「事業ブランドのロゴ」との回答が9.4%、「市区町村・自治体・役所のロゴ」との回答が10.4%、「個人事業・商店のロゴ」との回答が2.2%であった。
年代別では、「市区町村・自治体・役所のロゴ」との回答が10代(18-19歳)の男女に多いが、この年代でも「市区町村・自治体・役所のロゴ」と回答したものは、男性が同年代の21.7%、女性が同年代の38.5%であった。
(5)これらの事実に基づき、以下、判断する。
2 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴと(何人)もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁[判例時報927号233頁]参照)。また、登録出願に係る商標が同号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには、必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもって足りるというべきである(最高裁昭和61年1月23日第一小法廷判決・裁判集民事147号7頁[判例時報1186号131頁]参照)。
上記の観点から、本願商標が、同号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するか否かを検討する。
上記1(1)認定の事実によれば、本願商標は、別掲のとおり、欧文字「Kawasaki」が、エーリアルブラックの書体に似た極太の書体で強調して書かれており、字間が狭く、全体的に極めてまとまりが良いことから、単なるゴシック体の表記とはいえず、見る者に、力強さ、重厚さ、堅実さなどの印象を与える特徴的な外観を有するものである。このような外観からすると、本願商標は、単なる欧文字の「Kawasaki」の表記とは趣きを異にするから、一般人に、一義的に神奈川県川崎市を連想させるような表記ということはできない。
また、上記1(2)認定の事実によれば、神奈川県川崎市を「Kawasaki」、「KAWASAKI」等の欧文字により表記することがしばしば行われるとはいえるが、漢字で「川崎」と表記される場合とは異なり、「Kawasaki」、「KAWASAKI」等の欧文字に接した一般人が、通常、当該文字から同市を商品の産地、販売地として想起するとまでは認められない。
さらに、上記1(3)認定の事実によれば、本願商標のみに接した日本国内の18歳から69歳の男女1000人以上を調査したところ、半数以上がバイク関係を想起したとするのに対し、神奈川県川崎市を想起した者は総数の3.1%しかなかったこと、また、同(4)認定の事実によれば、本願商標をアパレル商品に付した場合でも、これに接した日本国内の18歳から69歳の男女1000人以上を調査した結果、神奈川県川崎市を想起した者は総数の10.4%しかなかったことが認められる。
以上を総合すると、本願商標が指定商品に使用されたとしても、需要者又は取引者において一般的に地名である神奈川県川崎市を想起するとはいえず、当該指定商品が同市において生産され又は販売されているであろうと一般に認識することもないというべきである。
以上のとおり、本願商標は、指定商品に使用された場合、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものとはいえず、自他商品識別力を欠く商標としてその機能を果たし得ないものであるとはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するということができない。
3 商標法第3条第1項第4号について
本願商標は、上記1(1)認定のとおり、欧文字「Kawasaki」がエーリアルブラックに似た極太のゴシック書体で強調して書かれており、字間が狭く、全体的に極めてまとまりが良いことから、単なるゴシック体の表記とはいえず、見る者に、力強さ、重厚さ、堅実さなどの印象を与える特徴的な外観を有するものである。このような外観からすると、本願商標は、単なる欧文字の「Kawasaki」の表記とは趣きを異にするから、一般人に、一義的に姓氏を連想させる表記ということはできない。
さらに、上記1(3)認定の調査結果によれば、本願商標のみを呈示した場合、半数以上がバイク関係を想起したとするのに対し、本願商標から「個人名」を想起したとの明確な回答はなく、本願商標を「個人事業・商店のロゴ」と思った旨の回答は全体の1.5%にすぎなかった。また、同(4)認定の調査結果によれば、本願商標をアパレル関係の商品に付して呈示した場合、本願商標から「個人名」を想起したものは全体の約1%であり、本願商標を「個人事業・商店のロゴ」と思った旨の回答は全体の2.2%にすぎなかった。すなわち、本願商標から、氏である「川崎」を想起した者は殆どいないということができ、このような調査結果からも、本願商標は、ありふれた氏を「普通に用いられる方法で表示する」ものではないと解すべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するということができない。
4 むすび
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第4号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶をすべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標



審理終結日 2012-10-11 
結審通知日 2012-10-12 
審決日 2012-10-23 
出願番号 商願2009-52869(T2009-52869) 
審決分類 T 1 8・ 14- WY (X25)
T 1 8・ 13- WY (X25)
最終処分 成立 
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 小林 正和
前山 るり子
商標の称呼 カワサキ 
代理人 特許業務法人 有古特許事務所 
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