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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X093839
審判 全部申立て  登録を維持 X093839
審判 全部申立て  登録を維持 X093839
管理番号 1264495 
異議申立番号 異議2012-900111 
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2012-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2012-05-01 
確定日 2012-10-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5466761号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5466761号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5466761号商標(以下「本件商標」という。)は、「MYFI」の欧文字を書してなり、2010年10月19日にインドにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成23年3月3日に登録出願、第9類「グローバルコンピュータネットワークを介して自動車の内燃機関等の機器の誤作動・故障等の診断情報を伝えるための通信用電子モジュールを備えた自動車用診断装置,自動車の内燃機関等の機器の誤作動・故障等の車両情報を救援人員に伝えるための通信用電子モジュールを備えた自動車用診断装置,コンピュータを内蔵した乗物用ナビゲーション装置,携帯電話・メディアプレーヤー等を自動車用電子機器に接続するための電気通信機械器具」、第38類「グローバルコンピュータネットワークを介した自動車の内燃機関等の機器の誤作動・故障等の診断情報のデータ及び画像情報の通信,グローバルコンピュータネットワークを介した救援人員が持つ電子情報端末による自動車の内燃機関等の機器の誤作動・故障等の車両情報のデータ及び画像情報の通信」及び第39類「道順に関する情報の提供,道路交通情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同年12月28日に登録査定、同24年1月27日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 申立人の商標「MiFi」(以下「引用商標」という)は、申立人の商品であるルーター(以下「申立人商品」という)を指し示す商標であり、いくつものシリーズを有する申立人の主力商品である(甲第1号証)。そして、引用商標は、申立人の商標として、日本国内において広く認識され、周知著名である。このことは、次の2及び3からも明らかである。
2 申立人商品の日本語ホームページ(甲第2号証)
日本において申立人商品が紹介、販売されている。アメリカの会社が製造、販売する商品がわざわざ日本語で紹介、販売されていることは、申立人商品がアメリカのみならず日本でも普及し、よく知られ、周知であることを示すものである。
3 ウィキペディア日本語版の申立人商品の紹介記事(甲第3号証)
申立人商品がウィキペディアの日本語版において紹介されている。ウィキペディアは、一般的によく知られ、普及している事物を記事として紹介するウェブサイトである。このようなウェブサイトの、しかも日本語版で紹介されているという事実より、引用商標が日本国内で周知な商標であるといえる。
4 商標法第4条第1項第10号の該当性について
引用商標が、商標法第4条第1項第10号にいう「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」に該当することは、上述したとおりである。
次に、本件商標が引用商標と類似するかが問題となる。
まず、本件商標は「MYFI」の文字よりなる。一方、引用商標は「MiFi」の文字よりなる。両商標は、2番目の文字が「Y(ワイ)」か「i(I)(アイ)」かで異なる。その意味で、両商標は同一とは言えない。しかしながら、本件商標と引用商標はともに、以下の理由により「マイファイ」の称呼が生じることから、両商標は称呼上類似する。
まず、本件商標は、前半部分の「MY」が「私の」という意味を有する英単語としてよく知られた「my」に通じ、これが「マイ」と発音することは周知の事実である。また、後半部分の「FI」は、「WiFi」の「Fi」の後半部分でもあることから、「ファイ」の発音が生じると考えられる。もちろん、「FI」は「フィ」とも発音できることから、「フィ」の発音が生じることは否定しないが、少なくとも「ファイ」の発音は生じる。したがって、本件商標からは「マイファイ」あるいは「マイフィ」の称呼が生じる。
一方、引用商標は、一般に、「マイファイ」と呼ばれて取引されている。このことは、甲第3号証の第一段落に「MiFi(マイファイ)は、モバイルワイファイスポットとして機能するNovate1 Wirelessによって生産されたコンパクトなモバイルWi-Fiルーターである」と記載されていることからも明らかである。
以上のとおり、本件商標と引用商標はともに「マイファイ」という同じ称呼を生じ、称呼上類似することは明らかである。
次に、本件商標の指定商品等と引用商標が使用される商品とが類似するかが問題となる。
引用商標が使用される商品については、甲第1号証ないし甲第3号証に見られるように、主としてモバイルWi-Fiルーターである。
一方、本件商標は第9類の商品、第38類および第39類の役務を指定するものであるところ、このうち第9類の指定商品と申立人商品とを比較すると、ともに電気通信分野の商品であり、両商品が類似することは明らかである。
また、本件商標の第38類の指定役務も通信に関連する役務であり、引用商標に係る役務と類似するといえる。
したがって、本件商標の指定商品等と引用商標が使用される商品とは互いに類似するといえる。
以上のとおり、本件商標と引用商標は互いに類似し、両商標に係る商品又は役務は互いに類似する。
よって、本件商標は引用商標との関係で商標法第4条第1項第10号に該当する。

第3 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人の主張及び提出の証拠によれば、申立人は、アメリカのワイヤレス通信機器を製造、販売する会社であり、引用商標を申立人商品について、2009年5月にアメリカで使用を開始し、その後、日本においても、申立人商品の販売がされていることが窺える。
しかしながら、申立人は、これが周知である旨の主張をするものの、具体的な販売数量、販売額、市場占有率、販売場所、広告宣伝費、広告の期間や回数等については不明であって確認できず、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、周知な商標であると認めるに足りる証拠は見あたらない。
よって、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知であったとは、認めることはできない。
2 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、「MYFI」の欧文字を書してなるところ、該文字は、一般に親しまれたものでもなく、辞書等にも記載がないものであって、特定の観念を生じない造語と認められるものであり、これよりは、構成文字に相応して、「マイフィ」、「ミフィ」、「マイファイ」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、「MiFi」の欧文字よりなるところ、該文字は、一般に親しまれたものでもなく、辞書等にも記載がないものであって、特定の観念を生じない造語と認められるものであり、これよりは、構成文字に相応して、「ミフィ」又は、「マイファイ」の称呼を生ずるものである。
してみると、本件商標と引用商標は、称呼においては、共通する称呼を生ずる場合があるものの、外観においては、それぞれの構成に照らし、明確に区別し得る差異を有するものである。
そして、両商標はいずれも特定の観念を生じない造語であるから、観念においては比較することができないものであり、観念上相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼において共通する称呼を生ずる場合があるとしても、両者は複数の称呼を有するものであって、かつ、外観及び観念において相紛れるおそれのないものであるから、全体として、非類似の商標というのが相当である。
3 商標法第4条第1項第10号について
上記したとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認めることのできないものであり、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2012-09-26 
出願番号 商願2011-15263(T2011-15263) 
審決分類 T 1 651・ 252- Y (X093839)
T 1 651・ 253- Y (X093839)
T 1 651・ 251- Y (X093839)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 水茎 弥
特許庁審判官 松田 訓子
井出 英一郎
登録日 2012-01-27 
登録番号 商標登録第5466761号(T5466761) 
権利者 デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
商標の称呼 マイフィ、マイファイ、エムワイエフアイ 
代理人 向口 浩二 
代理人 竹内 耕三 
代理人 深見 久郎 
代理人 森田 俊雄 
代理人 絹谷 信雄 

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