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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 009
管理番号 1264282 
審判番号 取消2011-301158 
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2011-12-22 
確定日 2012-09-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第4039352号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4039352号商標(以下「本件商標」という。)は,「スキャンメール」の片仮名を書してなり,平成7年11月20日に登録出願,第9類「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品,測定機械器具,電気磁気測定器,郵便切手のはり付けチェック装置,電気通信機械器具,盗難警報器,火災報知機」を指定商品として,同9年8月8日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成24年1月16日である。

第2 請求人の主張等
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第9類「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」についての商標登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証及び甲第4号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標の商標権者は,日本国内において,本件商標を,継続して3年以上「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」について使用していない。また,その商標登録原簿に徴する限り,本件商標に,専用使用権あるいは通常使用権が設定・許諾されている事実も見当たらない(甲第1号証)。
なお,本件不使用取消審判請求事件の当事者と同一当事者による同一の商品についての不使用取消審判請求事件である取消2010-301243号(以下「別件取消事件」という。)の審決がある(甲第2号証)。
別件取消事件では,被請求人が別件取消事件の乙第6号証である「確認書」に基づき「スキャナ・ジャパンが本件商標の通常使用権者である」と主張したことに対し,請求人は,乙第6号証の日付がスキャナ・ジャパンの設立前であるため事実関係が不明確であること,及び資本金が37億円以上であって東証一部上場企業である被請求人が資本金50万円のスキャナ・ジャパンに対して商標の使用許諾をする際に何ら契約書の類を残さないのは不自然であることを理由として同乙第6号証による通常使用権の存在には大きな疑念があると主張した。加えて請求人は,本件商標が指定商品に使用されている事実の立証が尽くされているとはいい難いことも理由として,スキャナ・ジャパンの代表取締役を証人とする証人尋問中立書及び尋問事項書を提出したが,審決では「確認書の記載内容に疑念があるとはいえない」として証人尋問の必要性が否定された。
しかし,証人尋問を行い確認書に関する事実関係を明確にすることなく「確認書の記載内容に疑念があるとはいえない」とした審決の判断は,そもそも,証人尋問を行うことで事実を明らかにすることが容易に可能である事項についての確認を怠ったことにも等しく請求人にとって著しい不利益である。
したがって,本件取消審判において,被請求人が「確認書」に基づき同様の主張・立証を行った場合には,口頭審理並びに証人尋問を行って確認書に関する事実を明白にした上で判断を行うべきである。
以上,述べたとおり,前記各指定商品についての本件商標は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 なお,請求人は,被請求人の答弁書に対して何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標は,「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品」の範囲内にある商品の一つである「郵便不審物選別装置」について,商標権者である被請求人が使用を許諾したスキャナ・ジャパンにより使用されている。
ア 乙第1号証には,スキャナ・ジャパンが販売する郵便不審物選別装置(以下「本製品」という。)の写真を示す。これに示されているように,本製品の正面には「SCANMAIL」の文字が付されている。「SCANMAIL」は,片仮名により表記された本件商標「スキャンメール」をアルファベット表記したものであるから,本件商標と社会通念上同一の商標である。
イ 乙第2号証は,スキャナ・ジャパンが発行しているカタログである。これに示されるように,本製品は,レターボム(手紙爆弾)等に使用される小型電子回路や刃物等の不審物を発見するための郵便不審物選別装置であり,「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品」の範囲内にあることは明らかである。また,乙第2号証にも本製品の製品名として「スキャンメール」及び「SCANMAIL」が使用されている。なお,これらの一部には型番として「10K」が付されているが,これは自他商品識別機能を有しないから,「スキャンメール10K」及び「SCANMAIL10K」は,いずれも本件商標と社会通念上同一である。
ウ 乙第3号証は,スキャナ・ジャパンのホームページ(平成24年2月20日現在)の写しである。ここにも,卓上型レターボム検知器として「スキャン・メール」の表記が見られる。
エ 乙第4号証ないし乙第7号証は,スキャナ・ジャパンが平成23年に「スキャンメール」を輸入・販売したことを示す証明書面である。なお,これらの書面における発注元及び商品の金額についての黒塗りは,被請求人によるものである。
オ 乙第4号証は,発注元からスキャナ・ジャパンに対する注文書である。これによると,平成23年12月7日にスキャナ・ジャパンに対し,発注元から注文がなされている。品名の欄の「DESC-0201」とは,後述するように「スキャンメール10K」のことである。
カ 乙第5号証は,注文された「スキャンメール」を英国スキャナMSC社から取り寄せた際の送り状である。送り元(1 From)の欄において,日付に「12/14/11」(2011年12月14日),送り元の会社に「SCANNA MSC LTD.」とあり,送り先(2 To)の欄において,送り先の会社に「SCANNA JAPAN INC.」とある。 また,輸送情報(3 Shipment Information)の欄において,品名が「DESKTOP MAIL SCANNER」とある。
キ 乙第8号証は,英国スキャナMSC社のホームページの写しであり,「Scanmail 10K」が「electronic desktop mailscanner」と記載されていることからも,当該品が「スキャンメール10K」であることは明らかである。これらから,上記注文書に対応して,スキャナ・ジャパンが英国スキャナMSC社に「スキャンメール」を注文し,商品が平成23年12月14日に発送されたことが分かる。
ク 乙第6号証はスキャナ・ジャパンから発注元に対する納品書であり,乙第7号証はスキャナ・ジャパンから発注元に対する請求書である。これらから,スキャナ・ジャパンから発注元に対し平成23年12月22日に「スキャンメール」が納入されたことが分かる。
ここで,納品書及び請求書の品名の欄には「スキャンメール10K」と記載され,品番の欄には「DESC-0201」と記載されている。すなわち,乙第4号証の注文書において「DESC-0201」と記載されていたのは,「スキャンメール10K」のことである。
これらの証明書面から,スキャナ・ジャパンは,平成23年12月に乙第1号証ないし乙第3号証に記載された「スキャンメール」を英国から輸入し,譲渡したことは明白である。
(2)以上のように,審判請求前3年以内に,スキャナ・ジャパンにより郵便不審物選別装置について本件商標と社会通念上同一の商標が使用されていることは明らかである。
(3)被請求人がスキャナ・ジャパンに対して使用許諾した経緯について
被請求人は,従前,本製品の製造元である英国スキャナMSC社(Scanna MSC Ltd.)と代理店契約を締結し,その商品を輸入・販売してきたが,英国スキャナMSC社は,日本法人(スキャナ・ジャパン株式会社)を介した輸入・販売も行うこととなった。この日本法人による輸入・販売を開始するにあたって,被請求人とスキャナ・ジャパンとの間で話し合いがなされ,平成18年7月26日に,スキャナ・ジャパンが郵便不審物選別装置に商標「スキャンメール」並びに「SCANMAIL」を使用することを,被請求人が許諾するに至った(なお,当時,スキャナ・ジャパンは設立準備中)。当該使用許諾を行った事実は,乙第9号証でスキャナ・ジャパンの社長が認めるとおりである。なお,乙第10号証にて乙第9号証の川口氏がスキャナ・ジャパンの代表者であることが確認できる。
以上のとおり,被請求人がスキャナ・ジャパンに本件商標の通常使用権を許諾していたことは明らかである。
(4)審判請求書の請求の理由(5)において,請求人は第2回審判の乙第6号証(本件審判の乙第9号証)に関し,口頭審理及び証人尋問を行って確認書に関する事実を明白にすべき旨,主張している。
しかし,被請求人がスキャナ・ジャパンに使用権を許諾していた事実は,第1回審判及び第2回審判のいずれにおいても,乙第9号証の確認書に基づいて既に認定されており,確認書が客観的に見て疑念を生じるようなものでないことは明らかである。また,第2回審判の確定審決においても,請求人の証拠調の申立に対して判断がなされており,請求人の主張は先の審判での主張を,一事不再理に反して単に蒸し返しているに過ぎない。そして,単に請求人が前から主観的に疑念を持っているということを理由に,証人尋問などを行う必要性が全くない。
2 まとめ
以上の証拠から,本件商標と社会通念上同一の商標が「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品」の範囲内にある商品の一つである「郵便不審物選別装置」について,商標権者である被請求人が使用を許諾したスキャナ・ジャパンにより,過去3年以内に使用されたことは明白である。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出した乙各号証によれば,以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は,被請求人が「郵便不審物選別装置」の写真と主張するものであり,その装置の正面には,「SCANMAIL」と「10K」の文字が段を違えて表示されている。
(2)乙第2号証は,スキャナ・ジャパンが発行したカタログ(一部,写し)であるところ,「スキャンメール 10K-卓上型レターボム検知器」として「本製品は,レターボム(手紙爆弾)等に使用される小型電子回路や刑務所の囚人向けの差し入れ品や手紙の挿入された刃物等の不審物を発見するための卓上型検知装置です。」との記載がある。
(3)乙第3号証は,スキャナ・ジャパンのホームページ(写し)であるところ,「最先端の不審物スクリーニング技術」との記載,及び,「卓上型レターボム検知器」の文字とともに装置の写真が掲載され,その下には,「スキャン・メール」と記載されている。
そして,該写真の装置は,乙第1号証の写真の装置と同一のものと認められる。
当該ホームページは,右下に「2012/02/20」と表示されていることから平成24年2月20日に打ち出されたものと認められる。
(4)乙第4号証は,発行日が2011年12月7日付けの,発行者及び受渡場所がマスキングされたスキャナ・ジャパンあての「注文書」(写し)であり,「品名」の欄には「DESC-0201」,「数量」の欄には「1」との記載がある。
(5)乙第5号証は,「International Air Waybill」と題する書面(写し)であるが,不鮮明でその記載を明確には確認することができないものの,被請求人は,注文された「スキャンメール」を英国スキャナMSC社から取り寄せた際の送り状である旨,記載内容について,日付に「12/14/11」(2011年12月14日),送り元の会社,送り先の会社,品名等であると主張する。
その主張を勘案して子細に見れば,「1 From」の「Comparny」に「SCANNA MSC LTD.」,「2 To」の「Comparny」に「SCANNA JAPAN INC.」,「3 Shipment Information」の「DETAIL REQUIRED」の欄に「DESKTOP MAIL SCANNER」との記載がみてとれる。
(6)乙第6号証は,平成23年12月22日付けの,あて先及び金額がマスキングされたスキャナ・ジャパンの「納品書」(写し)であり,「品名」の欄に「スキャンメール 10K」,「品番」に「DESC-0201」,「数量」に「1」との記載がある。
(7)乙第7号証は,平成23年12月22日付けの,あて先及びご請求金額がマスキングされたスキャナ・ジャパンの「ご請求書」(写し)であり,「品名」の欄に「スキャンメール 10K」,「品番」に「DESC-0201」,「数量」に「1」との記載がある。
(8)乙第8号証は,英国スキャナMSC社のホームページ(写し)であるところ,「Scnamail 10K electronic desktop mailscanner」の記載及びその下には,乙第3号証と同一と認め得る装置の写真が掲載されている。そして,該書面の中央には,装置が拡大して表示されており,その装置の正面には,「SCANMAIL」と「10K」の文字が段を違えて表示されている。
また,かかる装置は,乙第1号証の装置の同一のものと認められる。
当該ホームページは,右下に「2012/02/23」と表示されていることから平成24年2月23日に打ち出されたものと認められる。
(9)乙第9号証は,「確認書」(スキャナ・ジャパン代表取締役の記名・押印がある)と題する平成21年6月7日付けの書面(写し)であり,その内容は,「スキャナ・ジャパン株式会社は,英国スキャナMSC社(Scanna MSC Ltd.)の日本法人であり,スキャナMSC社が製造する商標(SCANMAIL)が付された商品『SCANMAIL 10K』を輸入する代理店である。・・・当社は,上記商品を販売開始するにあたって,ホーチキ株式会社から・・・商標『スキャンメール』並びに『SCANMAIL』を使用する許諾を平成18年7月26日に得た。」旨である。また,乙第10号証は,「川口博久」が「スキャナ・ジャパン」の代表取締役である旨の「代表者事項証明書」である。
(10)乙第11号証は,別件審決取消訴訟事件の判決文であり,当該事件は,本件商標について,本件と同一当事者により,本件と同一の指定商品についての不使用取消審判請求(別件取消事件)の結果が争われた事件である。
2 以上によれば,以下の事実が認められる。
(1)スキャナ・ジャパンは,乙第1号証及び乙第8号証に示された「SCANMAIL 10K」の標章が表示された,品名「DESC?0201」で特定される「卓上型レターボム検知器」を,要証期間内である2011年12月7日に注文を受け,同年同月14日に,英国法人のSCANNA MSC Ltdから輸入し,同年同月22日に,日本国内において販売したものと認められる(乙第4号証ないし乙第7号証)。
そして,「卓上型レターボム検知器」は,乙第2号証によれば,レターボム(手紙爆弾)などに使用される小型電子回路や・・・手紙の挿入された刃物等の不審物を発見するために用いられる「郵便不審物選別装置」であって,本件審判の取消に係る指定商品中の「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品と認められる。
(2)「卓上型レターボム検知器」に表示された標章は,「SCANMAIL」の文字と,「10K」とを段を違えて表示しているところ,「10K」の部分は,数字とアルファベット1文字との組合せからなることからすると,商品に付された型番ないし商品番号等を認識させるものであることから,「SCANMAIL」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そして,「SCANMAIL」の文字は,本件商標と片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標と認められ,本件商標と社会通念上同一と認められる。
また,乙第3号証のスキャナ・ジャパンのホームページに,「卓上レターボム探知器」の文字と共に表示された「スキャン・メール」も,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)乙第9号証の確認書によれば,スキャナ・ジャパンは,被請求人(商標権者)から「卓上レターボム探知器」に商標「スキャンメール」並びに「SCANMAIL」を使用することの許諾を得ているものであるから,本件商標の通常使用権者であることが認められる。
(4)小括
以上によれば,被請求人は,本件の商標登録取消しの審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件商標の通常使用権者であるスキャナ・ジャパンが,取消請求に係る指定商品中,「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品「郵便不審物選別装置」に,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認められる。
3 請求人の主張について
請求人は,「スキャナ・ジャパンが本件商標の通常使用権者である」として提出した「確認書」について,口頭審理並びに証人尋問によりその事実を明白にすべき旨主張するが,被請求人は,答弁書において「商標権者である被請求人が使用を許諾したスキャナ・ジャパン・・」と述べていること,「被請求人は,従前,本製品の製造元である英国スキャナMSC社(Scanna MSC Ltd.)と代理店契約を締結し,その商品を輸入・販売してきたが,英国スキャナMSC社は,日本法人(スキャナ・ジャパン)を介した輸入・販売も行うこととなった・・郵便不審物選別装置に商標『スキャンメール』並びに『SCANMAIL』を使用することを,被請求人が許諾するに至った」と述べていること及びスキャナ・ジャパンの代表取締役による本件商標の使用許諾に関する「確認書」(乙第9号証)の記載内容を総合して勘案すれば,商標権者は,スキャナ・ジャパンに対し,本件商標の通常使用権を許諾しているものということができる。
したがって,スキャナ・ジャパンは,本件商標の通常使用権者であると認められる。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録取消しの審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件商標の通常使用権者であるスキャナ・ジャパンが,取消請求に係る指定商品中,「磁気探知機・超音波応用探知機等の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品「郵便不審物選別装置」に,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたものである。
したがって,本件商標は,商標法第50条の規定により,請求に係る指定商品についての登録を取り消すべきでない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2012-07-17 
結審通知日 2012-07-19 
審決日 2012-07-31 
出願番号 商願平7-120456 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (009)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 岩本 和雄 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 亨子
鈴木 修
登録日 1997-08-08 
登録番号 商標登録第4039352号(T4039352) 
商標の称呼 スキャンメール 
代理人 藤田 雅彦 
代理人 香原 修也 
代理人 広川 浩司 
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